
2025年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第6戦公式予選が9月14日(日)に筑波サーキットで行われ、津田充輝(ファーストガレージ制動屋KKS2)がチームメイトの酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)に0.084秒の差でポールポジションを獲得した。
9月中旬になりようやく酷暑からは解放された筑波サーキットは前日の雨に続いて朝からどんよりとした曇り空。それでも気温はじわじわと上昇していて、午前10時25分のコースオープン時点で気温28.8度、路面温度35.3度。朝に少し雨が降ったこともあり、レコードラインは乾いているものの縁石が濡れている個所がありそうだ。
筑波サーキットは8月に路面の改修が行われていて、第1ヘアピンの手前からダンロップコーナー先の80Rまでの区間の舗装が新しくなっている。第1ヘアピンへのブレーキングを開始するあたりから路面が変わっているため、前日の練習走行でも挙動を乱す車両が散見された。
ファーストガレージの佐々木孝太アドバイザーにこうした路面補修の際にドライバーにどのようなアドバイスを行うか聞いたところ「路面が再舗装されると通常はグリップが上がるが、今回はそれほどの変化がないというのがドライバーの第1印象だったようだ。それでも走行を重ねるにつれて次第にグリップが上がってくると予想され、そこでコーナー進入時のアンダー/オーバーステアの特性が変わってくるので、そのあたりに気を付けるようにドライバーには注意した」
「また今日は朝まで雨だったのでまだ路面が一部ウエットだが、路面が変わったことで、従来ウエットの時はワイドに回っていたコーナーがタイトに回れるようになる場合もあるので、その変化にもアジャストが必要になる」とのことだった。
第5戦優勝の酒井を先頭に11台のS-FJがコースイン、20分間の予選がスタートした。
まずは残り時間17分30秒、ウオームアップを終えて計測2周目に津田が58秒921のトップタイムを出す。2番手酒井59秒355、3番手切替悠喜(ファーストガレージRSD制動屋KKS2)が59秒450で3番手と、ファーストガレージ勢がトップ3に立つ見慣れた状況。
しかし今回はひと味違っていて、計測3周目に今回レースデビューの濵邊誠己(ELEVレーシングKKS2制動屋)が59秒169を出して2番手につける。モータースポーツ経験はレンタルカートのみながら、5年前からフォーミュラマシンをドライブしていたという18歳が、いきなり才能の片鱗を見せる。酒井3番手、切替4番手に続いて5番手に内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)が59秒939,6番手59秒998で秋山健也(スーパーウインズKKS2)がマズターズクラスのトップにつける。
残り15分30秒、酒井が58秒836を出してトップに出る。津田は58秒878とタイムを更新するが2番手に後退。濱邊は3番手。4番手相田有羽音(ZAP SPEED 10VED)の59秒218.さらに残り15分に切替が59秒156で5番手から3番手へ。津田は自己ベストを58秒859と縮めるも酒井も58秒615をマークして0.244秒の差をつける。佐藤颯太(ELEVレーシング10VED)が59秒536で6番手に上がるが、秋山がすかさず59秒395で逆転する。
残り13分30秒、津田はタイムを縮め58秒744で酒井と0.159秒の差。濱邊が58秒955で切替を逆転し3番手。津田は続く周回にさらに58秒518とついに酒井を0.097秒上回りトップに返り咲く。酒井~濱邊~切替と続き、相田が59秒130で5番手へ上がる。2台が出場のジェントルマンクラスは総合6番手に秋山、総合8番手にクラス2位の畠山退三(Hobbybase&zap-ED)がつけて予選は後半戦へ。
残り時間8分。津田はセクター1で全体ベストを出すとこの周58秒499とさらにタイムを短縮。そして残り6分に濱邊が自己ベストを58秒953と縮めるが、直後に相田が58秒931と濱邊を上回り3番手へ。
残り3分30秒。いったんピットに戻って微調整をおこなったらしい酒井がペースを上げて58秒583と津田まで0.084秒と迫るが、これ以上のタイムアップは果たせず津田のポールポジションが確定した。2番手酒井。そして相田が残り2分30秒に58秒900までタイムを縮め予選3番手、4番手も58秒943で切替に確定かと思われたが、5番手に落ちていた濱邊がチェッカー後の周回で58秒890と0.010秒相田を上回るタイムを叩き出して3番手に返り咲き。デビュー戦でセカンドロウを獲得した。相田4番手、切替5番手で、マスターズクラストップの秋山が総合6番手につけた。7番手内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)を挟んでマスターズクラス2番手畠山が総合8番手という結果になった。
決勝は午後3時8分スタート予定。ここ数戦急成長ぶりがうかがえる津田が酒井といかに戦うか、そして「満を侍して」チームから送り込まれたルーキー濱邊がどんな立ち回りを見せるかも注目だ。





Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
SEPTEMBER RACE MEETING in TSUKUBA -RIJ- (2025/09/14) Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2025 筑波/富士スーパFJ選手権シリーズ Round 6 筑波サーキット 2.045km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | *52 | | | 津田 充輝 | ファーストガレージ制動屋KKS2 MYST KK-S2 | 58.499 | - | - | 125.848 |
| 2 | 55 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージKK-S2 MYST KK-S2 | 58.583 | 0.084 | 0.084 | 125.668 |
| 3 | 72 | | | 濵邊 誠己 | ELEVレーシングS2制動屋 MYST KK-S2 | 58.890 | 0.391 | 0.307 | 125.013 |
| 4 | 14 | | | 相田 有羽音 | ZAP SPEED 10V ED TOKYO R&D RD10V | 58.900 | 0.401 | 0.010 | 124.992 |
| 5 | *51 | | | 切替 悠喜 | ファーストガレージRSD制動屋KKS2 MYST KK-S2 | 58.943 | 0.444 | 0.043 | 124.900 |
| 6 | 3 | M | 1 | 秋山 健也 | スーパーウインズKKS2 MYST KK-S2 | 59.395 | 0.896 | 0.452 | 123.950 |
| 7 | 22 | | | 内藤 大輝 | RCIT RaiseUP ED MYST KK-S2 | 59.399 | 0.900 | 0.004 | 123.941 |
| 8 | 38 | M | 2 | 畠山 泰三 | Hobbybase & ZAP-ED MYST KK-S2 | 59.461 | 0.962 | 0.062 | 123.812 |
| 9 | *91 | | | 佐藤 颯太 | ELEVレーシング10V ED TOKYO R&D RD10V | 59.477 | 0.978 | 0.016 | 123.779 |
| 10 | *39 | | | 池田 悠亮 | トップランクスーパーウィンズ MYST KK-S2 | 59.903 | 1.404 | 0.426 | 122.899 |
| 11 | *59 | | | 村上 太晟 | ファーストガレージKK-S2 MYST KK-S2 | 59.986 | 1.487 | 0.083 | 122.729 |
| ---- 以上基準タイム(130% - 1'16.254)予選通過 ---- |
- CarNo. 52, 51, 91, 39, 59は、筑波サーキット一般競技規則第19条1(走路外走行)違反により当該周を採択しない。
2025年JAF地方選手権、スーパーFJ筑波・富士シリーズ第6戦は9月14日に筑波サーキットで開催された。11台のエントリーの中に今回初のS-FJレースを迎えた選手が2名いた。前日の練習走行の合間にショートインタビューを行った。
59号車「ファーストガレージKK-S2」をドライブする村上太晟(たいせい)はレース未体験だ。

――今までのモータースポーツ歴は?
「シミュレーターしかやったことがなくて、実車のレース経験はほぼ無いです」
――ここまでの習熟度合いは?
「今回がスーパーFJでの初レースとなるのですが、いろいろなチャレンジがまだ克服できてないので、練習で頑張っている最中です」
――練習はどのくらい積んだ?
「テスト走行を2、3回ぐらいやった程度ですね。スーパーFJが2日前で、まだ慣れていないです」
――シミュレータと実車の違いは感じる?
「シミュレータと実車の差はあまりなくて、加速度とかGフォースが一番大きな違いで、そこに慣れるところまでがシミュレータからの乗り換えのポイントで、まだまだですが、ちょっと慣れてきました」
――先月路面改修があったのだが?
「(補修があった)第1ヘアピンからダンロップコーナーの先までがよりグリップする感じで、急に変わるのでその差が掴めていないです」
――金曜日にウエット路面の経験もできた?
「かなり雨が降って、いろいろ新しいチャレンジが多いですね」
――今回のレースの目標は?
「まずはビリにならないことが目標です」

72号車「ELEVレーシングKKS2制動屋」の濵邊誠己(ハマベマサキ)18歳の高校生。フランスのSodiKart社のカートを導入している世界各地のSODI公認レンタルカートサーキット(日本国内には20か所以上)でのレースリザルトにより各国代表が選抜されて出場する「Sodi World Series」という国際大会に日本代表として出場の経験がある。

――今までのモータースポーツ歴は?
「基本レンタルカートのレースのみ出ていて、中学時代からジュニアクラスのレンタルカートの世界大会に出たりしていました。Sodiのカートを使ってレースをしている日本のサーキットシリーズがあって、そので年間のランキング上位に日本代表として出場の権利が与えられる仕組みです。自分は2018年、19年と2022年の3回ワールドシリーズに行っています。2019年は3位になって、それ以上は取れなかったですが、毎年いい経験をしながら戦績も残しつつやってきました。フォーミュラのレースは今回が初めてです」
――今何歳?
「6月に18歳になって自動車免許を取ったばかりです」
――練習はどのくらい積んだ?
「フォーミュラのドライブ自体は13歳の時にELEVさんで行っていた体験会に参加した所から始まっていて、筑波サーキットのジムカーナ場からコース1000、2000とずっとスポーツ走行で走ってきました。一応走行の経験はありますけれど、最後にレースに出たのが2022年の世界大会以来なので、ブランクがありますし、(フォーミュラのレースは)初めてで知らないことも多いですね。挑戦者の気持ちというのは忘れずに、やれることをやろうとは思っています」
――カートからの乗り換えは苦労しなかった?
「やっぱりカートの時にできた癖というものが悪い形で引き継がれた面もあって、そこを取り除くためにはちょっと苦労しました。今はもう何年もフォーミュラに乗ってきてはいるので、慣れてはきました」
――先月の路面改修により変化は気になった?
「路面がよくなった方向で、さほど苦労はしていないです」
――第1ヘアピンでいろんなラインを試していたが?
「ドライの時の正解はひとつなのでそこに合わせに行くのですが、雨の時はどのラインでどれぐらいグリップするのかというのはまだ(わからない)。昨日が雨の筑波2000の初走行だったので、まだ試し試しでやっています」
――今回のレースの目標は?
「目標はもちろん優勝ですが、謙虚に、ひとつでも上の順位で終わることを最低条件として、やって行こうと思います」
方やレンタルカートとはいえ世界大会を経験して13歳からフォーミュラをドライブ経験があり、一方はスーパーFJ初ドライブが数日前。と対照的ともいえる二人だが、初めての本格的なレース参戦にドキドクとワクワクが混じっているのは共通なようだ。インタビューの後のスポーツ走行では途中からの雨にも関わらず走り込みに励んでいた。よいレースを期待したい。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA

9月14日、インターコンチネンタルGTチャレンジ(IGTC)の第4戦として開催された伝統のレース「鈴鹿1000km」に、国内トップドライバーを擁して臨んだ「チーム・ハンドワーク・チャレンジ」は、ゴールまで2時間を残してトラブルが発生。リタイアに終わった。
それでも、今回監督を務めたB-Maxレーシングチームの組田総代表は、参戦による収穫はあったとして、来年以降のGTカーレースへの参戦を示唆した。
参戦目的はGTカーレースを視野に入れたチームの強化
「ハンドワーク・チャレンジ」は、国内フォーミュラシリーズを中心に戦うB-Maxレーシングチームが属する、B-MAXグループの企業名を冠したプロジェクト。本来は、GTカーレースへの参戦を希望するジェントルマンドライバーのために立ち上げたものだ。
ただ、今回の鈴鹿1000kmへの参戦は「プロジェクト継続のための⾞両性能確認」を謳いながらも、国際イベントへの参加によってチームの経験値を上げ、近い将来のGTカーレース参戦を視野に入れている。

国内トップドライバーを揃え、保有するGT-Rで上位進出を狙う
チームの経験値を上げ、リザルトを残すために、ドライバーは強力トリオに白羽の矢を立てた。1人目は、B-Maxと縁のある現役SUPER GT・GT500ドライバーの佐々木大樹。2人目は、佐々木のパートナーであり、スーパーフォーミュラ(SF)にも参戦する三宅淳詞、そして、3人目は、昨シーズンB-MaxからSFに参戦し、今年はSUPER GTなどで活躍する木村偉織だ。
車両は、フェラーリ296など新たな高性能GT3車両が次々と登場するなかで、旧型ともいえるGT-RニスモGT3を使用する。それでも、長丁場のレースなら上位入賞の可能性は十分にあると踏んでの参戦だ。
トラブルから始まったレースウィーク
走行初日の金曜日は、昼間と夜間に練習走行が組まれたが、エンジンが始動しないトラブルに見舞われ、十分に走行することができなかった。
深夜までかかって、原因と思われる配線を交換し、翌日午前中の走行では、総合7位、プロクラス4位のタイムをマーク。ようやく本来の力を発揮してチームスタッフも胸をなでおろした。

予選では国際レースの洗礼を受け、14グリッド降格
3人の平均タイムで決まる予選では、木村、三宅、佐々木がともに、2分1秒から2秒台のタイムをマークし、暫定結果では総合12位と、まずまずの位置で予選を終えた。
しかし、夜になって、佐々木は赤旗提示時の減速が十分ではなかったとして、ベストタイム抹消。これで総合順位は21位にドロップ。さらに、木村も黄旗が提示された際の減速が不十分だったとして、決勝グリッドを5つ降格のペナルティを課せられてしまった。
安全に対して厳格な運営をする国際シリーズの裁定基準を、十分に把握していなかったことによるものだった。国内レースでは見過ごされることも、国際イベントではそうはならず、12番グリッドから一気に26番グリッドスタートになるという代償を払うことになった。

トラブルでレースを終えるも、GTレースへの継続参戦の可能性は高まる
決勝は、予選上位のBMW、メルセデス、ポルシェのワークス勢が逃げる展開になり、ハンドワーク・チャレンジGT-Rは、中団の総合13位あたりで、国内チームの5ZIGEN GT-R、グッドスマイル・メルセデスなどと国内チーム首位の座を争うことになった。
結局、ハンドワークは、2巡目の三宅がドライブ中に、2時間を残してエンジントラブルでリタイアしてしまい、リザルトを残すことはできなかった。
しかし、レース後、組田総代表は、この参戦を足がかりに、GTカーレースに継続参戦し、近い将来、国際基準のシリーズに参戦することを示唆した。
国内ではいまだ人気の高いGT-Rだが、性能調整があるとはいえ、ポテンシャル的にはやや厳しいものがある。B-Maxがレース活動で培ったノウハウでどこまでやることができるのか、その挑戦が楽しみだ。
Text&Photo: Shigeru KITAMICHI
優勝 兒島弘訓(ZR WINMAX VITA)
「ここまですごいバトルを、レース全周にわたってできたというのは今シーズン初めてだったので、それがすごい刺激になりました。中盤でのペースが柿沼さんに対してビハンドがあったので、ちょっと練習走行の時と同じ差かなと思ったのですが。後半のペースは僕の方がよさそうだったので、そこをちょっと冷静に見ながら、残り2周で抜くと決めて、そこに照準を合わせて。ちょっとずつミラーに見せてタイヤ削りながらという感じでした」
2位 柿沼一峰(プラチナ恵比寿制動屋NUTECVITA)
「すごいバトルでした。あんなに毎周ずっとバトルをして疲れました(笑)。抜かれて抜いて、抜かれて抜いて、何回それをやったか覚えていないぐらいずっとやっていました。クリーンにバトルできて当たらなくてよかったです。ホントによかった」
3位 カワモトミツル(シンエイジャパン&オートルックVITA)
「スタート直後の1コーナーのバトルでホイールを接触してしまってから速度が上がらなくなりました。だから前のバトルを指くわえて見ていました(笑)。3位で御の字です。前の2台の最高のバトルを楽しみました。あれは柿沼選手がしんどかったでしょうね。あの中に入っていたら私もきつかったと思います。今回は3位で十分です。あれ以上はクルマも無理だったので(スピードが)出ませんでした」
4位 志賀卓弥(シードソリューション・マーズ01)
「カワモトさんについていくだけでもう必死で、離されないように頑張ったのですが。今回は調子が上がらない原因もいくつかあって、それは次回までにクリアして、次のSUGOはいいところに立てるように頑張ります。特にドライバー側ですね、体重増やしてしまったし、あとセッティング出しに練習とかも来られなかったのですし、ぶっつけ本番みたいな感じだったので、次回は練習もセッティングもちゃんと出せるように、時間をつくります」
5位 小松寛子(XCELL-LITEマーズ01)
「予選がダメダメだったので、決勝までの間に監督にいろいろ教えてもらって、できるだけ集中力あげて頑張ったら、まわりがどんどんと(笑)倒れていったので。それでも1台自分で抜くこともできたので、結果としてはよかったかな、と思っていて、全体としてはよいレースだったと思います」
6位 平川圭介(ELEVレーシングドリームVITA)
「6位ですか、ちょっと嬉しいですね。90度コーナーで大スピンしてしまって(苦笑)。それでなんとか追い上げようというところだったのですが、ちょっと周回数が足らず、不甲斐ない結果になってしまいました。セッティングもできていなくて、練習走行に比べて新品タイヤのフィーリングがよくなくて、いまいちな結果になりました。90度のスピンはブレーキでタイヤをロックさせてしまいました。でもグラベルにはまらずにすぐ復帰できてよかったです。11月のもてぎでリベンジするので、そこでいい結果を残せたらなと思います」
Text: Junichi SEKINE

VITAもてぎSUGOシリーズ第4戦決勝が8月31日(土)にモビリティリゾートもてぎで行われ、フロントロウから発進の兒島弘訓(ZR WINMAX VITA)が柿沼一峰(プラチナ恵比寿制動屋NUTECVITA)とスタートからゴールまでバトルを繰り広げて0.585秒差でフィニッシュ。優勝を遂げた。
午前中の予選に続いて行われた第4戦決勝は午後3時15分にコースイン開始。さすがも猛暑もすこしやわらいできたが気温31.9度、風が抜けるストレートの路面温度はやや下がったようだがまだ熱い。9台のVITA-01がグリッドに整列しレーススタート。10周または30分間の戦いが始まった。
ポールシッターの兒島がホールショットを奪い第1コーナーへ飛び込む、2番グリッド柿沼、3番グリッドカワモトとグリッド通りにスタートしたが、蹴り出しのよかったカワモトがアウトから柿沼に並びかけてターンインで接触。柿沼はイン側の縁石に乗って暴れるマシンを御して並走のままでコーナーを抜け、2位のポジションを守る。その後方では6番手スタートの窪田俊浩(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)が第3コーナーへのブレーキングで5位志賀卓弥(シードソリューション・マーズ01)のインからオーバーテイク、その勢いのまま第4コーナーに向けて4位イシカワヨシオ(東京IRCニルズvivoVITA)のイン側にノーズをねじ込むが、ここで接触して両車スピン。イシカワはグラベルストップ。
オープニングラップを終えてトップ兒島と2位柿沼は0.631秒の差、3位カワモト1.559秒差。その後方には上位の混乱に乗じてポジションを上げた4位志賀、5位平川圭介(ELEVレーシングドリームVITA)、6位小松寛子(XCELL-LITEマーズ01)、7位山口心愛(FIRSTGARAGE大和設備工業VITA)と続く。接触があった窪田は再スタートするもそのままピットに戻りガレージイン。イシカワの方はオフィシャルの手でコースに戻され1周遅れでレースに復帰する。
2周目に入ると柿沼がペースアップ。2分14秒903とトップ兒島より0.3秒以上速いラップタイムを刻んで0.318秒差まで接近する。カワモトはこの2台のペースについていけないか2秒以上にギャップがひらいている。4位志賀は単独走行で、平川を小松が仕留めて5位に上がってメインストレートに戻ってくる。
3周目、柿沼が第1コーナーで兒島のリヤに張り付くと第3コーナーへのブレーキングでアウトからオーバーテイク、トップに浮上する。しかし兒島はテール・ツー・ノーズで追走。90度コーナーからの加速で柿沼のアウト側に出てセカンドアンダーブリッジを並走。ビクトリーコーナーで前に出てトップの座を奪い返す。平川が90度コーナーで単独スピン、山口が先行して6位に。しかし山口にはジャンピングスタートスタートの判定が下されフィニッシュタイムに5秒加算が課せられることになる。
コントロールライン上でトップ兒島と2位柿沼は0.094秒の差。兒島のスリップストリームから抜け出た柿沼が4周目の第1コーナーでイン側から前に出て再逆転。とはいえ兒島は今回も柿沼を逃がさない。0.116秒差でコントロールラインを通過すると続く5周目にお返しとばかりに第1コーナーでイン伺うが、ここは沼がブロックラインを通って首位を守る。3位カワモトはこの2台から2.6秒後方。4位以下に動きはなく、6位を走る山口と平川のギャップは6.036秒。山口は5秒加算ペナルティを抱えているがこの間合いなら順位を守れる。
5周目を終えてトップ柿沼と2位兒島は依然0.393秒の差、トップ2台だけが2分15秒台で3位以下をちぎる一騎打ちでレースは後半戦へ。兒島は勝負どころを変えて6周目のダウンヒルストレートでスリップストリームから抜け出してインかアウトにラインをスイッチ、90度コーナーへのブレーキングでチャンスを伺うがインを押さえた柿沼がポジションを守る。兒島は7周目のヘアピンで今度はアウト側から仕掛けるがここも柿沼がうまく抑え込む。オーバーテイクのチャンスを模索する兒島とそれを阻止する柿沼の息詰まる攻防が展開する。後方では5秒のペナルティをめぐる6位の山口と7位平川の間で続きがあり、7周目平川が山口とのギャップを3.743秒まで縮め実質6位に順位を戻す。
8周目のS字のアプローチでついに兒島が突破口を見出す。柿沼のインにノーズをねじ込むと、サイド・バイ・サイドで左~右と駆け抜けV字コーナーでインを奪ってオーバーテイクに成功する。トップを奪回された柿沼が逆襲を開始、6周目とは立場を入れ替えてダウンヒルストレートで兒島のスリップストリームから抜け出してインから90度コーナーへのレイトブレーキングでみたびトップに返り咲き。両車はテール・ツー・ノーズでコントロールラインを通過し9周目へ。ここで前の周のリプレイを見るかのように柿沼のインを差して兒島がS字で再びトップへ出る。ダウンヒルストレートで柿沼をうまく牽制してオーバーテイクのチャンスを与えずにメインストレートまで戻っていよいよレースはファイナルラップへ。2台の差は0.249秒だ。
第1コーナーから柿沼が兒島のスキを狙って激しくプレッシャーかける。第3コーナーへの加速でサイド・バイ・サイドになると、インから柿沼が先行してターンするが、アウトから進入した兒島がクロスラインでインに切れ込み柿沼の前に出る。S字でも柿沼がインを狙うが兒島が被せて守る。柿沼なおも諦めず90度コーナーで仕掛けにいくがここも兒島がラインを封じると勝負あり。ビクトリーコーナーを立ち上がるとそのままチェカードフラッグの下を駆け抜けて10周に渡ったドッグファイトを制して兒島が優勝を飾った。3位カワモト。トップグループからは7秒以上離されてしまったが、4位以下を寄せ付けずに表彰台を守った。以下4位志賀、5位小松とMARS RACING勢が入り、6位に平川、7位山口となり、オープニングラップの接触~スピンから再スタートを切ったイシカワも1周遅れながら8位完走となった。
VITAもてぎSUGOシリーズ第5戦は10月26日(日)にスポーツランドSUGOで行われる。






Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA
ポールポジション 兒島弘訓(ZR WINMAX VITA)2分14秒439
「もてぎにまだ慣れ切れていないというか、難しい部分がまだあります。タイムのバラつきも大きくて、ピークを出しに行くタイミングがタイヤのおいしい所をちょっと過ぎた時だったので、いまひとつ決めきれていない感じはあるのですが。めちゃくちゃ僅差ですが、なんとかポールを取れてよかったなと思います。昨日からセットをかなり大きく変えて、それは悪くなかったなと。ヤリスのラジアルタイヤの路面になってしまっていて、それを見越してちょっと曲がらない方向にセットしたのがよかったです。昨日の練習走行が3番手だったので、それを考えれば良くはなったかなと思います。決勝が3時半ごろからで多少路面温度下がってくると思うのですが、直前にヤリスカップもありますし、路面は相変わらず悪い状況かなと思うので、タイヤマネジメントをしっかりしつつ。タイム差見ると間違いなく柿沼さんとバチバチのバトルになるだろうなという感じなので、楽しくバトルできればなと思います」
2位 柿沼一峰(プラチナ恵比寿制動屋NUTECVITA)2分14秒481(+0.042秒)
「路面が昨日と違いすぎるので、クルマもぜんぜん止まらなくて。決勝はどうなるか分からないですが、頑張ります。決勝で涼しくなって路面温度も下がってくればいいですね」
3位 カワモトミツル(シンエイジャパン&オートルックVITA)2分14秒815(+0.376秒)
「ちょっとうまくできませんでしたね、タイヤのいいところを使い切れずで。路面にラバーが乗っていたのかな? すごい滑って思ってたより上手にできませんでした。私は経験が浅いのでそういう場合にどうしたらいいか、どう対処したらいいのかは、これから勉強していきます。(前回までと)まったく違う路面になっていて、びっくりした所があって、攻めきれなかったというか、どうしたものかな、という感じですね。それでも兒島選手は上手にこなしていたので、私の実力不足、これも経験を重ねて、次に活かせられればいいかな、と。決勝はせっかく兒島選手みたいな上手な人と走れるので、こういう機会もあまりないので、1個でも2個でも学んで、頑張りたいと思います」
4位 イシカワヨシオ(東京IRCニルズvivoVITA)2分14秒857(+0.418秒)
「なかなか難しいですね。練習中もずっとどんぐり(の背比べ)と分かっていたので、ちょっとでも失敗したらアウトだな、と思っていました。もうちょいこの辺り(3番手)までは行きたかったです。決勝はミスのないように、昨日とかも何回がミスしているし、今年になってからミスが多いのですよ。それを無くせばなんとか3番手ぐらい行けるのではないかな、と思います。体調はもうすっかり、握力も少しずつ戻っていて、腰も大丈夫。あとは暑さだけですね(笑)。昨日もいむらさんダウンしてたし、熱中症対策を十分していっぱい水飲んで。でもあまり飲むと決勝前にトイレ行きたくなっちゃうんですよね(苦笑)。決勝はちょっと夕方で一昨日の午後も走っているので、同じくらい気温下がってくれれば、何とかなるかな」
5位 志賀卓弥(シードソリューション・マーズ01)2分15秒316(+0.877秒)
「なんか全然、今週ダメダメで、思ったタイムも出せず、ちょっと迷走していたのですが。予選もちょっと冷静さに欠けていたような気がするのですが、でも今週はタイムも(全体的に)そんなに出ていないですし、あと前回から体重が8キロ増えてしまって(苦笑)、それもちょっと影響あるみたいで。仕方ないかなと思います」
6位 窪田俊浩(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)2分15秒469(+1.030秒)
「路面が悪いより人間が悪いですね(笑)。路面温度が高いのでタイムはそれなりかな、という気がします。コンディションは皆さん一緒なので、単純に今回初日から調子悪くて、なんか乗り切れていないですね。予選開始前のファストレーンへの進入も勘違いしていて、本来1分前からなのに2分前に出てしまって、とかもう冴えていないです。でも(上位を)狙える位置ではあるので、あきらめずに、ポイント(首位)も守りたいので、粘って頑張りたいと思います」
Text: Junichi SEKINE

VITAもてぎSUGOシリーズ第4戦予選が8月31日(土)にモビリティリゾートもてぎで行われ、兒島弘訓(ZR WINMAX VITA)が2番手の柿沼一峰(プラチナ恵比寿制動屋NUTECVITA)に0.042秒という僅差でポールポジションを獲得した。
8月も終わりというのに一向に猛暑が収まらない栃木県のモビリティリゾートもてぎに9台のVITAが集結。シリーズ参戦している8名に加えて注目されるのVITAもてぎ初見参の兒島で、FIA-F4参戦経験があり、スーパーフォーミュラではチーム無限のデータエンジニアも務めているというマルチタレントで現在筑波シリーズ3連勝中なだけに目が離せない。
15分間の予選は午前10時コースオープン。この時間ですでに気温31.7度、路面温度50度超という厳しいコンディション。兒島を先頭に全車がコースインしてタイムアタックを開始。まずは計測1周目、兒島が2分15秒061でトップ。続いて2番手に15秒284のカワモトミツル(シンエイジャパン&オートルックVITA)、3番手15秒777の窪田俊浩(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)、とシリーズの上位ランカーが続く。4番手はイシカワヨシオ(東京IRCニルズvivoVITA)の15秒823。昨年は最終戦で惜しくもチャンピオンを逃し今年こそと意気込むイシカワはここまでシリーズ4位。
残り時間8分、カワモトが2分14秒815のトップタイムをマークするが、すかざず柿沼が14秒503で逆転。兒島3番手にドロップ。イシカワは15秒429で4番手を守り、窪田5番手にドロップと目まぐしくポジションが入れ替わる。6番手は志賀卓弥(シードソリューション・マーズ01)、7番手小松寛子(XCELL-LITEマーズ01)とMARS RACING勢が並ぶ。志賀は目下ランキングトップの窪田とは2.5ポイント差のシリーズ2位だ。小松も2回入賞でランキング7位につけている。
いったん3番手に落ちた兒島だが残り時間5分40秒に2分14秒439を叩き出してトップに再浮上。このあたりで各車タイヤのピークが終わったか自己ベストを更新するが少なくなる中、イシカワが2分14秒台に入れて14秒857を出すも4番手変わらず。そして残り3分、2番手の柿沼が2分14秒481と兒島に迫るが0.042秒届かない。さらに平川圭介(ELEVレーシングドリームVITA)、山口心愛(FIRSTGARAGE大和設備工業VITA)がそれぞれ15秒210、17秒216と自己ベストを更新するがポジションは7番手、9番手で変わらず。
15分が経過しチェカードフラッグが振られて予選は終了。上位に変動はなくトップ兒島、2番手柿沼、3番手カワモト、4番手イシカワ、5番手志賀、6番手窪田、7番手平川、8番手小松、9番手山口という結果になった。
決勝は本日午後3時25分スタート予定だ。





Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA
優勝 金澤力也(ファイブコアジャパンv.Gra)
「予選の後にも言った通り、決勝の間うまくタイヤマネジメントして、タイヤをタレさせないような運転ができて、後半までペースが維持できたので、自分なりにはいいレースができたと思います。開幕戦はクルマの調子がよくて勝てて、今回もよかったのですが、その間の2レースがちょっとよくなくて。それがなかったらチャンピオン狙えたので、ちょっと悔しいなとは思いますね。チャンピオン取れなかったので、来年も出るかもしれません(笑)」
2位 山下亮生(AKILAND RACING)
「金澤選手が速くて、すごい頑張ったのですが、追いつけなかったです。無理してもよくないなとは思ったので、少しだけ(笑)安全パイを引きながらも必死に追いかけました。でも追いつけなかったので、素直に『おめでとう』とお祝いの言葉を贈りたいと思います」
3位 イノウエケイイチ(ワコーズ三和EDニルズ)
「なんとか抑えきってしまいました(笑)。前に出て、そのまま行くのかなと思ったら離れなくて。最後ミスしたので(再逆転した)、という感じでしたね。まぁまぁ付いていけたので」
4位 OOKA(G-TECH)
「スタートは失敗してしまいました。それで最下位近くまで落ちて、そこからはもう死ぬ気で走ろうと頑張っていたら、かなりいいところでは挽回できて4位まで行けたのはよかったと思います。レースとしてはすごく楽しかったですね」
5位 いむらせいじ(オートルックV.GRANZ)
「これは今の実力でございます、ちょっと射程距離じゃなかったので。スタート決まって3位には上がれたのですが、路面温度も高くて、ちょっとミスでペースが落ちてしまうので。イノウエ選手も頑張っていたので、序盤はちょっとやり合っていたのですが、そうしたら後ろからどんどん来ちゃうので、もう譲っていかせて最後の方で(勝負)と思っいたら、集中力切れて(苦笑)、暑いし『5位でいいや、後ろいないし』となってしまって。ちょっとでもスキがあったら行ってやろうと思っていたのですが、差が縮まるわけでもなく10周終わった、という感じです」
6位ハヤシヒロキ(ZENKAIRACING Winmax vGranz)
「この前(7月)もその前(5月)の大会も出ていたのですが、8月やはり気温も路面温度も高くて。もうめっちゃしんどかったです。今回は1位2位の金澤君とか山下君が若手枠というか、速い2人でばーっと行ってましたが、3番以降のところは4台5台が同じようなタイムレンジだったので、そこでうまいことワチャワチャやりながら楽しくレースできて。一発狙ってやろうかと思っていましたが、みんな速い方ばかりで、そんな易々とは上に行けなかったですね。でも皆さんと一緒に絡んでレースがやれて、レースの場でいろいろとコミュニケーション取れるのが、やっぱり楽しいです。こういうレースを他のところでもいっぱいやって欲しいし、継続して運営していただきたいなと思います」
Text: Junichi SEKINE

v.Granzもてぎシリーズ最終第4戦決勝が8月30日(土)にモビリティリゾートもてぎで行われ、ポールポジションからスタートの金澤力也(ファイブコアジャパンv.Gra)が一度もトップを譲らず10周を走り切りトップチェッカー、優勝を飾った。2位には山下亮生(AKILAND RACING)が入りシリーズチャンピオンを獲得した。
決勝は午後2時20分にコースイン開始。気温は36度を超え、路面温度も60度超という猛暑を超えて炎暑といえそうな厳しいコンディションだ。
予選の際にパドルシフトのトラブルを抱えていたイノウエケイイチ(ワコーズ三和EDニルズ)も修復なったとのことで9台のv.Granzがグリッッドに整列しレースがスタート。
ポールシッターの金澤、2番手山下とフロントロウの2台がポジションを守って第1コーナーへ飛び込んだのに対して3番グリッドのOOKA(G-TECH)が課題と言っていたスタートで失速して大きく順位を落とし、いむらせいじ(オートルック V.GRANZ)3位へアップ。そして6番手スタートのイノウエがインサイドから5番手スタートの西濱康行(Arcobaleno V.Granz)を差して4位にポジションを上げる。OOKAは最後尾で第2コーナーをターンするが、第3コーナーへ向けての加速で前を行く牧野淳(JAMC麻布ワコーズEDニルズ)をオーバーテイク、8位へ上がる。
トップ金澤は山下をやや引き離しオープニングラップだけで1.374秒の差をつける。対していむらとイノウエは3位を争ってテール・ツー・ノーズ状態で戻ってくると、コントロールライン上ではサイド・バイ・サイドの0.087秒差でいむらが僅かに先行。5位ハヤシヒロキ(ZENKAIRACING Winmax vGranz)と6位西濱も0.514秒差と接近戦で、さらにヘアピンで前を行く國廣隆一(R estate Racing with Rn-S)も仕留めたOOKAが西濱と0.519秒差の7位まで浮上している。
いむら対イノウエの3位争いは続く2周目の第1コーナーでイノウエがアウトから仕掛けるがイン側いむらが順位を守る。しかし続く第5コーナーで今度はイン側からイノウエがブレーキング勝負に持ち込みオーバーテイクに成功する。これでイノウエ3位、いむら4位となり、バトルの間に後続も接近。5位グループのハヤシ~西濱~OOKAもすぐ後ろに迫っている。その中で動きを見せたのが勢いのあるOOKAでS字の出口で西濱を抜いて6位に進出すると。90度コーナーでアウトからハヤシに並びかけてターンイン、セカンドアンダーブリッジで前に出てこれで5位。
2周目を終えてトップ金澤と2位山下の差は1.443秒。3位以下はそこから5秒以上離れてレースは早くも一騎打ちの様相。
3周目、6位を争うハヤシと西濱が第3コーナーへの進入でサイド・バイ・サイドになると僅かに接触したか、イン側西濱がスピン。ただちにレースに復帰するが最下位まで順位を落としてしまう。
勢いにのって順位を挽回するOOKAが、イノウエとの3位争いに敗れたいむらに接近。0.145秒差で4周目に入るとテール・ツー・ノーズ状態で追走。第1コーナーでアウトから狙うがここはラインがワイドになりいむらが守る。しかしOOKAはプレッシャーをかけ続け、ダウンヒルストレートで右サイドに出るとインから90度コーナーへのブレーキングでオーバーテイクに成功、4位に上がる。トップ金澤は山下に対して4周目で2.230秒差と着実にリードを拡げている。
元々予選3番手と速かったOOKAの挽回はさらに続き、5周目には3位イノウエをロックオン。ペースは明らかにOOKAが速く、4周目に0.9秒あった差が5周目に入ってみるみる縮まり、テール・ツー・ノーズでダウンヒルストレートを通過、イノウエがなんとかポジションを守って最終コーナーを抜けるが、メインストレートでは0.083秒差と並走状態で6周目に突入。OOKAが勝負を仕掛けたのは第3コーナー。ブレーキングで僅かに先行するとそのまま大外刈りでイノウエを仕留めて3位に返り咲く。しかし黙って引き下がるイノウエではなく、第5コーナーから130R~S字とOOKAを攻め立てる。このバトルの間にいったんは引き離されたいむらも追いついて三つ巴の展開に。こうなるとイノウエは前を追いつつ後方も抑えなければならない展開。
6周目にトップ金澤は2分4秒826とこの日のファステストラップを叩き出して、2位山下との差を2.935秒まで拡げて独走状態。3位OOKA、4位イノウエ、5位いむら、6位ハヤシと続く。
後半戦に入って上位のポジションが落ち着き始めている中で3位争いは接近戦が続き、OOKAを先頭にイノウエ、いむらまでが6周目0.677秒差、7周目1.177秒差、8周目1.624秒差と僅かずつ拡大しているがワンミスが命取りの展開だ。
そのミスが出たのが9周目のOOKA。9周目の90度コーナー手前でミスがあり失速。イノウエに逆転を許してしまう。OOKAは再度挽回すべくイノウエを追うが、ビクトリーコーナーではラインがワイドになり縁石ぎりぎりで持ちこたえる間に0.470秒差まで離される。一方トップ7金澤は山下に5.947秒の大差をつけてファイナルラップへと入り、最後まで2分4秒台のペースを崩さずフィニッシュラインを通過。今シーズン2勝目を飾った。2位は山下、優勝でチャンピオンを飾る希望はかなわなかったが、しっかりゴールまでマシンを運んでチャンピオンを獲得した。山下によるとレースキャリアを通じてひとつのシリーズでチャンピオンを獲得するのは初めてのことだそうだ。3位フィニッシュは9周目の逆転で表彰台を獲得したイノウエ、4位OOKAはスタートミスからオーバーテイクショーを演じてみせてくれたが惜しい結果に。以下5位いむら、6位ハヤシというトップ6になった。






Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA
Junichi SEKINE
ポールポジション 金澤力也(ファイブコアジャパンv.Gra)2分4秒310
「今回はクルマもバランスよく仕上がっています。決勝はたぶん路面温度がかなり高くてタイヤにはきついと思うのですが、うまくタイヤマネジメントしながら、ペースを落とさず、守り切れればなと思います。チャンピオン争いは僕が勝ったとしても山下君が4位以上入れば取られてしまうので、そこはどうなるか分かりませんが、まずは今回のレースでベストを尽くせればなと思います」
2位 山下亮生(AKILAND RACING)2分4秒546(+0.236秒)
「ポールを取りたかったので、正直悔しい気持ちが多いです。でもレースは何があるかわからないので、最後までプッシュして、格好よく決められたらいいなと思います。自信はないのですが、優勝してチャンピン決められたら格好いいなと思うので、できるように頑張ります。(最近2連勝で)クルマにもかなり慣れてきて、走らせ方もだいぶわかってきましたので、勢いのまま行きたかったのですが、中々金澤君も速かったので、いいバトルしながらチェッカー受けられればいいなと思っています」
3位 OOKA(G-TECH)2分5秒479(+1.169秒)
「1秒1は僅差ですね。スリップストリームをつかわせて貰おうと思っていたのですが、1番に(コースに)出て行ってしまったものですから、待っていてもなかなか後ろが来なくて。もう開き直って自分一人で走っていました。私スロースターターなものですから、ほんとは一番タイヤがいい時に(アタックを)やりたいのですが、段々後から調子がよくなるので(苦笑)。でも3位になれたので、よかったです。決勝はスタートが課題ですので、スタートうまく行って、そのままポジションキープしてなんとか表彰台に行けたら、というふうに思っています」
4位 イノウエケイイチ(ワコーズ三和EDニルズ)2分5秒652(+1.342秒)
「ピットインしたのは 昨日ミッションが壊れて、それを確認したらやっぱりシフトが入らなかったので、そのエラーを消したりしていました。解決はしなかったのですがとりあえず応急処置で出ました。決勝までに解消します。とにかく暑いので、いむらさんが少しでも上にいけるように補助しますよ(笑)」
5位 いむらせいじ(オートルック V.GRANZ)2分5秒661(+1.351秒)
「暑くなって路面温度も高くなって、きついのはわかっていたので、2分5秒台前半にいければと思って走っていたのですが、5秒6どまりでした。でも昨日の最終のセッションと同じような感じだったので、その時6秒切れなかったことを考えれば、タイイヤがよかった分ちょっと上がったのかな。1位2位の人はもう届かないと最初から思っていたので、2番手グループでなるべく粘れるように頑張りたいと思います」
6位 西濱康行(Arcobaleno V.Granz)2分5秒752(+1.442秒)
「最後バランス崩して回ってしまいました。流して走っていたのですが、気が抜けてたみたいで(苦笑)。ニュータイヤでこの路面温度で走るのが初めてだったので、とりあえずタイヤと路面の感じを見ながら徐々にタイムを上げて行って、ここまで来られたという感じです。上手な人たちと大きくは水を開けられなかったので、今のタイムとポジションは満足しています。v.Granzでもてぎに参戦させていただくのは2回目で、毎回1年ぶりなので、慣れたかと言われるとなんとも言えないですが(笑)、与えられた時間でできる限り習熟したいなと思って取り組んでいます」
Text: Junichi SEKINE

v.Granzもてぎシリーズ最終第4戦予選が8月30日(土)にモビリティリゾートもてぎで行われ、シリーズランキング2位の金澤力也(ファイブコアジャパンv.Gra)が2番手に0.236秒の差でポールポジションを獲得した。
8月最後の週末を迎えたもてぎだが、朝から夏の太陽が照り付けて温度はどんどん上昇。午前11時55分のコースオープン時点で気温34.5度という厳しいコンディションだ。
國廣隆一(R estate Racing with Rn-S)を先頭に9台のv.Granzがコースインして15分間の予選が始まるが、昨年のチャンピオンで今年初参戦のイノウエケイイチ(ワコーズ三和EDニルズ)が計測ラップに入らずピットイン。前日から発生していたミッションの不具合が解決していないとのことで、リヤカウルを開けて応急処置にとりかかる。
計測1周目のトップはOOKA(G-TECH)の2分5秒723、2番手に6秒778で西濱康行(Arcobaleno V.Granz)がつける。西濱は昨年10月のもてぎv.Granz第2戦で2位に入って以来の参戦だ。
残り時間10分を切ってタイムアタックが本格化。まず金澤が2分5秒662でトップに立ちOOKA2番手にドロップし、残り時間8分にはいむらせいじ(オートルック V.GRANZ)が6秒007で3番手に浮上。西濱も自己ベストを2分6秒140まで短縮するが4番手にドロップ。
残り時間7分、金澤はトップタイムを2分4秒579まで短縮して予選は後半戦。以下。2番手OOKA、3番手いむら、4番手西濱と続き、5番手にはシミュレータでおなじみ「ZENKAI RACING」代表のハヤシヒロキ(ZENKAIRACING Winmax vGranz)が6秒309で上がってくる、6番手國廣、7番手牧野淳(JAMC麻布ワコーズEDニルズ)、8番手にはシリーズポイント首位の山下亮生(AKILAND RACING)がつけて、このタイミングでイノウエが応急処置を終えてピットアウト。
残り時間5分、ここまでスローペースだった山下がギアを上げて2分5秒280をマークし、一気に2番手に上がり、OOKA以下がそれぞれ一つずつポジションを落とす。さらに残り4分、いむらが5秒796で4番手から3番手へアップ。残り3分30秒、金澤はトップタイムを4秒310まで短縮。2番手山本も自己ベストを4秒546まで削り取るがトップからは0.236秒の差がある。そして残り2分15秒、3番手に応急処置を施したイノウエが5秒559で進出してくる。
チェカードフラッグが振られて15分間の予選が終了。トップ金澤、2番手山下は変わらず、最後の最後にOOKAが2分5秒479と自己ベストを更新して3番手に上がる、以下4番手イノウエ、5番手いむら、6番手西濱、という結果となった。金澤はv.Granzではキャリア初のポールポジション獲得だ。
v.Granzもてぎシリーズ第4戦決勝は本日午後2時30分スタート予定。暑さもピークとなる時間帯の戦いだ。





Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第15戦の決勝が、9月7日、富士スピードウェイスで行われ、ポールポジションからスタートした野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が優勝。タイトルを争う佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が4位だったため、最終戦を待たずに今シーズンのチャンピオンに輝いた。
マスタークラスは、清水康弘(GNSY RACING 324)が三つ巴の戦いを制して、今大会1勝目を挙げた。
タイトル争いは、野村が優勝した場合、佐野は表彰台に上らないと、野村のチャンピオンが決まるという状況のなか、まずはスタートに注目が集まった。

ポールの野村は、まずまずのスタートだったが、ニュータイヤをこのレースに温存していた古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)が3番グリッドから急追。野村を脅かすが、抜くまでには至らなかった。
1周目は野村、古谷、三井優介(DELiGHTWORKS)、ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)、そして、11番グリッドスタートの小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)と続いた。
背水の陣の佐野が、2周目4位に上がり、さらに勢いのある小林は、2周目6位、4周目5位へとポジションを上げる。
4周目以降は、トップの2台、野村と古谷が、3位三井以下を引き離すが、三井には佐野と小林が迫り、8周目から3位争いは熾烈になっていく。
9周目には小林が佐野の前に出て、三井攻略を開始する。そして、13周目、三井と小林が競り合う間に、今度は佐野が両者をかわすという大バトルを見せる。
トップ野村は、最後まで古谷を従えたままチェッカーを受け、今大会2勝目。今シーズン9勝目を飾った。最終ラップまでもつれた3位争いは、三井が100Rで脱落し、小林、佐野の順でフィニッシュ。
この結果、野村(121p)と佐野(89p)のポイント差は32に開き、最終大会での逆転は不可能となった。「チェッカー後の1コーナーで、チャンピオンが決まったことを知った」という野村は、参戦1年目のルーキーとしてのチャンピオン獲得となった。
マスタークラスは、序盤は三者が並走するなど、三つ巴の戦いを見せたが、6周目に清水が抜け出すと、食い下がる今田信宏(JMS RACING TEAM)を振り切って今季7勝目のチェッカーを受けた。これで、今大会は3人が仲良く1勝ずつとなった。








Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
冨士チャンピオンレースシリーズ第5戦 -RIJ- (2025/09/07) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2025 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 15 富士スピードウェイ 4.563km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 50 | | | 野村 勇斗 | HFDP WITH B-MAX RACING B-MAX RACING TEAM | 15 | 23'50.458 | - | - |
| 2 | 37 | | | 古谷 悠河 | Deloitte. HTP TOM'S SFL TOM'S | 15 | 23'51.435 | 0.977 | 0.977 |
| 3 | 38 | | | 小林 利徠斗 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 15 | 24'00.265 | 9.807 | 8.830 |
| 4 | 35 | | | 佐野 雄城 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 15 | 24'00.854 | 10.396 | 0.589 |
| 5 | 51 | | | ザック・デビッド | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 15 | 24'03.760 | 13.302 | 2.906 |
| 6 | 58 | | | ケイレン・フレデリック | Pilot ONE Racing with B-MAX B-MAX RACING TEAM | 15 | 24'06.214 | 15.756 | 2.454 |
| 7 | 36 | | | エステバン・マッソン | PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 15 | 24'06.416 | 15.958 | 0.202 |
| 8 | 60 | | | 伊東 黎明 | LMcorsa OTG 320 LM corsa | 15 | 24'07.535 | 17.077 | 1.119 |
| 9 | 1 | | | 卜部 和久 | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 15 | 24'13.799 | 23.341 | 6.264 |
| 10 | 8 | M | 1 | 清水 康弘 | GNSY RACING 324 GNSY RACING | 15 | 24'36.653 | 46.195 | 22.854 |
| 11 | 4 | M | 2 | 今田 信宏 | JMS RACING TEAM JMS RACING TEAM | 15 | 24'37.396 | 46.938 | 0.743 |
| 12 | 30 | M | 3 | DRAGON | TEAM DRAGON 324 B-MAX RACING TEAM | 15 | 24'52.583 | 1'02.125 | 15.187 |
| 13 | 3 | | | 三井 優介 | DELiGHTWORKS DELiGHTWORKS RACING | 14 | 22'22.659 | 1Lap | 1Lap |
| ---- 以上規定周回数(90% - 13 Laps)完走 ---- |
- Fastest Lap: CarNo. 37 古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL) 1'34.569 (2/15) 173.702 km/h

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第14戦の決勝が、9月7日、富士スピードウェイスで行われ、ポールスタートの小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が逃げ切って、今季初優勝を飾った。三井優介(DELiGHTWORKS)は2位で初表彰台を射止めた。
注目のタイトル争いは、野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)と佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が、3位と4位フィニッシュで、チャンピオン決定は、午後のレースに持ち越された。
マスタークラスは、2周目にクラストップに立った今田信宏(JMS RACING TEAM)が、今季6勝目を飾った。
大会2日目を迎え、昨日の野村の優勝でチャンピオン争いも佳境に入ってきた。野村と佐野のポイント差は、昨日の第13戦を終えた時点で23点。今大会を終えた時点で、野村が佐野に32ポイント差をつければ、最終戦を待たずにチャンピオンが決定することになる。
上空には雲が多く、秋らしい風が吹くなか、午前9時5分にスタート。

今季初ポールポジションを獲得した小林が好スタートを決め、同じく好ダッシュを決めた4番グリッドの三井が続いた。2番グリッドの野村はホイールスピンをさせて遅れたものの、1〜2コーナーの混乱で順位を戻して、三井の後ろにつけた。
トップ小林は、2位三井との差を、じわじわと広げながら快走。その後方で、三井を野村が追うという展開が続いた。三井はこのレースにニュータイヤを投入しており、野村はなかなかその差を詰めることができない。
レース折り返しを過ぎた8周目。小林は、2位三井に2秒のマージンを築き、安全圏へ。三井は、野村にプレッシャーをかけられながらも2位を死守し続けた。4位には野村とチャンピオンを争う佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)がつけるが、ペースは上がらず、野村から3秒遅れてしまった。
結局、レースはこのままチェッカーを迎え、小林は今季初優勝。今季から新チームで参戦のルーキー三井も初表彰台を得た。タイトルを争う野村と佐野が、3、4位に入り、両者のポイント差は25に広がった。
マスタークラスは、クラスポールの清水康弘(GNSY RACING 324)のペースが上がらず、2周目の1コーナーでトップに立った今田が逃げ切った。2位は、スタートでギヤが抜けて遅れたものの、6周目に清水を捕らえたDRAGON(TEAM DRAGON 324)が入った。
第15戦の決勝は、本日、午後1時5分から15周で行われる。





Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
冨士チャンピオンレースシリーズ第5戦 -RIJ- (2025/09/07) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2025 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 14 富士スピードウェイ 4.563km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 38 | | | 小林 利徠斗 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 15 | 23'45.602 | - | - |
| 2 | 3 | | | 三井 優介 | DELiGHTWORKS DELiGHTWORKS RACING | 15 | 23'50.192 | 4.590 | 4.590 |
| 3 | 50 | | | 野村 勇斗 | HFDP WITH B-MAX RACING B-MAX RACING TEAM | 15 | 23'50.918 | 5.316 | 0.726 |
| 4 | 35 | | | 佐野 雄城 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 15 | 23'54.117 | 8.515 | 3.199 |
| 5 | 36 | | | エステバン・マッソン | PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 15 | 23'54.893 | 9.291 | 0.776 |
| 6 | 37 | | | 古谷 悠河 | Deloitte. HTP TOM'S SFL TOM'S | 15 | 23'57.272 | 11.670 | 2.379 |
| 7 | 51 | | | ザック・デビッド | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 15 | 24'07.400 | 21.798 | 10.128 |
| 8 | 60 | | | 伊東 黎明 | LMcorsa OTG 320 LM corsa | 15 | 24'09.861 | 24.259 | 2.461 |
| 9 | 58 | | | ケイレン・フレデリック | Pilot ONE Racing with B-MAX B-MAX RACING TEAM | 15 | 24'13.924 | 28.322 | 4.063 |
| 10 | *1 | | | 卜部 和久 | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 15 | 24'19.570 | 33.968 | 5.646 |
| 11 | 4 | M | 1 | 今田 信宏 | JMS RACING TEAM JMS RACING TEAM | 15 | 24'35.305 | 49.703 | 15.735 |
| 12 | 30 | M | 2 | DRAGON | TEAM DRAGON 324 B-MAX RACING TEAM | 15 | 24'38.334 | 52.732 | 3.029 |
| 13 | 8 | M | 3 | 清水 康弘 | GNSY RACING 324 GNSY RACING | 15 | 24'38.703 | 53.101 | 0.369 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 13 Laps)完走 ---- |
- Fastest Lap: CarNo. 38 小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL ) 1'34.461 (3/15) 173.900 km/h
- CarNo. 1は、SFL SpR.15.1.1(他車への衝突行為)により、タイムペナルティー10秒を科した。

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第13戦の決勝が、9月6日、富士スピードウェイスで行われ、ポールスタートの野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、オープニングラップで遅れたものの、最後は運も味方に優勝を飾った。野村はこれで8連勝。
マスタークラスも、ペナルティあり、トラブルありのレースとなり、DRAGON(TEAM DRAGON 324)が、今季2度目のクラスウィンを遂げた。
気温は30度近いが少し秋の気配も感じるなか、予定より少し遅れて午後1時25分に、21周のレースがスタート。

2番グリッドの小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が抜群のスタートで、トップを奪い、その後方で佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)と野村が競り合うという形で幕を開けたレースは、1周目から波乱の展開となった。
オープニングラップのダンロップコーナーで、トップ小林に、2位に浮上した佐野が接触して小林がスピン。直後にいた野村は、コース外に逃げるしかなく、大きく遅れてしまった。
1周目を終えた順位は、佐野、エステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL) 、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)、三井優介(DELiGHTWORKS)、ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)、そして6位に野村。
しかし、ここから野村は諦めることなく追い続け、2周目5位、3周目4位、6周目には3位と着実に順位を挽回していく。
この周に、1周目の接触は佐野に非があるとして、結果にプラス5秒のペナルティの裁定が下る。
これで、佐野は2位を5秒以上引き離さなければ優勝を手に入れられなくなり、ここから全力でプッシュし続ける。2位マッソンに対するリードは、8周目3.1秒、10周目3.5秒と開き、13周目にはマッソンと野村が競り合う間にさらに差を広げる。
13周目、野村がマッソンを捕らえて2位に上がるが、この周の佐野と野村の差4.8秒。そして15周目には5秒となり、このままフィニッシュすれば佐野が優勝し、野村とのポイント差を縮めることになった。
ところが、15周目のダンロップコーナーでマスタークラスの清水康弘(GNSY RACING 324)が、駆動系のトラブルからコース上にストップ。セーフティカー(SC)が入ってしまう。
このSCランで、佐野の努力は水の泡となり、余裕を持って2番手でチェッカーを受けた野村が優勝。自身の連勝記録を8に伸ばした。
佐野はペナルティ加算により、2位マッソン、3位古谷、4位三井に次ぐ5位。これでシリーズポイントは、野村106ポイント、佐野83ポイントとなり23点差。今大会の残る2レースでチャンピオンが決定する可能性も出てきた。
なお、好スタートの小林もフライングの判定で、プラス10秒のペナルティ。7位まで挽回したが、結果は11位だった。
マスタークラスは、レース中盤からは、清水と今田信宏(JMS RACING TEAM)が、トップを競り合ったが、清水のリタイア後は、今田の独走。しかし、今田にはフライングスタートの裁定(プラス5秒)が出ており、DRAGONがすっきりしない形ではあるものの、今季2勝目を上げることとなった。
第14、15戦の決勝は、明日の午前9時5分、午後1時5分から、それぞれ15周で行われる。





Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
冨士チャンピオンレースシリーズ第5戦 -RIJ- (2025/09/06) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2025 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 13 富士スピードウェイ 4.563km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 50 | | | 野村 勇斗 | HFDP WITH B-MAX RACING B-MAX RACING TEAM | 21 | 36'08.127 | - | - |
| 2 | 36 | | | エステバン・マッソン | PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 21 | 36'09.371 | 1.244 | 1.244 |
| 3 | 37 | | | 古谷 悠河 | Deloitte. HTP TOM'S SFL TOM'S | 21 | 36'09.935 | 1.808 | 0.564 |
| 4 | *3 | | | 三井 優介 | DELiGHTWORKS DELiGHTWORKS RACING | 21 | 36'10.787 | 2.660 | 0.852 |
| 5 | *35 | | | 佐野 雄城 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 21 | 36'11.153 | 3.026 | 0.366 |
| 6 | 51 | | | ザック・デビッド | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 21 | 36'11.649 | 3.522 | 0.496 |
| 7 | 60 | | | 伊東 黎明 | LMcorsa OTG 320 LM corsa | 21 | 36'14.081 | 5.954 | 2.432 |
| 8 | 58 | | | ケイレン・フレデリック | Pilot ONE Racing with B-MAX B-MAX RACING TEAM | 21 | 36'14.499 | 6.372 | 0.418 |
| 9 | *1 | | | 卜部 和久 | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 21 | 36'18.427 | 10.300 | 3.928 |
| 10 | 30 | M | 1 | DRAGON | TEAM DRAGON 324 B-MAX RACING TEAM | 21 | 36'20.613 | 12.486 | 2.186 |
| 11 | *38 | | | 小林 利徠斗 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 21 | 36'21.789 | 13.662 | 1.176 |
| 12 | 4 | M | 2 | 今田 信宏 | JMS RACING TEAM JMS RACING TEAM | 21 | 36'22.786 | 14.659 | 0.997 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 18 Laps)完走 ---- |
| - | 8 | M | - | 清水 康弘 | GNSY RACING 324 GNSY RACING | 14 | 22'58.916 | 7Laps | 7Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 35 佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL) 1'34.781 (2/21) 173.313 km/h
- CarNo. 3は、富士スピードウェイ一般競技規則第5章第17条3(走路の安全規定/黒白旗提示後の走路外走行)により、訓戒およびペナルティーポイント1点とする。
- CarNo. 35は、SFL SpR.15.1.1(他車への衝突行為)により、タイムペナルティー5秒を科した。
- CarNo. 1は、SFL SpR.15.1.1(他車のコースアウトを強いるもの)違反により、競技結果に対して5秒加算のペナルティーを科した。
- CarNo.38は、SFL SpR.31.10(反則スタート/ジャンプスタート)により、タイムペナルティー10秒を科した。
- CarNo. 4は、SFL SpR.31.10(反則スタート/ゆっくり動いた)により、タイムペナルティー5秒を科した。


全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第13戦、第14戦の公式予選が、9月6日、富士スピードウェイで行われ、第13戦は野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、第14戦は小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が、ポールポジションを獲得した。
マスタークラスは、清水康弘(GNSY RACING 324)が、ダブルクラスポールとなった。
先週の菅生大会から2週連続の開催となった今大会。シリーズ全18戦中12戦を終えて、岡山大会からの7連勝で逆転シリーズリーダーとなった野村が95ポイント、開幕から4連勝を飾った佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が81ポイントと、タイトルはルーキーの二人に絞られた感じだ。
近年、最終大会でタイトルが決まることが多いが、今大会の結果によっては、最終大会を待たずに決する可能性もある。予選は、タイトルを争う両者にとって重圧のかかるものとなった。
第13戦公式予選
午前9時5分から行われた予選は、前日の荒天から一転、台風一過の晴天のもと行われた。
3周のウォームアップの後、各車アタックに入り、野村が1分33秒082とトップタイム。これに小林が1分33秒248で続いた。佐野はこの周1分33秒447と二人に遅れを取り、連続アタックで1分33秒290まで詰めたが3番手。
4番手以下は、三井優介(DELiGHTWORKS)、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)、エステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL)と続き、総じてトムス勢が上位につけている。B-Max勢は、野村が一人、気を吐いている状況だ。
マスタークラスは、菅生大会では今田信宏(JMS RACING TEAM)の後塵を拝した清水が、抜き出たタイムでクラスポールを獲得した。



第14戦公式予選
10分間のインターバルを挟んで行われた第14戦予選でも、野村と小林のポール争奪戦が繰り広げられた。
野村が、4周目からの連続アタックで1分33秒661、1分33秒482とタイムアップして、トップに立つ。古谷(1分33秒538)、三井(1分33秒546)が迫るが、僅かに届かず。野村のダブルポールが確定かと思われた。
しかし、そこまで1分34秒809で下位に甘んじていた小林が、最後のアタックで1分33秒376を叩き出して、野村を逆転。岡山大会から続いていた野村の連続ポールを阻止した。
今大会で野村とのポイント差を縮めたい佐野は、5位に沈み、まだ予選の段階ではあるものの、チャンピオン争いはやや厳しい状況に追い込まれた。
マスタークラスは、清水の速さが際立っており、2位の今田を0.4秒引き離して、連続ポールを手にした。
第13戦の決勝は、本日、午後1時5分から21周で、第14、15戦の決勝は、明日の午前9時5分、午後1時5分から、それぞれ15周で行われる。



Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
冨士チャンピオンレースシリーズ第5戦 -RIJ- (2025/09/06) Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2025 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 14 富士スピードウェイ 4.563km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 38 | | | 小林 利徠斗 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 1'33.376 | - | - | 175.921 |
| 2 | 50 | | | 野村 勇斗 | HFDP WITH B-MAX RACING B-MAX RACING TEAM | 1'33.482 | 0.106 | 0.106 | 175.722 |
| 3 | 37 | | | 古谷 悠河 | Deloitte. HTP TOM'S SFL TOM'S | 1'33.538 | 0.162 | 0.056 | 175.616 |
| 4 | 3 | | | 三井 優介 | DELiGHTWORKS DELiGHTWORKS RACING | 1'33.546 | 0.170 | 0.008 | 175.601 |
| 5 | 35 | | | 佐野 雄城 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 1'33.660 | 0.284 | 0.114 | 175.388 |
| 6 | 36 | | | エステバン・マッソン | PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 1'33.751 | 0.375 | 0.091 | 175.217 |
| 7 | 58 | | | ケイレン・フレデリック | Pilot ONE Racing with B-MAX B-MAX RACING TEAM | 1'33.889 | 0.513 | 0.138 | 174.960 |
| 8 | 1 | | | 卜部 和久 | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 1'33.912 | 0.536 | 0.023 | 174.917 |
| 9 | 51 | | | ザック・デビッド | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 1'33.969 | 0.593 | 0.057 | 174.811 |
| 10 | 60 | | | 伊東 黎明 | LMcorsa OTG 320 LM corsa | 1'34.245 | 0.869 | 0.276 | 174.299 |
| 11 | 8 | M | 1 | 清水 康弘 | GNSY RACING 324 GNSY RACING | 1'35.524 | 2.148 | 1.279 | 171.965 |
| 12 | 4 | M | 2 | 今田 信宏 | JMS RACING TEAM JMS RACING TEAM | 1'35.998 | 2.622 | 0.474 | 171.116 |
| 13 | 30 | M | 3 | DRAGON | TEAM DRAGON 324 B-MAX RACING TEAM | 1'36.003 | 2.627 | 0.005 | 171.107 |
| ---- 以上基準タイム(110% - 1'42.811)予選通過 ---- |
冨士チャンピオンレースシリーズ第5戦 -RIJ- (2025/09/06) Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2025 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 13 富士スピードウェイ 4.563km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 50 | | | 野村 勇斗 | HFDP WITH B-MAX RACING B-MAX RACING TEAM | 1'33.082 | - | - | 176.477 |
| 2 | 38 | | | 小林 利徠斗 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 1'33.248 | 0.166 | 0.166 | 176.162 |
| 3 | 35 | | | 佐野 雄城 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 1'33.290 | 0.208 | 0.042 | 176.083 |
| 4 | 3 | | | 三井 優介 | DELiGHTWORKS DELiGHTWORKS RACING | 1'33.441 | 0.359 | 0.151 | 175.799 |
| 5 | 37 | | | 古谷 悠河 | Deloitte. HTP TOM'S SFL TOM'S | 1'33.497 | 0.415 | 0.056 | 175.693 |
| 6 | 36 | | | エステバン・マッソン | PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 1'33.874 | 0.792 | 0.377 | 174.988 |
| 7 | 51 | | | ザック・デビッド | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 1'33.949 | 0.867 | 0.075 | 174.848 |
| 8 | 58 | | | ケイレン・フレデリック | Pilot ONE Racing with B-MAX B-MAX RACING TEAM | 1'34.009 | 0.927 | 0.060 | 174.736 |
| 9 | 1 | | | 卜部 和久 | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 1'34.017 | 0.935 | 0.008 | 174.722 |
| 10 | 60 | | | 伊東 黎明 | LMcorsa OTG 320 LM corsa | 1'34.030 | 0.948 | 0.013 | 174.697 |
| 11 | 8 | M | 1 | 清水 康弘 | GNSY RACING 324 GNSY RACING | 1'35.273 | 2.191 | 1.243 | 172.418 |
| 12 | 30 | M | 2 | DRAGON | TEAM DRAGON 324 B-MAX RACING TEAM | 1'35.833 | 2.751 | 0.560 | 171.411 |
| 13 | 4 | M | 3 | 今田 信宏 | JMS RACING TEAM JMS RACING TEAM | 1'36.020 | 2.938 | 0.187 | 171.077 |
| ---- 以上基準タイム(110% - 1'42.527)予選通過 ---- |
優勝 松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)

「初めての優勝でうれしいが2割くらいです。悔しい方が大きいですね。ペナルティ出なければ自分は3位で終わっていたので。最初の段階で離されてしまっているので、そこが毎回の課題ですが、まだ全然直せていないので、悔しいですね」
2位 小林留魁(アルビ新潟第一ホテルED)

「最後はあと少しだったので頑張って(酒井を)抑えました。ストレートで自分が後ろについて、インがちょっと開いていたのでそこに突っ込んでいけば行けると思って、最後2位で追われてよかったです。思い通りではないですが運もありました」
3位 酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)

「同じくらいのペースなのでバトルになるとは思っていたのですが、やっぱりお互いギリギリで走っていました。接触はちょっと悔しいですが、なんとか表彰台は乗れたので、そこはよかったかなと思います」
4位 吉田馨(TAKE FIRIST KKS-2)※トップフィニッシュ直後の談話

「最後に絡んでしまったので、そこは酒井君に申し訳なかったです。うまい感じにペースを保って、前について行けていたので、そこはよかったなと思います」
5位 向畑疾走(ファーストガレージKKS2)

「まずスタートが遅れて、そこで順位を落とすのは最小限にしてたのですが、後ろから速い人が二人来ていて。1周目に抜かれたのですが、2周目はなんとか表彰台圏内やトップ争いに絡めるように頑張ったのですが、3コーナーでシフトミスしてしまって、それで一気に(順位が)下がってしまいました。中盤はペースよかったのですが、YOSHIDA選手に引っかかってしまって抜くのに時間かかりました。最後のオーバーテイクは自分の速いところをみつけて、一気に行って引き離すという感じでやれました。(ポールポジションのプレッシャーはあった?)前しか見ていなかったので集中していて緊張はしなかったです」
6位 YOSHIDA KODAI(T's TECHNO RF KKSⅡ)

「今日はぜんぜんペースが上がらなくて、後ろを抑えるのがやっとでしたが、最後に抜かれてしまって、ちょっと残念なレースだったなと思います。昨日と路面がまったく変わってしまって、それに適応できなくて、それが残念なところです。次回に向けて課題がすごく多いです」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Asasko SHIMA

2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第6戦決勝が8月31日(日)にモビリティリゾートもてぎで開催され、6番グリッドからスタートの吉田馨(TAKE FIRIST KKS-2)序盤にトップに立ってそのままフィニッシュするも 酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)との接触でフィニッシュタイムに10秒加算のペナルティが課せられて4位に降着。2番手でフィニッシュした松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)がキャリア初優勝を遂げた。
前日の第5戦に続いて開催の第6戦。スターティンググリッドは第5戦のリザルトにより、上位6台はリバースグリッドが適用された。
これにより、ポールポジションは第5戦6位の向畑疾走(ファーストガレージKKS2)がつくこととなる。向畑は今大会がスーパーFJデビューとなる20歳。ルーキーがいきなり上位選手の前でスタートすることになる。以下
- 2番手 小林留魁(アルビ新潟第一ホテルED)
- 3番手 YOSHIDA KODAI(T's TECHNO RF KKSⅡ)
- 4番手 松原将也
- 5番手 酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)
- 6番手 吉田馨
- 7番手 小田部憲幸((株)フォースリンク ZAP ED)
- 8番手 三ツ井光輝(群馬トヨペットTeam RiNoA KYB ED)
- 9番手 畠山退三(Hobbybase&zap-E)
- 10番手 松下彰臣(Abel HOSHO&PARM ZAP 10V ED)
- 11番手 中村ブンスーム(ファーストガレージKKSⅡ)
- 12番手 野口伸周(野口商會 ZAP10VED)
- 13番手 小野大地(群馬トヨペットTeam RiNoA ed)
- 14番手 石井大雅(ファーストガレージ制動屋SⅡ)
というスタート順となった。
なお今大会は2レースの為、スリックタイヤ2セットが使用可能。すべてのチームが本日の第6戦にニュータイヤを投入してきた。

午前11時10分フォーメーションラップ開始。前日ほどの酷暑ではないとはいえ気温32.8度、路面温度は58度に達している。ポールポジションの向畑を先頭に14台がスターティンググリッドに並びレーススタート。
ポールシッターの向畑はやはりというべきかスタートに失敗、後続に飲み込まれてしまう。対していつもロケットスタートを決める小林が先行して第1コーナーへ飛び込む。さらに5番手スタートの酒井の加速が伸びてアウト側から前に出て2位、向畑3位。インに吉田、アウトに松原がサイド・バイ・サイドで第2コーナーを立ち上がる。勢いのある酒井は第3コーナーへの加速で小林をかわしトップへ。向畑~吉田~松原~YOSHIDA~三ツ井と続く。吉田は第5コーナーへのブレーキングで向畑のインを突いて3位に浮上。さらに小林をヘアピンの進入でインから仕留めて2位へと上がる。
オープニングラップを終えてトップ酒井と2位吉田の差は0.833秒。そこから0.6秒差で3位小林だが4位向畑がテールにへばりついて0.075秒の差。5位松原も向畑に0.124秒とこちらも僅差、やや離れて6位YOSHIDAの順で2周目に。順位を落とした向畑が第1コーナーでアウトから小林に仕掛けるがここは小林が守る。向畑は第3コーナーでも小林のインを突くが抑え込まれて失速。逆に松原、YOSHIDAに第4コーナーで差されてポジションを落としてしまう。経験の差が出たか。これで松原4位、YOSHIDA5位、向畑6位に。YOSHIDAはダウンヒルストレートで松原に並びかけてアウトから90度コーナーまで並走するが松原が守り切る。トップ酒井は吉田とのギャップを1.035秒まで拡げて2周目を終了。3位小林、4位松原と続き、YOSHIDAを先頭として向畑と小田部までの3台が0.174秒差の5位グループを形成。この集団が3ワイドで3周目の第1コーナーへ飛び込むと小田部がエイペックスでスピン、再スタートを切るも最下位まで順位を落としてしまう。
いったんは酒井に離された吉田だが、3周目に2分4秒745とファステストラップを出すと、4周目も酒井を上回るペースで周回し0.619秒差まで詰める。小林と松原も3位争いを続けており5周目にはサイド・バイ・サイドのバトルを展開するが小林が守って0.176秒差。さらにYOSHIDAと向畑の5位争いも0.283秒差と随所でバトルが展開してレースは後半戦へ。ジェントルマンクラスは畠山が総合9位でトップ。野口が総合13位のクラス2位だ。
折り返しの6周目、2分5秒台で周回する酒井に対して吉田は4秒台、0.3秒速いペースで0.370秒差まで接近。小林対松原の争いはダウンヒルストレートでスリップストリームから抜け出した松原が90度コーナー進入でインからオーバーテイクに成功する。これで松原3位、小林4位。5位YOSHIDA、6位向畑の順だ。8周目も吉田が酒井に仕掛け続ける。第3コーナーでインからノーズをねじ込んでターンインするが酒井も譲らず、5コーナーではアウトから吉田がブレーキング勝負を挑むが一瞬タイヤをロックさせてここも先行できない。ダウンヒルストレートでも吉田が迫るが続く90度コーナーで停止した三ツ井の回収作業中のためイエローフラッグ。この周も吉田はチャンスを掴めず。この周向畑がルーキーらしからぬ勝負強さを見せてYOSHIDAを仕留めて5位へと上がる。
0.319秒差で9周目へ入り酒井と吉田は依然テール・ツー・ノーズ。吉田は隙あらば斬る態勢だが酒井もしっかり守っている。ダウンヒルストレートで酒井のスリップから抜け出した吉田が90度コーナーでインに飛び込むとサイド・バイ・サイドでターンイン。アウト側の酒井も粘るがここで両車が接触。酒井がスピンする。これで吉田がついにトップ浮上。酒井はすぐにコースに復帰するうが、この間に松原と小林が通過し2位、3位。酒井は4位にドロップ。メインストレートに戻ってきて酒井が小林の前に出るが第1コーナーで小林が逆転して3位に戻す。
ファイナルラップ。トップに出た吉田は僅かにペースを落としたがしっかり走りって2位の松原に2.620秒の差でトップチェッカー。3位小林は0.417秒差で4位酒井を抑えきった。以下向畑5位、YOSHIDA6位の順でフィニッシュ。しかしながら9周目の接触について吉田に10秒加算のペナルティが課されて4位に降着。これによって優勝は松原のものとなった。2位小林、3位酒井と繰り上がりに。松原はキャリア初優勝、小林も初の表彰台だ。
優勝の松原は複雑そうな表情で表彰台に登壇したが結果は結果。チームの面々に祝福されスパークリングファイトの頃には笑顔を取り戻した。
2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ最終第7戦は3カ月のインターバルで11月30日にモビリティリゾートもてぎで行われる。ポイントランキングはトップ酒井98点、2位吉田88点でこの二人にチャンピオン争いは絞られた。









Text: Junichi SEKINE
Photo: Atsushi BESSHO
Asako SHIMA
もてぎチャンピオンカップレース第4戦 -RIJ- (2025/08/31) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2025 スーパーFJもてぎ・菅生シリーズ Round 6 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 14 | | | 松原 将也 | ZAP MARUTOKU 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'09.161 | - | - |
| 2 | 33 | | | 小林 留魁 | アルビ新潟第一ホテルED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'11.881 | 2.720 | 2.720 |
| 3 | 22 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージKK-S2 MYST KK-S2 | 10 | 21'12.298 | 3.137 | 0.417 |
| 4 | *6 | | | 吉田 馨 | TAKE FIRST KKS-2 MYST KK-S2 | 10 | 21'16.541 | 7.380 | 4.243 |
| 5 | 59 | | | 向畑 疾走 | ファーストガレージ制動屋S2 MYST KK-S2 | 10 | 21'18.639 | 9.478 | 2.098 |
| 6 | 2 | | | KODAI YOSHIDA | T's TECHNO RF KKSII MYST KK-S2 | 10 | 21'18.954 | 9.793 | 0.315 |
| 7 | 57 | | | 中村 ブンスーム | ファーストガレージKKSII MYST KK-S2 | 10 | 21'20.016 | 10.855 | 1.062 |
| 8 | 81 | | | 小野 大地 | 群馬トヨペットTeam RiNoA ED MYST KK-S2 | 10 | 21'20.206 | 11.045 | 0.190 |
| 9 | 38 | G | 1 | 畠山 泰三 | Hobbybase&zap-ED MYST KK-S2 | 10 | 21'24.321 | 15.160 | 4.115 |
| 10 | 15 | | | 松下 彰臣 | Abel HOSHO&PARM ZAP 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'30.910 | 21.749 | 6.589 |
| 11 | *53 | | | 石井 大雅 | ファーストガレージ制動屋SII MYST KK-S2 | 10 | 21'33.352 | 24.191 | 2.442 |
| 12 | 78 | | | 小田部 憲幸 | (株)フォースリンクZAP ED MYST KK-S2 | 10 | 21'38.698 | 29.537 | 5.346 |
| 13 | 8 | G | 2 | 野口 伸周 | 野口商會ZAP 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'52.069 | 42.908 | 13.371 |
| ---- 以上規定周回数完走 ---- |
| - | 82 | | | 三ツ井 光輝 | 群馬トヨペットTeam RiNoA KYB ED MYST KK-S2 | 6 | 12'53.610 | 4Laps | 4Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 6 吉田馨(TAKE FIRST KKS-2) 2'04.745 (3/10) 138.551 km/h
- CarNo. 53は、もてぎチャンピオンカップレースSpR.28条4.1(衝突)により、競技結果に対して10秒加算のペナルティーを科した。
- CarNo. 6は、もてぎチャンピオンカップレースSpR.28条4.1(衝突)により、競技結果に対して10秒加算のペナルティーを科した。
優勝 吉田馨(TAKE FIRIST KKS-2)

「すごいバトルして、ひと段落してという繰り返しだったので、緊張感がずっとあるようなレースでした。途中暑さでぼーっと、というか(笑)『暑いな』とか思う時もあったのですが、うまく立て直して、しっかり最後まで集中して走り切れたので、よかったです」
2位 酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)

「予選タイムが僅差なので決勝も接近戦だなと思っていたので、1周目に賭けていたのですが、ブレーキでリヤのフラフラ感があって、行くときは一発でいかないとダメだなと思って、ちょっと様子見てしまったという部分もありました。やっぱり最初に行き切っていかないとダメだったのかなと思います。吉田選手もミスがあって追いつく場面もあったのですが、やっぱり(ミスが)少なくて、その分離れず近づけもせずというレース後半でした」
3位 松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)

「そもそもスタートでまた順位を落としているので、そこがなければ。3位争いは自分にペースがあったと思うので、もっと優勝争いに加われたのかなと思います。スタートの蹴り出しはよくてもその後の数コーナーで抜かれているので、そこをうまくできないと」
4位 YOSHIDA KODAI(T's TECHNO RF KKSⅡ)

「(松原とのバトルは)かなりペースを上げていったつもりだったのですが、それでも食らいつかれてしまって。それで引き離せ勝ったのが、負けた原因だと思います。途中まで前を追いかけていたのですが、いなくなっちゃって、(松原と)一緒に走って追いつこうと思っていたのですが、それもできなくて、後ろを押さえる方向にスイッチしました。今日表彰台乗れなかった分、明日絶対勝ってやるという気持ちで行きます」
5位 小林留魁(アルビ新潟第一ホテルED)

「(今回もスタート決まった?)2速に入れる時にミスしてしまって、一瞬スローダウンして、そこで1台抜かれたのですが、90度で抜き返せたので、よかったです。レース展開としては前も後ろも間隔があいていたので、楽にレースができました。明日は初めてのフロントロウからのスタートなので、緊張しますけれど(笑)がんばります」
6位 向畑疾走(ファーストガレージKKS2)

「スタート失敗して4周目ぐらいまで後ろの方(畠山)とバトルになってしまって、シフトミスとかもあって抜き返されたりとかもありました。そのあたりまでけっこう緊張していて、後ろの方で埋もれていたのですが、そこからとにかく前を追いかける気持ちで走りました。そうしたら前がバトルしていてクラッシュしたりで順位も上がって、最後は自力で1台抜いて上がれました。初めてのレースで接近戦も経験して、楽しかったです」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Junichi SEKINE
Asako SHIMA

2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第5戦決勝が8月30日(土)にモビリティリゾートもてぎで開催され、ポールポジションから発進の吉田馨(TAKE FIRIST KKS-2)がスタートでトップに立つと一度も首位を譲らずポール・ツー・ウインの完勝を飾った。
予選に続いて本日最後のレースとして行われた決勝は午後4時20分フォーメーションラップ開始。夏至から2カ月が経過し太陽の角度もやや低くなっているが、それまで十分熱せられた大気の温度は37度、路面温度は僅かに下がって52度と依然として厳しいコンディションだ。
14台のスーパーFJがグリッドに整列してレーススタート。
ポールポジションの吉田はスムーズに発進したが、フロントロウから出た松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)は加速が鈍くセカンドロウの酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)がアウトから前に出て第1コーナーへターンイン。第2コーナーでは出足が悪かった3列目スタートの小田部憲幸((株)フォースリンク ZAP ED)が8位まで順位を落とす。さらに第2コーナーでは6番手スタートの小野大地(群馬トヨペットTeam RiNoA ed)がコースオフ、こちらも順位を落としてしまう。小田部と小野は接触があった模様だ。
3位に落ちた松原に対して4位YOSHIDA KODAI(T's TECHNO RF KKSⅡ)が接近、テール・ツー・ノーズでチャンスを伺う。2位に上がった酒井は吉田のリヤに張り付いてS字ではインをうかがうが、ここは吉田が守る。松原対YOSHIDAの争いもS字でサイド・バイ・サイドになるとYOSHIDAが前に出て3位進出、松原はまたも序盤で順位を落としてしまう。
ここで石井大雅(ファーストガレージ制動屋SⅡ)で東コースのピットに入ってマシンを止める。あとで様子を聞いたところによると石井はリヤウイングが大きく破損していた。こうした混乱をよそに順位を上げてきたのが8番グリッドからスタートの三ツ井光輝(群馬トヨペットTeam RiNoA KYB ED)、さらに前回のSUGOラウンドでもロケットスタートを決めて大きくジャンプアップした小林留魁(アルビ新潟第一ホテルED)で、三ツ井は8番手から5位、小林は9番手スタートから6位までポジションを上げている。
オープニングラップを終えてトップ吉田と2位酒井の差は0.158秒。そこから1.8秒離れて3位YOSHIDAと4位松原も0.219秒差とテール・ツー・ノーズ状態。さらに5位三ツ井、6位小林というトップ6で 中村ブンスーム(ファーストガレージKKSⅡ)を挟んで8位にはジェントルマンクラスの畠山退三(Hobbybase&zap-E)、その後方9位にはカートレース出身で今回フォーミュラレースデビューの向畑疾走(むこはたはやて)(ファーストガレージKKS2)は11番グリッドから順位を上げてきている。
第1コーナー接触した小野はピットに戻り、フロントウイングが大きく曲がっている小田部はそのまま11位で走行している。
2周目に入り酒井は吉田を攻略しようとS字でインから狙うが吉田がアウトからしっかり守る。3周目、今度は第1コーナーで酒井がインを差すが吉田がアウトから被せて防御。第3コーナーでもアウトから酒井が狙うがここも吉田がスキを見せない。3位YOSHIDAはそこから1.3秒以上遅れて、松原は依然として0.418秒差で追っている。後方では向畑が畠山を攻略。8位にポジションを上げる。4周目も酒井の攻勢は続くが吉田も付け入る隙を見せずない。後方では6位小林が三ツ井を90度コーナーでアウトから攻略して5位に浮上。ロケットスタートが売りの小林だが、SUGOでは前に出たものの後続から攻めたてられて順位を落とすという展開だったが、今回はさらに順位を上げて成長を見せている。
5周目を終えてトップ吉田と2位酒井は0.477秒の差。そこから2秒離れて3位YOSHIDAと4位松原も0.245秒の差。5位小林で小林に抜かて6位の三ツ井は今度は中村が0.153秒差に迫っている。しかしここで中村がチャンスを焦ったか6周目の第1コーナーで三ツ井の前に出たもののスピン。すぐに再スタートしたが向畑、小田部、畠山松下彰臣(Abel HOSHO&PARM ZAP 10V ED)に抜かれて11位にドロップ。新人向畑は7位で入賞が見えてきた。
6周目に吉田は2分4秒753と本日のファステストラップを叩き出して、酒井を0.734秒差と突き放しにかかる。3位YOSHIDAと松原は依然としてテール・ツー・ノーズ、90度コーナーで松原がインから仕掛けるがYOSHIDAが守り切る。7周目、8周目と吉田はじわじわとギャップを拡げて1.025秒差。
9周目、YOSHIDAに0.165秒と迫った松原がいよいよ攻勢を強める。第2コーナーをタイトに回ってYOSHIDAのインから並びかけると、続く第3コーナーではYOSHIDAが前、しかし第4コーナーからの加速で再びサイド・バイ・サイドになると5コーナーではインにYOSHIDA、アウトに松原でターン。松原クロスラインで加速に移るとファーストアンダーブリッジでYOSHIDAの前に出てついに3位のポジションを奪い取る。しかしYOSHIDAも引き下がらずヘアピンでインから再逆転、松原の前に。
両車ダウンヒルストレートでサイド・バイ・サイドになると、90度コーナーでのブレーキングでYOSHIDAが僅かに前。しかしビクトリーコーナーでは松原が再度仕掛けて並走。ここはYOSHIDAが前でメインストレートに戻ってくる。5位小林に続いて向畑が三ツ井を攻略、ついに入賞圏内の6位まで上がってくる。
ファイナルラップ突入、トップ吉田と酒井の差は0.701秒。そして3位を争うYOSHIDAと松原は0.275秒差でコントロールラインを通過。松原は仕掛けるチャンスを狙うかのように第3~第4コーナーを小さく旋回するとYOSHIDAと再びサイド・バイ・サイドになって第5コーナーに向けて加速。9周目と同様にアウトからクロスラインで切れ込みファーストアンダーブリッジで前に出る。前の周にオーバーテイクを仕掛けられたヘアピンでもYOSHIDAのラインを封じて僅かにギャップを築いてダウンヒルストレートへ。そのまま再逆転のチャンスをYOSHIDAに与えずビクトリーコーナーを通過。
トップ吉田は最後まで酒井にスキをみせず0.645秒の差で完勝。今季3勝目をポール・ツー・ウインで飾った。2位酒井に続いて3位はファイナルラップの攻防を制した松原が表彰台を獲得、以下4位YOSHIDA、5位小林に続いて向畑がデビューレースで6位フィニッシュ、非凡さを見せた。ジェントルマンクラスの優勝は総合9位の畠山、クラス2位は総合12位の野口という結果になった。
2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第6戦は明日8月31日(日)午前11時開始予定。スターティンググリッドは第5戦の結果で上位6台はリバースグリッドとなり、向畑~小林~YOSHIDA~松原~酒井~吉田というトップ6となる。











Text: Junichi SEKINE
Photo: Atsushi BESSHO
Asako SHIMA
もてぎチャンピオンカップレース第4戦 -RIJ- (2025/08/30) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2025 スーパーFJもてぎ・菅生シリーズ Round 5 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 6 | | | 吉田 馨 | TAKE FIRST KKS-2 MYST KK-S2 | 10 | 20'58.171 | - | - |
| 2 | 22 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージKK-S2 MYST KK-S2 | 10 | 20'58.816 | 0.645 | 0.645 |
| 3 | 14 | | | 松原 将也 | ZAP MARUTOKU 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'06.279 | 8.108 | 7.463 |
| 4 | 2 | | | KODAI YOSHIDA | T's TECHNO RF KKSII MYST KK-S2 | 10 | 21'07.176 | 9.005 | 0.897 |
| 5 | 33 | | | 小林 留魁 | アルビ新潟第一ホテルED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'08.103 | 9.932 | 0.927 |
| 6 | 59 | | | 向畑 疾走 | ファーストガレージ制動屋S2 MYST KK-S2 | 10 | 21'16.772 | 18.601 | 8.669 |
| 7 | 78 | | | 小田部 憲幸 | (株)フォースリンクZAP ED MYST KK-S2 | 10 | 21'17.669 | 19.498 | 0.897 |
| 8 | 82 | | | 三ツ井 光輝 | 群馬トヨペットTeam RiNoA KYB ED MYST KK-S2 | 10 | 21'18.223 | 20.052 | 0.554 |
| 9 | 38 | G | 1 | 畠山 泰三 | Hobbybase&zap-ED MYST KK-S2 | 10 | 21'19.036 | 20.865 | 0.813 |
| 10 | 15 | | | 松下 彰臣 | Abel HOSHO&PARM ZAP 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'23.276 | 25.105 | 4.240 |
| 11 | 57 | | | 中村 ブンスーム | ファーストガレージKKSII MYST KK-S2 | 10 | 21'23.624 | 25.453 | 0.348 |
| 12 | 8 | G | 2 | 野口 伸周 | 野口商會ZAP 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 22'07.727 | 1'09.556 | 44.103 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 9 Laps)完走 ---- |
| - | *81 | | | 小野 大地 | 群馬トヨペットTeam RiNoA ED MYST KK-S2 | 0 | - | 10Laps | 10Laps |
| - | *53 | | | 石井 大雅 | ファーストガレージ制動屋SII MYST KK-S2 | 0 | - | 10Laps | - |
- Fastest Lap: CarNo. 6 吉田馨(TAKE FIRST KKS-2) 2'04.753 (6/10) 138.543 km/h
- CarNo. 81は、モビリティーリゾートもてぎ四輪一般競技規則書第30条4.1により、競技結果に対して10秒加算のペナルティーを科した。
- CarNo. 53は、モビリティーリゾートもてぎ四輪一般競技規則書第30条4.1により、競技結果に対して10秒加算のペナルティーを科した。
ポールポジション 吉田馨(TAKE FIRIST KKS-2)2分5秒032

「路面温度がすごく高くて、思ったよりも滑るし、難しいコンディションだったので、最初の何周かがカギになるような予選でした。最初にアタックして、後はあわよくばタイム出ればと思っていたのが出なかったので不安はあったのですが、最初に出したタイムがポールポジションのタイムだったので、そこはよかったかなと思います」
2位 松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)2分5秒134(+0.102秒)

「トップに近いタイムが出ていたのですが、昨日の練習に比べたら路面温度が高すぎてグリップしない感じでした。手応え的にはまったくよくない感じで。練習より1秒ぐらい落ちています。昨日の路面温度が低い時の車速でコーナーに入っていくと、どうしてもリヤが出てしまうので、全体的に突っ込み加減は変わらないですが、車速をちょっと落とし気味に入って走行していました」
3位 酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)2分5秒344(+0.312秒)

「昨日からマシンのセットを変更して、それが今日うまくかみ合わなかった感じでした。とりあえず昨日のセットに戻すのか、それとも変えていくのかはまだ決めていないですが、とのにかく合っていなかった感じですね。昨日と温度が全然違っていて、昨日曲がらない感じだったので、クルマの方で変えてみたのですが。今度は(温度が)高すぎて、逆にオーバーステア、みたいな感じになってしまったので、そこはレースに向けて何を変えたらいいのかをデータ見ながら改善できればなと思います。レースが4時からなので逆に微妙な感じで、その中間を狙っていければなと思っています」
4位 YOSHIDA KODAI(T’s TECHNO RF KKSⅡ)2分5秒641(+0.609秒)

「昨日とまったく路面が違っていて、走りにくいなと思っていました。メーター見た時にはあまりよくないなと思っていました。タイヤを前よりしっかり使えるようになったので、タイムは伸びてきているので、この調子で決勝も頑張れたらと思います。決勝に向けては後ろがちょっとヘバっちゃったかなというのがあるので、そこも考えながら挑みます」
5位 小田部憲幸((株)フォースリンク ZAP ED)2分5秒687(+0.655秒)

「久しぶりの予選はとても楽しかったです。よい緊張感で他の何事にも代えがたい感触で、限られた時間できちんとタイムを出さなければならないのが楽しいなと改めて思いました。結果は悔しいですが今の実力はこんなものかな、という感じです。私前にクルマいるのが得意じゃないので位置取りがちょっと悪かったかもしれないです。それでもまわりとそれほど変わっていないので。あとは決勝が大事なので、うまくまとめたいと思います」
6位 小野大地(群馬トヨペットTeam RiNoA ed)2分6秒015(+0.983秒)

「もうちょっと行けたかな、という感じですね。序盤のペースがちょっとなくて、後ろのクルマにやられちゃったのが伸びなかった原因かなと思います。後半も最後の2周はあまりよくなくて、タイヤもタレちゃって。最初の方にもっと勝負かけられていたらな、と思います。クルマは仕上がっているので、後は自分次第です」
Text & Photp: Junichi SEKINE

2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第5戦公式予選が8月30日(土)にモビリティリゾートもてぎで開催され、シリーズランキング2位の吉田馨(TAKE FIRIST KKS-2)が2分5秒032のトップタイムで2番手松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)に0.102秒の差をつけてポールポジションを獲得した。
8月も終わりというのに猛暑が続く北関東のモビリティリゾートもてぎ。12時25分と暑さもピークとなりつつある時間帯の予選は気温34.7度、路面温度にいたっては61度と焼けつくような高さだ。YOSHIDA KODAI(T's TECHNO RF KKSⅡ)を先頭に14台がコースイン。15分間の予選が開始された。ここまで4戦を終えて第1戦、第2戦優勝の酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)が71ポイントでシリーズをリード。対して第1戦をスキップして第3戦、第4戦と連勝で来ている吉田が56ポイントでシリーズ2位さらにここ3戦連続で表彰台に上がっている石井大雅(ファーストガレージ制動屋SⅡ)が46ポイントのシリーズ3位につけている。
まずは計測1周目、吉田が2分5秒988でトップ、2番手YOSHIDA 6秒344、3番手石井6秒445、4番手三ツ井光輝(群馬トヨペットTeam RiNoA KYB ED)6秒587、5番手小野大地(群馬トヨペットTeam RiNoA ed)6秒587、6番手中村ブンスーム(ファーストガレージKKSⅡ)6秒994と続く。さらに残り時間10分を切って松原が5秒666のトップタイムをマーク。
残り時間8分30秒。吉田がセクター2、3、4とベストタイムを刻んで2分5秒032のトップタイム。YOSHIDAも5秒641で2番手。5番手にこのところ好調な小林留魁(アルビ新潟第一ホテルED)が6秒124で上がってくる。上位の中でやや遅れてコースインした松原はセクター1ベストタイムを出すと残り7分30秒に5秒323を出して再び2番手。吉田~松原~YOSHIDA~石井~小林の順で6番手に三ツ井光輝(群馬トヨペットTeam RiNoA KYB ED)が6秒418で上がってくる。
予選も後半戦で残り時間7分。ここまでタイムが伸びていなかった酒井が2分5秒347で3番手へ。2台が出場のジェントルマンクラスは畠山退三(Hobbybase&zap-E)が7秒177で全体11番手のクラストップ。今回が初のS-FJ参戦の野口伸周(野口商會 ZAP10VED)が9秒401で14番手クラス2位。
残り5分。今回久々にS-FJ参戦の小田部憲幸((株)フォースリンク ZAP ED)が2分5秒741をマークして5番手。さらに残り4分で小野が6秒015で6番手。里見代表率いるTeam ReNoAは今回コーチとして、チームの卒業生で現在FIA-F4のポイントリーダーの佐藤樹が帯同している。2021年のシリーズを圧勝した選手のアドバイスの効果が出てきたようだ。
路面温度がかなり高いためタイヤのピークが早く来ると各陣営話していたが、予想通りこの頃からタイムが伸び悩みになってくる。そんな中で自己ベストを更新してきたのが中村の6秒160と今回レースデビューの向畑疾走(ファーストガレージKKS2)の6秒518。それぞれ9番手、11番手だ。
残り3分、松原が第4セクターでベストタイムを出すと2分5秒205をマーク。トップ吉田とは0.173秒の差だ。酒井も5秒344で3番手をキープ。
15分の予選が終了しチェカードフラッグが振られる中、最後のアタックでタイムを縮めたのが松原で2分5秒134まで短縮、トップ吉田からは0.102秒の差でフロントロウを獲得した。3番手酒井、4番手YOSHIDA、5番手小田部、6番手小野というトップ6、ジェントルマンクラスは畠山が総合12番手でクラストップ、クラス2位の野口は総合14番手となった。
2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第5戦決勝は本日午後4時20分スタート予定。ポールポジションの吉田にポイントリーダー酒井がどう挑むかが注目だが、このところ速さを増している松原がそこにどう割り込むかも目が離せない。





Text: Junichi SEKINE
Photo: Atsushi BESSHO
もてぎチャンピオンカップレース第4戦 -RIJ- (2025/08/30) Qualifying Weather:Sunny Course:Dry
2025 スーパーFJもてぎ・菅生シリーズ Round 5 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 6 | | | 吉田 馨 | TAKE FIRST KKS-2 MYST KK-S2 | 2'05.032 | - | - | 138.233 |
| 2 | 14 | | | 松原 将也 | ZAP MARUTOKU 10V ED TOKYO R&D RD10V | 2'05.134 | 0.102 | 0.102 | 138.121 |
| 3 | 22 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージKK-S2 MYST KK-S2 | 2'05.344 | 0.312 | 0.210 | 137.889 |
| 4 | 2 | | | KODAI YOSHIDA | T's TECHNO RF KKSII MYST KK-S2 | 2'05.641 | 0.609 | 0.297 | 137.563 |
| 5 | 78 | | | 小田部 憲幸 | (株)フォースリンクZAP ED MYST KK-S2 | 2'05.687 | 0.655 | 0.046 | 137.513 |
| 6 | 81 | | | 小野 大地 | 群馬トヨペットTeam RiNoA ED MYST KK-S2 | 2'06.015 | 0.983 | 0.328 | 137.155 |
| 7 | 53 | | | 石井 大雅 | ファーストガレージ制動屋SII MYST KK-S2 | 2'06.124 | 1.092 | 0.109 | 137.037 |
| 8 | 82 | | | 三ツ井 光輝 | 群馬トヨペットTeam RiNoA KYB ED MYST KK-S2 | 2'06.132 | 1.100 | 0.008 | 137.028 |
| 9 | 33 | | | 小林 留魁 | アルビ新潟第一ホテルED TOKYO R&D RD10V | 2'06.143 | 1.111 | 0.011 | 137.016 |
| 10 | 57 | | | 中村 ブンスーム | ファーストガレージKKSII MYST KK-S2 | 2'06.160 | 1.128 | 0.017 | 136.997 |
| 11 | 59 | | | 向畑 疾走 | ファーストガレージ制動屋S2 MYST KK-S2 | 2'06.187 | 1.155 | 0.027 | 136.968 |
| 12 | 38 | G | 1 | 畠山 泰三 | Hobbybase&zap-ED MYST KK-S2 | 2'06.788 | 1.756 | 0.601 | 136.319 |
| 13 | 15 | | | 松下 彰臣 | Abel HOSHO&PARM ZAP 10V ED TOKYO R&D RD10V | 2'07.219 | 2.187 | 0.431 | 135.857 |
| 14 | 8 | G | 2 | 野口 伸周 | 野口商會ZAP 10V ED TOKYO R&D RD10V | 2'09.111 | 4.079 | 1.892 | 133.867 |
| ---- 以上基準タイム(130% - 2'24.721)予選通過 ---- |
2025年JAF地方選手権、スーパーFJもてぎSUGOシリーズ第5戦/第6戦は8月30-31日にかけて開催された。14台のエントリーの中には今回初のS-FJレースを迎えた選手が2名いた。予選を控えた両名にショートインタビューを行った。
野口伸周

8号車「野口商會 ZAP10VED」をドライブする野口伸周(しんしゅう)はジェントルマンクラスの43歳。
――今までのモータースポーツ歴は?
「ほとんどなくて、二十歳の時にフォーミュラBMWを1年だけやった程度です」
――練習はどのくらい積んだ?
「ZAPさんで2年ほどやってきました。おもに筑波ともてぎです。(では満を持してのレース?)いや、そんなことは全然なくて、まだまだです(苦笑)」
――レースウィークの調子は?
「まぁまぁですね。4か月ほど前に帯状疱疹やったので、そこからリカバリしている状態です」
――今回のレースの目標は?
「まずは問題なく完走することです」
――今後の参戦については?
「今のところ予定はしていないですが、これから考えます。今日明日のレースの感触次第ですね。ほかのサーキットも走ってみたいと思っているので」

向畑疾走

59号車「ファーストガレージKKS2」の向畑疾走(ハヤテ)はレーシングカート出身の20歳、大学生だ。
――今までのモータースポーツ歴は?
「レーシングカートをやっていました。全日本の西地区のFS125クラスとか出ていました」
――練習はどのくらい積んだ?
「いえ、木曜日に初めて乗って、フォーミュラで走るのが2回目です。木曜日にもてぎで初めて走って金曜も合わせて6セッション走りました」
――カートからの乗り換えは苦労しなかった?
「まったく別物ですけれど、そこは6セッションの間にだんだん慣れてきました」
――今回のレースの目標は?
「目標はもちろん優勝なのですが、昨日の最後のセッションではけっこうタイムが詰められて、表彰台は狙える位置なのかなと思うので。タイムはまだトップと差がありますが、レース展開でうまいこと前に出られたら、と思っています」
チームによると向畑はレースウィークに初めてもてぎを走行。最初は2分8秒台と上位と大差があったが、走りこむにつれてタイムも向上、最後の練習では2分5秒台に入れてトップグループとそん色ないところまでタイムを詰めたとのことで、走りをまとめる能力は酒井翔太より上かもしれないと高く評価されている。
遅咲きのジェントルマンとカート出身の20歳、対照的な二人だがレースでどんな走りを見せてくれるか楽しみだ。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA