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1997年10月

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.6/6

                  ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                     1997  GT INSIDE REPORT
  Round 6 SUGO GT CHAMPIONSHIP                                 26 Oct.'97
   GT Inside Report           インサイドレポート2              FMOTOR4版
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'97GTC第6戦 SUGO GT選手権レース

☆決勝直前・チャンピオン候補にきく
No.36 カストロール・トムス・スープラ(GT500ランキング1位)
ミハエル・クルム「予選は9番手ですからあまりよくなかったです。午前中にエン
ジンに問題があってタイムが出なかったんですが、午後エンジンを換えて9番手の
タイムが出ました。でもあとコンマ1秒速かったら、7番手でNo.39の前に出られた
ので、それが残念です。今90kgというハンデが載っているんですが、それがここの
上り坂とブレーキングできびしいので、今日の感じとしてはあまりうれしくないで
すね。明日は、勝つのはちょっと難しいでしょう。それより自分たちのクルマはコ
ンスタントにタイムが出ているので、それを利用して、また前回もそうだったよう
にピット作業をうまく使って、きちんとペドロに渡したいです。それでペドロが抜
いてくれればなおいいですね。(最後に日本語で)デモ、トテモオモイデス」
ペドロ・デ・ラ・ロサ「ボクは、明日のことはあまり心配していません。というの
も、クルマはコンスタントにタイムが出るようになっているものですから。確かに
90kgというハンデはありますけれど、そんなには心配していません。明日重要なの
はインテリジェンス、つまり頭を使ったレースといえるでしょう。我われのチーム
は、No.36にもNo.37にも両方にチャンピオンのチャンスがあるわけで、チームが頭
を使って、どちらからピットに入れるかをまず決めなければいけません。そのうえ
でピットワークが非常に重要になってくるでしょう。デンソー・スープラをチーム
プレイで抑える可能性については、No.37がチャンピオンを取れる可能性がなくなっ
たとわかれば、ありうる話だと思います。ただ両方ともチャンピオンの可能性があ
るわけですから、状況を考えながら運転しなければいけないですし、チームもそれ
をよく考えなければいけません。そこが明日のレースの重要なキーになると思いま
すね。(最後に日本語で)ドウモアリガトウ、ソレデモガンバリマス」


No.19 RS☆Rシルビア(GT300ランキング1位)
福山英朗「結局10番手ですね。まぁあんまり重たい重たいという話はしたくないん
ですが、そんなこと考えててもしかたないんで、あんまり考えないようにしていま
す。だけどこれまでウエイトが増えるたびにチームが総がかりで対応してくれたん
ですけれど、ここまで来るとさすがにどうしようもない。何やってもクルマが反応
してくれないところまできちゃいまして、しょうがないですね。明日は、たぶんレー
スは荒れるでしょうから、ぜひとも武士くんにはトップとって、ポイントを接近さ
せてもらって、あとは日ごろの行いがいいほうにチャンピオンが転がり込むんじゃ
ないかと思います。ところが最近、新田守男の行いがちょっとよくなっちゃった
し(笑)、恵一さんは7時くらいに寝ちゃうらしいし(笑)、結構不利かなあって
感じですね。8ポイント差というのは、ラップタイムが同じだったら大きいですね。
でもタイムがちょっと違うので、さほど大きいとは言えないんじゃないでしょうか。
序盤で上にいきたいんですが、肝心なところが遅いですから、多分いけませんね。
だからホントに武士くんに勝ってもらって、間違っても恵一さんを勝たせないよう
に、今日同盟を結びたいと思います(笑)。あ、でも武士くんは師匠が恵一さん
か…。それに一番の問題は織戸の日ごろの行いなんだよなぁ(笑)。まぁ正直なと
ころ、今回はほんとうにきびしいです。今年一番の気合いの入った予選をやったん
ですが、この程度なので、やはりいろんな混乱が起きてくれることを祈りたいと思
います」
織戸学「ボクも福山さんと同じです。とりあえず最終戦まで来て、チャンピオンに
王手をかけてますんで、それに向かってチーム全員がほんとうに一生懸命やってい
るので、なんとか明日いいかたちでGTのシリーズを終えたいなと思ってます。今日
の結果ではなく、明日のゴールしたときの順位とポイント、それだけ考えて頑張り
たいと思います。ただ100kgのハンデは、80kgまででは感じなかったものがいろいろ
出てきちゃった気がしますね。とくにここのコースのせいもあると思うんですが、
すごく重いんです。金曜日ここで初めて乗ったときに、なんか全然違うクルマに感
じられましたから。とくに上りの区間が遅いのと、ブレーキの制動距離が伸びちゃ
うんで、全般的に遅くなっちゃいますね。それでも今までウチのチームはピット作
業とかいい感じにできてたんで、明日もそれをやって、頑張りたいですね」

No.39 デンソーサードスープラGT(GT500ランキング2位)
影山正美「ベストをつくして頑張ります。暑くても寒くても、雨さえ降らなければ
関係ない。とにかくNo.36の前にいないと。5ポイント差をつけないとね」

No.26 タイサンスターカードRSR(GT300ランキング2位)
新田守男「いくだけいくしかない。ウエイトを積んでるわりには思ったほど悪くは
ないって感じかな。ただ、決勝はきびしいでしょう。ストレートスピードがつちや
MR2より12km/h遅い。シルビアとは最終コーナー立ち上がりでほとんど一緒。80kgと
100kgの差はもちろん大きいけれど、実質はあまり変わらないと思う。シルビアのほ
うは20kgの差を感じてるかもしれないけれど、ウチは有利だとは思っていない」


☆決勝日のトピックス

No.19 RS☆Rシルビア
織戸学「昨夜、足回りのセッティングを大幅に変えたんですが、それが大正解だっ
たようです。もう昨日までとは全然違いますね。すごくよくなりました。燃料がカ
ラでも満タンでもタイムが出てますし、かなりいけそうな感じです」

*25 つちやMR-2
土屋武士「朝は、走り出してすぐターボが壊れて、今交換中です。タービンの羽が
欠けたみたいです。でも朝のうちでよかったですよ。決勝中でなくてラッキーって
感じですね。昨日のうちにフル満タンのテストも終えているので、朝走れなかった
のはまったく心配していません」

No.910 ナインテンポルシェ
玉本秀幸「昨日の予選タイムが取り消しになったのは、午後、ガーニーフラップを
ダウンフォースをつける方向で調整したら、それが規定より7mm出っ張ってしまった
ためです。午前は出ていなかったんで、そのタイムは認めてほしかったんですけ
ど…。今朝のタイム(クラス3番手)はダンロップのソフト系タイヤがよかったか
ら。予選で使った中古なんですけどね」

No.26 タイサンスターカードRSR
新田守男「今朝のタイム(クラス8番手)はほぼ満タン状態でのもので、ウチとし
てはこれくらいでしょう。29秒台ではいけないでしょう。路温はもうちょっと上がっ
たほうがいい。まあ陽も出てきたし、このままということはないでしょう。予選順
位が4位から3位に繰り上げになったのはうれしいですね。でも、ナインテンのペー
スは結構速いから、すぐ上に来ちゃうと思うと思うけど」

No.51 コブラポルシェ
池谷勝則「今は2番手だったみたいね。予選用仕様はないんで、決勝も予選と同じ
ようなタイムで走れるのが強みです。燃料は60リッター積んでました。本番もこれ
でスタートします。タイヤは路温が低かったのにきちんと発熱してくれた。決勝で
も問題ありません。最終戦だから、表彰台の片隅でもいいから上りたいね」

No.39 デンソーサードスープラGT
影山正美「クルマは決まってますよ。満タンのテストでもOKでしたし…。No.36が
タイム上げてきてますけど、あれは一発でしょ。ウチはコンスタントにいけますか
ら大丈夫です。ま、でも、他のクルマのことはあまり考えずに、とにかくミスなく
やります。1台でも前に行くだけですね。やるだけのことをやって、悔いのないよ
うにしたいです。ボクのレース人生で全日本タイトルに挑むのは2度目で、F3のとき
はタイトルをとりそこなってます(インサイドレポート班注 '94年全日本F3選手権
でM.クルムに次いでシリーズ2位)から、今回はぜひとりたいですね。それにあん
まり外人ばっかりタイトルとるのもおもしろくないでしょ」
谷川達也「タイトルは意識せずいつも通り淡たんといくだけです。あせらずじっく
りいけば、結果はついてくるでしょう。とにかくNo.36より前でゴールしますよ」

No.3 ユニシアジェックススカイライン
朝のフリー走行の後、フロントのダンパーを交換していた。「今ごろこんなことやっ
てるんだから、どれだけクルマに苦労してるかわかるでしょ?(笑)」と長谷見昌
弘。「ちょっとフロントを柔らかくしてるんだ。ハネる箇所があったんでね。それ
にしてもスカイラインはきびしいね。ストレートがこんなに遅いんじゃ勝負になら
ないよね。それに6気筒で前が重いから、リアに荷重がかからない。だから燃料が
満タンでもカラでもタイムがおんなじなんだ。ま、スカイラインはどこもみんな渋
い顔してるでしょ。星野のとこなんか、おっかないから行かないほうがいいよ(笑)」

◎決勝前のにわか雨
 午前中は気温は低いながらも澄み渡っていた青空が、決勝を前にしてにわかに曇
り、細かい雨がパラついてきた。ポールスタートのNo.100 RAYBRIG NSXの飯田章に
「雨はどうですか?」と水を向けると、「ダメ」と一言。No.18 avex童夢無限NSXの
黒澤琢弥も「走ってないからわからねェ」と、表情はあまりさえない。しかし、
NSXが雨で不利というわけではないようだ。トムスの伊藤エンジニアは、「NSXがダ
メと言ってるのはフィーリングの問題でしょう。仙台ハイランドでも雨で妙に速かっ
たし、データ上ではウチが完全に負けてます」という。そうは言っても、もちろん
トムスが勝負をあきらめてしまったわけではない。「雨の作戦というのはとくにあ
りません。ウェットタイヤで走るだけです。でも、レースはなにがあるかわかりま
せんから。とくに雨だといろんなことがありますからね」と、虎視耽々と勝利を狙っ
ているようすだった。
 一方、GT300クラスでは、予選トップのNo.25 つちやMR-2の土屋武士が「雨はやみ
ますよ。やまないと帰る(笑)」といえば、No.26 タイサンスターカードRSRの鈴木
恵一も「ダメ(笑)。ダンロップがいっちゃうんじゃない? タイヤは坂東のとこ
も一緒だけどさ、8ポイント差があるから、ウチはできるだけ前にいかなきゃいけ
ない。でも、雨だとそれが難しいよね」と、ヨコハマタイヤ勢のトーンが低い。し
かし同じくヨコハマを履くNo.27 シェル・フェラーリF355の太田哲也は「路面が濡
れているとトルクの差が出にくいからチャンスはある。ヨコハマとダンロップとどっ
ちがいいかは、雨の量にもよるから、なんとも言えないよ」と、必ずしも不利とは
考えていないらしい。
 対するダンロップ勢では、No.7 RE雨宮SuperG RX7の松本晴彦が「雨でパワーの差
が縮まるからいいんじゃないでしょうか。とくに雨のテストというのはしていませ
ん。仙台ハイランドのように、テストのときたまたま雨だったことはありますが、
セッティングを出すまではいってません。でも、タイヤは大丈夫。たぶんダンロッ
プのほうがいいんだろうと思います。表彰台の真ん中ですか? ウーンそうですね。
トラブルさえ出なければ…」と、控え目な表現ながらも心中かなり自信がありそう
なようすだった。


◎決勝タイヤレポート
ブリヂストン
スリックは全車ソフトタイヤを選んでいる。交換が前提。雨天用は2種類。斜めの
グルーブが入ったほうが雨が少ないとき用で、U字型のグルーブが入ったほうが通
常のレインタイヤ。ヘビーレイン用、カットスリックなどは用意なし。どのタイヤ
でスタートするかは各チームに任せている。

ヨコハマ
GT500の晴天用は、No.13 エンドレスアドバンGTRとNo.34 STPタイサンアドバンバ
イパーがミディアム、No.39 デンソーサードスープラGTがソフトを選択。どちらも
交換が前提。デンソーサードスープラGTはソフトでも40数ラップ24秒台が可能。雨
天用は、レインとスーパーレインの2種。一応カットスリックの用意もあるが、予
選用と割り切っている。
GT300の晴天用は、No.19 RS☆Rシルビアがソフトで、交換が絶対条件。No.25 つ
ちやMR-2は「しっかり感がある」とのことで、ハードを選択。無交換でOKだが、交
換の可能性もある。No.26 タイサンスターカードRSRは前がソフト、後がミディア
ム。交換は後輪だけの可能性が高い。その他のGT300マシンはソフトを選択。交換を
予定してしないチームが多い。雨天用はGT500同様、レインとスーパーレインの2
種。こちらも一応カットスリックの用意があるが、決勝での使用は薦めていない。

ダンロップ
GT500は、No.5 5ZIGEN SUPRA、No.88 JLOCディアブロGTRの2台とも晴天用はミ
ディアムを選択。交換必要。雨天用はカットスリック、インターミディエイト、ウ
ェットの3種。
GT300の晴天用は、No.71 シグマテック911とNo.81 ダイシンシルビアがミディア
ムを選択。ともに交換を予定している。それ以外はソフトで、交換が必要となる。
雨天用はGT500同様、カットスリック、インターミディエイト、ウェットの3種。


○決勝スタート直前 13時50分現在
*急な雨のために13時40分から15分間のフリー走行を実施
 天気:曇り時々雨  コース:ウェット/ハーフウェット
 気温:10度  路面温度:12度
 入場者数:10/26 35,600人(10/25:6,200人 曇り)

◎ピットスタート
No.13 デフ・トラブルの修理、No.510 スタータートラブル

*ローリング開始:14:20

*リタイヤ(GTインサイドレポート班調べ)
No.   原因             周回数
------------------------------------------------
No.3   ミッション           17L
No.17  オイルクーラー         21L
No.27  コースアウト          36L
No.77  デフ(コース上でストップ)   43L
No.91  他車との接触          45L
No.556  エンジン            50L

No.100 RAYBRIG NSX(総合2位)
高橋国光「亜久里を抜いたのは気がつかなかったよ。一度、当てられてスピンして
遅れちゃったんだけど。そのあと抜き返したの? ああそう、知らなかった」
飯田章「いや、国さんもそれだけ真剣だったってことですよ。表彰台に上がれてよ
かったです」

No.2 ZEXELスカイライン(総合3位)
鈴木亜久里「止まりきれなくて国さんに当たってスピンさせちゃったんで、最後は
先に行ってもらおうと思った。いや、譲ったわけじゃなくて自分ではみだしちゃっ
たんだけど(笑)。でも、なんとか表彰台に立ててよかった」

No.26 タイサンスターカードRSR(GT300クラス2位)
新田守男「すごく悔しいね。黄旗追い越しとかそういうのないの?」

No.25 つちやMR-2(GT300クラス3位)
土屋武士「あの状況ではトップは守りきれなかった。でもベストはつくしたので満
足はしています」


*インサイドレポート3に続く

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.6/5

                  ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                     1997  GT INSIDE REPORT
  Round 6 SUGO GT CHAMPIONSHIP                                 25 Oct.'97
   GT Inside Report           インサイドレポート1              FMOTOR4版
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'97GTC第6戦 SUGO GT選手権レース

☆練習日のトピックス
No.556 KURE R33
金曜日の3回目のフリー走行セッションが始まる前に影山正彦に話をきいた。「ス
カイラインとしてはよく仕上がってるんだけどね。2セッション走って、スカイラ
インではNo.2 ZEXELに続く2番でしょ。しかもさっきZEXELはソフトタイヤだった
のにウチはハードだったからね。まぁでも、スカイラインは97年モデルでは限界か
もしれない。98年モデルに期待したいですね。実際、もう先行パーツを試したりし
てますから、例年より早い時期に投入されることになると思います。それはそうと
ね、今回のレースは荒れるよ、きっと。だって今日のフリー走行も、首都高でレー
スしてるみたいだったもの。寂しい話だけど、レースは荒れてもらったほうがいい
ね。状況が悪くなれば、自分がトラブルに巻き込まれる可能性も高いけど、その分
チャンスが開けるからね」。ところがこのセッションの終了間際に最終コーナーで
激しくクラッシュし、マシン前部を大破させてしまった。『荒れる』という予感が
早くも最悪の形で現れてしまったわけだが、ドライブしていた影山は軽いむち打ち
症状程度で済んだ模様。しかしマシンは修復不可能と判断され、急遽東京から96年
モデル(開幕戦で優勝した元ZEXEL号)を取り寄せて予選と決勝に出走することに
なった。
「ちょっと大袈裟に首にガードをつけてますけど、身体は大丈夫です。マシンは…、
まぁガタガタになるまでテスト済みですから(笑)、大丈夫でしょう」(影山)

No.27 シェル・フェラーリF355
 美祢の第5戦をNo.28のみで戦ったチームFCJフェラーリ。今回は2台揃い、
No.27に太田哲也とハイランドで1回走ったスティーブン・アンドスカーのコンビ、
No.28には山崎正弘とフェラーリ・チャレンジ・ジャパンのトップランカー、パト
リック・バンスクートのコンビがそれぞれ乗ることになった。マシンにはとくに大
きな変更はない模様。太田によれば、「トルクが足りないので、ストレート後半は
まだいいのだけれど、前半の上り部分はとてもターボ付きのマシンについていけな
い。それでもここはコーナーでスピードを落とさずに行けるところが多いので、美
祢よりはだいぶいいと思う。予選でなるべく前に行って、決勝で早めに逃げないと
ポルシェに追いつかれると思うから、予選は5位以内を狙います」

No.57 SiFo Spider Ver.GT
 第2戦の富士に登場したものの、フリー走行でエンジンを壊し出場できなかった
ルノー・スポール・スピダーが、最終戦にようやく再登場した。SiFo代表の藤井氏
によれば、「今回はエンジンとミッションを3基ずつ用意しています」とのことで、
スピダーが初めて決勝レースに出場するのは間違いなさそうだ。今回ドライバーは、
N1耐久ラウンドで活躍、GTC第2戦ではナインテンポルシェをドライブした砂子智
彦と、ミラージュ・レースなどで実績のある吉富章の二人。砂子によれば、「今回
はとにかく80%の力で走って完走を狙うだけです。なにせパワーは250hpくらいです
し、ギアが全然あってないものですから。2速が全然あってないのと、ストレート
で4速までしか入らないのがきついですね。他のクルマに抜かれるのに神経を使う
ので、大変です」とのこと。


☆予選日のトピックス

No.100 RAYBRIG NSX
 1回目の公式予選で飯田章がトップタイム(1分21秒805)をマークした。昨年R.
シューマッハ(マクラーレンF1GTR)が記録したコースレコードを0.6 秒近く短縮す
るタイム。高橋国光によれば、「とにかくクルマが乗りやすいんです。童夢のほう
は満タンだとアンダーからオーバーに変わるなんて言ってるようですが、ウチのは
まったくクセがないんですよ。ガソリンの量もとくに関係ないみたいです。まぁこ
のコースは、美祢もそうでしたけど、NSXに向いているんでしょう。速いというより
ムダがないという感じです。それと6速ミッションが、すごくうまくパワーをのせ
られるようにセットされているのがタイムに結びついているんでしょうね。今回は
ソフトめのタイヤを選んでいます。40周程度のロングテストもOKでしたので、問題
ないと思います。午後の予選もこのままイケるでしょう」と、自信満々だった。

No.38 カストロール・セルモ・スープラ
金石勝智「昨日は(セッティングが)森のなかの迷路に迷い込んでました。昨日の
状況のままではスカイラインが前にいってたかもしれない」
竹内浩典「やればやるほど深みにはまってたが、9月のここのテストのときのセッ
トに戻したらうまくいった。20分のセッションで時間をうまく使って、タイヤを温
めてアタックしました。No.18のタイムは見えたし、No.100のタイムもいけると思
う。午後はいくだけいきます。コース状況は悪くないし、路面のグリップも高いと
思う。決勝の作戦は思案中。フェラーリに当たらないように(笑)頑張ります。う
まいところで抜けるかがポイントでしょう」

No.8 POWER CRAFT SUPRA
ワイン・ガードナー「マシンのセットアップは長坂さんが昨日やった。自分として
はほとんどそのまま乗ったが、ただ今朝スプリングをハードなものに変えた。これ
で乗りやすくなって速くなった。長坂さんはやわらかいスプリングのほうを好むよ
うだけど。セッテリングにはほぼ満足しているが、あとコンマ2から3秒速くなると
思う。午後トラフィックがなければもう一度アタックするつもりだ。タイヤも1セッ
トしか使っていないし。ライバル? 全車だよ。とくにトムスが速い。ホンダもね。
チームが一生懸命やっているので表彰台に立ちたい」

No.25 つちやMR2
土屋武士「やりようによっては他チームも26秒台は出ると思う。ストレートスピー
ドはポルシェも一緒。予選はMR2のコーナーの速さが生かせるけど、決勝はタイヤに
優しいポルシェが有利でしょう。シルビアも、コーナーもストレートも速いし、す
ごくいいと思う。MR2はドッカンターボだから、そこらへんがネック。MR2とポルシェ
とシルビアがいい勝負になるでしょう。RX7もからんでくるかもしれないし。決勝で
はヨコハマタイヤにGT300クラスの今シーズンのパーフェクトをプレゼントしたい。
速いクルマはウエイト積んでるから、逃げるのはボクしかいないと思いますが、総
合力を含めるとポルシェとの争いになるでしょう」

No.26 タイサンスターカードRSR
鈴木恵一「(予選1回目のタイムは)こんなもんでしょう。この重さであそこまで
来てるからいいんじゃない。大渋滞だったしね」

No.60 ワイズダンロップBPキャバリエ
予選1回目、田中実のドライブ中にドーン! という音とともにマフラーのタイコ
の部分が破裂した。佐藤久美は、「私が運転しているときに爆発するよう田中さん
が時限装置をセットしたのだけれど、ちょっと早すぎて自分のときに爆発しちゃっ
たみたい」と大笑い。一方の田中は、「急にドカーンとフロアの下で爆発したんで
ビックリしましたよ。タイコのところだけで済んだんですけど、交換パーツがない
のでどうしようかと思ってるんです」と、笑顔ながらもちょっと困ったようすだ。

No.510 RH CERUMO SUPRA
ポール・ベルモンド「富士の第4戦でクルマの調子はすごくよかったし、今回もス
トレートが長いコースなのでチャンスは十分あると思う。ボクらのクルマは、エン
ジンだけは97年仕様だけれど、基本は96年モデルなので苦しいことは確か。でも美
祢ではとてもきつかったHパターンシフトのハンデがここでは少なくなるので、ぜ
ひともいい結果を残したい。最後のチャンスだしね」

No.34 STPタイサンアドバンバイパー
千葉監督「前戦の美祢より、リアのホイールを1インチずつ外に出し、それに合わ
せてリアフェンダーを20mmずつ広げてあります。またリアウイングを2ピースタイ
プにし、ブレーキも強化しています。ブレーキについては、今後タイサンのポンプ
を使った水冷装置をつける予定です。昨日のフリー走行で不調になったエンジンは
ハーネスのトラブルだったようです。なにしろ10気筒だもので、多少おかしくても
走れてしまうんです」
松田秀士「さっきホンの少し走っただけなんだけれど、アンダーステアがまだ強い
ね。せっかくリアはトレッドがひろがって安定したんだけどね。だから本当はやり
たくないんだけれど、リアのグリップレベルを少し落としてバランスを取った方が
いいみたいだね。まぁそれでも、いろんな問題がクリアになれば、あと1.5秒は速
くなると思うよ」

No.77 クスコスバルインプレッサ
 シーズン当初から噂のあったインプレッサが最終戦でデビューを果たした。キャ
ロッセの加勢裕二代表によれば、「クルマを造るのに時間がかかって、最終戦になっ
てしまいました。図面を引き始めたときから勘定すると1年ぐらいかかっています」
とのこと。「出場のきっかけは、ただやってみたかったのと、インプレッサは速い
はずと思ったから。ウチはインプレッサでジムカーナ、ラリーのタイトルをとった
し、ダートラも他のチームのインプレッサがとってます。もし、このGTCでとれれば
全部でしょう(笑)」。
 ベースマシンは4WDだが、キャロッセが独自にFRに改造している。エンジンは水
平対向4気筒の2リッターで「パワーは340~360馬力ぐらい出るはずですが、リス
トリクターで絞ってますからもう少し低くなっているはず」という。搭載位置はバ
ルクヘッドぎりぎりまで下げ、低重心を心がけている。エンジン以外のボディと足
回りは内製。レギュレーション上サスペンション形式は変えられないため、4輪ス
トラットのままだ。足回りに関しては「ごく普通にセオリーどおりに造っている」
とのこと。「ダートラのDクラスの車両を造るよりはラクでした。シンプルなFRで
すからね。FRのクルマをつくるのはすごく久しぶりなんです」という。加勢本人は
ラリー歴が約25年。現在もインプレッサで走っているが、「もう15年ぐらい前に
AE86とかサニーで筑波や富士を走っていましたよ」と、レース歴もある。このクル
マのシェイクダウンも自分で乗ったという。しかし、チームは「ボク以外はサーキッ
トは初めての素人集団」。チーム内では『パドックってどこにあるの? どうやっ
て借りられるの?』とか『ピットの水って飲めるの?』といった珍問が飛び交って
いるらしい。今後については、「98年は未定ですが、全戦出たいですね」と、意欲
は満まんだ。ただし今回は金曜日にエンジンが壊れてしまい、「予備エンジンがな
いんで、予選と決勝はN1よりもおとなしいノーマルエンジンで走ります」と苦戦は
免れそうもない。
 一方、ドライバーの小林且雄は、昨年JUNオート・スカイラインで出場して以来の
GT参戦。「シェイクダウンは先週の15日。FRでよく曲がるし、パワーもそこそこ出
てるから、感触はいい。シェイクダウンでは1分32秒ぐらいのタイムが出た。クル
マの回頭性は結構いい。サスペンションセッティングをしていけばさらによくなる
でしょう。今は立ち上がりでオーバーが出やすいから踏めないけど。さすがダート
ラチャンプを生んだファクトリーのクルマだけにしっかりつくってあるし、ボディ
剛性はかなりある。シャープな動きですよ」と、かなりの好感触をつかんでいるよ
うすだった。

No.7 RE雨宮SuperG RX7
山路慎一「クルマはなにも変わっていないのにフィーリングがかなり変わってしまっ
た。原因は不明。初期アンダーがすごくて、最終コーナーの飛び込みの『チョンブ
レ』はアウトに飛んでいくような危ない感じ。クルマがいうことをきいてくれない」

No.39 デンソーサードスープラGT
谷川達也「クルマのセッティングは決まってきたんですけど、タイムが出ないです
ね。ハンデの重さはとくには感じないんですが…。とりあえずNo.36の前ですけど、
真後ろですからねェ。明日はスタートで正美さんにできるだけ引き離してもらわな
いと、ボクには少し荷が重いかな。でも、前回の悔しさをはらすためにも頑張りま
す。No.36もハンデが重いから、お互いに我慢のレースになりそうですね。ピット勝
負になったら、ウチはいつも速いんで、そこで勝ちたいです」

No.36 カストロール・トムス・スープラ
ミハエル・クルム「予選9位というのはあまりうれしくない。午前中はエンジンに少
し問題があって、午後はこれを替えてタイムを出した。あとコンマ1秒速ければ
No.39の前に出られたのに残念だ。90kgのハンデは上りとブレーキにきつい」
ペドロ・デ・ラ・ロサ「明日はいい結果が出ると信じている。クルマはコンスタン
トにタイムが出るので決勝は大丈夫。90kgのハンデはあるが、そんなに心配はして
いない」

No.38 カストロール・セルモ・スープラ
竹内浩典「午後はセッティングを変えたけど、タイムは変わらなかった。ただ、決
勝セットはいいバランスが出ている。NSXは決勝セットでコンマ5秒以上速いんで、
正直、関谷さんのところを含めたスープラ2台はつらいかな。でも、決勝はなにがあ
るかわからないから、くっついていく。後ろで熾烈なチャンプ争いをしてもらって、
関係なく前でトップ争いをしたい。チャンプは関係ないんで暴れようかな。去年の
ハイランド以来勝ちがないんで、あとは運。いつ勝ってもおかしくない状況にはあ
るんです」

No.37 カストロール・トムス・スープラ
鈴木利男「クルマはとくに問題はない。今回は関谷さんの番なので、アタックもセッ
ティングもおまかせしました。今回はセルモが勝つかなと思ったけど、上にいった
ね。でも、NSXは速いね」


◎ポールポジション記者会見

No.100 RAYBRIG NSX(予選総合1位)
高橋国光「おかげさまで最終戦でポールポジションがとれてうれしく思います。飯
田章選手がかなり頑張ってくれましたし、マシン的にも、シャシーやその他の部分
がすばらしくて、成果が出せたと思います。結果だけがすべてですから、前回の美
祢の2位以上の結果を出せればと思っています。どこのチームも最終戦はかなりエ
キサイトして激しい戦いになると思いますが、そのなかで我々もアンラッキーなこ
とにならないよう、頑張りたいと思います。最近どこのサーキットでも追い抜きが
難しいので、やはりフロントローというのは有利ですから、明日は逃げるレースが
できれば一番いいですね。僕の若干マイナスの分、章にドンドン逃げてもらってプ
ラスしてもらおうかなと思ってます(笑)。とにかく、このサーキットにNSXが合っ
ている気がするんです。乗りやすいですし…。それとエンジンのほうにすごく元気
が出てきて、他のクルマとの差があまり大きく出なくなったことも一因でしょうね」
飯田章「たまたまというか、ポールポジションがとれてすごくうれしいです。クル
マのほうもチームのほうもすごくいい雰囲気で、シーズンの後半どんどんいい方向
で来ていますので、最後に勝って気持ちよくオールスター戦に出場したいと思いま
す。で、クルムとペドロがチャンピオンとってウチが優勝なら一番いいですね。明
日はできたらオープニングラップから逃げて、国さんに渡して、若い走りで(笑)
頑張ってもらいたいです。国さん、金曜日からすごくコンスタント・タイムも速い
んで、ボクもレースがすごく楽しみです。このサーキットではNSX速いですね。ただ
真っ直ぐだけは、ターボ付きや大排気量のマシンのほうがやはり速いです。だから
とにかくスタートで前に出ることですね。前に行かれてしまったら抜けないでしょ
うし。そのへんを重じゅう心得て……、まぁでも楽しいレースができればいいと思っ
てます。童夢のNSXと2台で逃げて、いいレースがしたいですね」

No.25 つちやMR-2(GT300クラス予選1位)
土屋武士「今日の予選の結果にはすごく満足しています。1戦欠場してしまったた
めにチャンピオン争いからは脱落してしまったんですが、メカニックが忙しい間を
ぬってマシンを仕上げてくれたので、とにかくメカニックのために明日優勝という
かたちを残したいと思います。クルマの仕上がりはすばらしいんですが、富士の第
4戦の例もありますし、レースはなにが起こるかわからないですから、その場の状
況を判断してベストをつくすことだけをいつもどおり考えて、頑張ります。予定で
はボクが先に乗って、引っ張れるだけ引っ張るつもりなので、最初はガソリン満タ
ンでスタートします。今回はヨコハマタイヤのGT300クラスのパーフェクトがかかっ
ているので、それをとにかく達成したいですね。オールスター戦にも出る方向で話
は進んでいると聞いています」


*インサイドレポート2に続く

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.6/4

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
  Round 6 SUGO GT CHAMPIONSHIP                                 26 Oct.'97
   Race Report                    決勝レース                   FMOTOR4版
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大混戦の最終戦
雨の狭間を突いたNo.5 5ZIGEN SUPRAが初優勝!
正美の健闘届かずチャンピオンはクルム/デ・ラ・ロサ組に


 10月26日、スポーツランドSUGOで全日本GT選手権第6戦(最終戦)の決勝レース
が行われた。レース直前から雨が降ったり止んだりと天候が目まぐるしく変わるな
か、接近戦が展開され、特に終盤は目まぐるしくトップを含め順位が変わる混戦と
なった。その中、終盤を堅実に走ったNo.5 5ZIGEN SUPRAがGTC初優勝を飾った。GT
300クラスもNo.71シグマテック911が今季初優勝となった。
 チャンピオン争いはランキングトップのNo.36カストロール・トムス・スープラと
2位のNo.39デンソーサードスープラGTが序盤で接触し、No.36は大きく遅れ入賞圏
外となったが、No.39が上位入賞できなかったため、No.36ミハエル・クルム/ペド
ロ・デ・ラ・ロサ組がチャンピオンとなった。

スタート前に突然の雨。
それが混乱の始まりだった。

 決勝レースのスタート2時間ほど前に急に雨が降り路面はウエット状態となって
しまった。雨自体は20分ほどで止んだのだが、気温の低さから決勝レーススタート
時になっても乾かなかった。このため、急遽レインコンディション下のフリー走行
を15分行った。
 そして、路面が乾かない状態でレースはスタートとなった。フロントローの2台
のNo.100 RAYBRIG NSX・飯田章とNo.18 avex無限童夢NSX・黒澤琢弥が1コーナーへ
ならんで進入し、なんとNo.100がスピン、リカバリーしたものの28番手近くまで落
ちてしまった。一方、この先陣争いを制したNo.18は、2番手のNo.37カストロール
・トムス・スープラ・関谷正徳を徐々に引き離し、単独走行となる。2番手争いは
No.37、No.38カストロール・セルモ・スープラ・金石勝智、No.8 POWERCRAFT 
SUPRA、W.ガードナー、No.5 5ZIGEN SUPRA・M.グーセンのスープラ勢が1秒間隔ほ
どで競り合う緊迫した争いとなる。そして単独6番手にNo556 KURE R33が。ランキ
ング1、2位でチャンピオンを争うNo.36カストロール・トムス・スープラのM.クル
ムとNo.39デンソーサードスープラGTの影山正美は7、8番手。その後ろにはNo.2 
ZEXELスカイライン、No.12カルソニックスカイラインがほとんど差がなく4台がテー
ル・トゥ・ノーズ状態となる。スピンで遅れたNo.100は凄まじい追い上げで中盤の混戦
を掻き分け、わずか12周で6番手に復帰した。
 そして、19周目のストレートでNo.39のテールとNo.36のノーズが接触。No.39はそ
のまま走り続けたが、No.36は左フロントフェンダーを大破してピットへ戻る。普段
ならリタイヤするほどの破損だったが、チャンピオン争いを少しでも有利にするた
め、トムスは修理を決断し長時間の作業に入った。
 この頃になると、雲が途切れて日差しが強くなる。路面はドンドンと乾いてい
き、20周を過ぎる頃には走行ラインはドライ状態となる。このころからトップNo.18
のペースが上がらなくなり2番手集団のNo.8、No.37、No.38がじわじわと近づき差
は5秒程度となる。レース中盤となり、各車ルーティン(予定)のピットインへ。
コースコンディションを見てすべてのチームがスリックタイヤへと交換した。10番
手を走行していたNo.39が37周目にピットイン。ここでNo.36との接触で壊した右リ
アフェンダーがジャマしてタイヤ交換が速やかに出来ずに1分40秒近い時間をロ
ス。順位こそ13位での復帰だったが、これでチャンピオンの可能性は絶たれたかに
見えた。

ウェットからドライ。そして...
サバイバルレースは意外な結果に

 各車のピットが終わった47周目には、No.100、高橋国光が4番手にまで復帰、
トップNo.18山本勝巳の後方のNo.8長坂尚樹、No.37鈴木利男、No.38竹内浩典からな
る2番手集団の後ろにぴったりとくっつき4台でのサイド・バイ・サイドを展開す
る。その後ろにはNo.5田嶋栄一、No.2鈴木亜久里、No.556近藤真彦の順番に。だが
No.556はエンジントラブルで脱落する。
 そして、No.37は60周目の1コーナーでパスして、2位となる。これでこの時点
で10番手のNo.39が6位以上にならないとNo.37関谷/利男組の逆転チャンピオンと
なる。
 そしてこの頃からまたもや雨がコースを濡らし出す。トップNo.18はこのためか
ペースが大きく落ち、2番手No.37が差を詰めていく。一方、雨の降りはさらに強
くなり、スリックを履いている各車の挙動が安定しなくなる。
 そして、69周目の馬の背コーナーでNo.18山本がスピン。再スタートは出来たも
のの一気に4番手に落ちた。これでNo.37がトップに立つが、次の周にこの雨でも
ペースの良かったNo.38にかわされて再度2位に。だが、No.38も73周目に1コー
ナーでスピンし、グラベルにはまり自力で脱出することが出来ずに入賞圏外へと落
ちた。これでラスト8周。トップに立ったNo.37がも大逆転でチャンピオンと誰もが
思った76周目に、なんと利男がヘアピンで痛恨のスピンアウト。順位を3番手に落
とす。
 これでトップに立ったのはこの悪条件下で手堅く走ったNo.5 5ZIGEN SUPRAだっ
た。No.5はこのまま順位をキープして初優勝を飾った。ドライバーの田嶋も途中1
度スピンをしたが素早いリカバーで事なきを得て我慢の走りの結果だった。
 ラスト5周では2番手にNo.100が上がって来たのだが、その周の馬の背でスピ
ン。後半の混乱を後目に上がってきたNo.2亜久里が変わって2番手になるが、なん
とファイナルラップでスピン。再度気力の走りでリカバーしてきたNo.100 RAYBRIG
 NSX国光がこれをかわして結局2位でゴールした。3位はNo.2 ZEXELスカイライン
となった。
 チャンピオン争いだが、一時はトップを走ったNo.37は結局4番手に落ちてアウ
ト。そして、No.39谷川達也は交代してから1度スピンしたものの、コース上に残
り走り続ける。終盤、上位陣の混乱で順位を上げたが最終的に7位となった。
 この結果、No.36クルム/デ・ラ・ロサ組とNo.39影山正美は、ともに67ポイント
で同点となり、優勝回数も2回、2位1回も同じ。No.36は1度の3位入賞がある
が、No.39はこの次の入賞が5位のためにNo.36のチャンピオン獲得が決定した。な
お、チーム・タイトルはTOYOTA Castorl TEAMが獲得した。

コンディションの変化を味方に
最速つちやMR2を制したシグマテック911が初優勝
チャンピオンはわずか1ポイント差でRS☆Rシルビアの手に

 GT300クラスは、ウエットコンディションの序盤から、なるべく高いギアでトル
クをかけずに走ったNo.71シグマテック911(星野薫/城内政樹組)が、スタート直
後の2周目に4位、4周目にはNo.27フェラーリをかわし、さらに5周目にはNo.25
つちやMR2の背後に迫る。9周目にはとうとう1コーナーのブレーキングでトップ
に立ち、39周目には70秒のマージンを得てピットストップ。星野から城内へのドラ
イバー交替も無事に終える。53周目にいったんはNo.25つちやMR2の先行を許したも
のの、終盤の雨の中の69周目に再びNo.25土屋武士をかわしたNo.71城内が、見事に
初優勝のチェッカーを受けた。
 シリーズは、5位でチェッカーを受けたNo.19RS☆Rシルビア(織戸 学/福山英
朗組)がNo.26タイサンスターカードRSR(鈴木恵一/新田守男組)にわずか1ポイ
ント差をつけて獲得した。チーム・タイトルもNo.19のRS-Rレーシングチームwith 
BANDOHのものとなった。



ウィナーズ・コメント
総合優勝
No.5 5ZIGEN SUPRA
田嶋栄一「うれしーいっ!!!! 最後に勝ててほんとうによかった。勝てるなんて
全然予想してなかった。ボクも1回スピンしたんだけど、前がどんどんスピンし
てくれたんで勝つことができた。タイヤもよかった」
マーク・グーセン「とてもうれしい。チームスタッフがハードワークをこなして
くれた。メカニックにはほんとうに感謝している」

No.71シグマテック911
星野 薫「1コーナーのブレーキングでトップに立ちました。1分10秒離れてま
したが、長嶋くんから武士くんへ代わるのでわからないと思った。走り方として
クルマはなるべく高いギアを使ってトルクをかけずに走った。いいレースでした
ね。タイヤのおかげ。GT300クラスでは1年半ぶりの優勝ですね」
城内政樹「スリックではNo.25に負けていたんです。一度抜かれたが、路面が濡れ
てきたらポルシェのほうがトラクションあるんで前に出られた。雨はダンロップ
のほうが有利だと思うから、雨が幸いでした。タイヤも勝因。メカがやってくれ
たセットもよかったです」


'97 GTC総合チャンピオン
No.36 カストロール・トムス・スープラ
ミハエル・クルム「ほんとうにうれしい。トヨタ・カストロール・チームのス
タッフ、メカニックに感謝したい。ドウモアリガトウ」
ペドロ・デ・ラ・ロサ「ボクはこれでフォーミュラ・ニッポンと二つタイトルを
とることができた。でも、クルムにとっては唯一のタイトルだから、彼のために
もよかったと思う。ほんとうにうれしい。チームのみんなに感謝したい。来年の
ことはまだわからないが、日本で走る機会があったら、また応援してください」


'97 GT300クラス・チャンピオン
No.19 RS☆R シルビア
福山英朗「ほっとしたね。こんなスリリングなレースだったから。グリップが辛
かったし、前のクルマが見えないから、位置関係がわからなかった。織戸君には、
お疲れさまとしか言いようがない。よくやってくれた」
織戸 学「峠のチャンプから全日本のチャンプになれた。フレッシュマンで初チャ
ンプをとって以来で、すごくうれしい。とりあえずよかった。レース中は順位が
全然わからず、クルマを下りてきてからチャンプがわかった」


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.6/3

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
  Round 6 SUGO GT CHAMPIONSHIP                                 25 Oct.'97
   Qualify Report                予選日レポート                 FMOTOR4版
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'97GTC第6戦 SUGO GT CHAMPIONSHIP

RAYBRIG NSXが初ポールをゲット!
つちやMR2がまたも圧倒的スピードでGT300を制覇

 10月25日、全日本GT選手権第6戦「SUGO GT選手権レース」の予選が宮城県・ス
ポーツランドSUGOで行われた。前戦MINE決勝レースで2位に入賞したNo.100 
RAYBRIG NSXが、昨年のコースレコードを更新するタイムで初のポールポジション
を獲得した。また、このレースは今季最終戦となるため、総合およびGT300クラス
のチャンピオン争いもクライマックスを迎えている。

パーフェクト・ラン!RAYBRIG NSX&アキラ
 金曜日に行われた練習走行でもNSXの速さは抜けていた。特にNo.100 RAYBRIG 
NSXはこの時点で昨年マクラーレンF1GTR(ラルフ・シューマッハ)が記録したコー
スレコード1分23秒260を更新する1分22秒425を記録していた。
 そして本番の予選1回目が午前10時30分から始まった。天候は若干の雲はかかる
ものの雨の心配はまったくなかった。そして予選開始10分。早くもNo.100 RAYBRIG
 NSXの飯田章が1分21秒959の新レコードを出し、リーディング・ボードのトップに
名前を刻んだ。そしてNo.18 avex童夢無限NSXの黒澤琢弥が22秒301で2番手に。こ
の2台に続いたのはNo.8 POWERCRAFT SUPRAのワイン・ガードナーが22秒426だった。
 そして18分経過時点で、No.100 RAYBRIG NSX飯田が、1分21秒805の驚異的なさ
らにタイムを叩き出す。No.18 avex童夢無限、黒澤も22秒275まで詰めるが届かな
い。そして、No.38カストロール・セルモ・スープラの竹内浩典が1分22秒378を記
録し、3番手へと飛び込んだ。予選後半になるとコースが混み合い、各車タイムを
上げることが出来なかった。

スープラ勢届かず。決勝に雪辱を期す
 午後に入り、やや気温が下がった午後2時30分、予選2回目が開始された。10分を
過ぎた時点で、まずNo.37カストロール・トムス・スープラ、関谷正徳が1分22秒288
と午前のタイムを更新して3番手へ。そして関谷は次のラップでさらに22秒244まで
タイムアップし、No.18 avex童夢無限NSXを抜き2番手へと上がった。だが1分後、
そのNo.18 avex童夢無限NSX黒澤が22秒127を出し、2番手を奪い返した。そして、
No.38カストロール・セルモ・スープラ竹内もアタックを掛け1分22秒341とわずか
にタイムを詰めるが、順位を上げることができなかった。終盤になってNo.100も飯
田が乗りコースに出たが、トップタイムを更新するクルマが出なかったため、アタッ
クすることなくピットに戻った。
 一方、今季2勝ずつを挙げチャンピンを争うNo.36カストロール・トムス・スープ
ラとNo.39デンソーサードスープラGTはウエイトハンデ重量を90kg、60kgとかなり積
むために、アップダウンの激しいSUGOに苦戦。また、金曜日の走行でクラッシュし、
マシンを壊したNo.556 KURE R33は急遽昨年型のマシンを使うこととなった。このた
め、一からのセッティングとなった。

ブッちぎりポールのつちやMR2
 GT300クラスでは、前戦MINEを欠場したNo.25つちやMR2が再登場。土屋武士のドラ
イブで他を圧倒したパフォーマンスを見せた。1回目の予選では1分27秒651とただ
1台27秒台に入れる。2回目の予選ではNo.81ダイシンシルビアの木下隆之が27秒932
と迫ったものの、土屋は1分26秒916とあっさり午前のタイムを更新してみせた。予
選クラス3位には、ランキング2位に付けチャンピオンを争うNo.26タイサンスター
カードRSRが、4番手には第4戦富士で2位に入ったNo.27シェル・フェラーリF355
が入った。ランキング・トップのNo.19RS☆Rシルビアはウエイトハンデの100kgが響
いたのか、9位と苦しいポジションからのスタートとなった。
 また、予選クラス3番手のタイムを出したNo.910ナインテンポルシェは、予選後
の車検でリアウイングの高さが規定よりわずかに高かったため、違反とみなされ予
選のタイムを抹消された。なお、No.910は再車検で合格することで、決勝レースの
最後尾スタートが許される。



総合ポールポジション
No.100 RAYBRIG NSX 飯田章 1分21秒805
「たまたまというか、ポールポジションが取れてすごく嬉しいです。クルマの方も
チームの方もすごくいい雰囲気で、シーズンの後半どんどんいい方向で来ています
ので、最後に勝って気持ちよくオールスター戦に出場したいと思います。で、クル
ムとペドロ(フォーミュラニッポンでチームメイト)がチャンピオンとってウチが
優勝なら一番いいですね。明日はできたらオープニングラップから逃げて、国さん
に渡して、若い走りで(笑)頑張ってもらいたいです。ただ真っ直ぐだけは、ター
ボ付きや大排気量のマシンの方がやはり速いです。だからとにかくスタートで前に
出ることを重々心得て……」


GT300ポールポジション
No.25 つちやMR2 土屋武士 1分26秒916
「今日の予選の結果には凄く満足しています。メカニックが忙しい間をぬってマシ
ンを仕上げてくれたので、とにかくメカニックのために明日優勝という形を残した
い。クルマの仕上がりは素晴らしいんですが、レースは何が起こるかわからないか
ら、その場の状況を判断してベストを尽くすことだけをいつも通り考えて、頑張り
ます。オールスター戦にも出る方向で話は進んでいます」



                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
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全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.6/2

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
  Round 6 SUGO GT CHAMPIONSHIP                                 24 Oct.'97
   Practice Report                練習走行レポート              FMOTOR4版
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'97GTC第6戦 SUGO GT CHAMPIONSHIP

 この日のSUGOは、日差しが強く、暑く感じられるほどの陽気だった。全日本GT選
手権第6戦の練習走行は、午前に1時間、昼過ぎから1時間30分、そして15時30分
から1時間、3回行われた。
 午前の走行では、No.8 POWERCRAFT SUPRAが1分24秒029のトップタイムを記録。
これにNo.38カストロール・セルモ・スープラが24秒049と僅差で続く。そして3番
手には前戦MINEで2位と好調なNo.100 RAYBRIG NSXが24秒077とこれまたほとんど
差が無く続いた。
 昼の走行に入るとNo.100 RAYBRIG NSXは一気に22秒台に突入。そして30分経過時
点でこのセッションの最高タイムとなる22秒891を記録した。このタイムは昨年ラー
ク・マクラーレンF1GTRが記録した1分22秒630に0.261秒まで迫るものだ。これに
No.5 5ZIGEN SUPRAが23秒197、No.510 RH CERUMO SUPRAが23秒354、さらにNo.37、
No.36とカストロール・トムス・スープラ勢が続き、ようやく8番手にスカイライ
ンのNo.556 KURE R33が食い込んだ。
 最後のセッションでは、No.18 avex童夢無限NSXが1分22秒564とついにコースレ
コードを上回るタイムを叩き出した。これにNo.37、No.5が続いた。そして、この
セッションの前半は決勝レースに向けての走行を行ってたNo.100 RAYBRIG NSXが終
了近くなってからタイムアタックを行い、1分22秒427とさらにトップ・タイムを
更新した。また、終了直前にNo.556 KURE R33が最終コーナーでクラッシュして、
フロント部分全体を大破。メカニックは夜を徹して修理を行うことになりそうだ。
 チャンピオン争いに関わるポイント・リーダーのNo.36カストロール・トムス・
スープラは100kgのウエイトハンデを背負うためか今一つタイムが伸びず、1分24
秒019と24秒を切ることが出来ずに1日を終えた。一方、4ポイント差でNo.36を追
うNo.39デンソーサードスープラGTはハンデ60kgで23秒790を記録。ともにウエイト
ハンデに悩まされていたようだ。
 GT300クラスでは、前戦欠場したNo.25つちやMR2が復帰して早速、第2セッショ
ンにトップタイムを記録。しかもタイムは1分28秒424とGT500のテールエンダーと
1秒程度の差だった。これに続くのはポルシェのNo.910ナインテンポルシェとNo.
27シェル・フェラーリF355、No.7 RE雨宮SuperG RX7(1分29秒276)と今季惜しく
も優勝を逃しているチームが続いた。
 また、チャンピオンを狙うNo.19 RS☆Rシルビア(ハンデ100kg)は1分29秒805、
追いかけるNo.26タイサンスターカードRSR(80kg)が1分29秒318と、こちらも大き
なハンデに苦しめられているようだった。
 また、前戦から登場したNo.34 STPタイサンアドバンバイパーと今回GT300に登場
したNo.77クスコスバルインプレッサは午前の走行中にエンジンを壊してしまい、以
後の走行をキャンセルをして修理を行っていた。


練習走行上位タイム                      天気:晴れ コース:ドライ 出走:38台
Po  No  マシン                          ドライバー            タイム(セッション)
---------------------------------------------------------------------------
[GT500]
 1 100  RAYBRIG NSX                     高橋国光/飯田 章     1'22.427(3)
 2  18  avex童夢無限NSX                 黒澤琢弥/山本勝巳     1'22.564(3)
 3  37  カストロール・トムス・スープラ  関谷正徳/鈴木利男     1'22.674(3)
 4   5  5ZIGEN SUPRA                    田嶋栄一/M.グーセン   1'23.891(2)
 5  38  カストロール・セルモ・スープラ  竹内浩典/金石勝智     1'23.354(2)
 6 510  RH CERUMO SUPRA                 B.ガショー/P.ベルモンド     1'23.371(2)
[GT300]
    25  つちやMR2                       土屋武士/長島正興     1'28.424(2)
   910  ナインテンポルシェ              袖山誠一/玉本秀幸     1'28.557(3)
    27  シェル・フェラーリF355          太田哲也/S.アンドスカー    1'29.156(2)
                          *タイムは非公式なもの

以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
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全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.6/1

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                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 6 SUGO GT CHAMPIONSHIP                                 22 Oct.'97
   Preview Report                 プレビューレポート            FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第6戦 SUGO GT CHAMPIONSHIP

いよいよGTクライマックス!
栄冠を手にするのは、トムスか、サードか。それとも...

 1997年全日本GT選手権シリーズもついにファイナルとなる第6戦「SUGO GT選手
権レース」を迎える。昨年に続き今季もGT500、GT300両クラス共にこの最終戦にチャ
ンピオンが決定する。まずは注目のドライバーズ・タイトルを検証してみよう。

GT500チャンピオンのシミュレーション
                  Rd.5         Rd.6順位
Po.No. Driver     Point  差   1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11以下
----------------------------------------------------------------------------
1  36  クルム/D・L・ロサ  67         87  82  79  77  75  73  71  70  69  68  67
2  39  影山正美    63   -4    83  78  75  73  71  69  67  66  65  64  63
3  37  関谷/利男  54   -13   74  69  66  64  62  60  58  57  56  55  54
4  39  谷川達也    48   -19   68  63  60  58  56  54  52  51  50  49  48
5   2  鈴木亜久里  48   -19   68  63  60  58  56  54  52  51  50  49  48

               獲得ポイント   20  15  12  10   8   6   4   3   2   1   0

 GT500クラスでチャンピオンの可能性があるのは上記の表にある5チーム7人だ。
このうち谷川達也は影山正美のセカンド・ドライバーなのでここでは対象から外さ
せてもらう。また、シーズンを通じてコンビを組んでいるドライバーたちは便宜上
1人とさせてもろう。
 まず、自力でチャンピオンとなれる権利を持つのは、クルム/デ・ラ・ロサ組と
正美の2人だけ。ともに優勝した場合はその時点でチャンピオンとなれる。逆に言
えば、それ以外は全て他者の結果次第という混戦模様というわけだ。今季ともに2
勝を挙げているだけに本命には違いないのだが、いかんせんこの2人のマシンには、
その勝利に見合った大きなウエイトハンデが搭載される。クルム組のNo.36カスト
ロール・トムス・スープラには90kg、正美のNo.39デンソーサードスープラGTには
60kg。ターボ車はウエイト増加に強いと言われるが、いかなスープラといえどもこ
れだけの重量は、アップダウンのきついSUGOでは致命的とも言える。SUGOで一番キ
ツイ登りはメインストレートの前半部分。これだけのウエイトを積むとここでの加
速が奪われることになり明らかにタイムに影響する。それだけにこの2チームが優勝
する至難の業だろう。となるとどの順位なら優位かというと、クルム組は4位以上
が目標になるだろう。このポイントなら正美は最低でも3位、もしくは2位に入ら
ないと得点で上回れない。ちなみに同ポイントなら上位入賞回数が多い方が上にな
るので、クルム組5位、正美3位でともに75ポイントの時は、優勝2回、2、3、
5位各1回とすべての入賞回数が同じになる。規定上この場合は走行距離の多い方
が上位となるので、第5戦MINEで完走している正美に分があることになるが、手元
計算なので正式な裁定を待つことになるだろう。
 この2人の次にランキングされるのは、関谷/利男組だ。だが、現時点でのトッ
プとの得点差は13。彼のNo.37カストロール・トムス・スープラはハンデ30kg。仮に
優勝したとしても、クルム組が6位以下、正美が3位以下になることが条件となる。
クルム組は、今季開幕戦をリタイアした以外すべてのレースで表彰台を獲得すると
いう安定感があるだけに6位以下という成績は序盤にトラブルにでも無い限り考え
にくい。さらにクルム組は守りのレースをすることが予想されるだけに少々辛い位
置であることは確かだ。
 最後の候補者は鈴木亜久里(No.2 ZEXELスカイライン)だが、ポイント差は19で
自らが優勝してもクルム組が11位以下、正美が7位以下、関谷組が3位以下が条件
となる。これは正にミラクルな可能性だろう。


GT300はRS☆Rシルビアの逃げ切りなるのか!!
タイサンRSRの逆転の可能性は?!

GT300チャンピオンのシミュレーション
                  Rd.5         Rd.6順位
Po.No. Driver     Point  差   1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11以下
----------------------------------------------------------------------------
1  19  織戸/福山  82        102  97  94  92  90  88  86  85  84  83  82
2  26  恵一/新田  74   -8    94  89  86  84  82  80  78  77  76  75  74

               獲得ポイント   20  15  12  10   8   6   4   3   2   1   0  

 GT300の方はNo.19 RS☆Rシルビアの織戸学/福山英朗組とNo.26タイサンスター
カードRSRの鈴木恵一/新田守男組の2組に絞られている。現在では織戸組が8ポイ
ントの差を付けて恵一組をリードしている。このため織戸組は2位以上に入れば、
恵一組の結果にかかわらずチャンピオンが決定する。恵一組が逆転チャンピオンと
なるには、自らが優勝して織戸組が3位以下になることが最低条件となる。今回、
織戸組のマシンは規定最大の100kgのウエイトハンデを搭載するだけに、上位入賞は
かなり厳しい。したがって彼の当面の目標は3位以内となるはず。ただし、恵一組
に優勝の可能性が高くなれば最低でも2位を狙わねばならず、決して楽観できるポ
イント差ではないと言える。

 さて、互いのポイントを睨むチャンピオン候補を別にすれば、SUGOの優勝候補の
筆頭は誰だろうか。まず挙げられるのは、スープラ勢でハンデがないチーム。特に
今季優勝寸前まで行きながら逃しているNo.38カストロール・セルモ・スープラに注
目したい。ドライバーの1人、金石勝智は先週のフォーミュラニッポンで優勝し、
その勢いもあるだろう。そして、NSXのNo.18avex童夢無限も気になる存在だ。もう
1台のNSX、No.100 RAYBRIG NSXは20kgのハンデの克服できるかが気に掛かる。スカ
イラインGT-R勢は、開幕戦こそNo.2 ZEXELスカイラインが優勝したが、以降はスー
プラ、NSXの後塵を拝している。最後の意地を期待したい。
 GT300では、今季2勝を挙げているNo.19 RS☆Rシルビア、No.26タイサンスター
カードRSRともに大きなウエイトハンデを抱えている上に、チャンピオン争いの牽制
のために優勝は考えにくい。となると、先の第5戦MINEでポールを獲ったNo.6 ワイ
ズダンロップBP MR2にが注目される。また、MINEは欠場したNo.25つちやMR2も復帰予
定なので、MR2同士の争いが見られるかもしれない。これに今季未だ優勝のないNo.7
 RE雨宮SuperG RX7、No.910ナインテンポルシェにパワー的に有利なNo.27シェル・
フェラーリF355が最後のチャンスを狙ってくるのではないだろうか。
 このレース、GT300に新たなマシンのエントリーが予定されている。No.77クスコ
スバルインプレッサだ。WRCでは総合優勝も飾っているインプレッサを国内有力ラ
リーチームのキャロッセ(クスコ)がチューニングしている。マシンが間に合うか
ぎりぎりと言うことだが、ぜひスバル・ファンの期待に応えて登場して欲しいとこ
ろだ。また、このマシンが相応の実力を示せば、キャバリエに続いて来季の新たな
GT300ベースマシンとして注目されることになるだろう。

Report by GTインサイドレポート班


◎予想エントリーリスト
[GT500] 19台
No. マシン                 ドライバー                    エントラント   タイヤ
----------------------------------------------------------------------------
 2  ZEXELスカイライン      鈴木亜久里/E.コマス         NISMO            BS
 3  ユニシアジェックススカイライン       長谷見昌弘/田中哲也         ハセミ・モータースポーツ    BS
 4  アルファコンピューターポルシェ      金海辰彦/駒 光武           SUZUKI BANKIN    DL
 5  5ZIGEN SUPRA           田嶋栄一/M.グーセン         TEAM 5ZIGEN      DL
 8  POWERCRAFT SUPRA       W.ガードナー/長坂尚樹       POWERCRAFT       BS
10  シャトレーゼ・ポルシェGT2       飯田 薫/R.ファーマン       TEAM TMS         DL
12  カルソニックスカイライン           星野一義/本山 哲           HOSHINO RACING   BS
13  エンドレスアドバンGTR        木下みつひろ/藤村満男       エンドレススポーツ      YH
18  avex童夢無限NSX        黒澤琢弥/山本勝巳           無限+童夢PROJECT BS
30  綜合警備 PORSCHE       山田洋二/茂木和男           TEAM TAKE ONE    BS
34  STPタイサンアドバンバイパー    土屋圭市/松田秀士    TEAM TAISAN with ADVAN  BS
36  カストロール・トムス・スープラ       M.クルム/P.デ・ラ・ロサ  TOYOTA Castrol TEAM BS
37  カストロール・トムス・スープラ       関谷正徳/鈴木利男        TOYOTA Castrol TEAM BS
38  カストロール・セルモ・スープラ       竹内浩典/金石勝智        TOYOTA Castrol TEAM BS
39  デンソースープラGT     影山正美/谷川達也          TOYOTA TEAM SARD  BS
88  JLOC ディアブロGTR     和田孝夫/和田 久           JLOC CORSA       YH
100 RAYBRIG NSX            高橋国光/飯田 章      チーム国光with MOONCRAFT BS
510 RH CERUMO SUPRA        B.ガショー/P.ベルモンド
                                       RYOWA HOUSE Pacific TEAM CERUMO   DL
556 KURE R33               影山正彦/近藤真彦           NISMO            BS

[GT300] 25台
 6  ワイズダンロップBP MR-2     加藤寛規/藤田孝博           KRAFT            DL
 7  RE雨宮SuperG RX7       山路慎一/松本晴彦           RE雨宮レーシング     DL
16  YB BMW 318iクーペ      関根基司/藤島敏也           Team Power Magic YH
17  東京科芸専:REロードスター   野上敏彦/細野智行      KAGEISEN RACING TEAM DL
19  RS☆Rシルビア          織戸 学/福山英朗      RS-Rレーシングwith BANDOH YH
20  アイ・オート GAB ポルシェ       高橋健二/須賀宏明           アイ・オートレーシングチーム  YH
21  ダンロップ-BP-BMW      一ツ山康/山本健司         HITOTSUYAMA RACING DL
25  つちやMR2              土屋武士/長嶋正興           土屋エンジニアリング   YH
26  タイサンスターカードRSR         鈴木恵一/新田守男           TEAM TAISAN Jr.  YH
27  シェル・フェラーリ F355        太田哲也/S.アンドスカー TEAM FERRARI CULB of JAPAN YH
28  TEAM FCJ フェラーリ    山崎正弘/杉山正巳 TEAM FERRARI CULB of JAPAN YH
51  コブラポルシェ         石原将光/池谷勝則           コブラレーシングチーム    YH
54  シュネルポルシェSDR    田中信幸/斉藤和重           S.D.R.           YH
55  Castrol RX7            深沢寿裕/長島正明      SPORTS FACTRY RACING  YH
57  SiFo Spider Ver.GT     砂子智彦/吉富 章           ecurie SiFo      YH
60  ワイズダンロップBP キャバリエ   佐藤久実/田中 実           KRAFT            DL
70  外車の外国屋アドバンポルシェ 石橋義三/小宮延雄          チーム外国屋     YH
71  シグマテック911        星野 薫/城内政樹          シグマテックレーシングチーム  DL
72  WAKO'S BMW M3          牧口規雄/浅見 武           牧口エンジニアリング   YH
77  クスコスバルインプレッサ         小林且雄/加勢裕二           クスコ           DL
81  ダイシンシルビア       大八木信行/木下隆之         TEAM DAISHIN     BS
91  バーディークラブ・MR-2       松永雅博/三原じゅん子       ファーストレーシングチーム   YH
333 ポルシェ               清水正智/坂本文人      シミズレーシングエンタープライズ  DL
910 ナインテンポルシェ     袖山誠一/見崎清志           910 RACING       DL
911 ナインテンTIBポルシェ  芳賀重光/高橋規一           910 RACING       DL

*このエントリーリストはGTインサイドレポート班の取材により作成
  されたものです。公式発表ではありませんので、ご注意ください。
*他のホームページやメディアへの無断転載はご遠慮ください。
 マスメディアの方へは別途資料がございますので、古屋までメール
 でご連絡ください。


◎タイムスケジュール
10月24日(金)練習走行日
練習走行1回目      10:20-11:20
練習走行2回目      12:30-14:00
練習走行3回目      15:30-16:30

10月25日(土)予選日
☆GT予選1回目      10:30~11:30
マーチ予選         11:50~12:05
C/Sノーマル予選    12:25~12:40
シビック予選       13:00~13:15
ミラージュ予選     13:35~13:50
☆GT予選2回目      14:30~15:30

10月26日(日)決勝日
☆GTフリー走行      8:00~ 8:30
マーチ決勝          9:00~ 9:30(10Laps)
C/Sノーマル決勝    10:00~10:30(15Laps)
シビック決勝       11:10~11:40(12Laps)
☆ピットウォーク   11:50~12:30
ミラージュ予選     13:00~13:30(12Laps)

GTコースイン       13:40~
GT決勝(81Laps)     14:10~16:30(予定)


◎チケット購入のご案内
☆各種前売り券、好評発売中!!
 前売券       ●大人:4,500円 ●ペアチケット:8,500円
 決勝当日券   ●大人:5,500円 ●高校生:2,500円 ●中学生以下:無料
 パドックパス  ●5,000円(入場料別)
 駐車料金     ●4輪:1,000円  ●2輪:300円(決勝日)

☆チケット発売所
 チケットぴあ(03-5237-9999)/チケットセゾン(03-5990-9999)/
 CNプレイガイド (03-5802-9999)/ファミリーマート/
 ローソン(福島・宮城地区)他

☆お問い合わせ
 インフォメーションダイアル(TEL 03-3409-2365/FAX 03-3409-2307)
 スポーツランドSUGO(TEL 0224-83-3111/FAX 0224-83-3790)


◎TV中継
 11月3日(月/祝日) 11:30~12:45
 テレビ東京系全国6局ネット
 放映局:テレビ東京/テレビ大阪/テレビ愛知/テレビ北海道/
 テレビせとうち/ティー・エックス・エヌ九州


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                         古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.5/9

                  ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                     1997  GT INSIDE REPORT
  Round 5 CP MINE GT RACE                                      5 Oct. '97
   Inside Report Special          インサイドレポート 特集       FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第5戦 CP MINE GTレース
GTインサイドレポート・スペシャル

◎GT500クラス・エントラントにきく 2

No.12 カルソニックスカイライン 金子 豊監督
「速すぎれば締めたり、特認を認めてくれといえば認めてくれるという今のレギュ
レーションは、不安定というところがある。エントラントとしてはまあ、割り切っ
て出ている。個人的には、ウエイトハンデ制はおかしいと思う。勝ったからウエイ
トを載せるというのはスポーツではない。そういうことでやっていこうということ
に大反対ということではないが、もともとハコのレースでイコールコンディション
ということはありえない。ありえないことを、誰かを重くしたり、ターボの口径を
小さくしたりしてバランスをとっていくことは難し過ぎることだと思う。いつまで
そういうことをやっていくのか。みんな満足しなくなってくるのではないか。現状
でも台数が減ってきているようでもあるし、なんとかしなければいけない部分もあ
る。
 GT500 の上のクラスを設ける、という考えには反対だ。このレースの原点はそい
うものではなかったはずだ。皆の合意でプライベートチームの救済のために重量等
を決めて運営しているのに、それをやったら出られるところと出られないところが
出てきてしまう。15台、20台集まるとは思えない。3億、4億かかるだろうし、走
らせることができるチームはいいが、できないところのチームの人やドライバーは
職がなくなってしまう。一般の人もそういうクルマを見たいと思うのはわかるが、
オールスターなどのときにそういうクルマを走らせるのはいいとしても、シリーズ
でそういうクルマを走らせるのは反対だ」

No.39 デンソーサードスープラGT 加藤眞代表
「現在のGTCのレギュレーションは大枠でOKだと思います。ただそれは、トヨタや
ニッサンが新しいル・マン用GTを出さずに、他のチームがマクラーレンやポルシェ
GT1などを出さなければ、という前提でね。もしそうでないなら、将来的にどういう
方向に向かうのかを、今のうちに考えておく必要があるでしょう。我々はル・マン
や鈴鹿1000kmにMC8Rで出場していますが、そのたびに痛感するのは、日本人ドライ
バーが今のGT500用の450馬力強の経験しかないために、600馬力を超えるクルマに慣
れていないということです。決して腕が悪いのではなく、慣れの問題なんです。そ
れを考えると、そろそろFIA GTなどの国際レースと、日本のGTCの距離を接近させ
る必要があると思います。だいたい今のレギュレーションでずっと続けていけば、
必ずマンネリ化してしまうはずなんです。ですから来年までは現状のままで、再来
年以降はGTCの次のステップとして、上のクラスのエンジン出力を600馬力程度に上
げるべきだと思います。プライベーターには厳しいのではという意見もあるでしょ
うが、たとえばスープラやスカイラインのエンジン出力を450馬力から600馬力にし
ても、若干の変更で済むはずです。エンジンをメーカーが出してくれれば、プライ
ベーター自身がチューンするわけではありませんから。むしろ車両重量を減らすほ
うが大幅な変更を伴うことになると思います。またプライベーターがポルシェGT1の
ようなクルマを持ち込む場合でも、車両重量さえ1100kg程度に増やし、多数派の国
産勢を若干重量的に有利にすれば、それほど問題なく面白いレースになるでしょう。
逆にそれでポルシェやマクラーレンが強いなら、ニッサンやトヨタも新型のGTを出
せばいいんです。せっかく世界にはああいったGTマシンがあるんですから、もっと
いろいろなクルマが戦う方向にしたほうがいいですよ。もちろん我々もMC8RをGTCに
出場させたいという気持ちは持っています。ただ現状では、我々の勝手な考えだけ
で出場させるわけにはいかないと思っているんです。とにかく、来年のレギュレー
ションとともに将来的な方向を今から考えておく必要があることだけはまちがいな
いでしょう」

No.88 JLOCディアブロGTR 和田孝夫氏
「GT500についてではないんですが、GT300に出ている人たちから『現在のウェイト
ハンデ制はおかしい』という意見を聞いたんですよ。今は、優勝するとGT500もGT300
も同じく30kgでしょ? もともとの重量が違うんだから、GT500が30kgだったらGT300
は25kgなり20kgなりにしないと、比率からいって合わないというんです。これはもっ
ともだと思います。どうも、すべてがGT500中心に考えられていて、GT300は数合わ
せということになってしまっている気がします。レギュレーションに関して言えば、
全部が全部同じタイムで走れっていうのは、もともとムリなんですよ。どこかが速
いから抑えようとかいうのはおかしいと思います。競争なんだから、速い遅いが出
てくるのはしょうがないんですよ。マクラーレンやポルシェGT1のようなクルマが出
やすいようなレギュレーションにするのは、いいと思います」

○ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル技術部課長 岡 寛氏
「GT500 はうまく行っていると思う。その生い立ちからいってグループCの二の舞
はしないという皆の意識が高いので、できるだけそちらの方向に行かないようにと
いうシステムになっているのでいいと思う。ただ完璧ではない。これは私の意見だ
が、いろいろなクルマが出るというのは大賛成だが、いろいろなクルマを皆ひとく
くりにしてしまうのはどうかと思う。やりすぎても問題だが。それとハンデウエイ
トはもっと重くしてもいいと思う。ツーリングカーが1tちょっとで30kg、GTは1200
kgなので、割合からいっても、もう少し重くてもいいと思う。勝ち続けるクルマは
今までは出ていないが、出てくる可能性がある。その1200kgという重量だが、ヨー
ロッパのGT1のように1t切るとか1t台にするのは、技術的には問題ないがおカネがか
かってしまう。メーカー系はたぶんできるが、プライベートにはむずかしい。従っ
て1200kgという重量は妥当なところだと思う。車輌規定についてもラフなようで細
かいところも網羅しているのでいいと思う。ただフロントバンパーのことにしても
解釈が違ってきているのでそういうところを検討したほうがいいと思う。また今は
フロントエンジンもミトシップも、丸いクルマも四角いクルマも皆同じだが、その
辺の区別も今後の視野には入れなければいけないかと思う。あまりがんじがらめに
するのもよくないが。
 GT500の 上にGT1カーを入れるということは、クルマを造るほうとしては速いクル
マは魅力がある。観客の立場としても見たいと思う。ただ、GT-Aのメンバーとして
は、メインテナンス、ランニングコストを含めて皆がやって行けるかどうかが問題
だ。そういうカテゴリーができれば、主要メンバーは当然オーバーオールを狙うわ
けだからそちらに行くだろう。そうなるとGT500 はさびれてしまうのではないか。
GT700 かどうかは知らないが、その数台がトップを争って後はさびれてしまうので
はCカーの二の舞になってしまう。観客動員や参加台数を増やす努力をセットでや
れば、否定はしない。魅力はある。また、いっそGT1にしてしまうということには、
GT1カーは高いクルマであり、またランニングコストが高いので果してどうか。何
チームかはできるだろうが、何チームかは撤退してしまうかもしれない。走らせる
方には魅力はあるが、そういうことも考えなければならない。GT500 の上のクラス
を作るには、GT500 も成り立つようにしなければならない。ただ、それを検討する
ことには反対はしない」

○トヨタ自動車モータースポーツ部主担当員  柘植和廣氏
「GT500 は、細かい問題点はあるにしてもおおむねこれでいいと思う。GT700、つま
りFIAのGTを走らせるというアイディアは、GT500 と同じレースで混走させるのはよ
ろしくないと思う。ただ、せっかくFIAのGTがあるので、それを日本の人にも見ても
らいながら開発するという考えは、日産さんなどにはすごく意味があるだろう。ポ
ルシェのGT1やマクラーレンあたりを日本の人が買って走らせるとすれば、逆にGT500
と一緒じゃないほうがやりやすいのではないか。また、GT500 とGT700 を一緒にし
てGT300 を分けるというのではGT300 がイベントとして成り立つのだろうかという
心配がある。GT500 の今のカタチは、メーカーとして考えるならば、ある意味にお
いては量産車ベースだからやる意義はある。ただGT1は事実上プロトタイプだからそ
れとは一線を画す必要があると思う。そういう意味ではGT500 とGT300 は同じカテ
ゴリーのなかでやり、GT1なりル・マンGT1なりは別の観点でやる必要があると思う。
TTEで開発している来年のル・マンに出すGT1カーを日本で走らせるという考えはまっ
たく持っていない。ヨーロッパで造ってヨーロッパのル・マンで走らせるクルマな
ので、日本に持って来る必然性はまったくない。宣伝的には若干あるのかもしれな
いが。仮にGT700 とかいうカテゴリーが日本にできてもそこで走らせる気はまった
くない。別なレースとして、たとえば日産さんが3台出し、ポルシェGT1を買った人
がそれを出し、マクラーレンが出るということになれば10台ぐらいになる。それだ
けではつまらないかもしれないが、イベントとしては成立すると思う。しかし、そ
こにトヨタが出て行かなければいけないか、というと、今はその必要性はまったく
認識していない。今後FIAのGTがどういう方向に行くかによってスタディとして考え
ることはあるだろうが、今、それを視野に入れているということはまったくない。
ル・マンだけだ。
(GT500 でプライベート・チームが勝てなくなっているという意見については)結
果としてメーカー系のチームが勝つとしても、我々はハードに差をつけて提供しよ
うとは思っていないし、そうしていない。たとえばゴールデンウイークに富士でやっ
たレースでは5ZIGENがトップを走っている。差が出るのは、たとえばテストの時間
が少ないとかチーム力の差、ドライバーで差が出ているということだ。ニッサン、
ホンダもそういうふうにすればプライベートの人もやる気が出ると思う。我々とし
ても負けようと思ってやってはいないが、メーカーとしてもただ勝てばいいという
ことではないと思う。いい素材を提供することによってチームがそれをうまく活用
してやってくれればいいと思っている。ボディまでやりたいというところがあれば、
公認の問題があるからロールケージだけ提供して、後はやってください、というふ
うに。そういうふうにやれば、いろいろな意味で日本のレース産業なりチームなり
の役に立てる部分が多分にあると思う。去年まで走っていたJUNオートのようなカタ
チをとれるような部分は残しておいたほうがいいと思う」


*今回のレポートは以上です


                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.5/8

                  ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                     1997  GT INSIDE REPORT
  Round 5 CP MINE GT RACE                                      5 Oct. '97
   Inside Report Special          インサイドレポート 特集       FMOTOR4版
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'97GTC第5戦 CP MINE GTレース
GTインサイドレポート・スペシャル

◎GT500クラス・エントラントにきく 1
現状のGTCをどう考えているか、今後はどういう方向に向かうべきと考えているか、
レギュレーションについてを中心に、各チームの代表に話を聞いた。(順不同)
なお、GT-A事務局の考えは、前回富士で聞いたGT300クラス・エントラントの意見
に対するものも含め、次戦の菅生でレポートする予定。

No.3 ユニシアジェックススカイライン 長谷見昌弘代表
「現状では、レギュレーションがスープラに有利なように働いている。昨年もスト
レートは速かったが足回りが煮詰まっていなかったので目立たなかった。今年は
コーナーも速くなり、速さが目立つようになった。NSXも速い。コーナーのスピード
が圧倒的に速く、安定しているからアクセルを開けるポイントも早い。そうすると
直線でも(ターボ車に)ついていけちゃう。で、ブレーキングポイントが違うから、
突っ込みで前に出られる。来年、ホンダが力を注いできたら、もっと速くなるだろ
う。そうなったら、もうどうしようもないよ。こうした現状を考えると、一番いい
のはスープラの重量は1200kgに揃え、ミッドシップは50kg重くすることだと思う。
 GT500より上のクラスを作ることはありえないでしょう。GT700なんて、誰が言っ
てるのか知らないけど、そんな存在もしない言葉は使わないでください。不愉快で
す。だって、それはGT500を潰すことでしょう? GT500がなくなっていいんですか?
 そもそもGTCは、できるだけおカネをかけずにやろうというのが始まり。バブルが
はじけても一生懸命レースをやってきた人がいるから続いている。今は台数も増え
ていい状況になってきているのに、1億円もするクルマでやったら、それに反する。
Cカーの二の舞になっちゃうよ。毎回いろんなクルマが勝ったり負けたりするような
状況をいかに保つかが大事。ウェイトが勝敗を左右するようなレギュレーションに
すべきだと思う。できれば、毎回、メーカーのしがらみなどがない人が高いところ
から見ていて、『あのクルマは直線が速すぎるから次回からリストリクターを絞ろ
う』とか、『コーナーが速いから重くしよう』とか、そのくらいのレスポンスでや
るのがいい」

No.38 カストロール・セルモ・スープラ 佐藤正幸代表
「現状のレギュレーションに大きな問題はないと思う。ムリにイコールコンディショ
ンに揃えようとすると、抜きつ抜かれつがなくなって、1列縦隊のレースになってし
まう。それを考えれば現状は、まあやむをえないのではないか。ただ、できること
なら、ウェイトを全体に軽くしたほうがいいと思う。いくら日本独自のレースといっ
ても、ヨーロッパやアメリカからも参加しやすくしたほうがマシンもバラエティに
富んでくる。マクラーレンだって1200kgという重量がイヤでやめたようだし、あま
りネガティブな方向にいっちゃうとレースのグレードが下がってしまうよ。軽くす
るにはおカネがかかるっていったって、やってみたわけじゃないでしょ? まずは
軽くする努力をしてみるべきだよ。GT500より上のクラスを作るというのは、台数が
10台以上そろうのならともかく、1台か2台おまけみたいに走るんじゃしょうがない。
お客さんの側に立っていうと、朝早くから来てくれるお客さんに対して、レースと
レースの間隔が開きすぎている。イベントをやるとか、もっと退屈させないような
ことを考えるべきだと思う。これはGTに限らず日本のレース全部にいえることだけ
ど、サーキットもオーガナイザーも、見せかたということをもっと考えていかない
と。パドックももっときれいに見せられるようにして、見る側からあこがれられる
存在になっていかないといけないと思う」

No.34 STPタイサンアドバンバイパー 千葉泰常代表
「現状としては、昨年のレギュレーション改訂で車両重量を1200kgで合わせる方向
であったのに、排気量2リッター以下は1150kgという特例が認められていることは
おかしいと思います。少なくとも重量に関しては1200kgで統一すべきでしょう。ま
たリストリクター径に関しても、NA3.5リッター以下車の特例がありますが、これは
たとえば2バルブ車の特例などに比べ、有利すぎるような気がします。来季に向け、
このあたりの見直しは必要だと思います。それ以外では、とくに大きな不満はない
ですね。現状で十分コンペティティブですし。ただ来季、たとえばポルシェGT1のよ
うなクルマを日本で走らせるということには反対です。JGTCのレギュレーションに
合わせたとしても、やはりもともとのポテンシャルが違いますから。あれは違う世
界のクルマなんですよ。もしあのクルマが出るとなると、国産メーカーもR390GT1の
ようなクルマを出さざるをえなくなるでしょう。それはこのシリーズの破綻を招く
ことに繋がるでしょうから、なんらかの規制を行う必要があると思います」

No.30 綜合警備PORSCHE 坂田智和監督
「現状はやはりプライベーターには非常に厳しいですね。ポルシェGT2は、昨年まで
はまだ直線だけは速かったですけど、今はポルシェを使うメリットはなにもないに
等しいです。ですから我々としては、来季に向け、レギュレーションを原点に戻す
方向がありがたいですね。つまり全車パワーダウンして車両重量を軽くしてもらう
のが理想です。だったらGT300に出ればいいじゃないかという意見もあるでしょう
が、対スポンサーを考えると、それも難しいですし…。たとえばポルシェGT1を持っ
てくるようなことも手としてはあるでしょうが、価格的なものを考えれば現実的じゃ
ないですし、もし持ってきたとしてもウェイトをバンバン積んだのでは勝負になら
ないでしょう」

No.510 RH CERUMO SUPRA ポール・ベルモンド氏
(昨年ヨーロッパのBPRシリーズに参戦。日欧の2つのGTシリーズにフルエントリー
 の経験を持つGTCでは唯一のドライバー)
「GTCはオーガナイズ、プロモーション、レギュレーション、ドライバーのレベル、
参加車輌のどれもとてもプロフェッショナルだと思う。レギュレーションはバトル
のあるすばらしいレースとすることを目的にエア・リストリクターと重量ハンデで
参加車輌の競争力のバランスをうまくとっている。それでニッサン、トヨタ、まだ
信頼性が不足しているがホンダも勝つ可能性がある。速いクルマがあってもすぐに
ハンデが課せられるのでいいと思う。GT500 の上のカテゴリーを作るというのはい
かがなものだろう。現在ヨーロッパで走っているレギュレーションのマシンを走ら
せるということだろうが、それができるチームはいいとしても、小さなチームには
難しいのではないだろうか。現在、ニッサンがル・マン用のGT1カーを持っている
し、トヨタも開発している。ホンダはどうなのか知らないが、そうしたところがク
ルマを供給できるならいい。ドライバーにとっては速いマシンのほうがおもしろい
のだから。ただ、チームの財政的な問題は果してどうなのか。ヨーロッパのGT規定
を採用するというのもクルマがあって初めてできることだ。FIA GT選手権はかつて
のグループCのようになって来ている。私がBPRシリーズに出ていた昨年と比較する
と現在のFIA GTのコストはかなり高騰している。GTCは国際選手権ではなく国内選
手権なのだから、レギュレーションは国ごとの事情を考えて採用すべきだ。トヨタ、
ニッサン、ホンダがGT1車輌をそれぞれ4チームなり5チームに供給できるというな
らそれはそれで興味深いものとなるだろうが、数台のGT1カーのみが優勝を争うよう
になるのはいいとは思えない。今は毎レース数台のニッサン、数台のトヨタ、ホン
ダにも勝つチャンスがあって、12台ほどのマシンが優勝を争っている。だから選手
権は興味深いものになっている。そのことを考えなければならない。観客も勝つチャ
ンスがあるのは1台だけというレースは見たくないだろう。ヨーロッパでも昨年は
多くの銘柄のマシン、多くのドライバーに勝つチャンスがあったが、FIA GT選手権
はシュナイダーのメルセデスとレートのマクラーレンBMWが全部のレースを勝ってい
る。これでは選手権としての関心は大きくない」

No.18 avex童夢 無限NSX 佐々木 正氏
「GT500 の上のカテゴリーを、という案に関しては、そういうマシンはGT-Aの当初
の主旨の求めていたのとは違うと思う。GT500 については、あくまでも前にエンジ
ンのついたクルマを想定した日本独特のレギュレーションになっているため、GT本
来のミッドシップのマシンを造るにはやりにくいレギュレーションになっている。
そのあたりをいろいろなクルマが出てこられるようになってこそ理想的なレースに
なるのではないか。今のレギュレーションのままだと造りにくいクルマが出てくる。
今は特認車輌などという方法でそれを補ってはいるが、ちゃんとルールのなかでい
ろいろなクルマが出てくるようにしてほしい。ウエイトハンデについては競争の原
理を損なうものだ。それにGTの場合は走行距離も長いのでブレーキなど危険性の問
題も出てきてしまう。賛成はできない。最低重量1200kgというのも反対だ。重いレー
シングカーを造るというのは、こんな馬鹿げたことはない。ウチでも120kg 以上の
ウエイトを積んでいる。それなりに努力したことが報われるようなカタチにしてほ
しい。変なところで足かせしても他のところで稼がなければならないので、過激な
競争をなくすことにはならない。自然体にした方がいいと思う。
 レース自体については、GTはどうしても大所帯になるから仙台のようなところは
やめてほしい。チームは狭いなかで大変な思いをするし、スポンサーの心証も悪く
する。仙台で2回やる必然性はないはずだし、ガレージに入ってクルマのドアを両
方開けられないようなところでレースをやるのは危ない。興行的な面では事務局が
一所懸命やってくれているが、参加する側としては仙台はやめてもらいたい」

No.5 5ZIGEN SUPRA 木下正治代表
「GT700クラスのモンスターマシンは日本にそぐわない。FIA GTのベンツを見ても
マクラーレンを見てもエスカレートしてるでしょう。マキシマムでもGT500のクラス
に留めるべきです。基本的には現状でいいと思いますが、NSXやMR2なんかの2シー
ターはよくないと思います。4シーター以上の2ドアでレースをやるべきです。レギュ
レーションについては、初年度なんでどうのこうの言えるかわかりませんが、あま
りエスカレートしないようにしてほしいですね。今回もポルシェのリストリクター
問題がありましたけど、抑えてイコールコンディションにする方向で続けてほしい。
あとは、来年に関しては、300kmは充分走れるんで400kmぐらいの耐久性を増したレー
スにしたらどうでしょうか? ファンサービスについては、フォーミュラニッポン
に比べたらよっぽどやってると思います。あとは、誰もがオープンで入れるクラス
もいいし、台数を増やすのもわかるんですが、もうちょっと内容をアップしてほし
い。GT300とGT500クラスのスピード差があってもいいけど、あまり差があり過ぎる
のも問題があるでしょう。ドライバーの基準をもう少し厳しくしないと、色物で終
わらない正常なレースをしないといけないでしょう。最後に言いたいことは、役者
あってのレースやから、もう少し我々の意見を採り入れてくれるといいと思います。
あと一点は、エスカレートしないため、メーカー直系のチームがやってるプライベー
トテストは制限して、オフィシャルテストだけにしてほしい。ウチらはレースもテ
ストも同じおカネかかりますから」

No.36/No.37 カストロール・トムス・スープラ 舘 信秀社長
「GTは結構お客さんが入っているし、JTCCの幹事としてはうらやましいかぎりだ。
うまく行っているのかな、と思う。ただ、GT500 、GT300 ともに力の差があり、上
と下の差がもう少しつまるといいと思う。ある時期はスカイラインが速くて、ある
時期はスープラが上位独占してしまうというのではマンネリ化してしまう。上を抑
えるのか下を上げるのか、それをどういう風にすればいいのかはわからないが。ほ
んとうの意味のコンペティションから言えば違うのかもしれないけど、今はこうい
う方法しかないとボクは思っているし、今のGT-Aの考え方、今のルールの決め方は
支援するほうだ。ただ、現実的にスープラが強くて、今回はホンダが前のほうに割
り込んできたので、内容としては面白くなるかもしれないが、スカイラインにも速
くなってほしいし、欲をいえば外国車がもう少しエントンラントの顔ぶれのなかに
ほしい。
 ボクはGT500 の上のクラスを設けてもいいと思う。いくつかのメーカーから何台
か出て来て、激突して1メーカーが抜けた、2メーカーが抜けたというふうになっ
た結果、何年かしてそのクラスが無くなってしまったとしても、今のクラスがその
まま成り立てば、GTはなんとか存続していけるのではないか。グループCが潰れた
のは、あれしかなく、その下がなかったから。今のレースが基盤になって、そこに
世界のGTクラスが入ってきて、ワーッとやってワーッとやめていってしまっても、
こっちが残っていればいいと思う。ボクは反対じゃない。混走でもいいと思う。別
なレースとしては成り立たないでしょう。ただそれより、第三者的には今のGT500の
ポルシェが、もう少し前を走れるようにしたい。外国車が逃げて国産車が追うとい
うのがおもしろい。欲をいえばきりがないが、今GTはうまく行っているのではない
か、と思う。いろいろ心配なところはあるが、全体的には成功しているし、やって
いる人の工夫でいろいろなアイディアを入れてやって行けばもっとおもしろくなる
と思う」

*GT500クラス・エントラントにきく2に続く


                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.5/7

                  ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                     1997  GT INSIDE REPORT
  Round 5 CP MINE GT RACE                                       5 Aug. '97
   GT Inside Report             インサイドレポート3            FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第5戦 CP MINE GTレース

ドライバーポイント
[GT500]
                  Rd.1  Rd.2  Rd.3 Rd.4  Rd.5  Rd.6
                  3/30  5/4  6/29 8/10  10/5   10/26
Pos. No. Driver      合計 Suzuka FUJI Hiland FUJI  MINE  SUGO
----------------------------------------------------------------------------
1  36 M.クルム/P.デ・ラ・ロサ    67      12   20  15  20
2  39 影山正美       63  15   20    8  20   
3  37 関谷正徳/鈴木利男  54  12    6   12  12  12
4  39 谷川達也       48   -   20    8  20   
4   2 鈴木亜久里      48  20   10   15   1   2
6   2 E.コマス       38  20    -   15   1   2
7   3 長谷見昌弘/田中哲也 37  10   15    2   6   4
8  38 竹内浩典/金石勝智  27   4    2   10   3   8
9  12 本山 哲       24       6      10   6
10  12 星野一義       16       -      10   6


[GT300]
                  Rd.1  Rd.2  Rd.3 Rd.4  Rd.5  Rd.6
                  3/30  5/4  6/29 8/10  10/5  10/26
Pos. No. Driver      合計 Suzuka FUJI Hiland FUJI  MINE  SUGO
----------------------------------------------------------------------------
1  19 織戸 学/福山英朗  82  20   15   15  12  20
2  26 鈴木恵一/新田守男  74  10   20   12  20  12
3  25 土屋武士       40  12       20   8   -
3  25 長嶋正興*       40  12       20   8   
5  910 袖山誠一       38  15    3   10  10   
6  71 星野 薫/城内政樹  31   8    8   -   6  15
7   27 太田哲也**      31      10    2  15   4
8   27 A.オロフソン     25      10   -  15   
9   7 山路慎一/松本晴彦  20  -   12    8      
10  51 石原将光/池谷勝則  20   8    8   -   4   -
*:Rd.5はNo.72で出場、 **:Rd.5はNo.28で出場


チームポイント
[GT500]
                   Rd.1  Rd.2  Rd.3 Rd.4  Rd.5   Rd.6
                   3/30  5/4  6/29 8/10  10/5  10/26
Pos. No. Team        合計 Suzuka FUJI Hiland FUJI  MINE  SUGO
-----------------------------------------------------------------------------
1 36/37/38TOYOTA Castorl TEAM 79      12    12      20  15  20
2 39  TOYOTA TEAM SARD    63      15    20       8  20   
3 2/556 NISMO         49     20    10      15   2   2
4  3  ハセミ・モータースポーツ     37   10  15    2   6   4
5 12  HOSHINO RACING     24       8            10   6
6 100 チーム国光with MOONCRAFT 15    -            15
7  8  POWER CRAFT      15    1       4     10
8  5  TEAM 5ZIGEN      12    6       6  
9 510 RYOWA HOUSE Pacific TEAM CERUMO
                11   -  -    3     8
10 13  ENDLESS SPORT      8    3             4   1


[GT300]
                   Rd.1  Rd.2  Rd.3 Rd.4 Rd.5   Rd.6
                   3/30  5/4  6/29 8/10 10/5  10/26
Pos. No. Team        合計 Suzuka FUJI Hiland FUJI MINE   SUGO
-----------------------------------------------------------------------------
1 19 RS-Rレーシングチームwith BANDOH 82   20  15   15  12  20
2  26  TEAM TAISAN Jr    74   10  20   12  20  12
3  25  土屋エンジニアリング    40   12      20   8   -
4  910 910 RACING       38   15   3   10  10   
5  71  シグマテックレーシングチーム   31   -   6   4   6  15
6 27/28 TEAM FERRARI CLUB OF JAPAN
                 31      10   2  15   
7   7  RE雨宮レーシング   20      12   8      
8  51  コブラレーシングチーム     20    8   8   -   4   -
9  81  TEAM DAISHIN     13    3   4   6      
10  72  牧口エンジニアリング    12    4   2   3   3


*ポイント計算はGTインサイドレポート班による非公式のものです


*スペシャルレポートに続く

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.5/6

                  ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                     1997  GT INSIDE REPORT
  Round 5 CP MINE GT RACE                                       5 Aug. '97
   GT Inside Report             インサイドレポート2             FMOTOR4版
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'97GTC第5戦 CP MINE GTレース

☆フリー走行
No.100 RAYBRIG NSX
朝のフリー走行で1分26秒台のトップタイムをマークした。
飯田章「もちろん満タンでのタイムです。決勝でもこのくらいのペースでいけま
す。でも、前にブロックがうまい人がいるからなあ…。なんとかスタートで前に出
ないとね。今回はここまでまったくなんにも(トラブルが)なしなんですよ。逆に
それが怖いですね。レースはなにがあるかわかりませんから」

No.910 ナインテンポルシェ
玉本秀幸「フリー走行のトップタイムはあんまりうれしくないよね(笑)。それよ
りも予選2位はエンギいいんですよ。ポールだと舞い上がっちゃって勝てるレース
も取りこぼすことがあるでしょう。昨日の午後に試したセッティングはピーキー過
ぎたんで、予選1回目のセットに戻したらベストバランスです。スタートは袖山さ
んで、若干早めに入れるかな。去年はリタイヤしたけど、MINEは西日本の頃から走
ってますから(笑)。レースはタイサンと坂東さんのところとの戦いだから、2台
の邪魔しないように先に行きますよ」

No.21 ダンロップ-BP-BMW
朝のフリー走行でクラス2番手のタイムをマークするも、エンジントラブルを発生。
今回は乗らない順番の一ツ山康によれば、「ニューエンジンなんだけど、ベンチか
けなかったから、ガスケットがいっちゃって、これからエンジン載せ換えですよ。
まあ、間に合うでしょう。弟(幹雄)が乗ってるときにタイムが出て、水野君のと
きはタイヤグリップしなかった」とのこと。

No.6 ワイズダンロップ BP MR-2
藤田孝博「今までメカニックが一生懸命作ってくれたんで、クルマはそんなに悪く
はないです。このサーキットはμが低いし、いつもホコリっぽいんですよ。フリー
走行はボクの方が少し長く乗りました。満タンですから当然重くなるんですけれど、
金曜にもロングランで乗せてもらってますから、その時の感覚を覚えています。ス
タートは加藤さんです。いい順位で渡してもらってペースの落ちないように走りた
い。結構、加藤さんが多めに乗ると思うんですが、ボクは34秒台で回りたい。ここ
らで勝ちたいですね」

◎チャリティ募金を地元交通安全協会へ贈呈
 全日本GT選手権では毎戦ピットウォークで、ドライバーたちとのポラロイド写真
撮影会によるチャリティ募金、通称"ポラロイド・チャリティ"を行っている。昨年
寄せられた募金の総額をGTCが開催された5つのサーキットで割った平均額は92万
2,269円。このMINEサーキット分の募金は地元の財団法人山口県交通安全協会に寄付
され、交通安全の推進に役立ててもらうことになった。この募金は、本日午後12時
20分より表彰台において、山口県交通安全協会の宮崎清志常任理事の手へと、プレ
ゼンターの高橋国光GT-A会長より贈呈される。

◎1998年シーズンのGTCスケジュール案
 来年1998年の全日本GT選手権スケジュールに関しては、各サーキットからの開催
申請があり、現在調整されている。暫定のスケジュールでは全8戦が予定されてい
る。また、オールスター戦も11月に予定されているが、開催日時、サーキットは未
定となっている。GT-Aとしては、98年はシリーズ7戦で行うことを既に決定してい
るため、今後の調整が注目される。

◎GT-Aがエントラント(GT-A会員)にアンケートを実施
 来季の暫定スケジュールでは仙台ハイランドレースウェイでのGTC開催が予定さ
れている。だが同サーキットに対しては、施設やサービス面で改善すべき点がある
ということから、施設の改善を前提に来季のGTC開催を受け入れるとしていた。こ
のためGT-Aは、第5戦開催中に会員にアンケート調査を行い、より具体的な改善内
容を確認し、同サーキットへ提案したいとしている。
 また、来季は国内メーカーの主力車種の参加が増えることが予想され、これによ
り過当競争が生じるのではという懸念がGT-A会員間にあるという。この観点から、
先のアンケートに併せGT-A会員の同懸案に対しての意識確認(アンケート形式)も
行われている。GT-Aでは、これを基に過当競争の抑止策などを検討し、過去にあっ
たようなカテゴリーの衰退を未然に防止したいとしている。


☆決勝レース
◎タイヤ・レポート
*ヨコハマ
全車ソフト。構造は3種類。
事前テストの路面温度47度でも大丈夫だったのでソフトを選択した。スープラとバ
イパーが同じサイズのものを使っている。スカイラインはフロントに新しい構造を
採用した。GT300は事前テストで良かった構造のものを採用。ほぼ前チームが同じ
ソフト系。No.26タイサンスターカードRSRのみフロントがソフト、リアがミディア
ムを使用。GT500もGT300も交換が前提。

*ダンロップ
全車ソフト、2,3種類の構造。
思ったより路面温度が下がらなかったので、比較的ソフトなタイヤを選択した。
GT500(No.5)はソフト系。GT300も全車ソフト系で、マッチングがよかった。両クラ
スとも交換が前提。

*ブリヂストン
ソフトとミディアムの2種を用意。スカイラインとポルシェがミディアム。スープ
ラとNSXがソフトを選択。交換が前提。


○決勝スタート直前 13時50分現在
 天気:晴れ
 気温:25度  路面温度:33度
 入場者数:10/5 40,100人(10/4:7,600人 晴れ)


○リタイヤ(GTインサイドレポート班調べ)
No. 原因                 周回数
-------------------------------------------------
No.81   ラジエター破損(No.910との接触)        12
No.88   ミッション                            16
No.6    ターボ                                19
No.72   コースアウト                          26
No.510  オイル漏れ(No.556との接触)            37
No.556  (No.510との接触)                      38


No.100 RAYBRIG NSX(総合2位)
飯田章「スタートは結構良かったんですが、なかなか前に出れなくて。トムがブレ
ーキをミスした隙に出て。あと、ウチの方がペースが良かったんで、恵二さん(No.
18松本監督)が琢弥君に譲るよう指示を出してくれて。この辺はチームワークのお
かげでした。ボクは2ヶ月くらいこのクルマに乗ってなかったんで、それまでテス
トをしてくれていた琢弥君たちのおかげの成績だと思います」
高橋国光「表彰台は久しぶりなんで、この味をかみしめてます。飯田選手がいい仕
事してくれまして、ハンドルを任されたときは正直言って、しっかり走れるかなっ
て心配もありました。で、前のクルマに少し追いついたんですけど、1つ簡単なミ
スをして、ホントみんなに申し訳ないと思います。マシンは全く問題なくて、私自
身も久々に力が入りました。本当にすばらしい車を作ってくれたみなさんに感謝し
てます」

No.37カストロール・トムス・スープラ(総合3位)
鈴木利男「今回はピットでちょっと時間がかかっちゃて、まあ3位でしょうがない
かなって感じですかね。ホントはもうひとつ上にいきたかったんですけど。クルマ
は途中からブレーキがちょっとキツくなっていたんですが、大きな問題はありませ
んでした」
関谷正徳「チャンピオンの可能性がまだあるんですか? そうですか、じゃあ次は
ペドロをF1に行かしちゃいましょう(笑)」

No.71 シグマテック911(GT300クラス2位)
星野薫「ウチのクルマはターボがついているから下からトルクがあって、スタート
でうまく前に出ることができた。今年はこれまで6位が最高だったから、久々に表
彰台に上がれてうれしい。ポルシェは壊れないし安定しているから、それが勝因で
しょう。最終戦は、これも期待できるでしょう。トルクあるから30kgのハンデも問
題ない」

No.26 タイサンスタカードRSR(GT300クラス3位)
鈴木恵一「4コーナーでリアからドンと亜久里にぶつけられて、グラベルにはまっ
たけど、なんとか出してもらった。2周ぐらいのロス。ぶつけられたの悔しいよね。
最終戦はやるしかないでしょう。しょうがない」

No.38 カストロール・セルモ・スープラ(総合5位)
竹内浩典「No.36に抜かれたときに3~4台いたバックマーカーにちょっと当たっ
ちゃって、エアジャッキが曲がっちゃったんでピットで時間がかかったのと、ス
ローパンクチャー。バックマーカーどうしでもバトルやってるからリスクが大きい。
テストは良い感じなんで、SUGOの最終戦はなんとかしたい」


No.39 デンソーサードスープラGT
影山正美「まあしょうがないでしょう。レースですから。ポイントが逆転しちゃい
ましたけど、ゼッタイあきらめませんから。ハンデは関係ないっすよ。ウチより重
いところだってあるんだし、それがこのレギュレーションのおもしろいところです
から。クルマは、あの順位なりにはよかったです。とくにトラブルはありませんで
した」
谷川達也「悔しいです。チームには申し訳ないことをしてしまいました。松田さん
は、ボクと同一周回だと思っていたようです。さっき握手はしてきました。次は頑
張ります」

No.18 avex童夢 無限NSX
黒澤琢弥「悔しいかって? だいぶね。もう人と口もききたくないくらい。原因は
わかりません。なんだかわからないけどオーバーステアになっちゃった」

No.6 ワイズダンロップ BP MR2
加藤寛規「オイルに乗って飛び出したけど、それはリタイヤとは関係ない。なんか
おかしいなといいながら走ってたら、ターボのブーストが上がらなくなった。いま、
原因を調べています」
藤田孝博「行けると思ったんですけれど、今年はうまくいかないですね。勝てそう
だったのに。乗れないと勉強にならないからつらいです。SUGOは全然違うコースで
すから、足回りをやらないと。でも、テストでは雨の中無茶苦茶速いんです」

No.7 RE雨宮 SuperG RX7
松本晴彦「2番手になって回ってきたとき一発死んじゃって、その後は2ローター
で走ってました。自分の乗ってるときは問題なかったんですが」


☆優勝者インタビュー

総合優勝 No36カストロール・トムス・スープラ
ペドロ・デ・ラ・ロサ「すごく嬉しいです。だって、ウエイトハンデがあったんで、
勝てると思ってなかった。それに、勝ったことでポイント・リーダーにもなれたか
らね。チャンピオンにはとてもなりたいです。2つのタイトルを取れるチャンスな
んて滅多にないんだから。とにかく勝ちたい。フォーミュラニッポンではノバが、
そしてGTではトムスがいい仕事をしてくれているという証明にもなるし。さらにGT
は1人で走るわけではないので、マイケル(クルム)とのチームワークの良さを、
そう彼は今年他のカテゴリーでいい成績を残していないけど、ここでタイトルを取
れば彼の実力も証明できるのだから。そして、彼とSUGOで勝利の味を分かち合いた
いです」
ミハエル・クルム「ボクも勝てたことに非常にびっくりしました。ピットインまで
にペドロがいい仕事をしてくれて、ボクがピット・サインを見たときに『P1』と
出ていたんで驚いたんだ。でも、後ろから国光さんが2秒差まで追いついてきて、
どうなるかと思って。それで、すごくプッシュしてなんとか離すことが出来たん
で、あとは楽になりました。次は90kgのウエイトハンデを背負うことになるけど、
僕らはちゃんと持って帰れるものを持って帰ろうと思ってます。それだけです」

GT300クラス優勝 No19 RS☆Rシルビア
福山英朗「これだけのウエイトハンデを積んで、勝てるとは思ってませんでした。
夏の間に、そしてこちらに来ても毎晩遅くまでメカニック達が努力してくれてまし
た。でも、ターボカーには気温の上昇が不利に働いて成果が上がらなかった。です
が、ここに来て気温が下がってきて、彼らの努力が報われたと思います。次の100kg
のハンデは、あんまり考えないようにしています。考えたからって降ろせるもんじゃ
ないし。そんこと考えないでとにかくチャンピオンを取りたいね。そうそう(隣を
見て)、ペドロにも、ミハエルにも、章(飯田)にも早くF1に行ってもらって、そ
れで(反対を見て)織戸にもチャンスをあげてください(笑)」
織戸 学「とにかく嬉しいです。勝てたのは、車を作ってくれたメカの人やスタッ
フ、スポンサーのみなさんのおかげだし、それに応えられて嬉しいです。とにかく
最終戦に向けて、チャンピオンに向けて一歩近づけたし、活気づいてきたし、チャ
ンピオン取れるようにがんばります。今年のはじめに冗談で『ウエイト100kg積も
う』なんて言って、それが実現したんで、その後のことはなんとかなるでしょう。
(隣から、飯田が『織戸が10kg減量する!』)うっさいなぁ(笑)。全日本のタイ
トル、それどこか出るのも今年初めてだったんですが。でも、タイトル取る自信は
あります。(またも飯田が『全日本ドリコンは取っただろう』。福山が『ロリコン
だろう(笑)』。飯田『そう、好きなんですよ。こいつ』)。まったくもう! そ
ういうこというと、いろいろとバラずぞ。***のこととか(笑)」


インサイドレポート3に続く
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.5/5

                  ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                     1997  GT INSIDE REPORT
  Round 5 CP MINE GT RACE                                      4 Aug. '97
   GT Inside Report           インサイドレポート1              FMOTOR4版
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'97GTC第5戦 CP MINE GTレース

☆予選1回目
No.18 山本勝巳(avex童夢無限NSX)
「このままトップでいければいいですね。タイヤはもう1セット残っているんで、
午後もう1回アタックにいきます。ただ、気温が上がりそうですからタイムアップ
できるかどうかは…。今回はここまでまったくトラブルは出ていません」

No.5 田嶋栄一(5ZIGEN SUPRA)
「ギアがいきなりロックしてしまって、2コーナーでコースアウトしてしまった。
出ていってすぐで、タイヤも温まっていなかった。昨日から少しギアロックの症状
が出ていたので、とりあえず義務周回数だけはこなそうと思ったんだけど…。部品
は全部あるんで、午後までには直せると思います。ただ、今回はどうもタイヤがコ
ースに合ってないみたいで…。全然グリップがなくて、トラクションがかからない
んです。今回はノーチャンスですね」

No.38 竹内浩典(カストロール・セルモ・スープラ)
「菅生のテストはいいフィーリングだったんですが、昨日は原因不明のアンダース
テアに悩まされてました。今日は、ダンパーをスペアのモノに交換してアタックし
ました。午後は24秒2~3を出さないと厳しいでしょうね。NSXはコーナーの旋回速
度が速くて、立ち上がりでも早くアクセルを踏めるんです。ただ、ストレートでは
ちょっとこっちのほうが速いんで、決勝では前に出られればなんとか抑えられると
思います。NSXは耐久性も未知数ですしね。怖いのはトムスの2台でしょう」

No.6ワイズダンロップBP MR-2
加藤寛規「歯車が合ってくるとこんなもの? いつもと変わらないんですよ。ター
ボマシンは冷えているときにパワーがあるし、タイヤの美味しいところといかにド
ライバーがマッチさせるか、ようやくできたというところでしょう。決勝のスター
トはたぶんボクが行くと思うんですが、壊さないで完走しような(と藤田選手に向
かって言う)。タイサンとシルビアには後ろで頑張ってもらって、チャンプは狙え
ないけど邪魔してやろうかと(笑)」
藤田孝博「前回は、ホイールのトラブルでリタイヤしたんですが、対策はしまし
た。何事もなく終わらせようと思います。ボクは基準タイムクリアするぐらいで、
予選はアタックしません」

No.910 玉本秀幸(ナインテンポルシェ)
「昨日はタイヤは古い状態でしたから。今日はニュータイヤでアタックしました。
足回りとタイヤが、μの低いこのサーキットと相性がいいみたい。午後は天気次第
ですが、陽が出なければラバーグリップもあるしタイムも上がるでしょう。ヨコハ
マ勢は、有力チームが重量積んでるからああいう結果なんでしょう」

No.81木下隆之(ダイシンシルビア)
「アタック中にちょっと引っかかったから、あと0.2秒は行ける。昨日より今日の
ほうがコンディションがよかったから、その分アップできた。午後アタックできれ
ば31.5秒が目標。決勝は、細かいトラブル出てくるだろうけど、これまではチェッ
クが甘かった。しっかりやれば問題ない。失うものは何もないから攻めるしかない」

No.26 新田守男(タイサン スターカード RSR)
「(順位を)1コ上げたいんだけど、厳しいかな。シルビアの前にいれば良しとし
ましょう。タイヤ残ってるけど、(午後のタイムアップは)無理だわ、70kgのウエ
イトじゃ(笑)。トップにはビュンビュン行ってもらってOK! ウチらの邪魔は
してほしくないけどね」

No.28 チームFCJフェラーリ
 今回「チームの方針」でNo.28のステアリングを握ることになった太田哲也。
「こちらのクルマがなかなかセッティングが決まらなかったので、僕が乗ることに
なりました。No.27のほうは1回お休みです。実はNo.27とNo.28は製作したガレージ
が違うため、クルマの造りかたに対する考えが違うんです。たとえばエンジンは、
No.28は高回転まで回せばパワーが出るタイプなんですがピックアップがよくない。
だからストレートエンドは速いんですがコーナーの立上がりが苦しいわけです。No.
27の方がトルク重視で、その部分では扱いやすかったですね。最終戦に向けてこの
あたりは改善する必要がありそうです。また足回りはNo.28のほうがいろいろ凝った
仕様になっているんですが、全体のバランスがまとまっていない感じでした。今回
自分で走って、ようやくフロントはまとまってきたので、あとはリアをもう少し煮
詰めたいところです。ただ大きな問題があって、それはミッションがF355チャレン
ジ用そのままなことです。ギア比もファイナルも変えていないので、ここではスト
レートで6速に入るには入るんですが途中までしか吹けないんですよ」と太田。そ
れでも予選1回目では、クラストップから2秒落ちのところまでタイムを上げてき
ている。

No.34 STPタイサン・アドバン・バイパー
 GTC初登場のバイパー。チーム・タイサンにとっては待望のマシンだけに、2人
のドライバーの表情はともに明るい。ただ今回がほとんどシェイクダウンのため、
細かいトラブルにまだ悩まされているのも事実。木曜に雨のなか走行した土屋圭市
は、「驚いたよ、くるぶしのあたりまで水が入ってくるんだもん。靴を3足ダメに
しちゃったよ」と一言。その後金曜日にドライで走行した際は、「水温が108度、油
温が130度までいっちゃうし、ブレーキがドンドン奥に沈んでいっちゃうんだ」と、
熱対策の必要を訴えていた。この後オーバーヒートからエンジンを1基ブローさせ
てしまうのだが、チームではフロントグリルの開口部を大きくしたりしてなんとか
対策を施し、オーバーヒート症状はおさまったようだ。ただしキャリパー用のダク
トを新設するなどしたブレーキは、相変わらずペダルが奥に入ってしまう症状のま
まらしく、美祢では苦戦を強いられそうである。鈴鹿1000kmでもバイパーをドライ
ブした松田秀士によると、「FIA戦のクルマとは、エンジンのパワーバンドも違いま
すし、タイヤの太さも違うし、ABSの有無も違うので、やっぱりだいぶ印象が違いま
すね」とのこと。それでも「まだシェイクダウンしたばかりなので、やることはいっ
ぱいありますけど、トルクがあるので現段階でもストレートは速いですよ。さっき
スープラの後ろについていったらトントンでしたもん。今後はとくにブレーキを強
化して、サスペンションが煮詰められれば、十分トップ6に食い込める実力はある
と思います。期待していてください」と、そのポテンシャルには大きな期待を寄せ
ているようだ。

No.510 RH CERUMO SUPRA
先日、集中豪雨に見舞われた鈴鹿で、トランスポーターに積載していたマシンが水
没してしまうという奇禍に遭った。さいわい大きなトラブルとはならなかったよう
だが、ガショーに影響はなかったか尋ねると、「スイッチを押したら水が出てきて
指が濡れちゃったよ。それと、エンジンをかけたらゴボゴボゴボって水の音がした
んだ(笑)」と、強烈なジョークを一発。一方のベルモンドはどうやらこの一件を
知らなかったらしく、「エッ、それはホントウか? と真顔で心配していた。


☆予選2回目

No.100 飯田章(RAYBRIG NSX)
「クルマはどんどんよくなってきてます。足も決まってきたし、エンジンも少しよ
くなってます。直線でもスープラとほとんど変わらないんじゃないですか。ブレー
キに関しても、ウチはまったく問題ありません。ただ、ポールをとれなかったん
で、満足ではありませんね。決勝はピット作業の勝負でしょう」

No.37 鈴木利男(カストロール・トムス・スープラ)
「予選はちょっと思ったとおりいかなかったね。午後は全体にグリップが悪くてタ
イムアップできなかった。クルマの状態としては少しよくなってはいる。午後、ほ
かは朝の1秒落ちくらいでしょ? ウチはコンマ5秒落ちくらいだからね。でも満足
できる状態ではないよ。決勝は、このコースは抜くところがないし、ブレーキがき
ついよ」

No.8 トム・クリステンセン(POWER CRAFT SUPRA)
「午前中のセッションは昨日の夜に降った雨で路面がクリーンになっていたし、路
面温度が高くなかった。これが我々がチョイスしたブリヂストンのタイヤにピッタ
リ合っていた。それで好タイムが出た。だがホンダ勢がすごく速い。ブレーキング
がいいようで、スローコーナーが速い。我々のマシンのホンダNSXに対するアドバ
ンテージ? さあストレートスピードかな。それだけだ。今日はパワーステアリン
グに若干のトラブルがあったのと、アンチロールバーが折れてしまったので長坂さ
んがあまり多くラップできなかったが、それ以外は好調だ。FETチームは実力があ
るし。ともかく今年は選手権全戦に参加しているわけではないのに、明日フロント
ロウからスタートできることには満足している。明日は表彰台を目指す。ここはホ
ンダが速いから」

No.36  ペドロ・デ・ラ・ロサ(カストロール・トムス・スープラ)  
「午前中はマシンの状態がすごく悪くて大アンダーが出ていたが、午後のセッショ
ンに向けて前後のスプリングとプリロードを変更した。これですごくよくなった。
ただ、午前中にタイヤを使ってしまっていたので、あれ以上のタイムは出なかっ
た。今はマシンは非常に安定しているし、いい状態になっている」

No.510 ベルトラン・ガショー(RH CERUMO SUPRA)
「クルマは今朝はすごくよかった。午後もOKだ。クルマのポテンシャルのリミット
まで行っていると思う。今朝はあと少し、1分25秒2くらいまでは行ったかもしれ
ないが、24秒台は無理だ。他は6速シーケンシャルなのに対して我々のクルマは5
速のHパターン。それに空力も新しいタイプではない。その2点がハンデになって
いる。明日は表彰台を目指す。今までF1以外はどのレースも勝ってきたのでここ
でもぜひ勝ちたい。勝つまでやりたい」

No.26 鈴木恵一(タイサン スターカード RSR)
「ウェイトハンデは去年より20kg軽いわけだから、まだいいよ。ただ、ここはブ
レーキがきついコースだから、去年と同じようにGT2の大きいローターにした。板
東のところ(No.19 RS☆Rシルビア)は80kg積んでいて、しかもデータはない。ボ
クらはここのデータがあるわけで、それは強みでしょう。だから、できればここで
引き離したいね。ボクと新田で練習走行のタイムで走って、ボクらのレースをすれ
ば、少なくとも板東のところには勝てると思う。速いMR2はいなくなったけど、ク
ラス優勝は難しいんじゃないかな。それと、最終戦を考えるとあんまり勝ちたくな
いしね。望みは、ウチが4位でシルビアが6~7位。そうすればハンデが10kg減
る。SUGOの最終コーナーは登りがキツイから、なるべく積みたくないんだよ」

No.19 RS☆Rシルビア
金曜日の練習走行中、板東社長が下向きの矢印を持ってタイサンのサインガードに
乱入。本人の弁によれば表敬訪問らしい。しかし、予選でのポジションは今一つ。
織戸学は「クルマの動きが遅くなってるし、ブレーキ使うし、ここはキツい。ポル
シェの前でゴールしないといけない。タイサンもウチもウエイト積んでるわりには
練習走行では速いでしょう。SUGOのテストでもウエイト積んでいい感じだった。な
んだかんだいっても、予選は重要でしょう。抜かせてはくれないですからね」と
言っていたのだが。
 そして、この人の発言に期待したかった福山英朗選手。
「ターボエンジンに対しては、気温が下がってくれた方が良い。雨はイヤだけど。
エアロパーツとタイヤとエンジンが変わったところだけど、他のクルマももどこも
良いでしょう。夏の間にクルマをいろいろやったけど、結果に結びついていない。
気温が変わってきてようやく改善されたというか、効果が出てきた。気温が上がっ
て重量が増えて落ちるタイムをなんとか食い止めてきたと言うべきかな。気温が下
がるとこの辺が生きて来るんで、期待している。ありとあらゆること、軽量化、空
力、タイヤ屋サンとも、エンジン屋さんとも話しながらやってます。今回は、なん
としてもタイサンの前でチェッカーを受けたい。最終戦が楽になるからね。向こう
はタイトルも持ってるし、レース経験も豊富だから、若干有利でしょう。最終戦に
はポイントでリードしていきたいね。でも、タイサンも調子良いでしょう。一発の
タイムは来れないと思ってた。テストには我々は来てるのに、彼らは来ないでしょ
う。予選は落ち着いて、決勝は気合い居れて行きます。ドウ・マイ・ベストで行き
ますよ。ここまで来ておちゃらけ言ってられないから」

No.39影山正美(デンソーサードスープラGT)
「16ポイント差は全然十分なマージンだと思いません。残りの2レース、1点でも
多く、1台でも前でゴールしないといけないという考えしかなくて、16点差あるっ
て余裕はまったくないですね。予選8番手は、とくにウェイトハンデの影響という
わけではないと思います。前回のテストから新車にしたんですが、テストの時とち
ょっとクルマの動きが違ったので、あわててセッティングし直したものですから。
でもまだ今いちテストの状態に戻り切ってない感じです。午後もうちょっとタイム
をあげて6~7番手にはいきたかったですね。ちょっと厳しいですね。決勝の目標
としては…。やっぱり勝ちたいですね。勝てば決まりですし。でもそう簡単ではな
いでしょうから、ベストを尽くして1台でも前でゴールして、菅生につなげたいで
すね。絶対這ってでも走りますから!」


☆ポールポジション・インタビュー

予選総合1位
No.18 avex 童夢 無限NSX
黒澤琢弥「なんとかかろうじて(ポールを)取った感じなので、うれしいというよ
りホッとした感じですね。今回はテストが十分できて、そのテストの段階から調子
がよかったので、取れるかなあという気は、美祢に入る前からしてました。そして
昨日のフリー走行の段階からたいしたトラブルもなく、スタッフとかメカニック全
員がクルマをよくしてくれたんで、ミスなく乗っただけなんですが、ポールがとれ
てうれしいです。昨日、予選に向けてシミュレーションをしたんですが、ボクはク
リアラップがとれなくて26秒フラットくらいしかいってなかったんです。でも(飯
田)章君の方が25秒台はいってましたんで、まあそれはウチらも出るかなぁと。た
だ24秒台は見えなかったんですけど、章君が24秒7というのが監督の(松本)恵二
さんから無線が入って、お尻に火がついた感じですね。もうちょっと踏まなければ
と。めいっぱいプッシュして、クルマもよくそれにこたえてくれたので、なんとか
いけたということですね。先日美祢でトータル4日間、ロングランテストをした時
もトラブルなかったので、なんとか明日は初めてチェッカーを受けたいですね。た
だ残念ながらストレートがスープラより少し遅いので、スタートが難しいでしょう
ね。ここは最終コーナーからストレートにかけて距離があるので、1コーナー入る
前に抜かれたくないですね。うまくトップで1コーナー行ければ、インフィールド
はNSXが速いので、おもしろいレースになると思います」

No.6ワイズダンロップBP MR-2
加藤寛規「タイムのほうは狙って出したものなんですが、アタック中にまだ細かい
ミスもありましたので、もう少しつめられるとは思ってます。ただ結果的にポール
がとれて、よかったです。今回はターボMR-2が1台ですが、アドバンテージがある
と信じています。いつも予選は前のほうにいるのに、決勝はポイント圏内にいない
ので、明日は優勝を目指すというより完走を目指したいですね。結構調子いいので、
なんとかゴールしたいです」


インサイドレポート2に続く
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.5/4

                  ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                     1997  GT INSIDE REPORT
  Round 5 CP MINE GT RACE                                      5 Aug. '97
   Race Report                    決勝レース                   FMOTOR4版
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'97GTC第5戦 CP MINE GTレース

逆転!逆転、また逆転!
カストロール・トムス・スープラが2勝目を挙げる!
2位にはRYBRIG NSXが初入賞

 スタートは、ポールのNo.18avex童夢無限NSX、黒澤琢弥とセカンドグリッドのNo.8
 POWERCRAFT SUPRAのT.クリステンセン、そしてNo.100 RAYBRIG NSXの飯田章が共に
好スタートし、第1コーナーに並んで進入。わずかに頭ひとつNo.18が先となり2コ
ーナーを出た時点でNo.18、No.8、No.100の予選の順となる。だが、No.100はNo.8の
テールにぴたりとつけ、3周目の第2ヘアピンでパッシング。これで、NSXが1-
2、しかも2台とも1分27秒近いハイペースで後続を引き離していく。だが、5周を
過ぎた時点でNo.18のペースがやや落ちたところでNo.100がストレートで抜き、トッ
プに立った。この後、No.18のペースダウンし、徐々に順位を落としていく。これ
で、No.100 NSXをNo.8とNo.38、No.36、No.37の3台のカストロール・スープラ勢が
追う展開となった。だが、No.100はコンスタントに28秒台で、29~30秒台の後続を
引き離していく。ランキングトップのNo.39デンソーサードスープラGT、影山正美は
12周終了時点で7番手、その後ろにランキング3位のNo.2 ZEXElスカイライン、鈴
木亜久里がつける。ところが、亜久里は周回遅れをパスする際に接触し、フロント
部分を破損、修復のためにピットに戻ることになり上位進出の可能性が薄れた。
 中盤まではこの順位で流れ、ひとつのポイントとなるルーティン(予定)のピッ
トインが明暗を分けることになった。まず、早めに動いたのはNo.39デンソースー
プラだった。37周でピットインし、36秒ほどのタイムロスでコースに戻る。続いて、
ランキング2位でNo.39影山正美を追う、No.36カストロール・トムス・スープラの
クルム/ロサ組は41周目にピットイン。これも35秒ほどで問題なくコースに復帰。
そして、トップを行くNo.100 RAYBRIG NSXと2番手No.8 POWERCRAFT SUPRAが42周目
に同時にピットイン。No.100はピット作業に手間取り、50秒近くを要してしまう。
かろうじてNo.8の前でコースに戻るが、トップはNo.36カストロール・スープラに
奪われてしまった。
 トップNo.36のM.クルムとNo.100 高橋国光との差は4秒弱。ここで、No.100国光
が時には28秒台を出す追い上げでじわりとNo.36との差を詰める。ここで、No36ク
ルムも負けじと28秒台にペースアップし、その差は3秒台で膠着。61周目にNo.100
がダートにタイヤを落としたて、その差が一気に10秒以上と開いて、これで勝負が
付いた。3番手にはNo.37カストロール・トムス・スープラが周回遅れに躓いた
No.8、No.36をかわして入った。
 一方、No.39は、着実な入賞狙いに切り替え6位をキープしていたのだが、66周目
に1コーナーで他車と接触しコースアウト。再スタートは切れたものの13位とポイ
ントを加算することが出来なかった。
 これで、シリーズポイントは逆転しNo.36クルム/ロサ組が67ポイントでトップ。
2位に63ポイントのNo.39影山正美。3位にNo.37関谷/利男組が54ポイント、4位
には50ポイントのNo.2亜久里となり、チャンピオンの行方は最終戦のSUGOまで持ち
越された。


波乱をくぐり抜けたRS☆Rシルビアが優勝!

 GT300クラスは、ポールのNo.6ワイズダンロップBP MR2のターボの故障など、上
位陣が次々と接触やトラブルで消えていく。そして、ランキング1位のNo.26タイ
サンスターカードRSRの鈴木恵一がスピンし、再スタートを切るが大きく遅れる。
一方、その混乱をよそにNo.26と同ポイントでタイトルを争うNo.19 RS☆Rシルビア
が順位をあげ、最終的には優勝し、今季2勝目となった。No.26もその後追い上げ
て、3位までリカバリー。これで、ポイントはNo.19織戸/福山組が82ポイントで
トップに。No.26恵一/新田組が74ポイントと2番手となり、こちらも最終戦SUGO
での決戦となる。

以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.5/3

                  ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                     1997  GT INSIDE REPORT
  Round 5 CP MINE GT RACE                                       4 Aug. '97
   Qualify Report                予選日レポート                 FMOTOR4版
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'97GTC第5戦 CP MINE GTレース

NSXの2台が好発進!avex童夢無限NSXが待望のポールを獲得
RAYBRIG NSXも3位に!

 10月4日、山口県・MINEサーキットで全日本GT選手権第5戦「CP MINE GT RACE」
の公式予選が行われた。曇りがちの空模様だったが、心配された雨も降ることなく
ドライコンディションで行われ、No.18 avex童夢無限NSXの黒澤琢弥がコースレコー
ドを更新する好タイムを記録し、自身にとってもNSXにとってもGTC初となるポール
ポジションを獲得した。
 予選1回目は、午前10時5分より1時間に渡って行われた。早朝には小雨が降っ
たが8時前には止み、曇っていたものの予選開始時には路面もドライ状況に戻って
いた。金曜日の練習走行より気温も下がり、コンディションとしてはまずまずといっ
たところだ。
 開始してまずスカイライン勢がNo.3ユニシアジェックススカイラインとNo.556 
KURE R33が早くも金曜のテストディのタイムを上回る1分25秒台を出す。だが、す
ぐさまNo.8 POWERCRAFT SUPRAのクリステンセンが、コースレコード('96年ラーク
マクラーレンF1GTR/R.シューマッハ:1'24.847)を更新する1分24秒633を記録し
た。その直後にNo.100 RAYBRIG NSXの飯田章も1分24秒715を記録し2番手に。
 この2人のタイムを無線で知らされたNo.18 avex童夢無限NSXの黒澤琢弥が燃え
た。攻めたタイムは、さらに速い1分24秒605を叩き出す。結局、このタイムを更
新するマシンは現れずにNo.18 avex童夢無限NSXの暫定ポールが決定した。
 一方、シリーズ・チャンピオンを争うランキング1位の影山正美/No.39デンソ
ーサードGTは8番手に、ランキング2位のクルム/デ・ラ・ロサ組/No.36カスト
ロール・トムス・スープラは5番手、ランキング3位の鈴木亜久里/No.2 ZEXELス
カイラインは9番手となっている。
 午後に入っても、空模様は変わらず。気温もさほど上がらなかったため、よりタ
イムアップするかと思われたが、思いの外コースは荒れており各車タイムが上がら
ない。
 そのような中でも、No.18 avex童夢無限NSXが午前と同様の速さを見せ、1分25秒
307でトップに。それに続くのもNo.100 RAYBRIG NSXというNSXのワン・ツーとなっ
た。そして、ここのところ速さが目立ってきたNo.38カストロール・セルモ・スープ
ラがNo.37カストロール・トムス・スープラを押さえて3番手に入った。
 予選後半はコースに出るマシンが多く、クリアラップを取ることが難しくなった。
そして、上位陣では午前のタイムを上回るものはなく、No.18 avex童夢無限NSXの
GTC初ポールポジションが決定した。


ワイズダンロップBP MR2がレコードでポール獲得

 GT300クラスでは、予選1回目開始直後にいきなりNo.6ワイズダンロップBP MR2
の加藤寛規がコースレコード('96年パーソンズシルビア/本山哲:1'31.782)を更
新する1分31秒571を叩き出す。これに1分31秒954でNo.81ダイシンシルビア、木
下隆之が続く。予選で好調の国産ターボ勢で上位を占めるかと思われたが、No.910
ナインテンポルシェの玉本秀幸が1分31秒656で2番手に割り込んだ。午後の予選
では、GT500同様に大きくタイムを更新するマシンはなく、No.6ワイズダンロップBP
 MR2がGTC初ポールを獲得した。
 全くの同ポイントでクラス・チャンピオンを争うNo.26タイサンスターカードRSR
は4番手、No.19RS☆Rシルビアは7番手とやや出遅れた。


ポールポジション
No.18 avex童夢無限NSX  黒澤琢弥 1分24秒605
「なんとか辛うじて取った感じなので、嬉しいというよりホッとした感じですね。
そして昨日のフリー走行からたいしたトラブルもなく、メカニック全員がクルマを
良くして、ボクはミスなく乗っただけです。24秒台は見えなかったんですけど、章
君(飯田)が24秒7だと監督の(松本)恵二さんから無線が入って、お尻に火がつい
た感じですね。めいっぱいプッシュして、クルマも良くそれにこたえてくれたんで
す。ストレートがスープラより少し遅いので、スタートが難しいでしょう。うまく
トップで1コーナー行ければ、インフィールドはNSXが速いので、きっとおもしろい
レースになると思いますよ」



GT300ポールポジション
No.6 ワイズダンロップBP MR-2  加藤寛規 1分31秒571

「タイムの方は狙って出したものなんですが、アタック中にまだ細かいミスもあり
ましたので、もう少しつめられるとは思ってます。ただ結果的にポールがとれて、
良かったです。今回はターボのMR2が1台ですが、アドバンテージがあると信じてい
ます。いつも予選は前の方にいるのに、決勝はポイント圏内にいないので、明日は
優勝を目指すというより完走を目指したいですね。結構調子いいので、なんとか
ゴールしたいです」


                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.5/2

                  ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                     1997  GT INSIDE REPORT
  Round 5 CP MINE GT RACE                                       3 Aug. '97
   Practice Report                練習走行レポート              FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第5戦 CP MINE GTレース

トップタイムはNo.37カストロール・トムス・スープラが獲得。NSXが好発進!

 この日のMINEサーキットはやや雲が多いものの、時折強い日差しが差し込み、昼
過ぎには気温は26度まで上がって汗ばむほどだった。練習走行は、午前と午後各2
回、すべて1時間のセッションが行われた。
 この日、好調だったのは2台のNSXだった。まず、午前1回目のセッションでトッ
プタイムを記録したのがNo.100 RAYBRIG NSXで1分26秒140。これに続くのもNo.18 
avex童夢無限NSXだった。ランキング2位でチャンピオン獲得に意欲を燃やすNo.36
カストロール・トムス・スープラが3番手。4番手にはNo.556 KURE R33が入った。
 午前2回目の走行では、No.36カストロール・トムス・スープラが1回目のNSXの
タイムを上回る1分26秒163でトップに。そして2番手もNo.37カストロール・トム
ス・スープラとトムスの1-2となる。3番手はNo.18のavex童夢無限NSXで、MINE
のコースがNSXに適していることを立証している。
 午後1回目のセッションではNo.18 avex童夢無限NSXがさらにタイムアップを果た
し1分26秒052を記録してここまでのトップになる。そして、2番手はNo.5 5ZIGEN
 SUPRAがつけるがタイムはやや離されて1分27秒229に止まる。3番手はNo.100 
RAYBRIG NSX。スカイライン勢ではNo.3ユニシアジェックススカイラインの5番手が
最上位だった。
 午後2回目のセッションでは日も陰って気温も下がったためか、タイムを更新す
るマシンが増える。そして、ついにタイムは25秒台へと入る。このセッションで1
分25秒590でトップに立ったNo.37トムス・スープラが、この日を通じてのトップタ
イムとなった。2番手がNo.100のNSX。そして、3番手にはNo.8 POWERCRAFT SUPRA
が飛び込んできた。スカイラインではNo.556 KURE R33が1分26秒768で、このセッ
ションの6番手となり、この日の総合8番手。これがスカイラインの最上位だった。

 NSXはトリッキーなコーナーが多いMINEのインフィールドセクションでは、抜群
コーナースピードの速さを見せる。この速さはメインストレートでのパワー不足十
分補っていることはタイムを見れば明かだろう。また、今日は大きなトラブルもな
く明日の予選、そして決勝に向けて好感触を得たようだ。
 一方、スープラ勢ではNo.36とNo.37のトムスが好調。特にNo.36はこのレースに優
勝すれば、チャンピオンの可能性も十分あるだけに気合いが入ってるようだ。逆に
ランキングトップのNo.39デンソーサードスープラGTは、どのセッションも10位前
後といまひとつの状況。実はシャシーを新型としたのだが、事前のテストでクラッ
シュし、再度修復ということで、本調子とはいえないようだ。
 スカイライン勢だが、コーナーでのセッティングに悩み、思うようにセッティン
グが進まず、苦戦を続けているようだった。
 このレースから登場したNo.34 STPタイサンアドバンバイパーは、事実上のシェイ
クダウンでそれほど無理はしなかった。だが、ドライバーの土屋圭市はトルクフル
で、立ち上がりではスープラにも負けていないと大いに気に入った様子。だが、最
初のセッションでオーバーヒートを起こし、残念ながらあとのセッションはキャン
セルとなった。

 GT300クラスでは、午前2回目のセッションで第3戦仙台でポールを獲ったNo.21
 ダンロップ-BP-BMWが1分32秒836とトップタイムを出すが、午後の最終セッション
で、No.81ダイシンシルビアが一気に1分32秒618とタイムアップして、今日のトッ
プとなる。2番手にはランキング・トップのNo.26タイサンスターカードRSRが入っ
た。同ポイントでランキングトップに並ぶNo.19 RS☆Rシルビアは午後1回目に出し
た1分33秒105で、今日総合で5番手だった。


練習走行上位タイム                      天気:晴れ コース:ドライ 出走:33台
Po  No  マシン                          ドライバー            タイム 
---------------------------------------------------------------------------
[GT500]
 1  37  カストロール・トムス・スープラ   関谷正徳/鈴木利男    1'25.590(4)
 2 100  RAYBRIG NSX                      高橋国光/飯田 章    1'25.695(4)
 3   8  POWERCRAFT SUPRA                 T.クリステンセン/長坂尚樹    1'25.708(4)
 4  18  avex童夢無限NSX                  黒澤琢弥/山本勝巳    1'26.052(3)
 5  36  カストロール・トムス・スープラ   M.クルム/P.デ・ラ・ロサ   1'26.060(4)
 6  38  カストロール・セルモ・スープラ   竹内浩典/金石勝智    1'26.658(2)

[GT300]
    81  ダイシンシルビア                 大八木信行/木下隆之  1'32.618(4)
    26  タイサンスターカードRSR          鈴木恵一/新田守男    1'32.732(4)
   910  ナインテンポルシェ               袖山誠一/玉本秀幸    1'32.758(4)
                *タイムは非公式のもの。カッコ内はタイムを出したセッション


                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.5/1

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                     1997  GT INSIDE REPORT
  Round 5 CP MINE GT RACE                                      29 Sep. '97
  Preview Report             プレビューレポート                FMOTOR4版
 --------------------------------------------------------------------------
'97GTC第5戦 CP MINE GTレース

サード・スープラ、チャンピオンへの天王山
ZEXELスカイラインとカストロール・トムス・スープラの逆襲はあるか!?
チーム・タイサンよりダッチバイパーが参戦予定

 '97全日本GT選手権も残すところあと2戦となった。こうなってくると俄然注目さ
れるのが、シリーズ・チャンピオンの行方だろう。第4戦富士でNo.39デンソーサー
ドスープラGTが2勝目を挙げ、影山正美が獲得ポイント63でランキング・トップに
進出。2位に甘んじたNo.36カストロール・トムス・スープラのクルム/デ・ラ・ロ
サ組が、16ポイント差でそれに続く2番手。第3戦までトップをキープしていたNo.2
 ZEXELスカイラインの鈴木亜久里は、序盤の接触で大きく遅れたためなんと9位
で、1ポイントしか獲得できずに一気に3番手に後退。正美とのポイント差も17ポイ
ントと開いてしまった。この後に続くのは、No.37カストロール・トムス・スープラ
の関谷正徳/鈴木利男組(42ポイント)とNo.3ユニシアジェックススカイラインの
長谷見昌弘/田中哲也組(33ポイント)だが、ポイント差は大きく開いてしまった。
この数字からいえば、チャンピオン争いは上位3チームのドライバーに絞られたと
言っていいだろう。
 第5戦MINEで、No.39デンソーサードスープラGTが優勝してしまえば、チャンピオ
ンが決まってしまう。だが70kgのウエイトハンデを背負い、さらには同チームのシ
ャシーはシーズン前のテストから使われている97年型の1号車なため、シャシーの
疲労もかなり溜まっている。これはテクニカル・セクションの続くMINEではかなり
のハンデとなる。したがって、同チームは勝つことより確実にポイントを稼いで、
最終戦をより楽に闘えるようにする事に主眼を置くことが予想される。
 これに対して、No.2 ZEXELとNo.36カストロールはもう優勝しなければ、最終戦で
No.39と対等に闘えない。そして、この2チーム共に勝つ実力は十分なだけに、予選
から凄まじいアタックを見せてくれると思われる。特にNo.2 ZEXELを中心としたス
カイライン勢は、このところスープラ勢にしてやられているだけに、スカイライン
の泣き所であるトップ・スピードが大きく響かないMINEは巻き返しを見せるには最
良の条件を持つ。
 早くも97年のフォーミュラ・ニッポンのチャンピオンを決め、来季はF1とも噂さ
れるNo.36のデ・ラ・ロサに対して、元F1ドライバーのNo.2、亜久里/コマス組の
プライドを賭けた対決も気になるところだ。
 だが、この上位陣に引き替え、背負うものなく思いっきり走れるのがNSXの2台
だろう。NAエンジン、ミドシップ・シャシーを持つNSXは、テクニカルなMINEに最
も向いたマシンといえる。ここまでマイナートラブルに泣いているが、その実力は
スカイライン、スープラに負けないものを持っていることは、ここで説明するまで
もないだろう。したがって、No.18 avex童夢無限NSXとNo.100 RAYBRIG NSXが大穴
というより、実は本命なのかもしれない。
 そして、今回またもやニュー・マシンの登場が予定されている。No.34のチーム
・タイサンがこれまでのポルシェ911GT2から、ダッヂ・バイパーにチェンジして登
場する。既にル・マン24時間や鈴鹿1000kmでも活躍し、そのパフォーマンスは十分
証明されているだけに、初登場ながら波乱を巻き起こす可能性もある。待望のニ
ュー・マシンを得て、土屋圭市、松田秀士の両ドライバーの活躍も目を離してはい
けない。


チャンピオンはどっちだ?!
RS☆Rシルビアvsタイサンポルシェ、宿命の対決
好調フェラーリは表彰台の頂点を狙う

 一方、GT300クラスのシリーズチャンピオン争いは、ディフェンディング・チャ
ンプのNo.26タイサンスターカードRSRとNo.19 RS☆Rシルビアの2チームに絞られ
たと言っていいだろう。第4戦までで双方の獲得ポイントは、共に62と全く同じ
だ。したがって、残り2戦で相手より1つでも前でゴールした方が栄冠を得ること
になるだろう。したがって、レースの勝ち負けよりもお互いをマークしての駆け引
きが行われることなりそうだ。
 さて、第5戦MINEでは果たしてどちらが有利だろうか。No.26タイサンは、昨年こ
こで勝利を挙げてチャンピオンを確定している。その時は、規定最大の100kgという
ウエイトハンデを背負っていた。それから考えれば、現在のハンデは70kg。しか
も、ライバルNo.19RS☆Rはそれより重い80kgだ。とは言え、No.26の新田守男は「10
kgの差なんて無いに等しい。向こうは毎戦ポテンシャルが上がっているし。それよ
りもミスしないこと。それが大事です」と慎重な構えだ。それというのも、昨年、
ライバルだったNo.910ナインテンポルシェは、他車のスピンに巻き込まれてリタイ
アを喫し、その結果が彼を有利にしたのも確かだからだ。
 さて、この2台を追いかける大穴と目されていたNo.25つちやMR2は残念ながら、
チームの事情から今回は欠場となった。しかし、彼らが見せたパフォーマンスから
MR2がポルシェRSRやシルビアに劣っていないことを証明している。それだけに、毎
戦いい走りを見せながら結果を残せないNo.6ワイズBPダンロップMR2に期待をしたい
ところだ。また、同じKRAFTチームからエントリーしているNo.60No.6ワイズBPダン
ロップ キャバリエにも注目したい。
 そして、忘れてはならないのがNo,27 TEAM FCJフェラーリだろう。毎戦トラブル
を抱えながらしぶとく走り抜き、ついに第4戦富士では2位表彰台を手に入れた。
徐々に熟成や対策も進み、次には最も高い位置を得ることも考えられる。また、今
季は3ローターにパワーアップし、好パフォーマンスを見せながら、トラブルに泣
いているNo.7 RE雨宮SuperG RX7も侮れない。この他、No.910ナインテン、No.71シ
グマテックのポルシェもウエイトハンデなしだけに、勝つ可能性は高いといえる。
どちらにせよ、抜きにくいテクニカル・コースのMINEだけに、いつにもましてGT300
はテール・トゥ・ノーズの激戦となることは間違えないだろう。

Report by GTインサイドレポート班


'97全日本GT選手権 予想エントリーリスト(9月20日現在)
第5戦 CP MINE GTレース大会   CP MINE サーキット(10/4,5)

[GT500]18台
No. マシン                 ドライバー                    エントラント   ハンデ
----------------------------------------------------------------------------
2   ZEXELスカイライン     鈴木亜久里/エリック・コマス   NISMO          30kg
3   ユニシアジェックススカイライン      長谷見昌弘/田中哲也           ハセミ・モータースポーツ
4   ダンロップポルシェ    金海辰彦/駒 光武             SUZUKI BANKIN
5   5ZIGEN SUPRA          田嶋栄一/光貞秀俊             TEAM 5ZIGEN
8   POWER CRAFT SUPRA     トム・クリステンセン/長坂尚樹           POWER CRAFT
12  カルソニックスカイライン          星野一義/本山 哲             HOSHINO RACING
13  エンドレスアドバンGTR       木下みつひろ/藤村満男         エンドレススポーツ
18  avex童夢無限NSX       黒澤琢弥/山本勝巳             無限+童夢PROJECT
30  綜合警備 PORSCHE      山田洋二/茂木和男             TEAM TAKE ONE
34  STPタイサンアドバンバイパー   土屋圭市/松田秀士        TEAM TAISAN with ADVAN
36  カストロール・トムス・スープラ      ミハエル・クルム/ペドロ・デ・ラ・ロサ    TOYOTA Castrol TEAM 60kg
37  カストロール・トムス・スープラ      関谷正徳/鈴木利男        TOYOTA Castrol TEAM 20kg
38  カストロール・セルモ・スープラ      竹内浩典/金石勝智        TOYOTA Castrol TEAM
39  デンソーサードスープラGT      影山正美/谷川達也          TOYOTA TEAM SARD  70kg
88  JLOC ディアブロGTR    和田孝夫/和田 久             JALOC CORSA
100 RAYBRIG NSX           高橋国光/飯田 章       チーム国光 with MOONCRAFT
510 RH CERUMO SUPRA       ベルトラン・ガショー/ポール・ベルモンド 
                                             RYOWA HOUSE Pacific TEAM CERUMO
556 KURE R33              影山正彦/近藤真彦             NISMO

[GT300] 17台
6   ワイズダンロップBP MR-2    加藤寛規/藤田孝博             KRAFT
7   RE雨宮SuperG RX7      山路慎一/松本晴彦             RE雨宮レーシング
16  YB BMW 318iクーペ     関根基司/藤島敏也             Team Power Magic
19  RS☆Rシルビア         織戸 学/福山英朗     RS-Rレーシングwith BANDOH  80kg
20  アイ・オート GAB ポルシェ      高橋健二/須賀宏明             アイ・オートレーシングチーム
21  ダンロップ-BP-BMW     一ツ山幹雄/水野文則            HITOTSUYAMA RACING
26  タイサンスターカードRSR        鈴木恵一/新田守男            TEAM TAISAN Jr. 70kg
27  TEAM FCJ フェラーリ  太田哲也/アンダース・オロフソン  TEAM FERRARI CULB of JAPAN  20kg
28  TEAM FCJ フェラーリ        山崎正弘/杉山正巳      TEAM FERRARI CULB of JAPAN
51  コブラポルシェ        池谷勝則/石原将光              コブラレーシングチーム
60  ワイズダンロップBP キャバリエ  佐藤久実/田中 実              KRAFT
70  外車の外国屋アドバンポルシェ 石橋義三/小宮延雄            チーム外国屋
71  シグマテック911       星野 薫/城内政樹              シグマテックレーシングチーム
72  WAKO'S BMW M3         牧口規雄/浅見 武              牧口エンジニアリング
81  ダイシンシルビア      大八木信行/木下隆之            TEAM DAISHIN
91  バーディークラブ・MR-2     松永雅博/三原じゅん子          ファーストレーシングチーム
910 ナインテンポルシェ    袖山誠一/玉本秀幸              910 RACING

*上記のエントリーリストはGTインサイドレポート班の取材によるまとめです。
   参加チーム、ドライバーは変更されることがあります。


☆タイムスケジュール
10月3日(金)練習走行日
練習走行1回目      9:25-10:25
練習走行2回目     11:10-12:10
練習走行3回目     13:15-14:15
練習走行4回目     15:00-16:00

10月4日(土)予選日
EP71/AE86予選      9:00~ 9:15
ザウルスJr.予選    9:30~ 9:45
☆GT予選1回目     10:05~11:05
FJ1600予選        11:25~11:40
Fトヨタ予選       11:55~12:10
シビック予選      12:50~13:05
EP71/AE86決勝     13:30~14:00(10Laps)
☆GT予選2回目     14:15~15:15
ザウルスJr.決勝   15:45~16:20(10Laps)

10月5日(日)決勝日
GTフリー走行       8:40~ 9:10
FJ1600決勝         9:40~10:15(12Laps)
Fトヨタ決勝       10:30~11:10(15Laps)
シビック決勝      11:25~11:55(10Laps)
ピットウォーク    12:10~13:00
GTコースイン      13:30~
GT決勝(78Laps)    14:00~16:10(予定)


☆観戦チケットのご案内
各種前売り券、好評発売中!!
前 売 券:●大人4,500円(2日間有効)
決勝当日券:●大人5,500円 ●中・小学生 無料
パドックパス:●7,000円(入場料別)
駐車料金:●4輪1,000円 ●2輪500円(当日のみ有効)

チケット発売所
チケットぴあ(03-5237-9999)/チケットセゾン(03-5990-9999)/
CNプレイガイド(03-5802-9999)/ファミリーマート/ローソン(中国地区)他

お問い合わせ
セントラルパークMINEサーキット(TEL:08375-8-0321  FAX:08375-8-0323)


☆TV放映
10月10日(金/祝) 11:30~12:45
テレビ東京系全国6局ネット
放映局:テレビ東京/テレビ大阪/テレビ愛知/テレビ北海道/
テレビせとうち/ティー・エックス・エヌ九州 

以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.4/8

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 4 JAPAN SPECIAL GT CUP                                 10 Aug.'97
   Inside Report Special          インサイドレポート 特集       FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第4戦 JAPAN SPECIAL GT CUP
       ◎カーナンバー前の"#"はGT500クラス、"*"はGT300クラスを表します

GTインサイドレポート・スペシャル

GT300クラス・エントラントにきく
「GT300は今後どうあるべきか」

 シーズンも半ばを過ぎ、GT300クラスのエントラント数が増加するとともに勢力分
布も大幅に変わってきた。ラップタイムも上がり、全体のレベルアップは著しい。た
だ、そうしたなかで一部のエントラントからはレギュレーションその他に関する不満
も聞かれる。各エントラントは現状をどう考え、今後どういう方向に進むことを望ん
でいるのか、GT300関係者に話を聞いた。(掲載順不同)

*25つちやMR2  土屋春雄代表
「GT300クラスは今のところチームどうしの隠しごともないし、いい雰囲気だと思い
ますよ。ウチもなにも隠してない、すべてオープンにやってますから。そもそも、
ウチのクルマはなにも特別なことはしていないんですよ。カーボンなんかリヤウィ
ングだけで、ほかに高価な素材を使っているわけじゃないし、すべてアルミとスチー
ルですから。GT300クラスまでおカネのかかる方向にいってしまうのは反対です。だ
から、そういうおカネのかかる部分だけはしっかり規制して、あとは自由というレ
ギュレーションがいいんじゃないかな。その枠内で速くするのは、それはチームの
技量ですから。競争をやっているわけだから、ムリに抑えつけてしまうことはない。
ただ、特認車という制度はちょっとどうかと思います。特認さえ通ればなんでもOK
というのでは、レギュレーションでしばる意味がないでしょう。まあ、ウチはずっ
とGT300を続けるつもりはありませんから。ボクは新しいことにチャレンジするのが
好きなんですよ。勝って当たり前のレースになっちゃったら続ける気はありません」

*70外車の外国屋アドバンポルシェ 石橋義三
「できるだけ均一化を図ってほしい。現状ではメーカー色が濃く見えるチームが有利
になっているように思える。確かに今年、ポルシェも勝ってはいるが、予選タイムを
みれば差は歴然としている。プライベーターの『神聖なる花園』(笑)は守ってほし
い。外国車に対する規制が厳しすぎると海外から反発されるよ。通産省あたり、圧力
がかかるかもしれないよ(笑)。規制緩和しなくちゃ。ポルシェというベーシックな
クルマ、いわば参考書があるのだから、それを中心にして、ほかを合わせていけばい
いと思うんだけどね。底辺からの盛り上がりがレースを支えているんだから、そうい
うプライベーターのことを考えた、バランスのとれた規制を望みます。リミッターと
いうのもひとつの手じゃないかな。ウェイトハンデというのは、クルマのバランスや
安全性を考えるとあまり賛成できない」

*81 ダイシン シルビア 大八木信行
「台数は去年よりも多少増えてきたけれど、もう少し出てきやすいレギュレーション
にはならないものでしょうか? GT300クラスもターボ車ばかりなので、NAの形で
も、もう少し出られたりしたほうがいいですね。NAでもターボ車と一緒に走れるよう
な、もう少し細かなレギュレーションにしてほしいと思います。GT300もGT500も、プ
ライベーターでは同様のことが起きているでしょう。もっと細かく重量なり規定して
ほしい。ル・マンなんかもそうでしょうから」

*19 RS☆Rシルビア 福山英朗
「エンジン性能を揃えていかないとダメでしょう。リストリクターにしても『遅い
からリストリクターなし』なんてやると、コーナーは遅くてストレートはバカッ速い
マシンになってしまい、我々がワリを食う。足回りがノーマルでリストリクターな
しで速いようなチームがあるでしょう。できれば、そういうのはないほうがいい。
それよりもGT300クラス全体の人気が出ることが優先だし、ガタガタ言うつもりはな
いですね」

*21 ダンロップ-BP-BMW 一ツ山 康
「一概には言えないけれど、ポルシェはこういうコースは本来速いし、シルビアや
MR2も安定してきた。ウチらはどこへいっても同じようなクルマですから(笑)。あ
る程度の見直しは必要でしょう。*25のMR2はダントツで速いですからね」

*71 シグマテック911 星野 薫
「あまりにもしょっちゅうレギュレーションが変わりすぎて、去年から今年にかけ
てはとくにそのスピードが早い。今回もフェラーリが急に速くなって『なんだ?』っ
て思う。だいたい一緒のレギュレーションにしてくれないと、せめて去年のルール
ぐらいにしてくれないと厳しい。国産車はグリッドがみんな前でしょう。GT500ク
ラスと同じような緩和措置がほしいです」

*72 WAKO'S BMW M3 牧口規雄
「毎回毎回見直してもらって、2戦ごとぐらいにイコールにできるようなレギュレー
ションに変えてほしい。日本のレースだし、外車をしめ出したい、勝たせたくないと
いうのはわかるけど、ある程度は考えてほしい。ウチは2.5リッター1台だけで少数
派なんですが、リストリクターが不利になっている。JAFに言うと、『2リッターでや
れば』と言われちゃう。大きくしたものは小さくできないですよ。最初から2.5リッ
ターで出ているのに、去年勝手に50kg重くなって、嘆願書で1トンになったと思った
らリストリクターでしょう。ターボにしようかと思ったけど1台ではなかなかむずか
しい。来年、予算が取れればクルマを替えたいと思っている。ポルシェではやらない
けど(笑)。我々が遅いわけではなく、回りが急速に進歩してるんですよ」

*55 Castrol SF RX7 長島正明
「GT500とGT300が混走しているわけですが、ドライバーのなかには横柄な人がいるん
ですよ。『こっちから抜いて』と手で合図すると、ベテランドライバーは手を挙げて
マナーよく抜いていくんです。ところが、なかには幅寄せしてくる元F1ドライバーな
んかがいて、走りながらカーナンバーとピットナンバーを把握して、後で弱小チーム
に怒鳴り込んできたりします。この動体視力はさすが元F1ドライバーと思いますが。
GT300でも堂々と走れるレースにしてほしい。富士は上限のタイムが1分37秒ぐらい
にしてほしいですね。35秒はもうGT500クラスのタイムですよ」

*910 ナインテンポルシェ 袖山誠一
「噂で聞いたGT500とGT300でレースを分けるのは、同日開催ならいいかなと思う。
GT300に、自分たちでクルマを造っている人たちがもっと増えれば、本来のGTレース
の主旨ににあったものになると思う。初年度でプライベートのGT-Rが2位になると
かあったでしょう。参加しようという気になるレース内容にしてくれないと。MR2
にしても、ああいうクルマにメーカーが本腰で力を入れたら後ろのほうからエント
ラントがいなくなっちゃう。ポルシェはあまり速さは変わらないというか、やりよ
うがあまりない。チューナーが日本にはいないのも理由のひとつで、ボクらも買っ
たままのマシンです。ターボ車は、最高出力は300馬力だとして、特性を途中でトル
クを太らせたりできます。ポルシェのリストリクターも考えてほしい。重量かリス
トリクターのいずれかで制限をかけるわけですが、この辺は検討してほしい。だん
だんつまんなくなっちゃうと困るから。RE雨宮はプライベーターで成果が出ている
んで、あの辺のレベル、我々よりちょっと上ぐらいのポテンシャルで戦えればいい
んじゃないかな」

*26 タイサン スターカードRSR 新田守男
「今まではポルシェが速いから規制してきたわけで、今度は国産勢が速くなったん
だから同じことをやってほしい。対応は国産車よりむずかしいし、パーツなんかも
ポルシェから人が来てもコンピュータはいじれなかったりするんです。エンジンの
仕様はリストリクターの径に合わせて向こうから来ている。また、テレビなんか見
ていてもメインはGT500。だったら、もうGT500だけでやってくれても構わないと思
っちゃう。みんな平等にテレビなんかのメディアで取りあげてくれないと。インタ
ビューしてオンエアされないならまだわかるんですけど、現状は取材に来てもくれ
なかったりしますから」

*91 バーディークラブ・MR-2 松永雅博
「レギュレーションはいいところまで来ていると思う。土屋さんのところは異常に
速いけれど、他はレベル的には差はない。ただ、ホントの意味の実力でいえば、土
屋さんのところが本来の姿で、みんなが頑張らなきゃいけないのかもしれません。
でも、そうするとリスクが大きくなりますよね。速いほうを落とすか、遅いほうが
速いほうに合わせるか、リストリクターを変えれば追いつくとは思いますが…。
GT300クラスもレースとしてはおもしろいと思います。N1耐久も4クラスのほうがお
もしろいですから。ただ、GTはたとえGT300クラスとはいっても全日本選手権なん
で、GT500と同じように扱ってほしい。決勝でGT300とGT500に分けて2つのレースを
やるのも見ているほうにはおもしろいかもしれないですね。今は誰もGT300クラス見
ていないし、順位もわからないでしょう。テレビの放映にしても3分の1ぐらい分
けてもらえれば、前のほうを走ったら一瞬でもちゃんと映るでしょう」

*6ワイズダンロップBPMR2 *60ワイズダンロップBPキャバリエ 平岡寿道エンジニア
「現状は盛り上がっていいんじゃない? GT500クラスみたいなワークス化はない
でしょう。AグループとBグループに分かれてしまっている感じはありますけど。去
年と比べたらGT300クラスのレベルアップがすごいから、去年は手抜きレースでも表
彰台に上がれたりしたけれど、今年は完璧なレースをやらないと勝てない。まあ、
やり甲斐はありますけれどね。レギュレーションの公平不公平はしょうがないでし
ょう。GTはJTCCと比べたら、あやふやな灰色の部分があるわけで、やりやすいと言
えばやりやすい。情報さえ早くもらえれば、レギュレーションは今のままでいいと
思います。JTCCみたいに厳しくなったらおもしろくないでしょう。緩和にしても、
パワーが大きくなるとカネがかかるわけで、費用は抑えてもらって、カネのかから
ない範囲で自由にできればいいんじゃないでしょうか。解釈の違いはどの世界でも
あることです。つちやMR2の速さはオヤジさんのレース経験の差でしょう」

*7 RE雨宮SuperG RX7 雨宮勇美代表
「GT300クラスは見た感じつちやMR2だけが速い。ドライバーの差はあるかもわかん
ないけど…。イコールかって言われても、あまりにも差がある。37秒台には6~7
台いて、おもしろいレースだけど、トップとはかけ離れている。レギュレーション
の問題は、とくにはないでしょう。BMWもある程度速いクルマはいるし、フェラーリ
もたまたま1台速いだけでしょう」

*20 アイ・オートGABポルシェ 須賀宏明
「現在のGT300クラスは、やはり純粋なプライベーターが上位に加われる状態ではな
いですね。ただ基本的に、イコール・コンディションにする気があるのなら、レギ
ュレーション的には納得できると思います。もちろん希望を言えばポルシェに有利
なようにしてほしいですけど、言い出せばキリがないですからね。ただプライベー
ターのポルシェ・ユーザーは発言力が弱いので、なかなか自分たちの思うところが
伝わりにくいところがあります。我々としては、やはりもう少し多くのチームがダ
ンゴ状態で上位を争えるようなレースになってくれるといいなと思っています。そ
のためには、ある程度遅いマシンに合わせるような規定、それも重量を軽くするの
ではなく、リストリクターを小さくする方向でレギュレーションを考えてもらいた
いというのが望みです。たとえば同じポルシェでも、タイサンさん、ナインテンさ
んなどが使っているGT2ベースのNAマシンと、我々のようにRSから改造をしているク
ルマとでは根本的に違うんです。だってGT2のNA版は室内でスタビ調整ができるシス
テムまでついているのに、RSではエアジャッキすら自分たちでつけなくてはいけな
いんですから。もちろんおカネをかければいいマシンを手に入れることもできます
が、それではこのクラスに出場する意義がわからなくなりますからね。ですから基
本的には、おカネをかけずに多くの参加車が上位を争えるような方向が理想です。
とにかく参加台数が増えて、いいレースができれば、お客さんも増えるし、スポン
サーもとりやすいという好循環になるんですから」

*27/28 チームFCJフェラーリ 兼子監督
「GT300クラスの参加車のなかでもウチは特殊な存在でしょうね。まったく1からク
ルマを造らなければいけないうえに、一つのパーツが他車より何倍、何十倍という
金額になりますし、しかもそれだけかけたおカネに見合うものが得られるわけでは
ないんですからね。これはもう情熱だけでやっているといっても過言ではないと思
います。我々はプライベーターですから、ステップ・バイ・ステップでクルマをよ
くしていかなければいけないわけです。ところがレギュレーションに関して変更の
要望やお願いを提出しても、レスポンスが悪くて大変困ることがあります。例えば
我々のマシンは、5バルブという特殊な機構を持つエンジンなために、リストリク
ターで高回転を絞られると非常に苦しい部分がある。それでシーズン開幕前に、な
んとか5バルブという構造に対して考慮してほしいという旨の要望を出していたの
です。それが今回のレースの直前になってようやく回答がきたわけです。しかもそ
のレスポンスの悪さもさることながら、内容が『リストリクターの0.7mm拡大を認め
るかわりに100kgのウェイトを搭載せよ』というものだったんです。シーズン前は確
かに重量が重かったのですが、すでに開発がかなり進んでいて、今は1100kgを切っ
ていますので、もうこの規定では意味がなくて、結局*27のほうはこれを採用しませ
んでした。もう1台の*28のほうはこれを今回適用しましたが、決して有利な条件と
は言えないですね。この件に関しては、私はいわゆる特認として個別のクルマを救
済するのではなく、構造上の違いを細かくきちんとレギュレーションに反映しても
らいたいと思っています。例えば5バルブ、4バルブ、3バルブ、2バルブでそれ
ぞれなんらかの違いを設ける、といったことですね。それらを踏まえた上でイコー
ル・コンディションにしてほしいと思います。私は、現在のGT300クラスは、実際に
戦ってみて、非常におもしろいと思っています。GT500クラスでやっても一緒だった
かな、とも思いますが、ここまで来たからには、来年チャンピオンを狙うくらいの
活躍をしたいと思っています。まあレースですから参加車両に性能差があることは
仕方ありません。MR2が速いのもわかっていますし、ポルシェでやればもっと簡単に
勝てるかもしれません。でも我々は、フェラーリでやることによって夢を語れると
思うんです。フェラーリ・ファンの声援を感じながらレースをしているんです。こ
のクルマでレースをしたい、というクルマがあるからレースをやる。私はレースと
いうのはそういうものだと思っているんです」

*16 YB BMW 325iクーペ 関根基司
「現在のGT300は決していい状態にあるとは思わないですね。というのも、メーカー
主導型のクルマが出てきて、レースが明らかに変わってしまったものですから。
GT300はプライベーターが盛り上げてきたカテゴリーです。GT500がメーカー主導に
なるのはしかたがないと思いますが、GT300にメーカーの力が及ぶのはちょっと違う
と思うんです。もちろん我々にも努力は必要だと思いますが、このままではプライ
ベーターはまったく上位入賞が望めなくなってしまいます。ですから今のうちにな
んらかの方策を考えなければいけないと思うんです。たとえば、分けかたはむずか
しいとは思いますが、純粋なプライベーターとセミワークスは区別するとか、シー
ケンシャルは禁止するとかによって、なるべくおカネがかからない方向で、より性
能が近づくことが望みですね。プライベーターでも、トップとほぼ同じスピードで
走れて、そのうえで勝ち負けが決まるような、努力に見合った結果が得られるよう
なレースが理想だと思っています。たとえば、国産メーカーが今我々が使っている
BMWと同じような価格でマシンを放出してくれるのならそれも魅力ですが、仮にそう
なった場合でも、メーカー直系のチームのマシンはどんどん進化しますからね。こ
れも問題があると思います」


*このレポートのデータの無断引用を禁じます。
*メディア関係者の方でデータがご入用の方は古屋までメールでご連絡ください。

以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.4/7

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 4 JAPAN SPECIAL GT CUP                                 10 Aug.'97
   Inside Report                 インサイドレポート 3          FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第4戦 JAPAN SPECIAL GT CUP
ポイントランキングTop10

ドライバーポイント
[GT500]
                  Rd.1  Rd.2  Rd.3 Rd.4  Rd.5  Rd.6
                  3/30  5/4  6/29 8/10  10/5   10/26
Pos. No. Driver      合計 Suzuka FUJI Hiland FUJI  MINE  SUGO
----------------------------------------------------------------------------
1  39 影山正美       63  15   20    8  20
2  39 谷川達也       48   -   20    8  20
3  36 M.クルム/P.デ・ラ・ロサ    47      12   20  15
4   2 鈴木亜久里      46  20   10   15   1
5  37 関谷正徳/鈴木利男  42  12    6    12  12
6   2 E.コマス       36  20    -   15   1
7   3 長谷見昌弘/田中哲也 33  10   15    2   6
8  38 竹内浩典/金石勝智  19   4    2   10   3
9   12 本山 哲       18   6        6   10
10 39 O.グルイヤール     15  15    -    -    -


[GT300]
                  Rd.1  Rd.2  Rd.3 Rd.4  Rd.5  Rd.6
                  3/30  5/4  6/29 8/10  10/5  10/26
Pos. No. Driver      合計 Suzuka FUJI Hiland FUJI  MINE  SUGO
----------------------------------------------------------------------------
1  26 鈴木恵一/新田守男  62  10   20   12  20
1  19 織戸 学/福山英朗  62  20   15   15  12
3  25 土屋武士/長嶋正興  40  12       20   8
4  910 袖山誠一       38  15    3   10  10
5   27 太田哲也       27      10    2  15
6   27 A.オロフソン     25      10   -  15
7   7 山路慎一/松本晴彦  20  -   12    8  
8  51 石原将光/池谷勝則  20   8    8   -   4
9  71 星野 薫/城内政樹  16   8    8   -   6
10  910 見崎清志       15  15   -   -  -



チームポイント
[GT500]
                   Rd.1  Rd.2  Rd.3 Rd.4  Rd.5   Rd.6
                   3/30  5/4  6/29 8/10  10/5  10/26
Pos. No. Team        合計 Suzuka FUJI Hiland FUJI  MINE  SUGO
-----------------------------------------------------------------------------
1 39  TOYOTA TEAM SARD    63      15    20       8  20
2 36/37/38TOYOTA Castorl TEAM 59      12    12      20  15
3 2/556 NISMO         47     20    10      15   2
4  3  ハセミ・モータースポーツ     33   10  15    2   6
5 12  HOSHINO RACING     18       8            10
6  5  TEAM 5ZIGEN      12    6       6  
7 510 RYOWA HOUSE Pacific TEAM CERUMO
                11   -  -    3     8
8 13  ENDLESS SPORT      7    3             4
9  8  POWER CRAFT       5    1       4
10 10  TEAM TMS        4       4


[GT300]
                   Rd.1  Rd.2  Rd.3 Rd.4 Rd.5   Rd.6
                   3/30  5/4  6/29 8/10 10/5  10/26
Pos. No. Team        合計 Suzuka FUJI Hiland FUJI MINE   SUGO
-----------------------------------------------------------------------------
1  26  TEAM TAISAN Jr    42   10  20   12  20
1 19 RS-Rレーシングチームwith BANDOH 50   20  15   15  12
3  25  土屋エンジニアリング    32   12      20   8
4  910 910 RACING       28   15   3   10  10
5 27/28 TEAM FERRARI CLUB OF JAPAN
                 27      10   2  15
6   7  RE雨宮レーシング   20      12   8    
7  51  コブラレーシングチーム     20    8   8   -   4
8  71  シグマテックレーシングチーム   16   -   6   4   6
9  81  TEAM DAISHIN     13    3   4   6
10  72  牧口エンジニアリング    12    4   2   3   3


*ポイント計算はGTインサイドレポート班による非公式のものです


*スペシャルレポートに続く

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

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   Inside Report                 インサイドレポート 2          FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第4戦 JAPAN SPECIAL GT CUP
       ◎カーナンバー前の"#"はGT500クラス、"*"はGT300クラスを表します

☆決勝日のトピック

#18 avex童夢 無限NSX
朝のフリー走行中、ヘアピンでマシンを止めた。ピットまで牽引されて戻って来た
後、すぐにチェックが開始された。どうやらエンジン・トラブルらしいが、エンジ
ンは昨夜積み替えたばかり。だが調べてみると、案の定エンジン。黒澤琢弥によれ
ば、「イッっちゃいました!」とのことで、ふたたび交換することになった。だが
NSXは、その構造上エンジン交換に時間がかかる。これまでの最短記録は6時間とい
われる(未確認情報)が、決勝スタートまでは5時間弱しかない。これからスタッ
フはエンジン交換の最短記録に挑むことになる。

*7 RE雨宮SuperG RX7(フリー走行GT300クラス1位)
松本晴彦「満タンで昨日皮ムキしたカットスリックでいったら路面とのマッチング
がよかった。(こんな路面なら)スタートはボクの予定」
山路慎一「スリックで行ったら、誰かがガソリンをコース上に撒いちゃってて、み
んな(アタックを)やめちゃったみたいだね」


◎GT500クラスの最高速チェック

             計測位置:メインストレート・エンド 単位:km/h
No.   マシン             予選1回目(8/9)  練習日総合(8/8)
---------------------------------------------------------------------------
#2    ZEXELスカイライン          284.5       285.0 
#3    ユニシアジェックススカイライン   282.6       282.8 
#8    POWER CRAFT SUPRA                289.6       286.8 
#12   カルソニックスカイライン         282.3       281.3 
#13   エンドレスアドバンGTR            282.6        -
#18   avex童夢無限NSX                  282.9       280.8 
#30   綜合警備PORSCHE                  283.4       286.3 
#36   カストロール・トムス・スープラ   288.1       286.8 
#37   カストロール・トムス・スープラ   286.0       285.4 
#38   カストロール・セルモ・スープラ   287.6       284.7 
#39   デンソーサードスープラGT          286.8       284.9 
#100   RAYBRIG NSX                      283.4       277.9 
#510   RH CERUMO SUPRA           285.0        -
#556   KURE R33              282.6       282.4 

*追風強く参考数値
*データ提供:トヨタテクノクラフト株式会社・TRD



○決勝スタート直前 13時50分現在
 天気:くもり
 気温:24度  湿度:80% 路面温度:30度
 入場者数:8/10 50,300人(8/9:12,000人 曇り時々雨)


*リタイヤ(GTインサイドレポート班調べ)
No.   原因            周回数
-----------------------------------------------
#34   コースアウト          5
#5    ミッション           9
#47   シフト            12
#18   ホイールハブ         15
*17   エンジン           16
*7    エンジン           21
*81   ミッション          38
*21   クラッシュ          38
#4    クラッシュ          46
*60   左フロントホイール      48



#36 カストロール・トムス・スープラ(総合2位)
ペドロ・デ・ラ・ロサ「ポールポジションもとったし、悪くはないが、2位だった
のでいいレースだったとは言えない。選手権ポイントでは#39のドライバーがトップ
に立って、しかもかなりの差をつけられてしまった。このレースではセーフティ
カーが入ったときの我々の作戦はよくなかった」
ミハエル・クルム「#39が優勝したことはボクらにとってはあまりハッピーな出来事
とは言えない。ポイントでは2位のままで、#39のドライバーがトップに立ったと思
う。敗因はまずピットで彼(ペドロ)のシートベルトを締めるのに手間取ったこと。
これは大きなミステイクだった。それとセーフティカーの導入時のピットストップ
が…。セーフティカーが導入されるまではチームの計画はよかった。ボクが竹内選
手にうしろに続いて走っていて、勝利に向かっていたのだが…。ピットストップが
少し長すぎてしまったし、作戦がよくなかった」

#37カストロール・トムス・スープラ(総合3位)
関谷正徳「まあ、3位くらいには入れるんじゃないかとは思っていたんだけどね。チ
ームとしては順調にやってたんだけど、ペースカーが入ったり、思いがけないこと
がことが起こったからね。なんだかおかしな感じだなあ…。ケムにつつまれたみた
いな感じ」

*27 TEAM FCJ フェラーリ(GT300クラス2位)
太田哲也「クルマがまだまだ予選3位のポジションを走れるような状態ではなく、
スタートから後続に抜かれた。自分のパートはポジションキープと思い、1コーナ
ーで2位まで上げた。オロフソンにセフティーカーランでつなげた。最後の最後に
燃圧が落ちちゃうというトラブルで2位から3位(最終的には2位)。富士での2回
目の入賞は、前面投影面積の小さいクルマなんで、ストレートはパワーがなくても
意外に伸びる。ダウンフォースのないレスダウンフォース仕様で2人とも予選タイ
ムに近い目一杯の走りをしました。鈴鹿の第1戦の最後尾だったフェラーリがここ
まで来れた」

#12 カルソニックスカイライン(総合4位)
本山哲「満足のいく結果ではありませんでしたが、現状を考えればしかたのないと
ころでしょうね。スープラのほうがゼンゼン速いですから。次につながるレースと
いうことで納得するしかないでしょう」

#510 RH CERUMO SUPRA(総合5位)
ベルトラン・ガショー「最初の数ラップはよかったが、そのあとブレーキバランス
が悪化した。スピンしたのは、セーフティカーが入っているときに蛇行してタイヤ
を温めることをしなかったために、タイヤが冷えていたから。その後はプッシュし
た。セーフティカーの導入が適切かどうかということについては、1回目のセーフ
ティカーの走行が長すぎたと思う。クルマはよく走ったが、97仕様のエアロパーツ
がほしいね」
ポール・ベルモンド「クルマはまったく問題なく、よく走った。ペースカーの導入
にはちょっと疑問ある。それにしても、なんで#39が優勝したんだろう?」

#100 RAYBRIG NSX
飯田章「ペナルティがなければもう少し上にいけたと思うんですけど…。まあオレ
のミスだからしょうがないですね。クルマはまったく問題がなかったわけではない
んです。ちょっとまだ課題が残ってますね。でも、まあまあでした。でも、あんな
にペースが遅かったクルマが勝っちゃうなんて、なんだか納得いかないなあ…」


*インサイドレポート3に続く
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                         GTインサイドレポート班
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全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.4/5

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 4 JAPAN SPECIAL GT CUP                                 9 Aug.'97
   Inside Report                 インサイドレポート 1          FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第4戦 JAPAN SPECIAL GT CUP
       ◎カーナンバー前の"#"はGT500クラス、"*"はGT300クラスを表します

☆練習日(8日)のトピック
#5 5ZIGEN SUPRA
 前回の富士のレースで一時トップを走り、惜しいレースを落としているだけに今回
は気合いが入っている。田嶋栄一によれば、「ウチはテストを全然していないんで、
他のチームより出だしは遅れているんですけどね。でも思ったよりパッパッと順調に
来てますよ。最終コーナーがまだちょっと遅いんですけど、それが決まれば、かなり
いけそうです。タイヤも悪くないんで、予選はひょっとしたら……」とのこと。もち
ろん決勝も、「相棒のグーセンは予選では2秒くらい違うんですけど、決勝レースの
ラップはそれほど差がないので問題ないです。前回落としたチャンスを引き寄せられ
れば、いい線いけるんじゃないですかね」と自信を見せていた。

#39 デンソーサードスープラGT
 前回の富士で優勝し、現在ランキング2位。金曜日には40kgのハンデを背負いなが
ら総合で8番手と、タイム的にもまずまずだった。だが影山正美は満足いかないよう
す。「ウチのクルマは97年型スープラの1号車で、テストなんかでかなり走り込んで
るんで、もうそろそろ賞味期限切れかなって感じなんです。だから予選でフロントロ
ーをとるのはむずかしいでしょうね。でもここで勝たないとチャンピオンに近づけな
いからなぁ…。チームには新品シャシーにしてほしいって言ってるんですけど、ちょ
っとそれもむずかしいみたいだし…」と、ちょっとボヤキが入っている(?)。

#2 ZEXELスカイライン
 現在ポイントリーダー。鈴木亜久里は、前戦の仙台ハイランドではあと少しのとこ
ろで2勝めを逃しているだけに打倒スープラに燃えていると思ったのだが、金曜日の
フリー走行では9番手と今ひとつ。しかし、「もうちょっとはいけたと思うよ。ただ
アタックに出ると遅いクルマにひっかかったりしたんで、こんなもんでしょ。え、そ
れがなければ29秒台前半までいけたかって? それはムリ、ムリ。予選は30秒0くら
いじゃないかな。スープラには:いつかないよ。でも決勝はゼンゼン大丈夫だよ。コ
ンスタントなラップはスープラと変わらないから」と、自信は失っていないようすだ
った。

#3 ユニシアジェックススカイライン
 ラリー・レイド・モンゴルで優勝を飾って帰国した長谷見昌弘。「いやぁ他が壊れ
たからだよ」と謙遜するが、「去年よりスピードは全然速かったからね。今度はパリ
ダカでいい成績を残したいね」と、早くも次の目標を見定めていた。しかし、今回の
レースはどうも調子が今ひとつ。「今回スカイラインは基本的に遅いよ。スープラは
ストレート速いし、NSXはコーナー速いし。しかも同じスカイラインでもNISMOの2台
はいろいろと新しいことやってるんで、ウチと星野のところより速いんだよね。ウチ
が遅い直接の原因はアンダーオーバーがなおらないからなんだけど、コーナーのRの
大小で挙動が違うんだよ。これがそう簡単になおる症状じゃなくてね。予選までには
なんとかしなくちゃいけないんだけど、ちょっと厳しいね」ということで、悩みは深
いようだ。

#47 アドバンスオートGTカマロ
 今回がデビューとなるニューカマー。クルマは元来はIMSA用で、'96年のJPレース
で走行したものがベース。パイプフレームにカウルを被せたを構成で、今回は欠場し
ている#75 300ZX GTSとよく似た造り。パイプフレーム製のボディは耐久性にも優れ
るが、車重が1027kgと軽いため100kg近いウエイトを搭載しなければならない。パワ
ーユニットはシボレーの350と呼ばれる5.7LのNAのOHVエンジンだが、これにボーリ
ングを施したため5886ccに拡大されている。リストリクターの装着でパワーは530ps
から400ps程度までダウンしているという。「クルマをGT用に改造するため、あわて
てエアジャッキと給油口の装着をしました。走っているカッコは円盤みたいで評判は
いいと思う。リアバネが4kgの段階で1分38秒台のタイムが出ている」とはメインテ
ナンスを担当するススキレーシングの須々木社長。オーナー兼ドライバーの山本正人
氏は、「プライベーターなんで金銭的になかなか厳しく、3年がかりで2000万円ぐら
いの予算でなんとかデビューにこぎつけました。今回は来シーズンへの準備といった
ところです。N1耐久でもGTRだと1年で同じぐらいの予算がかかるんで、プライベー
ターの範囲でできるIMSA仕様のクルマということで注目していただければと思いま
す」。タイヤはGTCでは唯一のグッドイヤーで、16インチにフロント12J、リア14Jの
ホイールを装着する。シェイクダウンから使用しているが、「ソフトだと3周しか
持たない。タイヤの特性がまだ把握出来ていないから苦戦しています」(須々木氏)。

*60 ワイズダンロップBP キャバリエ
 こちらも今回がデビュー戦。今シーズンGTCに参戦しているクルマのなかでは唯一
の前輪駆動となる。「スーパーツーリングスペックのマシンを、FFのまま耐久仕様
にしてどこまで戦えるかでやってみようと言うことになりました。シャシーが重い
んでボディも重い。全長は市販車と同じですが、60mmのワイドボディになっていま
す。今回はスケジュール的にギリギリです」と言うのはクラフトの平岡監督。実際、
マシンが出来上がったのは木曜の夕方で、ドライバーの佐藤久実は「ここまでの本
格的なレーシングマシンはドライブするのは初めてです。N1耐久もFF続きで、GTま
でFF(笑)。JTCCよりもタイヤが太いんで、キックバックがすごいんです」。 “ス
ーパーツーリングの2ドア版”と言えるキャバリエだが、エンジンは同じチームの
MR2がターボに換装したために流用できるNAの3S-GE。パワーは295ps程度で、Xト
ラックの6速シーケンシャルで、18インチの9J(フロント)、8J(リア)のホイー
ルを装着している。

*17 東京科芸専:REロードスター
 前戦の仙台ハイランドでデビューする予定だったが、トラブルで延期。仕切り直
しの1戦となった。野上敏彦によれば「筑波でやったメディア対抗のユーノスレー
スのとき、ラストのスポーツ走行で走らせてもらいました。単独のデモランでもよ
かったけど万が一動かなかったらカッコつかないでしょ(笑)。このときは10周走
りました。一緒に走ったユーノスのノーマルのお客さんが喜んでくれましたよ。今
回は3度目の正直で決勝を走りたいですね」とのこと。

#38 カストロール・セルモ・スープラ
竹内浩典「もうちょっとだったんですけどね。完全にクリアラップで『エイヤーッ』
で出したタイムがクルムとコンマ16くらい違いますから、あとどうしたらいいですか
ね。なんか秘密兵器があったら教えてください(笑)。ウチは午前中2セット使っ
ちゃいましたから、午後にもう1回いくとしたら、程度のいいほうを選んでになり
ます。でもそこでクルムのタイムを上回っても、むこうはもう1セット残してます
から、逆転される可能性が高いですね。でもクルマはかなり決まってきてますよ。
とくに最終コーナーからストレートにかけてが速いですね。スカイラインは簡単に
抜かせてもらいました(笑)。残り3戦は全部表彰台に立つつもりで、そのうち1
回は勝ちたいと思っています」

#100 RAYBRIG NSX
飯田章「うーん、どうもパッとしないですねぇ。ホントは28秒台くらいまでいける
と思ってたんですけど、ダメでした。エンジンがちょっとミスファイアしてたせい
もあるんですけど、なんででしょうかね。フィーリングとしては悪くないんです
よ。とくにコーナーはすごくいい。足は悪くないんです。最終コーナーなんかすご
くいい感じだし。でもそれがストレートのスピードにつながらないんですよ。スー
プラなんかスリップにすら入れてもらえないくらいですから。やっぱり夏場はNAエ
ンジンに不利なんでしょうかね。午前中はタイヤを1セットしか使いませんでした
けれど、午後はアタックするかどうか様子を見てから決めます。あまり意味がない
ようだったら、アタックせずに、本番用にセットを煮詰めたいですね。とにかく完
走したいんです、今回は。ただ前回壊れたミッションがまだ不安なんですよ。一応
対策はしてるんですけどね」


☆予選日のトピック
*25 つちやMR2
「ターボのコンピュータが今回はうまくいって、インタークーラーがフロント装着に
なって仙台での問題だった個所がクリアされました。IHI製のタービンも小さくなっ
てピックアップがよくなった。パーフェクトはありえないんですが(笑)。この予選
タイムには誰も届かないと思う。武士がなかなか走る時間がないんで、午後は決勝に
向けてのセットアップにしたい。こないだのレースはうまくいきましたね。ダンロッ
プ勢の固まりを抜けられたから」(土屋春雄代表)

*7 RE雨宮SuperG RX-7
山路慎一「今までは3ローターのハイパワーを生かすセットだったのが、今回はよう
やくここへきて昨日の段階でいいセットが見つかった。サスペンションがすごくよく
なったというのが最大の理由です。前回のテストデーも雨だったし、順調に進まなか
ったのが、今回はレースウィークがうまくいってます。それにしてもMR2は速すぎま
す。ストレートの速さはもちろん、コーナーも武士がうまく乗れてるし、うまくセッ
トできてるんでしょう。向こうは予選用のブーストみたいだったし、ヨコハマのほう
がラップタイムのアドバンテージがあると思う。でも、ダンロップもよくなっている
から、予選で2秒という差は、決勝では0.5秒から1秒くらいの差にしかならないで
しょう。クルマがよすぎて攻めきれなかったんで、午後はタイムが縮まるはずです」

*81 ダイシン シルビア
木下隆之「ブレーキを新しいのつけてアタックらしいことをした。まだタイヤは1
セット残ってるんで、午後は2位ねらいでいきたい。ブーストの設定問題はクリアし
たけど、ストレートの伸び不足はしかたないね。GT400クラス(笑)のMR2には届かな
いでしょう」

*19 RS☆Rシルビア
福山英朗「ダイシンのほうが前でも当然でしょう。昨日から負けてるから…。向こう
は軽いからね。昼からもっとタイムが上がるでしょう。エンジンの調子がおかしいみ
たいで序盤のクリアなときにピットインしてたもんね。ウチは(ウエイトハンデのお
かげで)ストレート遅いしピックアップが悪い。それでもコンマ2秒ぐらいはアップ
できるとは思うけど…」

*26 タイサン スターカード RSR
新田守男「まっすぐは遅いし勝負にならない。最高速で14km/hくらい差があるみたい
で、差が大きすぎる。40kgのウエイトも効いてるんでしょう。根本的に真っ直ぐのス
ピードをなんとかしてほしい。決勝は条件厳しいし、恵一さんと淡々といきます。と
くには問題もなくミスもなかった」

*91 バーディークラブ・MR-2
金曜日、三原じゅん子が走行中に1コーナーでスピン。三原は「ブレーキのあたりを
つけていたら、突然スピンしてしまった」。コンクリートウォールに激突して右後部
を大破してしまったが、徹夜で修復してきた。松永雅博によると「今朝5時までかか
って板金して、それからメカニックが作業してギリギリ車検に間に合いました。走る
のにはまったく支障はありません。ただセットを出せてないので…。それと、じゅん
子のほうにちょっと後遺症が残ってます。首がまだ痛いのと、恐いでしょうからね。
できるだけ慣熟走行させます」とのこと。

*27 チームFCJフェラーリ
 予選1回目でGT300クラス3番手のタイムを叩き出し、注目を集めた#27チームFC
Jフェラーリ。前回仙台ハイランドでは、FIA-GT選手権と日程が重なったためにア
ンドスカーがドライブしたが、今回はオロフソンが太田哲也の相棒に復帰している。
今回マシン的には前戦と大きく差はないものの、着実に軽量化を含めた熟成が進んで
いるようだ。ただしまだ不安要素は多い。というのも、太田が予選タイムを出した後
オロフソンに交代してすぐ、ダンロップ・コーナーで左後輪が外れてストップし、赤
旗中断の原因を作ってしまったからだ。タイヤが取れた理由は、センターロックにす
るために装着しているハブの内側で、ノーマルの5本のスタッドボルトがスッパリ根
元から折れてしまっていたため。これは前回ハイランドで右後輪に起きたのと全く同
じ症状で、しかも第2戦富士でもハブのトラブルが起きているから、3戦連続という
ことになる。チームはとりあえず予備のセンターロック用ハブで修理をし2回目の予
選を走らせる予定だが、オロフソンによれば、「決勝は5穴のハブとホイールに戻し
て走ると思う。タイヤ交換はできなくなるが、タイヤは交換なしでも問題ないから、
安全のためにそうすることになるだろう」とのことだった。なお開幕戦から続いてる
燃料が減ると燃圧が低下するトラブルも、今回完治できていないようで、チームでは
フューエル・クーラーをつけたり、燃料タンクのなかにあるシェル部分の形状を変更
するなどして対策を行っている。

#510 RH CERUMO SUPRA 
 ようやく本来の実力を見せはじめた元F1ドライバーのベルトラン・ガショー。予選
第1回目に4番手のタイムを記録して満足気だ。「クルマは'96 年仕様だが、チーム
がすばらしい仕事をしてくれて、クルマのバランスがかなりよくなった。前回の仙台
戦からよくなっているが、今回はとくによく、ドライブしていて楽しい。タイム? 
予選第2回目に雨が降らなければタイムは更新できたと思う。ただ、それは他のチー
ムも同じだろうから、はたしてポジションが上がったかどうかはわからないね」。一
方パートナーのポール・ベルモントは、「クルマは運転しやすくなった。乗っていて
楽しいよ。ベルトランが乗っているときにタイヤを傷めてしまったので、あまりドラ
イブできなかった。クオリファイするために乗ったけど、もちろんボクはタイムアタ
ックはやっていない。決勝はいけると思うよ」

#3 長谷見昌弘(ユニシアジェックススカイライン)
「クルマ自体の調子はどこも悪くない。ただストレートスピードが遅いんだよ。この
コースでストレートが遅いと勝負にならないから。スープラは4気筒で、後ろ寄りに
搭載してるから、前のほうに余裕がある。だからラジエターを水平に寝かせたりレイ
アウトに自由がある。スカイラインは直6だから、重いし、エンジンルームはいっぱ
いだし…。このレースはエンジンを積み替えていいルールなんだから、スカイライン
も積み替えたらちょっと違うと思うんだけどね。VQ型なんかいい素材だと思うんだけ
ど。3リッターくらいで、ターボつけて…。レースは勝てないとやっててつらいよ。
まあ、このレースははじめからリストリクターや車重なんかが平等じゃないわけで、
それが今はたまたまスープラに有利なように作用しているということでしょう」

#8 POWER CRAFT SUPRA
トム・クリステンセン「まず日本に帰ってこられて非常にうれしく思っているととも
に、このチャンスを与えてくれたFETチームに感謝したいと思います。予選は去年と
比べてすべての車両がよくなっていると思いますし、そのなかで3番手の位置を獲得
できたことはうれしく思います。明日の決勝が非常に楽しみです。新型スープラに乗
るのは初めてですが、昨年型よりかなり進化していることは確かですね。またウェイ
ン(・ガードナー)が時間の限られたなかでクルマをすばらしく仕上げてくれている
ので、非常によいクルマだと思います。彼は2輪の元チャンピオンでもあるし、とて
もナイスガイなので、リラックスしていい関係でレースができそうです。ペドロとマ
イケルは速いので、つかまえるのはむずかしいとは思いますが、レースはなにがおこ
るかわからないので、明日は楽しみにしたいと思います。今シーズンは国際F3000と
バッティングしないかぎり出場する予定で、とりあえず美祢には出場します」

#18 avex 童夢 無限NSX
黒澤琢弥「5番手という結果には落胆していないんですが、それよりトップのマシン
とタイム差が1秒以上あることが問題ですね。1秒以内には入りたかったかなと。た
だずっとNSXはトラブル、とくにミッション系のトラブルをかかえていましたから、
今回メカニックとスタッフがすごくいい仕事をしてくれまして、ミッションの調子が
よくなったことはよかったです。これまではテストでよくてもレースはスタッフが大
変な思いをしてましたので…。これで明日はやっとレースができそうです。ただまだ
ロングディスタンスでどうかという不安は残っているんですけれどね。まぁ正直なと
ころドライのレースではつらいかもしれませんね。でもレースなので何が起きるかわ
からないので、しつこくいきたいと思います。それに明日もしウェットになれば、
NSXは結構バランスがいいので、できれば雨になることを望んでますけども、逆にい
うと、ドライでロング・ディスタンスのテストができていないので、レースを完走し
てデータをきちんと取りたいという希望もあります。ちょっとムリできる状態でもな
いので、クルマをいたわりながら完走して、トップ6には入りたいですね」


☆ポールシッター・インタビュー
#36カストロール・トムス・スープラ(予選総合1位)
ミハエル・クルム「今日の予選結果は、カストロール・トムス・チームにとって今年
4回目のポールポジションであるとともに、スープラの強さを証明できたすばらしい
予選だったと思います。マシンも完璧でしたし、アタックのタイミングも、コンディ
ションも完璧でした。このままの勢いで決勝も終われればと思っています。明日はチ
ャンピオンシップにとってたいへん重要なレースですが、すべてうまくいけば、自分
たちにかなりチャンスがあると思います。同時に今の我々のコンディションが非常に
いいところにありますので、明日の天気などにもよりますが、結果は自然についてく
るでしょう。明日のレースに勝つ自信はもちろんあります。40kgの重量ハンデについ
ては、(ここだけ日本語で)スゴクイイバランスニナッタトオモイマス(笑)。ホン
ト」
ペドロ・デ・ラ・ロサ「今日の予選はボクはほとんどアタックしていないので、詳し
くはマイケルに聞いてほしいんですけれど、今回はポールポジションはそれほど重要
ではないでしょう。前回富士でもポールポジションを取ったのに3位だったし…。そ
れより今回は、明日の決勝に向けてクルマがコンスタントにタイムが出せるようにな
ったことが重要ですね。明日はお天気にもよりますが、ドライであればスープラのレ
ースになると思います。もっとも雨が降っても、スープラ勢が有利なのには変わりが
ないでしょう」


*25つちやMR2(予選GT300クラス1位)
土屋武士「アタックもクリアでしたし、ほぼ完璧な走りができましたから、2位に2
秒近い差がつけられたのだと思います。結果には満足しています。クルマがそこまで
まとまっているということでもありますね。我々のMR2はNAのときはストレートで歴
然と差がありました。それでも予選では他車に肉薄できていたので、それがターボを
得てストレートも速くなったので、その結果ということですね。前回はターボラグが
大きいということと、吸気温が高すぎたという問題があったんです。それを改善し
て、若干パワーは落ちたんですが、使える幅がひろがったために、非常によくなりま
した。クルマとしては完璧な状態に近いですね。ただボクの好みがハイスピードで入
っていけるような方向のセッティングなもので、長嶋君には苦労させてしまってるん
ですけれど…。ま、決勝は少し乗りやすい方向にセッティングしなおすつもりです。
 ただですね…、実は予定でいうと今回が最後のレースになるんです。スポンサーの
面と人手が足りないということで…。まだ決定ではないんですが…。せっかくいいク
ルマなので、ボクとしては参戦したいのですけれど。今回ブッチぎって勝ってしまう
と、もう勝ったからいいだろう、やめようという話にはなってるみたいなんです。ボ
クはやりたいんですが、よく性格知ってるチーム監督なもので(笑)。ブッチぎるこ
とが目標だったらしくて、それが達成されてしまったので、面白味がなくなってしま
ったようです。もちろんノースポンサーでほとんど趣味でやっているレースですし。
それでもボクとしてはGT500にステップアップしたいという気持ちがありますので、
前回と今回で十分アピールさせてもらえたことは感謝しています。ですから明日は来
年につながる走りができるといいですね。最後の手段で、他のチームにクルマとドラ
イバーごと移籍するということも少しは考えているのですが、まだまったくわからな
いですね。でもちょっとダダこねてみたいと思っています(笑)」

*インサイドレポート2に続く
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
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全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.4/4


                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 4 JAPAN SPECIAL GT CUP                                10 Aug. '97
   Race Report                    決勝レース                   FMOTOR4版
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 '97GTC第4戦富士スピードウェイ

地獄から天国。天国から地獄へ
次々とトップに襲いかかる罠。
そして勝利の女神はデンソーサードスープラを選んだ

 8月10日、全日本GT選手権第4戦「JAPAN SPECIAL GT CUP」の決勝レースが富士
スピードウェイで行われた。心配された天候は崩れずにすんだものの、3度のセー
フティカーランに、ペナルティを受けるマシンが続出する荒れたレースとなった。
この混乱を巧みに乗り切ったNo.39デンソーサードスープラGTが、5月の第2戦に続
き今季2度目の優勝を飾った。GT300では、セーフティーカー・ラン時にタイミング
良くピットワークをこなしたNo.26タイサンスターカードRSRが、こちらも逆転で今
季2勝目となる勝利を挙げた。

 スタートでトップに立った#38カストロールセルモスープラの竹内浩典。ハコの
スペシャリストである彼は、抜群のローリングスタートからポールポジションのNo,
36カストロール・トムス・スープラのM.クルムを抑えて、1コーナー侵入時点でト
ップに立つ。そして、竹内は2周目に1分30秒449というこの日のファステストにな
るタイムで、早くも後続を引き離しに掛かる。No.38、No.36に続くのはNo.8 POWER
 CRAFT SUPRAのW.ガードナーだが、彼はローリングのスタート時にストールし、本
来なら最後尾スタートなるはずだったが、ガードナーはローリング中に元のポジシ
ョンに戻ってしまったためにペナルティ・ストップとなり、早くもトップ争いから
脱落。代わってNo.510 RH CERUMO SUPRAのガショーが3番手となる。
 その後方では、No.18 avex童無限NSXとNo.100 RAYBRIG NSXの5位争い、No,556 
KURE R33とNo.2 ZEXELスカイラインの7位争いなど、序盤は同一車種同士が激しく
バトルを繰り広げる。ここでまず脱落するのは、No.18のNSX。わずか15周で、ハブ
を壊してコース上でストップ。続いて、2台のスカイラインもヒートアップし過ぎ
たバトルで接触。互いにダメージを被り、優勝戦線から離脱する。先に止まったNo.
18 NSXを撤去するためにセーフティーカーが入った。
 このセーフティーカー・ランは18周目から6周に渡って行われ、この間に早めだ
が、ルーティンのピットストップを終わらせてしまおうという作戦変更を行った
チームが出た。中でもNo.3ユニシアジェックススカイラインとNo.12カルソニックス
カイライン、そして序盤マシンのバイブレーションのため10周ほどで余分なピット
ストップを強いられたNo.39デンソーサードスープラGTがタイミング良く素早く作業
をすませ、上位に進出する。
ところがNo.3スカイラインは、なんと追い越し禁止違反でペナルティストップ。そ
して、4番手の好位置に付けていたNo.100 NSXも再スタート時の違反でペナルティ
を受ける。
 一方、このセーフティカー・ランを利用せずNo.38、No.36はマッチレースを続
け、終盤にピットインする作戦に出た。だが、思いの外長引いたセーフティーカー
・ランのためか、この2チームがルーティンのピットストップを終えてコースに戻
ってみると、No.39デンソーサードスープラGTが25秒先方にいる。残り20周程で、
No.38とNo.36のラップタイムはマシンに不安を抱えるNo.39より、1秒以上速い。こ
のままで行くとラスト数周で逆転かと誰もが予想しだした、40周過ぎに今度は最終
コーナーでGT300クラスのマシンがクラッシュし、再度のセーフティーカー・ランと
なる。これで、No,39谷川とNo.38金石と間は一気に詰まりって再スタート。さあ、
逆転かと思ったその時、この再スタート時の違反でNo.38に痛恨のブラック・フラッ
グ。これで、No.38は優勝どころか、表彰台も失った。しかし、No.39の背後に今後
はNo.36デ・ラ・ロサが急接近。今度こそ、と思った51周目に300RでGT500のポル
シェがクラッシュ。またもやセーフティーカーがコースに。これで、獲物を目の前
にNo.36は、手が出せなくなってしまう。結局、セーフティーカーが入ったまま最終
ラップを迎え、No.39デンソーサードスープラGTの勝利となった。3位にはNo.37カ
ストロール・トムス・スープラが入り、予選同様に上位をスープラが独占すること
となった。


巧みなレース展開でタイサンスターカードRSRが2勝目
FCJフェラーリが初の表彰台をゲット

  GT300クラスでは、クラス予選トップのNo.25つちやMR2が序盤をリード。これに
No.21 ダンロップ-BP-BMWとNo.27TEAM FCJフェラーリが続く形だったが、最初のセ
ーフティカー・ランを活かしてNo.26タイサンスターカードRSR、No.910ナインテン
ポルシェが上位に進出。そして、No.25つちやMR2はピットイン時の速度制限違反と
いうミスで、ペナルティを受け、順位を大幅に下げる。そして、健闘していたNo.7
 RE雨宮SuperG RX7とNo.81ダイシンシルビアがトラブルでリタイアすると、No.
910、No.26のポルシェがトップ争いを展開。No.26はNo.910をかなり追い上げるが
わずかに届かず2位でゴール。ところが、最後のセーフティカー・ラン最中にNo.
910が他のマシンを追い越すという違反を犯して、ゴール後に1分加算となって4
位に。結果、No.26タイサンスターカードRSRが優勝となった。2位には燃圧不良に
よるエンジンのパワー不足を巧みに凌いでNo.27フェラーリが初の表彰台。3位に
はRS☆Rシルビアが入った。



☆優勝者インタビュー

総合優勝
No.39 デンソーサードスープラGT
影山正美「スタートしてすぐにオーバーステアが出て、タイヤかと思って交換した
らデフトラブルのようだった。運良くペースカーがウチのクルマの直後に入ったの
で、遅れた1周を取り戻すことができた。ピット作戦はチームの決断というか総合力
でしょう。地獄から天国と言うか、富士で2勝目できてうれしいです。え、これで
ランキング2位に16ポイント差? いやぁ、いいねぇ(笑)。でもほんと信じられ
ない。ここで勝てないと、スープラはもちろんMINEではスカラインも速いだろうし。
だから、最初にピット入ったときは、もう手袋投げつけてたんだからさ」
谷川達也「確かにマシンは本調子ではなかったです。なるべくペースを落とさず
に、丁寧に走っていました。実は無線も調子よくなくて、誰がどのくらい迫ってる
かよく分かてなかった。え、金石さんはペナルティだったんですか、知らなかった
です。3戦で2勝ですか。ラッキーというか、運だけで生きてますねぇ(笑)。僕
個人はチャンピオン争う立場ではないですが、影山さんとチームをチャンピオンに
するために全力を尽くします」
影山正美「いい奴だなぁ、お前は(笑)」


GT300クラス優勝
No.26タイサンスターカードRSR
鈴木恵一「いやぁ、表彰台の一番上に上がるのが恥ずかしいですよ。途中、なんか
踏んだらしくてバイブレーションが出て、ストレートで抜かれちゃう。あんなとこ
ろでペースカー入るから負けちゃったと思ったよ。今回は新田君がいい仕事をして
くれたからね。彼の勝利ですよ。これでNo.19のシルビアと同点だから、あとはもう
他の車を気にせずNo.19との勝負だと思ってます」
新田守男「2回目のペースカーが外れてからは、GT500も混じってもうゴチャゴチャ
で。みんな500にくっついて上に行こうとするし(笑)。玉ちゃん(No.910玉本秀
幸)とオロフソンが接触したりして、ラッキーと思ったら玉ちゃんまだ走ってるし
(笑)。もう2位ねらいで行こうと。最後は玉ちゃんにうまくやられちゃったと思
ったんだけど…。これでNo.19と同点。ここからスタートだと思います。MR2とか他
も速いのにウチは遅いから、ほんとチョーキビシイですよ(笑)」


以上
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                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.4/3


                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 4 JAPAN SPECIAL GT CUP                                 9 Aug. '97
   Qualify Report                予選日レポート                 FMOTOR4版
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 '97GTC第4戦富士スピードウェイ

スープラ、圧倒的な速さを魅せる
予選で無敵!? Castorl TOM'S SUPRAが4連続ポール獲得
5、6位は2台のNSXが滑り込む


 8月9日、全日本GT選手権第4戦JAPAN SPECIAL GT CUPの予選が富士スピードウェイ
で行われた。当初からトヨタ・スープラの優勢が予想されていたが、前評判通り1
位から4位までを独占。これに対抗するように2台のNSXが続いた。一方、スカイライ
ンGT-Rの最上位は10位と思いの外に苦しい状況に追い込まれた。
 折から接近中の台風の影響からか、富士スピードウェイには強い風が吹き、黒い
雲が通りかかる微妙な空模様。このため、予選の序盤から各車早めのアタックに入
っていった。まずは5分ほどで、No.28カストロール・セルモ・スープラの竹内浩典
が早くも1分30秒を切る29秒8を記録。そして、28秒台へとタイムを上げていく。す
ると、10分後には第2戦富士のポールシッターであるNo.36カストロール・トムス・
スープラのミハエル・クルムが1分28秒625と、自らが第2戦で記録したコースレコ
ードをコンマ187秒上回るタイムを記録しリーディングボードのトップに立った。3
番手にもNo.8 POWER CRAFT SUPRAのW.ガードナーが付け、それに続くのはNo.510 
RH CERUMO SUPRAのB.ガショー。スープラの優勢が伝えられてはいたが、早くもそ
の速さを見せつける様相を呈してきた。
 このスーラ勢に続いたのは、ホンダNSXの2台。前回の仙台ハイランドでは、ミッ
ショントラブルで早々に戦線を離脱したNSXだが、今回はその対策も十分に行い、大
きなトラブルもなく予選を進める。その中で、まずNo.100 RAYBRIG NSXの飯田章が1
分29秒800で4台のスープラに続く5番手に進出。そして、No.18 avex童夢無限NSX
もそれに続く6番手につける。そして、No.18黒澤琢弥はアタックのタイミングを掴
んで1分29秒780でNo.100を抜いて5番手となった。

苦戦必死か。トップスピード不足に悩むGT-R
 前戦仙台ハイランドでは、97年式スカイラインGT-Rをデビュー。その1台である
No.2 ZEXELスカイラインは、あと一歩で優勝というパフォーマンスを見せた。だ
が、この富士ではその片鱗をわずかにも見せることが出来ない。1回目の予選中盤
では8番手ほどに付けているが、終わってみれば、最上位はNo.2 ZEXELスカイライ
ン。その順位はなんと10位。40kgのウエイトを積みタイムアップに悩むNo.39デン
ソーサードスープラGTを除くすべてのスープラがその上に居る。さらにはNSXにも
先を越されている。
 午後。スカイライン勢はより上位への進出をもくろんでいたが、なんと予選2回
目が始まったころから、雨粒がコースに落ち始める。5分を過ぎる頃には路面はう
っすらと水を帯び、タイムアップを見込める状態ではなくなった。結局、午前に出
走できなかったマシンを除きタイムを更新はなく、上位陣は午前の結果のまま予選
順位を確定。ポールは、第2戦の富士同様にNo.36に。そしてカストロール・トムス
・スープラとしては4戦連続の快挙である。
 一方、予選10位に甘んじたNo.2鈴木亜久里は「予選の一発では勝てない。でも、
レースでのアベレージスピードはそれほど差はない」と言うが、その差は1秒以
上。そして今回のレースは56ラップ、250kmとやや短め。このレースでのグリッド
5列目はかなりのハンデといえる。


2位になんと2秒差!? GT300はつちやMR2が今季初ポール

 GT500でのスープラの強さが目立ったように、GT300では前戦仙台ハイランドで初
優勝を飾ったNo.25つちやMR2が圧倒的な速さを見せた。そのラップタイムは1分35秒
197。2番手につけたNo.81ダイシンシルビアを2秒以上引き離す快走だった。3番手に
は、このところ徐々に実力を発揮しつつあるNo.27 TEAM FCJ フェラーリが太田哲
也が入る。しかし、セカンド・ドライバーのオロフソンが乗った直後にマシントラ
ブルを起こし、彼は1回目の予選でタイムを記録できなかった。そして、2回目は
雨。規定タイム更新ができないとせっかくの順位が取り消されてしまう。すでにレ
インコンディションに入ったコースをオロフソンは攻め、1分47秒958をたき出す。
このタイムがラップモニターに表示された時、ピット内では安堵の大きなため息が
漏れた。



ポールポジション・インタビュー

No.36 カストロール・トムス・スープラ
ミハエル・クルム 1分28秒625(コースレコード)

「今日の予選結果は、カストロール・トムス・チームにとって今季4回目のポール
ポジションであると共に、スープラの強さを証明できた素晴らしい予選だった。マ
シンも完璧でしたし、アタックのタイミングも、コンディションも完璧でした。こ
のままの勢いで決勝も終われれればと思います。明日はチャンピオンシップにとっ
て大変重要なレースですが、すべてうまくいけば、自分たちに一番チャンスがある
と思う。心配なのは、明日の天気と自分のミスだけ。40kgの重量ハンデについて
は。(以下日本語で)スゴクイイバランスニナッタトオモイマス(笑)。ホント」



GT300ポールポジション
No.25 つちやMR2
土屋武士 1分35秒197(コースレコード)

「アタックラップはコースもクリアで、ほんと完璧な状況でしたから、2位に2秒
近い差がつけられたのだと思います。この結果にはとても満足です。でも、こんな
にタイム差が付くとは予想もしていませんでした。でも、車には元々ポテンシャル
があるんです。NAの時からストレートが遅くてもコーナーで詰めて、シルビアなど
のコンマ数秒落ちでしたから。ターボが付くことでストレートでも付いて行けるよ
うになってタイムも同等になったんです。前戦ではまだターボラグが大きかったん
ですが、今回対策してきてパワー自体は少し落ちましたがとても良くなったんです」


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                         古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.4/2


                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 4 JAPAN SPECIAL GT CUP                                 8 Aug. '97
   Practice Report                練習走行レポート              FMOTOR4版
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 '97GTC第4戦富士スピードウェイ
 スープラが圧倒的な速さを披露。GT-R、NSXの巻き返しはあるか?

 8月8日、静岡県・富士スピードウェイで全日本GT選手権第4戦「JAPAN SPECIAL 
GT CUP」の公開練習走行が行われた。
 台風と高気圧に挟まれた不安定な天候で、雨は降っていないが空はどんより曇っ
ている。午前9時30分から1時間20分行われた1回目の走行は、No.36のトムス・スー
プラが40分経過時点で早くも1分29秒312を記録。No.38のセルモも29秒465と続き、
さらに30秒155のNo.37と3台のカストロール・スープラとトップ3を独占。セッショ
ンの序盤こそNo.2 ZEXELスカイラインが30秒242でこの3台に続く位置につけていた
が、No.39デンソーサードスープラが30秒191を出した時点で5番手と下がった。
2回目のセッションが始まる午後12時45分になっても気温は、25度程度のこの時期に
しては低め。このセッションでも早々にNo.37トムス・スープラが29秒800を出して
トップに立つ。続いて96年型のシャシーを使うNo.510 RH CERUMO SUPRAが30秒071を
記録して周囲を驚かせる。これに続いてNo.8 POWER SPORT SUPRA、No.5 5ZIGEN 
SUPRAが続々と30秒前半のタイムをたたき出していく。1時間20分のセッションが終
了してみれば、なんと上位7台がスープラ。8番手はNo.18 avex童夢無限NSXの1分30
秒344。ようやく9番手にNo.556 KURE R33が入っているという状態だった。
最終セッション開始の15時5分になっても日差しが指す気配はなく、気温も24度程度
に留まっている。このセッションでもスープラ勢の優位は変わらず、29秒台に入れ
たのは、No.36、No.38、そしてNo.8の3台のみ。終盤にNo.18 avex童夢無限が1分30
秒175を記録して、このセッションの5番手になるが総合では7位。スカイラインに
至っては第1セッションにNo.2 ZEXELスカイライン出したタイムを上回れず、総合9
位とスープラの牙城を脅かすまでにはいたらなかった。
GT300クラスでは、ポイントリーダーのNo.19 RS☆Rシルビアがウエイトハンデ70kg
を背負い思うようにタイムが上がらず、クラス総合5位に留まった。一方、前戦GTC
初優勝を飾ったNo.25つちやMR2は、第2セッションにGT500クラスに匹敵する1分35秒
760を記録してトップとなった。2番手はこのところ速さを見せているNo.81ダイシン
シルビアが、3番手は前戦のポールシッターのNo.21ダンロップ-BP-BMWが入っている。

練習走行上位タイム                                天気:曇り コース:ドライ
Po   No   マシン                          ドライバー           タイム 
---------------------------------------------------------------------------
 1  36   カストロール・トムス・スープラ    M.クルム/ P.デ・ラ・ロサ     1'29.312(1)
 2  38   カストロール・セルモ・スープラ    竹内浩典/金石勝智   1'29.467(1)
 3  37   カストロール・トムス・スープラ    関谷正徳/鈴木利男   1'29.800(2)
 4   8   POWOR CRAFT SUPRA                 W.ガードナー/T.クリステンセン  1'29.886(3)
 5 510   RH CERUMO SUPRA                   B.ガショー/P.ベルモンド    1'30.071(2)
 6   5   5ZIGEN SUPRA                      田嶋栄一/M.グーセン    1'30.161(2)

[GT300]
    25   つちやMR2                         土屋武士/長島正興   1'35.760(2)
    81   ダイシンシルビア                  大八木信行/木下隆之 1'36.947(1)
    21   ダンロップ-BP-BMW                 一ツ山康/水野文則   1'37.231(2)

                *タイムは非公式のもの。カッコ内はタイムを出したセッション


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.4/1

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 4 JAPAN SPECIAL GT CUP                                 5 Aug. '97
   Preview Report                 プレビューレポート            FMOTOR4版
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'97GTC第4戦 JAPAN SPECIAL GT CUP
真夏のGTCチャンピオン決戦サバイバル!
後半戦の主導権を握るのは誰だ
シリーズ折り返しは高速サーキットの富士から

 97GTCはここまで3戦が行われ、スカラインの1勝、スープラの2勝。第1戦鈴
鹿はNo.2 ZEXELスカイラインが勝ったが、このときは96年仕様のマシン。第2戦富
士はNo.39デンソーサードスープラが勝つが、レース終盤は天候悪化による不完全
燃焼の戦い。第3戦仙台は新型スカイラインのZEXELスカイラインがほとんど勝利
を手中にしながら、タイヤ選択のミスからNo.36カストロール・トムス・スープラ
に逆転を許した。と、中身を見るとほとんど互角だ。
 スープラは開幕戦から97仕様を投入しただけに、マシン的には最も熟成されてき
ている。予選では、3戦連続ポールを獲得しており、現状でのGTC最速マシンであ
ることは間違いない。一方のスカイラインGT-Rは第3戦より97仕様を投入し、No.2
 ZEXELスカイラインがスープラ勢を大いに脅かした。他のスカイラインは不調の
レースだったが、対策のポイントは見えているようで、この第4戦富士では各車が
その実力をフルに発揮してくるだろう。
 そして、不気味なのはNSXだ。デビューした第2戦富士では、スカイライン勢を
抑えスープラ勢に次ぐ予選6位。第3戦でも予選3位で、決勝でもミッショントラ
ブルが出るまでNo.100 RAYBRIG NSXの高橋国光がNo.2 ZEXELスカイラインの亜久
里、No.37カストロール・トムス・スープラの利男をぴたりと追いかける速さを見
せた。ここまで、クラッシュやマイナートラブルでレース序盤に戦線を去っている
が、熟成が進みつつあるだけに決して侮れない。高速の富士ではNAエンジンは不利
と言われるが、元々前面投影面積が小さく、さらに童夢の洗練された空力により直
線でのパワーロスは最も少ないはずで、この点でもスープラ、スカイラインに大き
く劣るとは言えない。この富士はNSXの真価を問われる戦いであるといえよう。
 全6戦で争われる97GTCにおいて、この富士は後半戦のスタートだ。チーム別に
見れば、毎戦勝者が違う激しい戦いが続いている。ここまで優勝1回、2位1回の
No.2 ZEXELスカイラインとNo.39デンソーサードスープラが1歩リードで、これを
No.36/37カストロール・トムス・スープラの2台とNo.3ユニシアジェックススカイ
ラインが追うという状況だ。ともあれ、これまで勝ち星のあるNo.2 ZEXEL、No.39
デンソー、No.36カストロールがここでもう1勝を得れば、後半戦の主導権を握る
ことが出来る。そして、それに続くチームが勝てば、上位は一団となっていくだろ
う。もちろんそれ以外のチームが勝てばチャンピオン争いは一気に混沌としてく
る。各チームこの第4戦富士は、是が非でも勝ちに来ることになるだろう
 さて、この富士では1台のニューマシンがデビューする。No.47アドバンスオー
トGTカマロだ。アメリカ車としては事実上GTC初登場となるだけに注目したい。



ここまで毎戦勝者が違う大激戦!
誰が最初に2勝目を手にするのか?
第6勢力、キャバリエがGTCに初登場

 GT300クラスはGT500以上に混戦状態だ。RS☆Rシルビア、タイサンスターカード
RSRがシリーズのリードを取るかと思われた矢先の第3戦に、ついにつちやMR2がそ
の速さを結実させて初優勝。これで一気にシリーズの行方が分からなくなった。
 注目したいのは、やはりつちやMR2だ。第3戦からターボを搭載して、その速さ
が際だった。だが、元々NAエンジンであってもターボ勢と互角のタイムを記録して
いたのだ。ターボ化のメリットはウエイトハンデを搭載したときにこそ、意味があ
るといえる。また、このMR2は土屋エンジニアリングのオリジナルチューンなだけ
に、軽量化対策は一歩抜きに出ている。それだけにこの第4戦で勝てば、一気に
チャンピオン争いの主導権を握ることになるだろう。もちろん、RS☆Rシルビア、
タイサンスターカードRSRもここで勝って、ライバルを一気に引き離したいところ
だ。しかし、上位入賞が続き、ここに来てウエイトハンデの増加がマシンの戦闘
力を徐々に奪っている。守りに出るか、勝ちに行くか。シリーズを通した戦略も
このレースの見所だろう。
 GT300クラスにもニューマシンが予定されている。No.60ワイズダンロップBP
キャバリエだ。キャバリエは日米混血の車で、乗用車市場でも注目の車種だ。
レースシーンでのその実力はいかなるものか。ドライバーは実力派女性ドライ
バーの佐藤久実に相棒は田中実。今シーズン紅一点でがんばってきたバーディク
ラブMR2の三原じゅん子にとっては、最大のライバル、それとも良き仲間となる
か。こんな所も見逃せないGT300である。



◎予想エントリーリスト(8月4日現在)

[GT500] 20台
No. マシン                 ドライバー                    エントラント   タイヤ
----------------------------------------------------------------------------
2   ZEXELスカイライン      鈴木亜久里/E.コマス         NISMO            BS
3   ユニシアジェックススカイライン       長谷見昌弘/田中哲也         ハセミ・モータースポーツ    BS
4   ダンロップポルシェ        金海辰彦/駒 光武           SUZUKI BANKIN    DL
5   5ZIGEN SUPRA           田嶋栄一/M.グーセン         TEAM 5ZIGEN      DL
8   パワークラフトTRDスープラ       W.ガードナー/T.クリステンセン      パワークラフト   BS
10  シャトレーゼ・ポルシェGT2       飯田 薫/R.ファーマン       TEAM TMS         DL
12  カルソニックスカイライン           星野一義/本山 哲           HOSHINO RACING   BS
13  エンドレスアドバンGTR        木下みつひろ/藤村満男       エンドレススポーツ      YH
18  avex童夢無限NSX        黒澤琢弥/山本勝巳           無限+童夢PROJECT BS
30  綜合警備 PORSCHE       山田洋二/茂木和男           TEAM TAKE ONE    BS
34  STPタイサンポルシェGT2 土屋圭市/松田秀士    TEAM TAISAN with ADVAN  BS
36  カストロール・トムス・スープラ       M.クルム/P.デ・ラ・ロサ  TOYOTA Castrol TEAM BS
37  カストロール・トムス・スープラ       関谷正徳/鈴木利男        TOYOTA Castrol TEAM BS
38  カストロール・セルモ・スープラ       竹内浩典/金石勝智        TOYOTA Castrol TEAM BS
39  デンソースープラGT     影山正美/谷川達也          TOYOTA TEAM SARD  BS
47 アドバンスオートGTカマロ        山本正人/岡本克彦         ススキレーシングメカニックス    GY
88  JLOC ディアブロGTR     和田孝夫/和田 久           JLOC CORSA       YH
100 RAYBRIG NSX            高橋国光/飯田 章      チーム国光with MOONCRAFT BS
510 RH CERUMO SUPRA        B.ガショー/P.ベルモンド      RYOWA HOUSE Pacific   BS
556 KURE R33               影山正彦/近藤真彦           NISMO            BS

[GT300] 24台
6   ワイズダンロップBP MR-2     加藤寛規/藤田孝博           KRAFT            DL
7   RE雨宮SuperG RX7       山路慎一/松本晴彦           RE雨宮レーシング     DL
15 カムコワークステーションGTR        小田切毅/小野田貴俊         カムコワークス   YH
16  YB BMW 318iクーペ      関根基司/藤島敏也           Team Power Magic YH
17  東京科芸専:REロードスター   野上敏彦/輿水敏明      KAGEISEN RACING TEAM DL
19  RS☆Rシルビア          織戸 学/福山英朗      RS-Rレーシングwith BANDOH YH
20  アイ・オート GAB ポルシェ       高橋健二/須賀宏明           アイ・オートレーシングチーム  YH
21  ダンロップ-BP-BMW      一ツ山幹雄/山本健司       HITOTSUYAMA RACING DL
23 ヒラノモータースポーツR32M       平野敏行/久保山久徳         ヒラノモータースポーツ     YH
25  つちやMR2              土屋武士/長嶋正興           土屋エンジニアリング   YH
26  タイサンスターカードRSR         鈴木恵一/新田守男           TEAM TAISAN Jr.  YH
27  TEAM FCJ フェラーリ    太田哲也/A.オロフソン  TEAM FERRARI CULB of JAPAN YH
28  TEAM FCJ フェラーリ    山崎正弘/杉山正巳 TEAM FERRARI CULB of JAPAN YH
51  コブラポルシェ         石原将光/池谷勝則           コブラレーシングチーム    YH
55  Castrol SF RX-7        深沢寿裕/長島正明      SPORTS FACTRY RACING  YH
60  ワイズダンロップBPキャバリエ    佐藤久実/田中 実           KRAFT            DL
70  外車の外国屋アドバンポルシェ 石橋義三/小宮延雄          チーム外国屋     YH
71  シグマテック911        星野 薫/城内政樹          シグマテックレーシングチーム  DL
72  WAKO'S BMW M3          牧口規雄/浅見 武           牧口エンジニアリング   YH
79 ナックウエストシルビア 杉山正典/青柳裕易           NAC WEST         DL
81  ダイシンシルビア       大八木信行/木下隆之         TEAM DAISHIN     BS
91  バーディークラブ・MR-2       松永雅博/三原じゅん子       ファーストレーシングチーム   YH
333 ポルシェ        清水正智/佐伯重和      シミズレーシングエンタープライズ  DL
910 ナインテンポルシェ     袖山誠一/砂子晴彦           910 RACING       DL

*このエントリーリストはGTインサイドレポート班の取材により作成
  されたものです。公式発表ではありませんので、ご注意ください。
 参加チーム、ドライバーは変更されることがあります。
*他のホームページやメディアへの無断転載はご遠慮ください。
 マスメディアの方へは別途資料がございますので、古屋までメール
 でご連絡ください。


◎第4戦富士チケット購入のご案内

 各種前売り券、好評発売中!!
 下記のプレイガイドまたは販売店でお求めください

【入場料金】
決勝前売り券 ●大人:5,250円●ペア:9,450円
決勝当日券  ●大人:6,000円●中小学生:無料
予選日当日券 ●大人:3,000円●中小学生:無料
パドックパス ●前売:15,000円(入場料込)●当日:10,000円(2日有効/入場料別)
駐車料金   ●4輪:1,000円●2輪:500円(当日のみ有効)

【チケット発売所】
チケットぴあ(03-5237-9999)/チケットセゾン(03-5990-9999)/
CNプレイガイド(03-5802-9999)/ローソン(関東地区)/
レーシングチケットセンター/赤木屋プレイガイド/丸井チケットぴあ/
神奈川交通営業所/富士スピードウエイ/Mr.クラフト(東京・恵比寿)/
NISMO(東京・大森)/IMPAL(東京・三鷹)/TOM'S(御殿場)他
*一部で取り扱っていないチケットもあります。

【お問い合わせ】
チケットインフォメーションダイアル(TEL:03-3409-2365/平日10:00-17:00)まで。


◎タイムスケジュール
 8月8日(金)練習走行日/サーキット入場料のみが掛かります
  GT練習走行1回目           9:30~10:50
  GT練習走行2回目           12:45~14:05
  GT練習走行3回目           15:05~16:25

 8月9日(土)予選日
  スーパーカート予選         9:30~ 9:50
  F100カート予選            10:00~10:20
 ☆GT予選1回目             10:40~11:40
  カローラ/スターレット・ノーマルカップ予選  11:53~12:10
  マーチK11予選             12:00~12:20
  フェラーリF355予選        13:20~13:40
  スーパーカート決勝        14:00~14:30 (6Laps)
  F100カート決勝            14:40~15:15 (6Laps)
 ☆GT予選2回目             15:40~16:40

 8月10日(日)決勝日
 ☆GTフリー走行             8:10~ 8:40
  カローラ/スターレット・ノーマルカップ決勝   9:15~ 9:50 (15Laps)
  マーチK11決勝             10:15~10:50 (10Laps)
 ☆ピットウォーク            11:00~12:00
  フェラーリF355予選        12:20~12:55 (10Laps)
 ☆GTウォームアップ        13:10~13:18
 ☆GT決勝レース            13:50~15:55 (56Laps)
                                         *終了時刻は予定

◎テレビ放送
 8月23日(土)16:00~17:15
 テレビ東京系全国6局ネット
 テレビ東京/テレビ大阪/テレビ愛知/テレビ北海道/テレビせとうち/
 ティーエックスエヌ九州


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.3/7

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 3 Hi-land GT Championship                            29 June '97
   Inside Report                 インサイドレポート 3          FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第3戦 ハイランドGT選手権レース
ポイントランキングTop10

ドライバーポイント
[GT500]
                  Rd.1  Rd.2  Rd.3 Rd.4 Rd.5  Rd.6
                  3/30  5/4  6/29 8/10 10/5  10/26
Pos. No. Driver      合計 Suzuka FUJI Hiland FUJI MINE  SUGO
----------------------------------------------------------------------------
1   2 鈴木亜久里      45  20   10   15
2  39 影山正美       43  15   20    8
3   2 E.コマス       35  20    -   15
4  36 M.クルム/P.デ・ラ・ロサ    32      12   20
5  37 関谷正徳/鈴木利男  30  12    6   12
6  39 谷川達也       28   -   20    8
7   3 長谷見昌弘/田中哲也 27  10   15    2
8  38 竹内浩典/金石勝智  16   4    2   10
9  39 O.グルイヤール    15  15    -    -
10  5 田嶋栄一/M.グーセン 12   6        6



[GT300]
                  Rd.1  Rd.2  Rd.3 Rd.4 Rd.5  Rd.6
                  3/30  5/4  6/29 8/10 10/5  10/26
Pos. No. Driver      合計 Suzuka FUJI Hiland FUJI MINE  SUGO
----------------------------------------------------------------------------
1  19 織戸 学/福山英朗  50  20   15   15
2  26 鈴木恵一/新田守男  42  10   20   12
3  25 土屋武士/長嶋正興  32  12       20
4  910 袖山誠一       28  15    3   10
5   7 山路慎一/松本晴彦  20  -   12    8
6  51 石原将光/池谷勝則  16   8    8   -
7  910 見崎清志       15  15   -   -
8  81 大八木信行      13   3    4    6
9  910 砂子智彦       13  -    3   10
10  27 太田哲也       12      10    2



チームポイント
[GT500]
                   Rd.1  Rd.2  Rd.3 Rd.4 Rd.5  Rd.6
                   3/30  5/4  6/29 8/10 10/5  10/26
Pos. No. Team        合計 Suzuka FUJI Hiland FUJI MINE  SUGO
-----------------------------------------------------------------------------
1 2/556 NISMO         45     20    10      15
2 36/37/38TOYOTA Castorl TEAM 44      12    12      20
3 39  TOYOTA TEAM SARD    43      15    20       8
4  3  ハセミ・モータースポーツ     27   10  15    2
5  5  TEAM 5ZIGEN      12    6       6
6 12  HOSHINO RACING     8       8
7  8  POWER CRAFT       5    1       4
8 10  TEAM TMS        4       4
9  4  SUZUKI BANKIN      3       3      -
10 510 RYOUWA HOUSE Pacific TEAM CERUMO
                 3   -  -    3


[GT300]
                   Rd.1  Rd.2  Rd.3 Rd.4 Rd.5  Rd.6
                   3/30  5/4  6/29 8/10 10/5  10/26
Pos. No. Team        合計 Suzuka FUJI Hiland FUJI MINE  SUGO
-----------------------------------------------------------------------------
1 19 RS-Rレーシングチームwith BANDOH 50   20  15   15
2  26  TEAM TAISAN Jr    42   10  20   12
3  25  土屋エンジニアリング    32   12      20
4  910 910 RACING       28   15   3   10
5   7  RE雨宮レーシング   20      12    8
6  51  コブラレーシングチーム     16    8   8   -
7  81  TEAM DAISHIN     13    3   4    6
8 27/28 TEAM FERRARI CLUB OF JAPAN
                 12      10    2
9  71  シグマテックレーシングチーム   10   -   6    4
10  72  牧口エンジニアリング     9    4   2    3


*ポイント計算はGTインサイドレポート班による非公式のものです


*このレポートのデータの無断引用を禁じます。
*メディア関係者の方でデータがご入用の方は古屋までメールでご連絡ください。

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                         GTインサイドレポート班
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全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.3/6

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 3 Hi-land GT Championship                            29 June '97
   Inside Report                 インサイドレポート 2          FMOTOR4版
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'97GTC第3戦 ハイランドGT選手権レース

       ◎カーナンバー前の"#"はGT500クラス、"*"はGT300クラスを表します

☆決勝日のトピックス

*27 TEAM FCJフェラーリ
 今回、クルマを大幅にモディファイしてきた。兼子監督によれば「ボディは屋根
以外はほとんど全部カーボン。フロントバンパーの形状を変えてダウンフォースを
アップしている。リアのサブフレームも切り取ってパイプで造り直している。プラ
イベートとしてできることは、ほとんどやってきました」とのこと。前回センター
ロックに変更したにもかかわらず破損してしまって5穴に戻さざるをえなかったホ
イールは、今回ハブをチタンで新造してきたが、またしても金曜日に破損。結局5
穴ホイールを急遽調達して予選、決勝に臨むことになった。


◎サードMC8R、GTC参戦へ!
 これまで、国内では鈴鹿1000kmにしか出場していなかったサードMC8Rが、GTCに
も参戦することになった。以下は同チームの山本 泰マネージャーの話。
「サードMC8Rでル・マンを戦っているのですが、ひと月前に行ってテストしてもど
うしても熟成不足になるので、国内のGTCでも走らせようということになった。ル・
マンとGTCではパワーも違うし、別なクルマのようになってしまいますが、それで
も走らせて熟成していくほうがいい、と。スポンサーが決まって、クルマの参加に
問題が出るようなことのないように、先にJAFに必要な手続きをしたんです。ただ、
次の富士についてはスポンサーが未だ決まっていないので参加しません」

*7 山路慎一(RE雨宮SuperG RX7)
「今回は下回りの剛性アップをしてきました。フレーム剛性は上げられるんですが、
メンバーにアームが出ていて足回りもメンバーはノーマルを使ってるんですが、そ
れがもたないんで。車重は7~8kgは重くなったみたいですが、ウイングをカーボン
製にしたりマフラーの中間部分を薄くしたりしてるんで、トータルでは変わらない
といっています」

#5 田嶋栄一(5ZIGEN SUPRA)
「予選は一番いいラップにシケインでスピンしているクルマに引っかかって、タイ
ミングが取れず失敗でした。決勝はミズモノなので、石橋を叩いて渡るように走り
ます。スタートはボクの予定です。コースはボクにとっては相性のいいコースなの
で、同じポテンシャルがあれば前に行けると思う。金曜のテストはメニューがすべ
てはこなせなかったから、課題はありますが、決勝に向けては『これかな』という
ところまではいけてる。目標は、表彰台の一角でも占めたいですね」

*26 鈴木恵一(タイサンスターカードRSR)
「(フリー走行の)感触はよかったよ。決勝グリッドは9番手だけど、スリックだっ
たらボクらのほうが速い。おもしろいレースになるんじゃないかな。武士のところ
(つちやMR2)が絡んできて、*19のシルビアとの戦いになると思う。前でゴチャゴ
チャやってくれればラッキーだね。後ろから淡々と追い上げるよ」

*19 福山英朗(RS☆Rシルビア)
「ポジション悪いんで…。決勝は、タイサンとウチになると思う。ドライのほうが
正直いっていいんでね」

*21 山本健司(ダンロップ-BP-BMW)
「フリー走行ではドライのテストができていないんで、決勝に向けてギア比を変え
たりしています。コースはほとんど乾いていました。ここのコースは抜きにくいん
で、ボクがまずはスタートを決めて頑張りたいと思います」

#18 avex童夢無限NSX
 朝のフリー走行はまったく走らなかった。佐々木マネジャーによれば「まあ、路
面もよくないんでムリをしたくないんで温存したんですよ」とのことだが、事情通
のあいだでは「某ドライバーが寝坊をしたらしい」というウワサが流れている。
「金曜日と予選1回目は、エンジン自体ではなく電装系のトラブルで、ハーネスを
取り替えるので手間がかかりました。予選2回目で起きたオイル漏れも解決しまし
た。予選の最後にコースアウトしましたが、まったく損傷はありませんでした。も
う問題はありませんよ。決勝は...。とにかくウチはロングディスタンスを走って
ないから、どうなるかわからないんですよ。できれば、雨のがよかったかなぁ」と
は佐々木マネジャー。

*910 ナインテンポルシェ
雨の予選で最後に逆転され2位になったものの、ずっとトップタイムをキープして
いたナインテンポルシェ。決勝に向け自信満々かと思いきや、そうでもないようす。
袖山誠一によれば「予選はずっとトップだったんで、もう大丈夫かと思ったんです
が、逆転されちゃいました。決勝もガンガンいきたいところなんですが、実は今回
富士用のギアのままなんですよ。だからほとんど2速と3速しか使ってないんです。
同じポルシェでも、タイサンさんとかは当然ギアを換えているでしょうから、ちょっ
とつらいですね。でもまぁ、なんとか生き残れば上位に入れると思うので、がまん
のレースをしますよ」とのことだった。

#88 JLOCディアブロGTR
朝のフリー走行には出走しなかった。「いや、ミッションにちょっとトラブルを抱
えているので、壊さないように走らなかったんです。決勝前のウォームアップも、
1周したらすぐグリッドにつきます。できるだけ余分な周回はしない、ということ
です。でも、せっかく出る以上は1周でも長く走りたいですね」と和田孝夫。

#34 千葉泰常監督(STPタイサン アドバンGT-2)
「次はクルマを代えようと考えています。ただ、購入を予定していたバイパーはル・
マンで燃えてしまうし、ホントに欲しかったクルマは契約上の問題があって購入不
可能になるしで、どんなクルマになるかはまったく未定です」

#39 谷川達也(デンソーサードスープラGT)
「50kgのハンデは、朝走った感じでは思ったより影響はありませんね。ただ、周回
を重ねるとブレーキなんかがきつくなりそうです。タイヤはこの暑さで走ってない
んでなんとも言えませんが、後半はきついかもしれませんね。ただ、それはよその
メーカーのタイヤでも同じだと思います。朝のタイムは、まだ路面に濡れたところ
がある状態でのものですが、決勝では温度が上がりそうなのでやはり48秒後半から
49秒ってところじゃないでしょうか。スタートは影山さんで、ピットインはちょう
ど真ん中くらいでする予定です。なんとか上位に入って、100kgハンデを積んでみ
たいですね」

◎各タイヤメーカーに戦略を訊く
 昨夜の嵐がうそのように、夏の陽射しが照りつけている今日の仙台ハイランドレー
スウェイ。当然、決勝レースはドライコンディションで行われることになる。となれ
ば気になるのは各チームのタイヤ選択。ブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップ3社
のエンジニアに話を訊いた。

ブリヂストン 「今回からGT300クラスの供給はなくなりまして、すべてGT500クラ
スへの装着となっています。基本的にソフト系とミディアム系の2種類を用意して
いまして、今回ほとんどのチームがミディアム系のものを選んでいます。ソフト系
を選んでいるチームがあるかどうかについては……、チームの事情もありますので、
秘密ということにさせてください」

ヨコハマ 「GT500のほうは、今回コンパウンドとしては全部で4種類を用意しま
した。使用する3チームそれぞれマシンが違いますので、フロント・タイヤはみな
サイズが異なります。STPタイサン アドバンGT-2とデンソーサードスープラGTは、
今回ミディアム系を選択しています。またエンドレスアドバンGTRは、木下みつひ
ろ選手の好みで、ハード系を選んでいます。一方GT300クラス用には3種類を用意
しましたが、今回は全チームともミディアム系を選んでいます。ただ決勝中に交換
するタイヤは、ソフト系を検討しているチームもあるようです。ミディアム系の場
合、タイヤ交換なしでもなんとかいけるとは思いますが、1分52秒台ていどのハイ
ペースでずっと周回してしまうと、ちょっときびしいかもしれません」

ダンロップ 「今回GT500用には3種類のゴムを用意しています。使用するマシン
が違いますので、それぞれサイズと構造は若干の違いがありますが、コンパウンド
としては全車ミディアム系を選択しています。一応レース中の交換は必要だと考え
ています。GT300クラスのほうは、昨日雨の予選で素晴らしいパフォーマンスでし
たので、とてもよろこんでいます。ドライ用は2種類のゴムを用意してきたんです
が、今回は全チームがソフト側のものを選んでいます。実は選択するときの天気予
報では、予選が晴れで決勝が雨だったものですから、みんなソフトを選んだんです。
でも逆になっちゃいましたので、ちょっと困っています。もちろんレース中に交換
する必要があると思います」


☆決勝後のトピックス


○決勝スタート直前 14時20分現在
 天気:晴れ
 気温:28度  湿度:56% 路面温度:32度
 入場者数:6/29 37,200人(6/28   3,300人)

○ ピットスタートはなし

*リタイヤ(GTインサイドレポート班調べ)
No.   原因            周回数
---------------------------------------------
*70   ミッション          9L
#18   オイル漏れ          12L
#88   ミッション          24L
*55   ミッション          34L
*6    ターボ            39L



#2 ZEXELスカイライン(総合2位)
鈴木亜久里「どっちにしても最後までがまんできるとは思わなかった。タイヤはコ
マスはソフトだったんだけど、オレはハードでいったんだ。それが失敗だったね。
最後、あれ以上がんばるとぶつかっちゃうからしょうがないよ。でも納得いかない
なあ。すげえくやしいよ。次、またがんばるけど」

#100 RAYBRIG NSX
高橋国光「ギアがなくなっちゃったんだ。1,2,3速がね。だから、ストレート
はちゃんと走るからコーナーではジャマにならないように走ってましたよ(笑)。
で、コースサイドに寄るからタイヤがゴミを拾っちゃって、振動が出て冷や冷やで
した。でも、僕らはデータが足りないから、次のためにとにかく最後まで走ったん
だ。でも、序盤は良かったでしょ(笑)。NSXのポテンシャルがあるのは分かって
いただけたと思います」


*19 RS☆Rシルビア(GT300クラス2位)
福山英朗「今回はオレが失敗した。コーナーの突っ込みはこっちが速いんだけど、
ピックアップでは負けているから、ヘアピンでなんとか前に出ようとムリに突っ込
んだら前を閉められてダートに出ちゃった。ダートが濡れてるもんだから、滑っち
ゃってなかなか戻れなくて・・・。もちろんこれからもランキングトップをキープし
ていきますよ。つちやMR2が撤退することを祈りながら(笑)」
織戸学「クルマもタイヤも全然問題なかったんだけど、序盤で離されちゃったの
で、前のクルマは、もう全然見えませんでした」

*26タイサンスターカードRSR(GT300クラス3位)
新田守男「最後、バイブレーションがひどくてペースが上げられなかった。まるで
タイヤが終わっちゃったみたいな感じだった。でも、終わってはいないんだよ。原
因はまだわからない」

#38 カストロール・セルモ・スープラ(総合4位)
竹内浩典「ボクのセッティングミスで最後の10周で追いつかれた。序盤はタイヤの
グリップがあるんだけど、グリップが落ちてくるとオーバーステアがひどくなる。
他のクルマはアンダーステア気味なのに、ボクだけが不安定でした」
金石勝智「ボクのパートは、ガソリンも周回数も少なかったんでクルマの感じはよ
かった。ペースが特別遅いということもなかったし。次の富士はバチッと決めたい
です」

#39 デンソーサードスープラGT(総合5位)
影山正美「今回はウエイトハンデを痩せさせようと4位ねらいでいきました。結果
は5位でしたけど・・・。周回遅れを抜こうとしたらスピンしてしまった。残りのレー
スは、確実にポイントを稼いで、チャンプを意識せず1レース1レースがんばります」

#5 5ZIGEN SUPRA (総合6位)
田嶋栄一「今日は淡たんと、敵はいようがいまいが走りました。もうちょっとプッ
シュしたかったけど…。タイヤとのマッチングが課題ですかね。スープラでは唯一
のダンロップで、BS勢を追いかけてる立場ですから」



*インサイドレポート3に続く

以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
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全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.3/5

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                       1997  GT INSIDE REPORT
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   Inside Report                 インサイドレポート 1          FMOTOR4版
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'97GTC第3戦 ハイランドGT選手権レース

       ◎カーナンバー前の"#"はGT500クラス、"*"はGT300クラスを表します

☆レース前のトピックス
◎新型になったスカイライン勢
 今回から、#2 ZEXELスカイライン、#3ユニシアジェックススカイライン、#12 カ
ルソニック スカイライン、#556 KURE R33の、都合4台のスカイラインが97モデル
に置き換わった。各ドライバーに新型の印象を訊いてみた。
 #2 ZEXELスカイラインは金曜日にスカイライン勢のトップ、総合では2番手のタ
イムをマーク。鈴木亜久里は「富士ではストレートで負けていたが、ここでは負け
ていない。乗っていても96と97の違いは感じないが、クルマの仕上がりは勝てるレ
ベルにある」と自信をのぞかせる。
 いっぽう、#556 KURE R33の影山正彦によれば、「クルマの感じはあまり変わらな
いですね。ただ剛性が上がっているので、セッティングがきちんとできるようにな
りました。それと96モデルは同じスカイラインでも個体差が大きかったんですが、
バラツキは少ないみたいです。まぁどんなクルマでもある程度はしょうがないんで
すけどね。エンジンについては、パワーは変わりませんが、レスポンスが向上して
ます」とのこと。ただ金曜日には「エンジンがどうも朝から元気がなかった」た
め、載せ換えることになった。
 #12カルソニック スカイラインの星野一義は「97になったといっても中身は変わ
らないからね。まだまだこれからだね」と言う。この#12は、金曜日のフリー走行4
回目の途中、本山哲が第1コーナーでコースアウトし、前後バンパーおよびアンダー
パネルを破損してしまった。本山によれば、「最初からブレーキのフィールが良く
なかったんですよ。その周によってブレーキの効き始めるペダルの位置が違うんで
す。コースアウトした時は、前の周より手前の位置で効いてしまったために、早め
にロックしてしまって、まっすぐ飛び出してしまいました。原因がつかめていない
ので、ちょっと苦しいですね」とのこと。
  #3ユニシアジェックススカイラインの長谷見昌弘は「まだ、96より97のほうがい
いところというのは、はっきりは言えない。ただ、ドライだとフロントの喰いつき
はいいんだよ。これまではそれで悩んでいる部分もあったからね。ウェットだとま
だちょっとね・・・」と、今ひとつ納得がいっていないようすだった。

*55 Castrol RX7
 RE雨宮に続き、今回から3ローターの20B型を搭載してきた。「GT300クラス同士
なのに500クラスみたいに抜かれる。深沢さんと話していて、これではつまらない、
完走できなくても速さをアピールしたい、ということになったんです」と言うのは
長島正明。エンジン自体は、かつてのGCレース('89年で終了)用で、広島マツダ
が保有していたもの。昨年の富士から載せようという計画があったが、それが今回
実現したということだ。「RE雨宮さんのはコスモ3ローターの改造で、ウチのはマ
ツダ発売のもともとは450~550psあるレース用エンジンだから、リストリクターを
つけてパワーをおさえても有利だと思うんです」(長島)
「カリカリのGC用高回転エンジンだから、やってみないとわからない。でも13Bでタ
ナボタ狙いをやっていてもしかたないんで、カッコだけでもつけたい(笑)。遅く
ても20Bで闘っていれば話題になるでしょう。でも、エンジンに火が入ったのが今
週の水曜の夜7時で、金曜の午前1時にエンジン調整が終わったという、ギリギリ
の仕上がりになってしまったんです。ミッションやデフは富士のまんまです。ハイ
ランドも初チャレンジのコースなんですよ。深沢さんは走ったことがあるそうです
が、でも、アンフィニ西東京に泥棒が入って、深沢さんのレーシングスーツとヘル
メットが盗まれちゃって困ってるんです。完走とか大それたことは考えていませ
ん。野上さんのところのロードスターには負けたら困るんで、逆ポールは避けたい
ですね。今回はデビューなんで、次の富士で結果を出したいです」(長島)

*17 東京科芸専:REロードスター
 第2戦富士でのデビューが予定されていたロードスターが今回ようやくデビュー。
シェイクダウンは仙台ラウンド直前の月曜日に富士で行われた。野上敏彦によれ
ば、「シェイクダウンは無事に終わったんですが、マイナートラブルが出て4周ぐら
いしか走れなかったんです。でも、RX-7よりフィーリングは良かったんです。今の
ところは、RX-7よりしなやかな感じです。RX-7と同じパワートレインで重心ははる
かに下がって、トレッドも広がって安定感が出ました。ただ、これで2ローターはウ
チだけになっちゃったのに、レギュレーションが変わって1000kgになったんで、ク
ルマが軽いんでバラスト積んだりするのが大変です」とのこと。タイヤは、RX-7で
はフロント240、リア265を装着していたが、ロードスターではフロント215、リア
240へと1サイズダウンした。「18インチは値段が高いんで、17インチを履いていま
す。RX-7も一応動けるようにはしてあります。学生にとっての実習ですのでマシン
が壊れたらしかたないですから。造るのも材料代くらいで、アリモノのパーツや貰
いものでできてます。製作費は500万円ぐらいしかかかってないと思いますよ。ま
ず予選通過ができたら、次には完走を目指したい。キング・オブ・ロードスターに
恥じないようなレースをしたい(笑)」(野上)

◎ 訂正
*57 SiFo Spider Ver. GTについて、第2戦富士でのレポート文中、「重量も900kg
の規定に合うんです。ベース車両が850kgですから。ただ、クリオ・マキシという
ラリー用のエンジンなので、エンジンが250ps程度のパワーしかないんで、富士に
関して言えばパワー不足から厳しいコースだと予想されます」との記述がありまし
たが、正しくは「GT仕様の装備をしても900kgプラスの重量なので、規定に合わせ
るためには100kg近いウェイトを積まねばなりません。また、クリオ・マキシ用の
ラリーエンジンを搭載しておりパワーは250psしかないため、ウチのクルマにとっ
て富士はきびしいコースでしょう」でした。なお、同チームは、「今回はエンジン
のリビルドが間に合わず出場を見合わせた」(藤井監督)とのことです。

◎MR2勢、3台中2台にターボチャージャーを装着
 今回、3台のMR2勢のうち2台がターボを装着してきた。ワイズダンロップBP 
MR-2の藤田孝博は「バランスが取れてないんで、その分トラブルが心配です。NAの
ときですらドライブシャフトのトラブルが出ていますから」という。加藤寛規によ
れば「ベンチで出ていたトルクが全然出てないんです。コンピュータのセッティン
グもあると思うんですが、2サイクルのバイクみたいにものすごいピーキーな
“ドッカンターボ”になっているんです」とのこと。*25 つちやMR2の土屋武士は
「つい最近クルマができたばかりで、金曜日に初めて見ました(笑)」。金曜日の
走行後には、「ターボに問題あり、です。ちょっと大きすぎたかもしれません。*6
も同じなので、タイムは出てないでしょう。予選は一発集中でタイム出して、決勝
はデータ取りかな…。勝ちは狙いますけど」とやや弱気だった。一方、唯一のNAに
なってしまった。*91 バーディークラブ・MR2。松永雅博は「一発はターボのほうが
速いと思うんですが、NAもバランスは悪くない。今回、フロントのトレッドを広げ
たんで、コントロールがしやすくなって、クルッと回るスピンはしなくなりまし
た。ターボとは30~40PS位の差はあるみたい。他が煮詰まったらターボに手をつけ
たいんですが、NAでもまだまだつちやさんの所のようなマシンの仕上がりには及ん
でいませんから」という。

*27 TEAM FCJフェラーリ
スチーブン・アンドスカー
「アンデルス(オロフソン)がこのレースに来られなくて、私を推薦してくれ、チー
ムが受け入れてくれたので今回走れることになりました。この3年間日本で走れな
かったのですが、以前のようにまた日本で走りたいと思っていました。それで毎年日
本にもどって来る道を求めていたのでこの機会をたいへんよろこんでいます。GTCは
どんどんくなっていますね。出来れば続けて行きたいと思っています。ただ、クルマ
についてはとてもまだコメントできないですね。何しろこのサーキットは初めてだ
し、クルマも初めてだし、今日はこのコンディションですからね。昨日が初めてです
し。次のレースにはアンデルスが出ます。実はこれが私の参加する今年初のレースで
す。来年もGTCに出たいですね。それも出来ればGT500クラスに」

#510 RH CERUMO SUPRA
ベルトラン・ガショー/ポール・ベルモンド
「パワークラフトとの契約が2戦までで切れて、今回はじめて新しいチームから参
加するんだ。クルマは昨年のタイプ(セルモが使っていたもの)に、97年仕様のエ
ンジンを積んでいる。ギヤボックスはHパターン。調子? 悪くないよ。ただ、今
回がデビュー戦なんで、まだまだやるべきことが多い。でもやりやすい良いチーム
だよ。それにいままでは1台だけだったが、このチームは2台走らせている(セル
モ・スープラ)のでクルマについての情報交換をすることが出来る。これは重要な
ことだよ。次の富士までに97仕様のエアロパーツを組み込む予定だ。ギヤボックス
についても僕はHパターンの方が好きなんだ。シーケンシャルはどうも好きではな
い」(ガショー)「僕はシーケンシャルの方が好きだよ。ともかくもっと走り込ま
ないと。日本でのレースは難しい。ヨーロッパではいつももっと前を走っているの
に、ここに来ると後ろに下がってしまう。このサーキットも初めてだし慣れが必要
だ」(ベルモンド)

#34 土屋圭市(STPタイサンポルシェGT-2)
「路面がちょい濡れだと良い感じだね。ドライやヘビーレインだとちょっとウチラ
には辛いかな。今回は目を三角にしないで、久々に戻ってきた国内のGTレースを楽
しみますですね」

#8 POWER CRAFT SUPRA
ワイン・ガードナー 「今回パワークラフトのスープラに乗ってくれないかとお誘
いを受けて、日本のGTにカムバックできました。今シーズンはオーストラリアの
ツーリングカー・レースをメインにやっていました。日程的には幸運にもダブッて
いませんので、今シーズンの残りのレースには全部出ると思います。97年モデルの
スープラは、クルマとしてはとてもよくなっていると思います。ただ我々のクルマ
はオーバーステアが強くて、今いろいろと調整しているところで、どこまでいいの
かまだよくわかっていません。また昨年はダンロップ・タイヤでちょっと問題が
あったのですが、今年はブリヂストン・タイヤで今のところまったく問題ありませ
ん。またチームのパワークラフトも、小さいけれどいいチームだと思いますので、
自分としては今の課題はどうクルマを造り上げるかだと考えています。今シーズン
の目標は、いい成績を残すことと、自分のドライビング技術を上達させることです
が、そのなかで1回か2回勝てればうれしいですね」


☆予選日のトピックス
*910 ナインテンポルシェ(予選1回目GT300クラストップ)
砂子智彦「ボクに代わってから『あ、これなら行けるかな』とアタックしました。
本当のラストで逆転できたんですが、ポルシェとダンロップのウエットタイヤの
マッチングが合ってるみたいです。ただ、明日の天気はわからないんで、もし回復
してしまうようだったら勝ち目はないんで、是が非でもポールを取りたい。ドライ
だとポルシェに勝ち目はないと思います」

*6  ワイズダンロップBP MR-2(予選1回目GT300クラス2番手)
藤田孝博「ダンロップ勢はヘビーレインは良いみたいですね。最後に同じダンロッ
プの910に逆転されてしまいました。明日、昨日の午後のような晴天に回復したら、
水温がすぐに上がっちゃってパワーが全然なくなってしまうんで辛いと思います。
まだ完走がないんで、大事なレースがしたいです」

*26 タイサン スタカードRSR(予選1回目GT300クラス7番手)
鈴木恵一「あの雨じゃ(ムリにアタックに)行ってもしょうがないでしょう。ま
あ、いいんじゃないの、この辺の位置でも」

*19 RS☆Rシルビア(予選1回目GT300クラス9番手)
福山英朗「ダンロップにポルシェの組み合わせでしょう、トップは。シルビアは雨
は苦手なクルマなんで、午後はセッティングを変えてみます」

#18 avex童夢無限NSX(予選1回目総合16番手)
 昨日の走行でエンジンが不調だったため、今日の朝3時までかかって別のものに
積み替えた。ところが予選開始早々からまたしてもエンジンがバラバラいいだし、
結局まともにタイムを出すことができなかった。黒澤は「せっかくグランドスラム
(JTCC、エフポンと連勝中)がかかってたのになあ。直れば、雨だし、2位を2秒
くらいチギってやるのに」と、いかにもトラブルが残念そう。無限のエンジニアが
予選2回目にむけて修復中だが、どうやら原因はつかめたようで「午後は大丈夫で
す」とのこと。

*17 東京科芸専:REロードスター
 昨日の3回目の走行で左リアの足回りを破損。パーツ自体の耐久性に問題がある
ということで、このレースの出走を諦めざるをえない状況となった。

#2 ZEXELスカイライン(予選総合2位)
エリック・コマス 「今日は最初にクルマのセットアップを調整するために出ていっ
たのだけれど、そのときたまたま出したタイムが予選タイムです。その時点でトッ
プ2に入っていたのは知っていましたので、もう一度ピットに入って、セットアッ
プを変えて出ていったら、急に雨が強くなってしまい、残念ながらタイムの更新は
できませんでした。97年モデルのスカイラインは、クルマとしてはそんなに大きな
変更はありません。空力の変更と細かいメカニカルな変更ていどです。ですから明
日ドライになれば、なにが具体的によくなったかがハッキリわかると思います」

#100 REYBRIG NSX(予選総合3位)
高橋国光「前戦のクラッシュの影響はもうありません。ただ、雨はほとんど走って
ないんです。でも、非常に良い感触で走れました。予選だし雨なので集中して走っ
たら、すっと出たタイムです。え、NSXは雨のがいいかって? ボクはドライで力
いっぱいで走りたいですね。そういう走りをお客さんにもいい気分で見てもらいた
いです」

#12 カルソニックスカイライン
ファンベルト・プーリーの破損で、予選1回目の最後の20分間まで走り出すことが
できなかった。その後ようやく本山哲が乗り込み走り出したが、シケインでコース
アウト。昨日の走行で壊したフロントバンパーとアンダーカウルをまた破損してし
まった。本山によれば「昨日はブレーキトラブルでしたが、今日はボクのミスです」
とのこと。バンパーはKURE R33用に用意されていたものを使うようだが、補器類の
修理に時間がかかるため、2回目の予選には出場できないもようだ。

#3 長谷見昌弘(ユニシアジェックススカイライン、予選総合16番手)
「昨日、エンジンが壊れてしまって、今日はエンジンもミッションも新品だった。
デフもバラしている。だから、予選の最初の2-3周は古いタイヤで出ていって様子を
みていたんだ。それから新品タイヤに替えていったんだけど、もうそのときには雨
がひどくなってタイムアップできなかった。午後はさらにコンディションが悪化し
てしまった。でも、クルマ自体の調子はいい。午後の、あのコンディションのなか
で2分2秒台まで出ているからね。決勝はぜひ晴れてくれることを望む。これだけ後
ろのポジションじゃ、雨だとまるで前が見えないでしょ」

#18 黒澤琢弥(avex童夢無限NSX、予選総合6番手)
「アタックをかけた周に他車にずーっと前をふさがれっぱなしで、あれで1秒はロ
スした。一度下がって間合いを計ろうとしたんだけど、後ろからも来ていたので前
を抜くしかなかった。最後はS字でスピンしてしまった。オイル漏れがあったのか
もしれない。サイドブレーキを引いたみたいに、いきなりクルンといってしまった
からね。でも、明日は雨なら楽勝でしょう。午後は、他はみんな2分2秒とか3秒
でしょ? 問題は開催されるかどうかだね(笑)」

*81木下隆之(ダイシンシルビア、GT300クラス予選4番手)
「ダンロップにタイヤが代わった。『GT300クラスにBSユーザー一人だけは大変で
しょう』というのが理由です。午前と午後ではセッティングをずいぶん変えた。走
りを変えたのと、雨がすごい降ってタイヤの部分のラインの水がはけて、水たまり
が減ったことで、なんとかタイムアタックできた。(決勝は、雨でも晴れでも)
どっちでもいいけど、テストのときはドライでは一番時計だったし、雨でのコンス
タントラップを出すのはハイドロが辛いから、晴れたほうがいいかな。雨でも単独
走行は良いんだけど、ラインは外せないから」

*7 山路慎一(RE雨宮SuperG RX7、GT300クラス予選5番手)
「午前中は昨日ガンガン使ったタイヤでそのまま行っちゃったんで、シャレになら
ないぐらいきつかった。午後は、タイヤを他の人と同じものにしてもらったから、
タイムが上がったんです(笑)。今回パワステをつけてもらって、ようやく慣れて
きました。明日は、台風の後で極端に気温が上がりそうですね。昨日も雨上がりで
気温が上がってパーコレションなどが出たんですが、対策はバッチリです。どこが
悪いっていうことはないんですが、いい材料も少ないんです。ただ、出たトラブル
にはきちっと対処しています」


☆ポールポジション・インタビュー
#37 カストロール・トムス・スープラ(総合予選1位)
鈴木利男 「タイムを出したのは、1回目の予選を走り始めて4周目か5周目だっ
たんじゃないかな。そのときはまだ小降りでしたから。ホントは今回関谷さんが予
選スタート役の順番なんですが、昨日の午後急に『お前行け』って言われて…。で、
ドライだったらボクだけど、雨が降ってたんで関谷さん行くんだろなって思ってた
ら、結局行かされて…」
関谷正徳 「行かされてって、1人で行っちゃったんじゃない(笑)」
利男 「クルマの調子はいいんで、いいなりに走ったらタイムが出た感じですね。
走り始めてすぐ、前のクルマとの間を開けたりしたら、たまたまクリアに走れて。
タイミングがよかっただけです。その後雨が強くなったので、まぁラッキーかなと」
関谷 「今日は4~5周しかしませんでした。雨の中のスープラの操縦性は、まぁ
まぁってとこでしょうか。攻めて行けば滑りますしね…。でもポール取れてますか
ら、そんなに悪くはないでしょう」
利男 「でもレースはドライのほうがいいですよ。クルマはどっちでも調子いいで
すけどね。ま、どっちでもポカしなければ、いけるでしょう」
関谷 「レースは利男が雨で、俺が晴れてるのがいいな(笑)。利男が雨で行って、
俺がドライタイヤにちょうど換えて出るって感じがいいね」


*21 ダンロップ-BP-BMW(GT300クラス予選1位)
山本健司 「去年から一ツ山レーシングのクルマに乗っていまして、今シーズンは
第2戦から乗っています。以前はフォーミュラ・ミラージュに乗っていました。GT
でポールポジションは初めてですが、やはり気持ちいいものですね。今回のタイム
は、もうダンロップさんのタイヤのおかげにかぎると思います。午前中はちょっと
ミゾの少なめのレインタイヤでいったんです。で、午後はミゾの多いタイヤでいっ
たんですが、これがもう午前中よりグリップする感じで、フィーリングがよかった
んです」
一ツ山幹雄 「ボクと兄貴(一ツ山康選手)でサーキットごとに、得意なコース、
不得意なコースで分けて乗っているんですよ。僕はGTでは、ハイランドと美祢で乗
ることになっています。今シーズン用のマシンは、エンジンはJTCC用のものを使っ
て、ボディの軽量化と空力関係のために、だいぶ手を加えています。ドアはアルミ、
ボンネットはカーボンです。で、今1トン、ギリギリくらいじゃないですかね。そ
れ以上軽くする必要はありませんから…。実は昨日まではウェットのテストでは、
リアに250というサイズのタイヤを履いていたんですよ。それを今回ダンロップさ
んの考えで、260っていうちょっとワイドで径の大きなタイヤにしたんです。午後
の予選で初めてつけたんですが、それでクルマの動きがかなりよくなって、タイム
につながったんだと思います。また今回、オーバーフェンダー関係と空力パーツを
全部変えてきています。それも効果はあるようです。決勝レースは、ウェットかド
ライかでも違いますが、GT300クラスがどのていどのペースで周回するかによるで
しょうね。ウェットなら、ミスなく走ればかなり行けると思います。でも運転する
ほうからすれば、ドライのほうがいいですけどね」
山本 「ボクもそうです。ただドライではあまりテストできていないので…。まぁ
どちらでもいいです」


*インサイドレポート2に続く
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                         古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.3/4


                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 3 Hi-land GT Championship                            29 June '97
   Race Report                    決勝レース                   FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第3戦仙台ハイランド

最終ラップの大逆転!!
カストロール・トムス・スープラが勝利をもぎ取る
無念。亜久里はタイヤ選択に泣く。


 心配された台風も早朝には去り、朝早くは小雨が残ったものの、全日本GT選手権
第3戦「ハイランドGT選手権レース」の決勝は、好天の下で開催された。

 雨の予選でポールを獲ったNo.37カストロール・トムス・スープラの鈴木利男は、
ローリングスタートからダッシュを決め、このレースから新型スカイラインGT-Rと
なったNo.2 ZEXELスカイライン、エリック・コマスを抑えて1コーナーにトップで
進入した。また、予選3位のNo.100 RAYBRIG NSX、高橋国光もポジションをキープ
し、前のスープラ、GT-Rにきっちりと着いていく。この3台が序盤一列になって競っ
ていく。少し離れてNo.38カストロール・セルモ、No.36カストロール・トムスの2
台のスープラが後を追いかけている。特にNo.2 ZEXELとNo.37カストロールはテール
トゥノーズでトップを争う。だが、9周目にシケインでNo.37スープラがラインを
外した隙をNo.2スカイラインに突かれてしまう。さらには、No.100NSXもそこに乗じ
て、パッシング。No.37は一気に3番手に落ちてしまう。トップに立ったNo.2コマス
は、逃げ切り体制をつくる。一方、2番手になったNo.100NSXはギアトラブルでペー
スダウン、徐々に後方へと下がっていく。これで、攻守を入れ替えて再びNo.2コマ
スとNo.37利男がトップ争いを展開。互いに49秒中盤から50秒前半、ベストは共に45
秒台という予選並のハイペースで周回していく。その後ろを走るNo.38、No.36のカ
ストロール・スープラも互いに接近戦でやはり49秒台を出し、後半への勝負権を放
さない。
 まず動いたのはNo.2 ZEXELスカイラインだった。31周目に上位陣の先頭を切って
規定のピットインを行う。ドライバーは鈴木亜久里にチェンジ。42秒ほどの素早い
ピットワークを行う。35周目にNo.36、その次の周にNo.38、その次にNo.37とカス
トロール・スープラ勢が順次ピットインを行う。
 主な上位陣がピットインを終了した40周過ぎの時点でNo.2 ZEXELスカイライン、
亜久里が再びトップに戻る。2番手にはNo.36カストロール・トムス・スープラのミ
ハエル・クルムとなる。その差は、ピットタイムの早さなどが積み重なって約15秒
に増えていた。そして、No.2の亜久里は1分50秒前半をコンスタントに記録して逃
げる。追うNo.36クルムは49秒台、時には48秒台でじわじわと追い上げる。クルムの
亜久里は追い上げを知るとペースアップを図るが思うように上がらない。実はハー
ド気味のタイヤを選択したのが裏目に出たのだった。ラスト5周でNo.36クルムは、
No.2亜久里のテールにぴたりと着けて、ここから巧みなブロックで守る亜久里と、
アウトにインにと果敢に攻めるクルムとの、手に汗握るサイドバイサイドが展開さ
れる。そして、最終ラップ直前の最終コーナーで亜久里がやや外に膨らんだところ
をインに並び掛けるそして、1コーナーに飛び込む。ここでついにクルムがトップ
に立った。そして、ラスト一周を逃げ切って、カストロール・トムスに今季初の優
勝をもたらした。3位にはNo.37のカストロール・トムス・スープラが、4位には
No.38カストロール・セルモ・スープラ、5位は前戦優勝のNo.39デンソーサード
スープラGTが、以降8位までをスープラが占めた。


完全独走体制!つちやMR2がGT300初制覇

 予選トップのNo.21ダンロップーBPーBMWは、スタート前からタイヤに問題を抱えて
おり、スタート後徐々に遅れ出す。これに代わってトップに立ったのは、予選では
クラス5番手にとどまったNo.25つちやMR2の土屋武士。1台だけクラスが違うかの
ような速さで後続をどんどん引き離していった。ピットインも、できるだけマージ
ンを稼ぐためにギリギリまでガマンをし、タイヤ交換もせずにピット作業によるタ
イムロスを最小にとどめる。長嶋正興にバトンタッチしてからもリードを守りきり、
初優勝を遂げた。これに続いて2位に入ったのはNo.19 RS☆Rシルビア。序盤に、他
車を抜くときムリをしすぎてスピンを喫し大きく遅れてしまうが、その後挽回して
順位を上げたもの。これでシリーズランキングトップの座を守った。3位にはしぶ
とく走りきったNo.26タイサンスターカードRSRが入っている。4位は予選2番手の
座を守りきれなかったNo.910ナインテンポルシェ、5位には序盤健闘したNo.81ダイ
シンシルビアが入っている。



総合優勝

No.36 カストロール・トムス・スープラ
ペドロ・デ・ラ・ロサ
「とにかくレースをフィニッシュすることが目標で、とくにアタックするような
つもりはなかったんです。序盤は前に竹内選手がいて、なかなか抜けなかったん
ですけど、チャンスは狙っていましたよ」
ミハエル・クルム
「ペドロがピットインの直前にかなり速いタイムで走ってくれたのが今回のレー
スのキーになっていると思います。自分も出ていった直後からかなり速く走れま
したからね。終盤のバトルは、亜久里さんが簡単に抜けるような相手ではないの
で大変でした。でもレース中にスプーンコーナーの走り方も教えてもらえたし(笑)。
自分のほうがペースが少し速かったので、抜くチャンスは狙っていましたから、
最後に抜けてよかったです」


GT300クラス優勝

No.25 つちやMR2
土屋武士
「ターボは日曜日になってなんとか調整がついてくれて、結果オーライというと
ころですね。このペースだったら長島くんに貯金を残してあげられる状態でした。
今までが全然ダメで、ターボがついてるとスピードが全然違う。クルマは全然問
題ない。とりあえずタイヤはいいグリップで中段から抜けられた。ちょっと別の
問題があって(笑)。スポンサーがね…。ミッションがひとつしかなくて、壊れ
た時点でリタイヤになってしまうので壊せない。今回、タイヤ交換はなしで走り
きりました」
長島正興「土屋君がマージンを作ってくれたので、後ろを見ながらゴールを目指
して走りました」



以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                         古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.3/4


                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 3 Hi-land GT Championship                            29 June '97
   Race Report                    決勝レース                   FMOTOR4版
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'97GTC第3戦仙台ハイランド

最終ラップの大逆転!!
カストロール・トムス・スープラが勝利をもぎ取る
無念。亜久里はタイヤ選択に泣く。


 心配された台風も早朝には去り、朝早くは小雨が残ったものの、全日本GT選手権
第3戦「ハイランドGT選手権レース」の決勝は、好天の下で開催された。

 雨の予選でポールを獲ったNo.37カストロール・トムス・スープラの鈴木利男は、
ローリングスタートからダッシュを決め、このレースから新型スカイラインGT-Rと
なったNo.2 ZEXELスカイライン、エリック・コマスを抑えて1コーナーにトップで
進入した。また、予選3位のNo.100 RAYBRIG NSX、高橋国光もポジションをキープ
し、前のスープラ、GT-Rにきっちりと着いていく。この3台が序盤一列になって競っ
ていく。少し離れてNo.38カストロール・セルモ、No.36カストロール・トムスの2
台のスープラが後を追いかけている。特にNo.2 ZEXELとNo.37カストロールはテール
トゥノーズでトップを争う。だが、9周目にシケインでNo.37スープラがラインを
外した隙をNo.2スカイラインに突かれてしまう。さらには、No.100NSXもそこに乗じ
て、パッシング。No.37は一気に3番手に落ちてしまう。トップに立ったNo.2コマス
は、逃げ切り体制をつくる。一方、2番手になったNo.100NSXはギアトラブルでペー
スダウン、徐々に後方へと下がっていく。これで、攻守を入れ替えて再びNo.2コマ
スとNo.37利男がトップ争いを展開。互いに49秒中盤から50秒前半、ベストは共に45
秒台という予選並のハイペースで周回していく。その後ろを走るNo.38、No.36のカ
ストロール・スープラも互いに接近戦でやはり49秒台を出し、後半への勝負権を放
さない。
 まず動いたのはNo.2 ZEXELスカイラインだった。31周目に上位陣の先頭を切って
規定のピットインを行う。ドライバーは鈴木亜久里にチェンジ。42秒ほどの素早い
ピットワークを行う。35周目にNo.36、その次の周にNo.38、その次にNo.37とカス
トロール・スープラ勢が順次ピットインを行う。
 主な上位陣がピットインを終了した40周過ぎの時点でNo.2 ZEXELスカイライン、
亜久里が再びトップに戻る。2番手にはNo.36カストロール・トムス・スープラのミ
ハエル・クルムとなる。その差は、ピットタイムの早さなどが積み重なって約15秒
に増えていた。そして、No.2の亜久里は1分50秒前半をコンスタントに記録して逃
げる。追うNo.36クルムは49秒台、時には48秒台でじわじわと追い上げる。クルムの
亜久里は追い上げを知るとペースアップを図るが思うように上がらない。実はハー
ド気味のタイヤを選択したのが裏目に出たのだった。ラスト5周でNo.36クルムは、
No.2亜久里のテールにぴたりと着けて、ここから巧みなブロックで守る亜久里と、
アウトにインにと果敢に攻めるクルムとの、手に汗握るサイドバイサイドが展開さ
れる。そして、最終ラップ直前の最終コーナーで亜久里がやや外に膨らんだところ
をインに並び掛けるそして、1コーナーに飛び込む。ここでついにクルムがトップ
に立った。そして、ラスト一周を逃げ切って、カストロール・トムスに今季初の優
勝をもたらした。3位にはNo.37のカストロール・トムス・スープラが、4位には
No.38カストロール・セルモ・スープラ、5位は前戦優勝のNo.39デンソーサード
スープラGTが、以降8位までをスープラが占めた。


完全独走体制!つちやMR2がGT300初制覇

 スタート後徐々に遅れ出す。これに代わってトップに立ったのは、予選ではクラ
ス5番手にとどまったNo.25つちやMR2の土屋武士。1台だけクラスが違うかのよう
な速さで後続をどんどん引き離していった。ピットインも、できるだけマージンを
稼ぐためにギリギリまでガマンをし、タイヤ交換もせずにピット作業によるタイム
ロスを最小にとどめる。長嶋正興にバトンタッチしてからもリードを守りきり、初
優勝を遂げた。これに続いて2位に入ったのはNo.19 RS☆Rシルビア。序盤に、他車
を抜くときムリをしすぎてスピンを喫し大きく遅れてしまうが、その後挽回して順
位を上げたもの。これでシリーズランキングトップの座を守った。3位にはしぶと
く走りきったNo.26タイサンスターカードRSRが入っている。4位は予選2番手の座
を守りきれなかったNo.910ナインテンポルシェ、5位には序盤健闘したNo.81ダイ
シンシルビアが入っている。



総合優勝

No.36 カストロール・トムス・スープラ
ペドロ・デ・ラ・ロサ
「とにかくレースをフィニッシュすることが目標で、とくにアタックするような
つもりはなかったんです。序盤は前に竹内選手がいて、なかなか抜けなかったん
ですけど、チャンスは狙っていましたよ」
ミハエル・クルム
「ペドロがピットインの直前にかなり速いタイムで走ってくれたのが今回のレー
スのキーになっていると思います。自分も出ていった直後からかなり速く走れま
したからね。終盤のバトルは、亜久里さんが簡単に抜けるような相手ではないの
で大変でした。でもレース中にスプーンコーナーの走り方も教えてもらえたし(笑)。
自分のほうがペースが少し速かったので、抜くチャンスは狙っていましたから
、最後に抜けてよかったです」


GT300クラス優勝

No.25 つちやMR2
土屋武士
「ターボは日曜日になってなんとか調整がついてくれて、結果オーライというと
ころですね。このペースだったら長島くんに貯金を残してあげられる状態でした。
今までが全然ダメで、ターボがついてるとスピードが全然違う。クルマは全然問
題ない。とりあえずタイヤはいいグリップで中段から抜けられた。ちょっと別の
問題があって(笑)。スポンサーがね…。ミッションがひとつしかなくて、壊れ
た時点でリタイヤになってしまうので壊せない。今回、タイヤ交換はなしで走り
きりました」
長島正興「土屋君がマージンを作ってくれたので、後ろを見ながらゴールを目指
して走りました」



以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                         古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.3/3


                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 3 Hi-land GT Championship                            28 June '97
   Qualify Report                予選日レポート               FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第3戦仙台ハイランド

雨のハイランドを鈴木利男が制する
Castrol TOM'S SUPRAが3戦連続ポール!
鉄人・高橋国光(RAYBRIG NSX)が予選3位に!!

 6月28日、全日本GT選手権第3戦ハイランドGT選手権大会が、宮城県・仙台ハイ
ランドレースウェイで行われた。このレースではスカイライン勢待望の97年型スカ
イラインGT-Rがデビューした。
 台風8号の接近のためか、活発化した梅雨前線により仙台ハイランドは朝から1
日雨だった。コースも終始かなり条件の良くないウエット状態だった。
 午前10時30分から行われた予選1回目。開始10分にNo.2 ZEXELスカイラインのエ
リック・コマスが1分58秒553を記録。ZEXELスカイラインは金曜日のドライ状態で
の走行でも、1分46秒293と昨年マクラーレンF1GTRが出したコースレコード(1分
45秒745)から0.528秒まで迫るタイムを記録している。
 多少、雨足が弱まり、マシンが走ったことでやや路面の状況が改善した後半に、
何台かが58秒台に入り始める。そして18分過ぎにNo.37カストロール・トムス・スー
プラの鈴木利男が1分58秒379を出して逆転する。また、No.100 RAYBRIG NSXも超
ベテラン高橋国光が雨の中を果敢にアタックし、1分58秒553を記録し、スープラ、
スカイラインに次いで3番手に飛び込んだ。
 このようにタイムが上がり出すと、スピンするマシンが続出。No.12カルソニッ
クスカイラインの本山哲がシケインでコースアウト。フロントバンパーを大きく破
損。カルソニックは前半はトラブルで走れず、金曜の走行でも同じ個所を壊してお
り、結局予備パーツの関係で午後の走行を見送ることになり、屈辱のポジションに
甘んじることになった。このようにコースコンディションが悪化したため、コース
清掃のため20分ほどの中断があった。それ以後は大きくタイムを上げるマシンはな
かった。
 午後に入っても雨足が衰えるとはなく、路面状況は午前よりやや悪いと思えた。
そんな中で、金曜のエンジントラブルで午前の予選も満足に走れなかったNo.18 
avex童夢無限NSXが果敢にアタックする。無限スタッフがトラブルを解決し本調子
が戻ったNSXは、黒澤琢弥のドライブで唯一2分を切る1分59秒038を叩き出す。だ
が、この直後にS字でスピン。これ以上のタイムアップはならなかったが、黒澤は
「決勝が雨なら楽勝」との言葉を残した。結局、GT500ではNo.18以外に大きくタイ
ムアップしたマシンはなく、午前の結果どおりにNo.37カストロール・トムス・スー
プラの関谷正徳/鈴木利男組が開幕戦鈴鹿に続いて2回目のポールポジションを獲
得した。

雨に苦戦のターボ勢
逆転でNo.21ダンロップ-BP-BMWが初のPP!!
 GT300クラスでは、このレインコンディションでダンロップ・タイヤのユーザー
が好調だった。午前の予選1回目にはNo.6ワイズダンロップBP MR-2が2分10秒台
を出して、クラストップに立つが、終了直前にNo.910ナインテンポルシェが2分9
秒055と10秒を切って暫定トップになった。
 午後も引き続きレイン・コンディションなためにタイムアップはならないかと思
われたが、ここでダンロップのヘビーレイン・タイヤが好タイムに結びつく。午前
に続きNo.910ナインテンポルシェがさらにタイムアップし2分7秒413でクラス・
ポール確実かと思った終了間際に、No.21 ダンロップ-BP-BMWの山本健司が2分6秒
772と逆転のタイムを叩き出し、GTC初ポールを獲得した。


ポールポジション・インタビュー

鈴木利男 1分58秒379 No.37カストロール・トムス・スープラ
「タイムを出したのは、1回目の予選を走り始めて4周めか5周め。その時はまだ
小降りでしたから。クルマの調子はいいんで、いいなりに走ったらタイムが出た感
じですね。走り始めてすぐ、たまたまクリアに走れて。タイミングが良かっただけ
です。その後雨が強くなったので、まぁラッキーかなと。レースはドライの方がい
いですよ。クルマはどっちでも調子いいですけどね。ま、どっちでもポカしなけれ
ば、いけるでしょう」

GT300ポールポジション
山本健司 2分07秒772 No.21ダンロップ-BP-BMW
「GTでポールは初めてですが、やはり気持ちいいものですね。今回のタイムは、も
うダンロップさんのタイヤのお陰に限ると思います。午前中は溝の少なめのレイン
タイヤで、午後は溝の多いタイヤでいったんですが、これが午前中よりグリップす
る感じで、全然フィーリングが良かったんです。決勝は、ウェットかドライかでも
違いますが、GT300がどの程度のペースで周回するかによるでしょうね。ウェットな
らミスしないこと。でも運転する方からすれば、ドライの方がいいですけど。ただ
ドライではあまりテストできていないので。どちらでもいいです」


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                         古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.3/2


                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 3 Hi-land GT Championship                            27 June '97
   Practice Report                練習走行レポート             FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第3戦仙台ハイランド
新型スカイラインGT-R好発進?! やはりスープラとの一騎打ちか

 6月27日、宮城県・仙台ハイランドレースウェイで全日本GT選手権第3戦ハイラン
ドGT選手権レース大会の公開練習走行が行われた。
 この日は朝から雨模様。午前8時40分から1時間行われた1回目の走行では、雨は
小降りになってきたが路面は完全なウエット状態。何台かのマシンがコースアウト
するコンディションの中、No.100 RAYBRIG NSXの飯田章が1人飛び抜けた1分57秒
893を記録。2番手にNo.36カストロール・トムス・スープラが1分59秒135で続く。
3番手には97年型の新型になったNo.2 ZEXELスカイラインが1分59秒175の僅差で
続き、その実力の高さを示した。
 11時10分から1時間行われた2回目の走行でも前半は小雨が降り続いていたが、
雨足は徐々に弱まり、コースアウト車両の撤去のために15分ほどの中断の間に雨は
完全に上がり日差しも差し出す。再開されたラスト10分の走行中にも路面はどんど
ん乾き、終了間際にNo.34 STPタイサンポルシェGT2が1分52秒203のベストラップ
を記録。これにNo.37カストロール・トムス・スープラとNo.38カストロール・セル
モ・スープラが続き、この後にはNo.2 ZEXELスカイラインが付けていた。
 午後は雨雲も去り、強い日差しもあって一転ドライコンディションとなる。13時
20分から1時間の走行では、No.2 ZEXELスカイライン、そしてNo.556 KURE R33の
新型スカイライン2台が好調な走りを見せた。ZEXELは、昨年マクラーレンF1GTRが
記録したレコードタイムに0.528秒差に迫る1分46秒293という好タイムを記録。
KUREも46秒743で2番手とスカイラインの1-2となる。これにNo.36、No37の2台のカ
ストロール・スープラが付け、その後ろにはNo.12カルソニックスカイラインが入
り、新型スカイラインはスープラと互角に戦う実力を見せた。GT300クラスでは、
ポイントリーダーのNo.19 RS☆Rシルビアがトップ。これにNo.71シグマテックポル
シェ、No.81ダイシンシルビア、No.26タイサンスターカードRSRとポルシェとシル
ビアが競う形になった。この後にはこのレースからターボを装着したNo.25つちや
MR2が付けた。
 本日最後の走行は15時50分から1時間行われた。この走行ではスープラ勢が奮
闘。No.37カストロール・トムス・スープラが今日最高になる1分46秒233を記録。
新型スカイラインからトップの座を奪い返した。これにNo.5 5ZIGEN SUPRAがこの
セッション2番手になる1分46秒948、次にNo.36、そして後には昨年この仙台で優
勝を飾っているNo.38カストロール・トムス・スープラが入った。
 GT300クラスでは、この最後のセッションでディフェンディングチャンピオンで
あるNo.26が唯一53秒を切る1分52秒567を記録。また、このレースからターボ・エ
ンジンとなったNo25つちやMR2が本日のクラス3番手となる1分53秒388を出し、シ
ルビアとポルシェの争いに食い込みそうな予感を感じさせた。


練習走行タイム                 走行:39台 天気:晴/曇り コース:ドライ
[GT500] 
Po  No  マシン                           ドライバー             Time
---------------------------------------------------------------------------
 1  37   カストロール・トムス・スープラ   関谷正徳/鈴木利男    1'46.233(3)
 2   2   ZEXELスカイライン                鈴木亜久里/E.コマス  1'46.293(2)
 3  556   KURE R33                        影山正彦/近藤真彦    1'46.743(2)
 4  36   カストロール・トムス・スープラ   M.クルム/ P.デ・ラ・ロサ  1'46.803(2)
 5   5   5ZIGEN SUPRA                     田嶋栄一/M.グーセン  1'46.948(3)
 6  38   カストロール・セルモ・スープラ   竹内浩典/金石勝智    1'47.208(3)

[GT300]
    26   タイサンスターカードRSR          鈴木恵一/新田守男    1'52.567(3)
    19   RS☆Rシルビア                    織戸 学/福山英朗    1'53.001(2)
    25   つちやMR2                        土屋武士/長島正興    1'53.388(3)

*タイムは非公式のもの。カッコ内はタイムを出したセッション


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

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'97GTC第3戦仙台ハイランド
新型スカイラインGT-R好発進?! やはりスープラとの一騎打ちか

 6月27日、宮城県・仙台ハイランドレースウェイで全日本GT選手権第3戦ハイラン
ドGT選手権レース大会の公開練習走行が行われた。
 この日は朝から雨模様。午前8時40分から1時間行われた1回目の走行では、雨は
小降りになってきたが路面は完全なウエット状態。何台かのマシンがコースアウト
するコンディションの中、No.100 RAYBRIG NSXの飯田章が1人飛び抜けた1分57秒
893を記録。2番手にNo.36カストロール・トムス・スープラが1分59秒135で続く。
3番手には97年型の新型になったNo.2 ZEXELスカイラインが1分59秒175の僅差で
続き、その実力の高さを示した。
 11時10分から1時間行われた2回目の走行でも前半は小雨が降り続いていたが、
雨足は徐々に弱まり、コースアウト車両の撤去のために15分ほどの中断の間に雨は
完全に上がり日差しも差し出す。再開されたラスト10分の走行中にも路面はどんど
ん乾き、終了間際にNo.34 STPタイサンポルシェGT2が1分52秒203のベストラップ
を記録。これにNo.37カストロール・トムス・スープラとNo.38カストロール・セル
モ・スープラが続き、この後にはNo.2 ZEXELスカイラインが付けていた。
 午後は雨雲も去り、強い日差しもあって一転ドライコンディションとなる。13時
20分から1時間の走行では、No.2 ZEXELスカイライン、そしてNo.556 KURE R33の
新型スカイライン2台が好調な走りを見せた。ZEXELは、昨年マクラーレンF1GTRが
記録したレコードタイムに0.528秒差に迫る1分46秒293という好タイムを記録。
KUREも46秒743で2番手とスカイラインの1-2となる。これにNo.36、No37の2台のカ
ストロール・スープラが付け、その後ろにはNo.12カルソニックスカイラインが入
り、新型スカイラインはスープラと互角に戦う実力を見せた。GT300クラスでは、
ポイントリーダーのNo.19 RS☆Rシルビアがトップ。これにNo.71シグマテックポル
シェ、No.81ダイシンシルビア、No.26タイサンスターカードRSRとポルシェとシル
ビアが競う形になった。この後にはこのレースからターボを装着したNo.25つちや
MR2が付けた。
 本日最後の走行は15時50分から1時間行われた。この走行ではスープラ勢が奮
闘。No.37カストロール・トムス・スープラが今日最高になる1分46秒233を記録。
新型スカイラインからトップの座を奪い返した。これにNo.5 5ZIGEN SUPRAがこの
セッション2番手になる1分46秒948、次にNo.36、そして後には昨年この仙台で優
勝を飾っているNo.38カストロール・トムス・スープラが入った。
 GT300クラスでは、この最後のセッションでディフェンディングチャンピオンで
あるNo.26が唯一53秒を切る1分52秒567を記録。また、このレースからターボ・エ
ンジンとなったNo25つちやMR2が本日のクラス3番手となる1分53秒388を出し、シ
ルビアとポルシェの争いに食い込みそうな予感を感じさせた。


練習走行上位タイム      走行:36台 天気:雨/晴れ コース:ウエット→ドライ
[GT500] 
Po  No  マシン                           ドライバー             Time
---------------------------------------------------------------------------
 1  37   カストロール・トムス・スープラ   関谷正徳/鈴木利男    1'46.233(3)
 2   2   ZEXELスカイライン                鈴木亜久里/E.コマス  1'46.293(2)
 3  556   KURE R33                        影山正彦/近藤真彦    1'46.743(2)
 4  36   カストロール・トムス・スープラ   M.クルム/ P.デ・ラ・ロサ  1'46.803(2)
 5   5   5ZIGEN SUPRA                     田嶋栄一/M.グーセン  1'46.948(3)
 6  38   カストロール・セルモ・スープラ   竹内浩典/金石勝智    1'47.208(3)

[GT300]
    26   タイサンスターカードRSR          鈴木恵一/新田守男    1'52.567(3)
    19   RS☆Rシルビア                    織戸 学/福山英朗    1'53.001(2)
    25   つちやMR2                        土屋武士/長島正興    1'53.388(3)

*タイムは非公式のもの。カッコ内はタイムを出したセッション


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.3/1

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                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 3 Hi-land GT Championship                            20 June '97
   Preview Report                 プレビューレポート            FMOTOR4版
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'97GTC第3戦 ハイランドGT選手権レース
GTインサイドレポート・プレビュー


待望!!97年型スカイラインGT-Rついにデビュー決定
混沌としてきたGTC中盤戦。三つ巴の戦い必死

 全6戦で争われる97全日本GT選手権にとって、第3戦仙台ハイランドは序盤を締め
括り、後半戦に弾みをつける重要なレースだ。また、GTレースの国際的祭典97ル・
マン24時間レースも終了し、ドライバーやチーム関係者たちもここから国内レース
に一気にのめり込むことになる。
 第1戦に勝利し、第2戦でも表彰台に上がったスカイラインGT-R。No.2ZEXELスカイ
ラインのE.コマスは、第1戦当初から96年型スカイラインの限界を示唆し、新型を待
望していた。そして、この仙台でいよいよ97年型のスカイラインGT-Rが登場するこ
とになった。NISMOの柿元監督は「シャシー剛性、重心高を見直し、エンジンについ
てもトルクの向上を図った。色々と創意工夫している」と言い、際だった変更より
も長所を伸ばす方針だったようだ。それだけにこれまで通りのスカイラインの丈夫
さと扱い勝手の良さはそのままに新型のハンデはなく戦えるだろう。
 一方、第1戦鈴鹿でポールポジション、第2戦富士で優勝と本来の速さを発揮しつ
つあるスープラ。こちらは開幕戦からの新型投入でこの第3戦仙台ではもう熟成の域
に達するだろう。サバイバルだった第2戦富士の表彰台を2台のスープラが埋めたこ
とは、その信頼性が上がりつつあることを表している。ドライバー陣でも、富士の
勝者であるNo.39デンソーサードスープラの影山正美は引き続き谷川達也と組んで連
勝を狙う。また、No.8POWERCRAFT SUPRAに元2輪世界チャンピオン、ワイン・ガード
ナーが昨年に続き乗ることとなった。そしてこのレースからスープラが1台増え、
No.510 RYOWA HOUSE SUPRAにB.ガショー&P.ベルモンドのフランス人コンビが移籍
する。このように、人車ともに充実を迎えるスープラ勢は念願のGTC制覇に向け着々
と布石を打っている。
 デビュー戦の第2戦富士は予選で好位置に付けながらも、決勝レースをアクシデン
トでわずか3周足らずで終えてしまったNSXの2台。第3戦仙台までに2回のテストを行
い、その雪辱を狙う。わずか数十周のテスト走行だけで富士に臨み、熟成不足は否
めなかった。だがマシンは順調に仕上がり、5月のテストでは一緒に走ったスカイラ
イン勢と同等のタイムで走ったという。仙台はテクニカルだけに、No.100RAYBRIG 
NSXの飯田章曰くのフォーミュラ的なNSXにとって得意なサーキットとなるはず。
No.18 avex童夢無限NSXのドライバー、黒澤琢弥はフォーミュラ・ニッポンで優勝す
るなど、このところ絶好調なだけに表彰台、いや優勝をも狙える存在であるだろう。
 このところ、国産車種ばかりが目立つ感があるが、ポルシェ勢に強力な助っ人が
現れた。開幕からウワサされたチーム・タイサンとドリキンこと土屋圭市のジョイ
ントが成立。第3戦仙台よりNo.34 STPタイサンポルシェGT2で参戦することになった。
コンビを組むのは松田秀士。ル・マンでは並み居る強豪を抑えて予選クラス8位に食
い込んだテクニックを峠サーキットの仙台ハイランドで存分に発揮してほしい。忘れ
てならないのが、ディアブロGTR。デビューとなった第2戦富士ではレース前の金曜日
に完成したばかりで、マイナートラブルの連続。それでも決勝で一時5位を走るな
ど、国際GT1クラスを想定したマシンの素性は侮れない。ひょっとしたひょっとする
最大のダークホースといえよう。


こちらはバトルロイヤル!!
MR2とRX7の巻き返しの予感?! シリーズの行方を占う第3の勝者

 GT500クラスよりさらに混沌としているのが、GT300クラスだ。シルビア、MR2、
RX7の国産3車種に、昨年の覇者ポルシェRSRを加えてどの車種がどのチームが勝って
も不思議はない状態となっている。
 開幕を制し、第2戦もトラブルを抱えながらも2位に入ったNo.19 RS☆Rシルビアの
本命と言いたいのだが、いかんせんGTCにはウエイトハンデ制がある。300馬力クラ
スのマシンにとって50kgは結構なもの。それゆえ苦戦は否めない。一方、第2戦を制
したディフェンディング・チャンプNo.26タイサンスターカードRSR。こちらもハン
デウエイトを積むことになるが、昨年も経験があり、ポルシェはハンデが増えても
操縦特性が大きく変わらないという強みがあるだけに、最も優勝に近い存在かもし
れない。
 この2チームの独走を許さないとするのが、MR2とRX7。昨シーズン登場時点から一
発の速さを見せながら成績の残らないNo.25つちやMR2だったが、開幕戦鈴鹿で3位表
彰台を得ているだけにここでがんばれば、ランキング上位進出も可能だ。ドライバー
の土屋武士は今季、F3で優勝するなど今一番活きが良いだけに、目の離せない存在
だろう。そして、要注意なのが、No.7 RE雨宮SuperG RX7だ。今季3ローターを搭載
したことで大きくパワーアップ。3ローターデビューの開幕戦こそマイナートラブル
でリタイアしたが、上位を争い、第2戦では3位に入った。RE雨宮にとって仙台は、
一昨年に優勝、昨年も3位入賞とゲンの良いサーキット。チームもここは狙いを付け
たレースと位置づけているようだ。
 もちろん、この4チームだけでなく、昨年の仙台の覇者No.72 WAKO'S BMW M3、そ
して、昨年最後までチャンピオンを争ったNo.910ナインテンポルシェ、No.51コブラ
ポルシェなども侮れない存在だ。第2戦富士でトラブルを抱えながら4位に入ったNo.
27 TEAM FCJフェラーリも気になるところだし、No.55 Castrol RX7はこのレースか
ら3ローターを搭載すると言うし、No17KAGEISEN RACING TEAMは念願のロータリー搭
載のユーノス・ロードスターを投入すると言うし、まだまだ注目チームは多い。
GT300を見てこそ、GTCを語りたいものだ。


                   Report by GTインサイドレポート班


◎予想エントリーリスト(6月19日現在)

[GT500] 19台
No. マシン                 ドライバー                    エントラント   タイヤ
----------------------------------------------------------------------------
2   ZEXELスカイライン      鈴木亜久里/E.コマス         NISMO            BS
3   ユニシアジェックススカイライン       長谷見昌弘/田中哲也         ハセミ・モータースポーツ    BS
4   ダンロップポルシェ        金海辰彦/駒 光武           SUZUKI BANKIN    DL
5   5ZIGEN SUPRA           田嶋栄一/M.グーセン         TEAM 5ZIGEN      DL
8   パワークラフトTRDスープラ       W.ガードナー/長坂尚樹       パワークラフト   BS
10  シャトレーゼ・ポルシェGT2       飯田 薫/R.ファーマンJr.    TEAM TMS         DL
12  カルソニックスカイライン           星野一義/本山 哲           HOSHINO RACING   BS
13  エンドレスアドバンGTR        木下みつひろ/菊地 靖       エンドレススポーツ      YH
18  avex童夢無限NSX        黒澤琢弥/山本勝巳           無限+童夢PROJECT BS
30  綜合警備 PORSCHE       山田洋二/茂木和男           TEAM TAKE ONE    BS
34  STPタイサンポルシェGT2 土屋圭市/松田秀士    TEAM TAISAN with ADVAN  BS
36  カストロール・トムス・スープラ       M.クルム/P.デ・ラ・ロサ  TOYOTA Castrol TEAM BS
37  カストロール・トムス・スープラ       関谷正徳/鈴木利男        TOYOTA Castrol TEAM BS
38  カストロール・セルモ・スープラ       竹内浩典/金石勝智        TOYOTA Castrol TEAM BS
39  デンソースープラGT     影山正美/谷川達也          TOYOTA TEAM SARD  BS
88  JLOC ディアブロGTR     和田孝夫/和田 久           JALOC CORSA      YH
100 RAYBRIG NSX            高橋国光/飯田 章      チーム国光with MOONCRAFT BS
510 RH CERUMO SUPRA        B.ガショー/P.ベルモンド      RYOWA HOUSE Pacific   BS
556 KURE R33               影山正彦/近藤真彦           NISMO            BS

[GT300] 19台
6   ワイズダンロップBP MR-2     加藤寛規/藤田孝博           KRAFT            DL
7   RE雨宮SuperG RX7       山路慎一/松本晴彦           RE雨宮レーシング     DL
16  YB BMW 318iクーペ      関根基司/井入宏之           Team Power Magic YH
17  東京科芸専:REロードスター   野上敏彦/輿水敏明      KAGEISEN RACING TEAM DL
19  RS☆Rシルビア          織戸 学/福山英朗      RS-Rレーシングwith BANDOH YH
20  アイ・オート GAB ポルシェ       高橋健二/須賀宏明           アイ・オートレーシングチーム  YH
21  ダンロップ-BP-BMW      一ツ山幹雄/山本健司       HITOTSUYAMA RACING DL
25  つちやMR2              土屋武士/長嶋正興           土屋エンジニアリング   YH
26  タイサンスターカードRSR         鈴木恵一/新田守男           TEAM TAISAN Jr.  YH
27  TEAM FCJ フェラーリ    太田哲也/S.アンドスカー TEAM FERRARI CULB of JAPAN YH
28  TEAM FCJ フェラーリ    山崎正弘/杉山正巳 TEAM FERRARI CULB of JAPAN YH
51  コブラポルシェ         戸田哲史/池谷勝則           コブラレーシングチーム    YH
55  Castrol RX7            深沢寿裕/長島正明      SPORTS FACTRY RACING  YH
70  外車の外国屋アドバンポルシェ 石橋義三/小宮延雄          チーム外国屋     YH
71  シグマテック911        星野 薫/城内政樹          シグマテックレーシングチーム  DL
72  WAKO'S BMW M3          牧口規雄/浅見 武           牧口エンジニアリング   YH
81  ダイシンシルビア       大八木信行/木下隆之         TEAM DAISHIN     BS
91  バーディークラブ・MR-2       松永雅博/三原じゅん子       ファーストレーシングチーム   YH
910 ナインテンポルシェ     袖山誠一/砂子晴彦           910 RACING       DL

*このエントリーリストはGTインサイドレポート班の取材により作成
  されたものです。公式発表ではありませんので、ご注意ください。
*他のホームページやメディアへの無断転載はご遠慮ください。
 マスメディアの方へは別途資料がございますので、古屋までメール
 でご連絡ください。


*上記のエントリーリストはGTインサイドレポート班の取材によるまとめです。
 参加チーム、ドライバーは変更されることがあります。

◎第3戦仙台ハイランド チケット購入のご案内

 各種前売り券、好評発売中!!
 下記のプレイガイドまたは販売店でお求めください

【チケット】
前売り券●大人:4,000円 ●ペア:8,500円
決勝当日券●大人:5,500円 ●中高生:2,500円 ●小人:700円
予選当日券●大人:2,000円 ●中高生:1,000円 ●小人:700円
駐車料金●決勝4輪:1,000円 ●決勝2輪:300円 ●予選:無料

【チケット発売所】
前売り券発売所:チケットぴあ/丸井チケットぴあ/チケットセゾン/
CNプレイガイド/ローソン/ファミリーマート/セブンイレブン(福島・宮城地区)/
サンクス/東北地区RTN加盟店
【お問い合わせ】
チケットインフォメーションダイアル(TEL:03-3409-2365/平日10:00-17:00)まで。


◎タイムスケジュール
 6月27日(金)練習走行日
  GT練習走行1回目         8:40~ 9:40
  GT練習走行2回目         11:10~12:10
  GT練習走行3回目         13:20~14:20
  GT練習走行4回目         15:50~16:50

 6月28日(土)予選日
 ☆GT予選1回目           10:30~11:30
  マーチ東北              11:50~12:05
  F-TOYOTA                12:25~12:45
  シビック東北            13:05~13:20
  ミラージュ東北          13:40~13:55
 ☆GT予選2回目           14:30~15:30

 6月29日(日)決勝日
 ☆GTフリー走行           8:20~ 8:50
  マーチ東北               9:15~ 9:50 (10Laps)
  F-TOYOTA          10:15~10:50 (15Laps)
  シビック東北            11:15~11:50 (12Laps)
 ☆ピットウォーク          12:00~12:40
  ミラージュ東北          13:05~13:40 (12Laps)
 ☆GTウォームアップ      13:50~14:05
 ☆GT決勝レース          14:20~16:30/予定 (63Laps)


◎テレビ放送
 7月5日(土)16:00~17:15
  テレビ東京系全国6局ネット
  テレビ東京/テレビ大阪/テレビ愛知/テレビ北海道/テレビせとうち/
  ティーエックスエヌ九州
 7月13日(日)24:40~25:15  東北放送(TBC)


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                         古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.2/6

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 2 FUJI GT RACE                                         4 May '97
   Race Topics                    決勝の話題                   FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
                               注:カーNo.前の#はGT500、*はGT300を表します

☆決勝日(4日)午前のトピック

#75 NISSAN 300ZX-GTS
 朝のフリー走行中、300Rでクラッシュ。
立川祐路「300Rで水たまりにのって、コントロール不能になってまっすぐ突っ込ん
でしまった。身体は大丈夫ですが、クルマはかなり壊れてしまったので、決勝は難
しいかもしれません。予選からまずまずよかっただけに残念です」(結局、決勝
レースは断念)

*28 TEAM FCJフェラーリ
 金曜日から、燃圧が低下してエンジンが息つきを起こすというトラブルに見舞わ
れ、予選でも充分なアタックができなかったが、朝のフリー走行ではウエットコン
ディションのなか51秒台を記録。クラス7番手に入った。
太田哲也「昨夜のうちに対策をして、朝はとりあえず11周走ってトラブルは出なか
った。決勝でも11周までは責任持ちます(笑)。体制的には正直言って厳しいもの
があるが、フェラーリ・ファンのためにもがんばります」

*7 山路慎一(RE雨宮SuperG RX7)
「決勝は早いうちに前に出たい。MR2は決勝では辛そうなんで、ポルシェやシルビ
アについていきたいですね。(ストレートの速さは)前面投影面積はたぶん一番小
さいんじゃないかな? エアロパーツは市販車用のデザインなんですよ。もっと、
レース仕様に振ったものをつければ速くなるかもしれませんが、それはRE雨宮の考
え方からは外れますからね。あくまでストリートユースが基本なんです」

*19 RS☆Rシルビア
板東監督「タイヤは第1戦ではあり合わせ、ポルシェのリア用だった。今回はサー
ドスープラのフロント用をリアにつけてるんだよ」
福山英朗「あんまり雨はよくないね。トップタイム出ないし。天気がよくなったほ
うがいい。今のセッション、最初はボクがチェックのために走って、後半織戸君に
渡した」

#10 シャトレーゼ・ポルシェGT2
朝のフリー走行でラルフ・ファーマンがトップタイムを記録。
飯田薫「雨は歓迎なんです。鈴鹿でもウエットでは速かったですしね。ただ、決勝
がドライだと、ドライのセットがまだ煮詰めきれていないんです。タイヤを昨年の
仕様より太くしたぶん、コーナーはいけるはずなんですが、そのあたりがもうひと
つ煮詰めきれていません」

*71 シグマテック911
朝のフリー走行でクラストップタイムを記録。
星野薫「決勝も雨だといいんだけどね。ポルシェはABSとかがよくできているから
ね。でも、反対にドライがイマイチなんですよ。今回は初レースなんで、予選はと
りあえず安全パイのセットでいってます。決勝はボチボチいきますよ」

◎各チームのタイヤチョイス
ブリヂストン勢は全車ソフト系をチョイス。ブリヂストンとしては決勝中に4輪交
換することを奨めている。ダンロップ勢はミディアム系がメインで、GT500クラスは
ほぼ全車ミディアム、GT300ではポルシェが固めをチョイスしている。ヨコハマ勢
は、GT500クラスではスープラがミディアム、スカイラインと300ZXはハードをメイ
ンにしている。GT300クラスはRS☆Rシルビアとバーディークラブ・MR-2はソフト系、
その他のチームはミディアム系がメインとなっている。GT300クラスでミディアム系
をチョイスしたところは無交換でも走りきることは可能だが、おそらく交換するだ
ろうとのこと。以上、チームによっては左右別のコンパウンドをチョイスするなど
の作戦をとるところもあるようだ。


☆決勝レースのトピック

○決勝スタート直前 13時45分現在
 天気:雨/曇り
 気温:18度  湿度:84% 路面温度:18度
 入場者数:5/4 51,000人(5/3   13,500人)

○霧による視界不良のため45分遅れ、14時25分ローリングスタート開始となる

○ピットスタート
*21 ガソリンの補給のため
*28 オイル漏れを対策
*17 タイヤを交換

○フォーメーションは2周になる
 周回数は67周から66周に変更

*910 ナインテンポルシェ
再スタート時のフライングで、ピットストップ10秒。

#13 エンドレスアドバンGT-R
一時は3位まで順位を上げるがオイル漏れでオレンジ旗を受ける。ピットでリタイ
アとなる。木下みつひろ「たぶんデフだと思う。煙が室内まで入って来ちゃっても
うダメ。いいトコまでいったのに...。すげぇ悔しいよ」

*6 ダンロップBP-MR2
 ピットロードの速度違反でペナルティ・ストップ10秒。

*51 コブラポルシェ
 黄旗無視で、ペナルティ・ストップ10秒。

#30 綜合警備PORSCHE
坂田監督「ドライブシャフト。全然関係なくピットに入ったが、タイヤを替えるた
めに外してみたら、壊れていた。タイヤが太くなったので熱を持ってけっこうキツ
イんだよね」

*25 つちやMR2
土屋武士「10周くらい前からストレートが伸びなくて、エンジンがおかしいかと思っ
たけどドライブシャフトがねじ切れました。NAは辛いですね。ターボの搭載を考え
ているんですけど、次はまだ間に合わないと思います」

#12 カルソニックスカイライン
ピットロードの速度違反でペナルティストップ10秒。

#18 avex童夢 無限 NSX
佐々木マネジャー「章がスピンをして、それを避けようと後ろのクルマが右往左往
するなかで他車と接触して、右リヤサスを壊してしまった」

#3 ユニシアジェックススカイライン(総合2位)
長谷見昌弘「この結果はまあまあですね。ちょっと失敗しちゃったんです。グリッ
ドでタイヤをスリックに換えたんですけど、そのときにリヤウイングを寝かせてダ
ウンフォースを減らしたんです。そうしたらオーバーステアになっちゃって・・・。
あれがなければKUREには抜かれなかったんだけどね。でも、スープラには勝てませ
んよ。ストレートが速いんだもん」
田中哲也「長谷見さんから代わって、ピットのみんなも素早い作業をしてくれたの
に、出るときにエンストしちゃって、ビビリました(笑)。あと、ペースカーが長
く入ったんでもうこれで終わりかと思ってたんです。でも、再スタートになって、
デンソースープラとの間にGT300が5、6台いたのかな。とにかくこれを早く抜かな
きゃ置いていかれると思って必死になりました。最後はがんばったんですが、まあ
向こうが速かったってことです」

#36 カストロール・トムス・スープラ(総合3位)
ペドロ・デ・ラ・ロサ「くやしい。タイヤ選択をミスした。最初、レインで出たの
で、1回余計にピットインしなければならなかったのが痛かった。残念だけど、あれ
で3位ならまあまあなので、次はがんばる」
ミハエル・クルム「レインタイヤが失敗だった。1回余計にピットインしなければな
らなかった。そのわりには追い上げて3位だから、満足している。あれで表彰台はム
リだと思ったからね。もちろん勝ちたかったけどね」

*19 RS☆Rシルビア(GT300クラス2位)
織戸学:「エキゾーストが割れてたみたいでパワーが出なかった。コーナーでは
こっちの方が速かった。完走できてポイント取れたから、シリーズをねらってる。
チェッカーがこんなに嬉しいものだと思わなかった。ラスト1周は緊張しました」
福山英朗:「まるっきりドライなら絶対勝てたレース。(鈴木)恵一さんの良いオ
ヤジのテクニックが出たしね。ペースカーが入ったらああなっちゃったし、空力は
向こうの方が結果的には上だったみたい。タンクが軽くなってからのバランスが課
題かな。エキパイか排気漏れかブースト漏れかってトラブルもあったし」

*7 RE雨宮SuperG RX7(GT300クラス3位)
山路慎一「スタート直前のラスト2分でスリックに交換したから、まだウチがレイ
ンだと思って序盤他が抜かせてくれた(笑)。スリックでトップに立てた。フロン
トのダクトを塞いだみたいで、ブレーキを強く踏むとうまく冷えてない感じがし
た。バイブレーションがちょっと出て駆動系が心配だった。雨でいじったブレーキ
バランスがわけわからなくなって…。路面が乾いてくるとポルシェはトルクがある
みたいで、入り口を抑えてトラクションをかけてコーナーを立ち上がるポルシェの
方が有利みたいですね。水温とか細かいトラブルが出て(ラスト7周で)抜かれちゃ
って3番手でしたけど、クルマは基本的にはちゃんと走ってる。まだまだ煮詰めが
必要ですけど、このクルマで長丁場は初めてだったんで、次は速さより強さを課題
にします」

*27 TEAM FCJフェラーリ(GT300クラス4位)
太田哲也「昨日までの燃圧トラブルは完全に直ってたんだけど、クルマはあいかわ
らず遅かった。でも、前半コンディションが悪くて他がビビっているうちに、ブ
レーキングでがんばって抜いたんだ。ボクらはスリックで出たんだけど、カットス
リックで出ていったクルマがしだいに遅れたから順位が上がってきた。最後、オロ
フソンががんばって前のポルシェを2台抜いてくれたから4位になれた。状況を考
えればこの順位はほんとうにうれしいよ」


*ランキング表に続く

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.2/7

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 2 FUJI GT RACE                                         4 May '97
   Points Ranking                 ポイントランキング            FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
       ◎この集計はインサイドレポート班によるもので非公式のものです


*ドライバーポイント
[GT500]
                                     3/30     5/4   6/29    8/10  10/5  10/26
                                     Rd.1     Rd.2  Rd.3    Rd.4  Rd.5   Rd.6
Po.  No. Driver               合計   Suzuka   FUJI  Hiland  FUJI  MINE   SUGO
-----------------------------------------------------------------------------
 1   39  影山正美               35     15      20
 2    2  鈴木亜久里             30     20      10
 3    3  長谷見昌弘/田中哲也   25     10      15
 4    2  E.コマス               20     20       -
 5   39  谷川達也               20      -      20
 6   37  関谷正徳/鈴木利男     18     12       6
 7   39  O.グルイヤール         15     15       -
 8   36  M.クルム/P.デ・ラ・ロサ    12             12
 9    2  M.アピチェラ           10      -      10
10  556  影山正彦/近藤真彦      8      8
11   12  本山 哲                8              8
12   12  水野文則                8     -       8
13    5  田嶋栄一/M.グーセン    6      6
14   38  竹内浩典/金石勝智      6      4       2
15   10  飯田 薫/R.ファーマンJr.    4              4
16   13  木下みつひろ            3      3
17   13  菊地 靖                3      3      -
18    4  金海辰彦/駒 光武      3              3
19   30  山田洋二/茂木和男      2      2
20    8  B.ガショー/P.ベルモンド   1      1


[GT300]
                                     Rd.1     Rd.2  Rd.3    Rd.4  Rd.5   Rd.6
Po.  No. Driver               合計   Suzuka   FUJI  Hiland  FUJI  MINE   SUGO
------------------------------------------------------------------------------
 1   19  織戸 学/福山英朗     35     20      15
 2   26  鈴木恵一/新田守男     30     10      20
 3  910  袖山誠一               18     15       3
 4   51  石原将光/池谷勝則     16      8       8
 5  910  見崎清志               15     15      -
 6   25  土屋武士/長嶋正興     12     12
 7    7  山路慎一/松本晴彦     12     -      12
 8   27  太田哲也/A.オロフソン      10             10
 9   81  大八木信行              7      3       4
10    9  日置恒文/木下正治      6      6      -
11   71  星野 薫/城内政樹      6     -       6
12   72  牧口規雄/浅見 武      6      4       2
13   81  木下隆之*               4              4
14  910  砂子智彦                3     -       3
15   81  萬雲恒明                3      3      -
16  777  牧口克哉/塩見勝治      2      2      -
17   70  石橋義三/小宮延雄      1      1
18   21  一ツ山康                1              1
19   21  山本健司                1     -       1


*チームポイント
[GT500]
                                      Rd.1     Rd.2  Rd.3   Rd.4   Rd.5  Rd.6
Po.  No. Team                  合計   Suzuka   FUJI  Hiland  FUJI  MINE  SUGO
----------------------------------------------------------------------------
 1   39   TOYOTA TEAM SARD      35     15      20
 2  2/556 NISMO                 30     20      10
 3    3   ハセミ・モータースポーツ         25     10      15
 4 36/37/38 TOYOTA Castorl TEAM 24     12      12
 5   12   HOSHINO RACING         8              8
 6    5   TEAM 5ZIGEN            6      6
 7   10   TEAM TMS               4              4
 8   13   ENDLESS SPORTS         3      3
 9   4    SUZUKI BANKIN          3              3
10  30    TEAM TAKE ONE          2      2
11   8    POWER CRAFT            1      1


[GT300]
                                      Rd.1     Rd.2  Rd.3   Rd.4   Rd.5  Rd.6
Po.  No. Team                  合計   Suzuka   FUJI  Hiland  FUJI  MINE  SUGO
----------------------------------------------------------------------------
 1   19  RS-Rレーシングチーム BANDOH   35      20     15
 2   26  TEAM TAISAN Jr.        30      10     20
 3  910  910 RACING	18	15       3
 4   51  コブラレーシングチーム	16       8      8
 5   25  土屋エンジニアリング	12      12
 6    7  RE雨宮レーシング	12             12
 7 27/28 FERRARI CLUB OF JAPAN  10             10
 8   81  TEAM DAISHIN            7       3      4
 9    9  TEAM 5ZIGEN             6       6     -
10   71  シグマテックレーシングチーム        6      -      6
11   72  牧口エンジニアリング    6       4      2
12  777  タックル&RS松元        2       2     -
13   70  チーム外国屋            1       1
14   21  HITOTSUYAMA RACING      1              1


*第2戦富士のGTインサイドレポート(FMOTOR4版)は以上で終了です

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

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全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.2/5

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 2 FUJI GT RACE                                         3 May '97
   Qualify Topics                 予選の話題                   FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
                               注:カーNo.前の#はGT500、*はGT300を表します
☆練習日(2日)のトピック

*57 SiFo Spider Ver. GT
 今回から新規参戦を予定していたが、金曜日にエンジンを壊し、残念ながらエン
トリー取り消しとなった。クルマは、昨年発売されたルノーの2シーターのミドシッ
プマシン。カタカナ表記は“ルノースポール・スピダー”。ワンメイクレースのた
めに作られたマシンで、ロードバージョンも市販される。チーム名はecurie SiFo(エ
キュリー・シーフォ)。「GTに関してはスポンサー問題もあり、まずは富士に出る
ことになりました。資金的な問題がクリアされれば、さらに続けての参戦も考えら
れます。GT500クラスへの参戦も検討されたが、プライベーターの手に負えないこ
とから、規定にもちょうど合うGT300クラスへ参戦する。重量も900kgの規定に合う
んです。ベース車両が850kgですから。ただ、クリオ・マキシというラリー用のエン
ジンなので、エンジンが250ps程度のパワーしかないんで、富士に関して言えばパ
ワー不足から厳しいコースだと予想されます」(藤井監督)

◎お詫びと訂正
*7 RE雨宮SuperG RX7に関して、第1戦鈴鹿の予選日レポートの文中、「トルクも
26.5kgから37kgへと増えました」との記述がありますが、正しくは「33.5kgへと増
えました」の誤りでした。お詫びして訂正します。

*17 東京科学芸術専門学校RXー7
 今回、セカンドドライバーが輿水敏明から細野智行に変更になった。細野によれ
ば、「野上さんと私は168cm位の身長なんで問題ないんですが、輿水さんは180cm近
くあるようで、今回は間に合わなかったユーノスロードスターだと、背の高いドラ
イバーにはきついコクピットなんです。で、私が選ばれたようなんです。真偽のほ
どは定かではありません(笑)。鈴鹿1000kmレースでは野上さんと組んでますし、
学校でも講師をやっています。学生の実習としてやってるんで無理は出来ないんで
すが、いい結果が出るよう頑張ります」とのこと。ロードスターは今回は展示のみ
だが、次回は間に合う予定。サスペンションを前後ともプッシュロッド式のイン
ボードにするなど、かなり本格的な作りだ。

#88 和田孝夫(JLOCディアブロGTR)
「フランスでクルマが出来上がった後ちょっとテストをして、和田久のほうが少し
乗ったんですが、ボクは金曜日が初めて。まだクルマが全然完成してないんです。
リヤのスタビがないもんだから、コーナーでクルマがこんなに(手で左右に揺れ動
くしぐさ)なっちゃうんです。おまけにパワステの具合がおかしくてエンジン回転
が落ちると極端に重くなるもんだから、カウンターもあてられない。外から見る
と、まるで下手クソが乗っているみたいに見えるんじゃないかな。エンジンはリス
トリクターが小さくなったぶん辛いけど、まあポテンシャルはあると思います。こ
れから煮詰めれば期待できると思うけど、おカネか時間か、どっちかかけないと
ね。おカネはないから(笑)、もう少し時間が必要ですね」


☆予選日(3日)のトピック

#39 デンソーサードスープラ(予選2位)
影山正美「アタックの時にホンのちょっとミスしたけど、それがなくても1分28秒
台は厳しかったかもしれないですね。クルムのタイムは速すぎって感じです。ただ
マシン的には凄く良い状況なんで、決勝は自信ありますよ。無理しないでじっくり
行って、最後一番高いところに立てればいいですね」
谷川達也「タイヤは期待していた以上にグリップがいいし、走り込んでいってもタ
レてこない。金曜日に影山選手が出したタイムはロングのセットで、タイヤは一度
使ったもの、ガスもけっこう入っていました。それで29秒台真ん中までいっていま
すから、決勝は順調にいって完走すれば表彰台に上れると思います。ボク次第です」

#5 5ZIGEN SUPRA(予選4位)
 鈴鹿ではシェイクダウン直後だったため上位に食い込めなかったが、今回は予選
1回目で4番手につけた。田嶋栄一は「鈴鹿とはダンパーとバネを換えたくらいで、
ダウンフォースはそのままなんです。それでちょうどよいんだから、いかに鈴鹿で
ダウンフォースが足りなかったかということですよね。チームの雰囲気はいいし、
グーセンとのコンビもうまくいってます。グーセンはヘンなわがままを言ったりす
ることなく、与えられた仕事をきっちりとやってくれます。さすが向こうのF3000
で勝ったドライバーですね。タイヤが他のスープラと違うのはリスクもあります
が、チャレンジしがいもあります。すべてがうまくマッチングすれば勝てるチャン
スもあるでしょう」と力強いコメント。一方のグーセンは、「94,95,96年とヨー
ロッパのF3000で走っていた。でも長距離レースの経験がないわけじゃないよ。昨
年のル・マン24時間ではE・バン・デ・プールと組んでフェラーリ333SPに乗ってい
るんだ。今年はチーム5ZIGENからGTCとフォーミュラ・ニッポンに出る契約をして
いる。GTカーでレースに出るのはまったく初めてだが問題はない」とのことだった。

#38 カストロール・セルモ・スープラ(予選5位)
竹内浩典:「タイムアタック中にミッションが入らなくなってしまって2秒は損し
てるんです。トップは無理だとしても2番手3番手はねらえたんで、悔しいです。ラ
イバルは回り(のスープラ)になっちゃいましたね。コンスタントラップでは負け
ていないんで、明日は暴れます。スタートは多分ボクでしょう」
金石勝智:「前回は不甲斐ないレースをしてしまったんで、今回は行くしかないで
です。もちろん、勝ちをねらいますよ。ストレートは他のクルマよりスープラが速
いんで有利なんですよ」

#100 飯田章(RAYBRIG NSX 予選6位)
「まだそんなに無理してるつもりはないんですけどね。このタイムがすっと出るっ
てことは、もともとクルマの出来がいいってことでしょう。やっぱりコーナーリン
グは速いですよ。心配してた直線もかなり速いみたいなんで安心している」


#3 ユニシアジェックススカイライン(予選7位)
長谷見昌弘「先週合同テストがあったが、そのときよりも良くなっている。鈴鹿で
はアンダーステアに悩まされたが、ここ富士ではある程度解消されてバランスは良
い。それがスカイラインのなかでは一番良いタイムにつながっているのではないか
と思う。スカイラインは大きいし、フロントヘビーだし、バランスをとるのは難し
い。1分29秒台の後半はうちも先週のテストで一度入っているが、今日は一所懸命
走ったが30秒台。1分28秒台には届かない。スープラはストレートが速い。空力もあ
るだろうし、エンジンもパワーアップしている。ただ、スカイラインはグループA時
代からの蓄積がある。とくにウチはスカイラインしかやっていないのでトラブルに
は強いと思う。決勝はスープラについてゆくことはできると思う。ついていけば相
手も焦るだろうし、おもしろくなるんじゃないか。しかしNSXは速い。ストレートも
速いし、コーナーはミドシップで速いし、美祢や仙台、菅生、鈴鹿に行ったらめ
ちゃくちゃ速いだろう」

#2 鈴木亜久里(ZEXELスカイライン 予選12位)
「クルマは絶好調なんだよ。コーナーなんか凄く気持ち良く走れるし、挙動も安定
しているの。ただストレートが他のクルマの3倍遅いんだ(笑)。なんせプライベ
ートのポルシェにストレートで抜かれちゃったからね。だもんで、これからエンジ
ン載せ換えることにしたんだ。今回は最初からエンジン換えてくれって言ってるの
に換えないもんだから、予選でこの結果でしょ…。まぁエンジン換えれば多少はス
トレート速くなると思うんで、決勝はそれほど心配してないけどね」

*25 土屋武士(つちやMR2 予選クラス2位)
「予選のタイムはピットから出ていって1周目で出したんですよ。実は予選開始か
ら20分たってGT300クラスのクルマが走り始めた途端に雨が降ってきたんです。だ
からセカンドドライバーが基準タイムをクリアできないといけないんで、取り敢え
ずタイム出してすぐ交代したんです。本当はあとコンマ数秒はいけたと思うんです
けどね。今回はクルマが本当に調子いいんですよ。今までこんなに調子良い状態で
乗ったことがないくらい。ただコーナーはものすごく速いんですけど、直線がやは
りターボ付きのマシンに比べると遅いんで、決勝は前半抑えめに前について行っ
て、後半で勝負に出ようかと思ってます」

*51池谷勝則(コブラポルシェ 予選3位)
「昨日の練習走行でも同じようなタイムが出てたんです。だから今日はうまくいっ
たってことじゃないかな。途中、混んでてクリアラップがとれなかったんですが、
まあしょうがないでしょう。決勝は、ポルシェはタイヤのタレが少ないんで、あわ
よくば表彰台に上りたいですね。スタートは石原さんで行く予定です」

*6加藤寛規(ワイズダンロップBP MR-2 予選クラス4位)
「首都高の渋滞にハマっちゃいました(笑)。まわりでスピンしてるクルマもいた
りして、上位には行けないかなと思ったんですが。決勝ではMR2はちょっとつらい
かもしれません」

*21 一ツ山康(ダンロップ-BP-BMW、予選クラス5番手)
「出て行ったときにちょっと雨が降っていて、あと2周ぐらいあれば良かったんで
すけれど。遅い車に引っかかったけれど、Bドライバーを乗せないと基準タイムを
クリアできないんで、行かせました。前回はエンジントラブルで3周で終わっちゃっ
たんで、今回はまず完走することが先決です。スタートは山本君が行きます」

*26 鈴木恵一(タイサンスターカードRSR、予選クラス9位)
「ちょっとコースインが遅れて、Aコーナーと100Rで引っかかって雨にはまっちゃっ
た。あとは頑張ったけど雨が強くなるばかりで…。タイヤが極端に温まりにくかっ
たってことはない。テストの感触良かったし10番手あたりからのスタートでも決勝
は行けると思う。前回は新田君がスタートだったんで、今回からは以前のパターン
に戻してボクが行きます」


☆ポールシッター・インタビュー

ポールポジション
#36 カストロール・トムス・スープラ
ミハエル・クルム「スゴクイイクルマデス。昨日シェイクダウンをしたばかりで、
昨日の午前中はトラブルがありました。でも午後はクルマがすごく良くなって、と
くにコーナーでは素晴らしく、96モデルに比べてクラッチやギアボックスが良くなっ
たこともあり、非常に運転しやすくなりました。エンジンも良くてストレートも速
いし、パフォーマンスは最高です。予選のタイムには満足してます。昨日は29秒台
だったので、28秒台が出たことは非常にうれしいです。でも一番大事なのは、タイ
ムではなくポールポジションを取れたことですね」
ペドロ・デ・ラ・ロサ「クルマはファンタスティックです。ことに富士のようなハ
イスピードトラックでは。ギアボックスは昨年型より明らかに素晴らしいですし、
シャシーの剛性も上がっていて、それが速さに結びついているためとてもハッピー
です。クルマが良いので、運転するのも楽です。GTレースでもっとも重要なポイン
トのひとつが、1人ではなく2人でドライブすることだと思います。2人がお互いに
勝利に向かって協力しあうことが重要です。鈴鹿では僕がタイムアタック役をしま
したが、今回はマイケル(クルム)がその役をしました。次回はまた僕が担当しま
す。こういったことが、お互いの関係でも重要だと思っています」
クルム「同じチームの同じマシンに乗る2人が、争うのではなく2人の良いところを
大切にして協力し合うことが大切です。予選を交代で担当して集中力を持続するの
も、我々には良いことだと思いますし、ペドロと2人で勝利を分かちあいたいと思っ
ています。そしてペドロ・デ・ラ・ロサとコンビを組めたことを嬉しく思います」
デ・ラ・ロサ「ドモアリガトウゴザイマス」
クルム「ドウイタシマシテ。明日の決勝についてですが、まず申し上げたいのは、
私はポールポジションからローリング・スタートするのは初めてなんです。だから
1コーナーでグラベルに飛び出さないように注意します(笑)。そしてとにかくゴー
ルまで走り続けることがもっとも重要です。なにしろ鈴鹿ではリタイアをしてし
まっていますから」
デ・ラ・ロサ「なにしろ長いシーズンなので、フィニッシュをして大きなポイント
を得ることを目指します。前回のようなことがないように、必ずチェッカーを受け
たいです」


GT300ポールポジション
*19 RS☆Rシルビア
福山英朗「GT300クラスが走り始めてすぐ雨が強くなったんですが、僕、自分のこと
しか考えてなくて、他の速いクルマに負けちゃいけないと思いながら、自分がうま
く走れなかったこともあって、ずっと繰り返し走っちゃったんです。あとで考えた
ら、いけね、織戸君がクォリファイできないじゃないかって気がついて…、大ドジ
こいちゃいましたけど(笑)。自分がタイムを出したときはまだなんとかドライで
走れたもので良かったんですけどね。クルマは前回の鈴鹿からいっぱい変わってま
す。数え上げたらキリがないですけど、良くなってることは、ここでポールが取れ
たことがそれを証明してますし、おまけに30kg積んでいることを跳ね返すだけのこ
とをチームがやってくれてると思います。どこをどう直したかは内緒です。坂東組
長の目がつり上がってますんで(笑)。ストレートはそれほど速い方じゃないです
よ。それよりコーナーと立上がりのピックアップが凄くいい部類じゃないかと思い
ます。ただ予選タイムは満足してないんですよ。まったくタコでした、今日は。冗
談じゃなくて、腕に覚えのある人なら誰でも今日のタイムが出せるくらいです。
まぁ、それほどクルマがよく仕上がっている、ということですね」
織戸学「ステアリングを福山さんから渡されたときは、まだ大雨じゃなくてスリッ
クで行ったんですけど、2~3周で午後もあるから問題ないだろうと思ってピットに
入ったんです。で、午前中は基準タイムをクリアできなかったので、午後は最初か
ら乗りました。GT300クラスの走行が始まる頃からまた雨が強くなったんですが、
なんとかなるだろうと思って走って、なんとか午後基準タイムをクリアできました。
実は金曜日に福山さんが僕になるべく乗らせてくれましたので、だいぶこのシルビ
アにも慣れてきたところなんです」
福山「昨日はほら暑かったから(笑)。年寄りは疲れるし(笑)」
織戸「明日はかなり楽にレースをできそうです。僕はとりあえず、最後の周を失敗
しないようにすれば(笑)」


☆スペシャル・インタビュー

ニューNSXについて聞く
#100 RAYBRIG NSX
高橋国光「シェイクダウンは3週間くらい前に菅生でしたんですが、そのときはマ
イナートラブルであまり走れなかったんです。ですからブレーキもあまり踏んでい
ない。先日富士でテストした時も同様で、ほとんど走行できなかったんです。です
から実質昨日がシェイクダウンのようなものでした。またスケジュールの関係で章
が乗っていなかったので、昨日は最初から章に乗ってもらいました。もう本当にク
ルマは高いレベルに最初からできていて、トントン拍子にタイムが上がってきてい
ます。そして僕も初めて強くブレーキを踏んで走り込むことができたんですが、NSX
の完成度の高さに驚いているところです。最初はちょっと跳ねるようなところもあ
りましたが、童夢のマシンとデータを共用しあえますので、驚くほど早くセッティ
ングができたということですね」
飯田章「金曜日に初めてこのクルマで走ったんですが、今日の29秒台のタイムはま
だ満足していません。本当は28秒台を狙っていたんですが…。クルマは最初からか
なりフィーリングが良かったんですが、あまり慌ててもしょうがないのでマイペー
スで行きました。なにしろギアレシオもスプリングもまだ選べないような状況です
から。そんなにシャカリキになってもしょうがないですし。でもとりあえず目一杯
だと思っておいてください(笑)。予選ではスカイラインより前でしたが、レース
はまた違いますからね。NAよりターボ車の方が有利になると思いますし…。正直
言ってロングランもしてないから、クルマの耐久性も確認してないし、フルタンク
の挙動も、タイヤの変化もわからないわけです。だからただクルマをチェッカーま
で運べるようにしようかな、と思っています。正直言うとあのクルマ、ドライビン
グがなかりハードなんで、皆さんが想像している以上に大変です。クルマがすごく
トリッキーでフォーミュラ的なんですよ。面白いことは面白いんですけど、それを
ロング・ディスタンスでどう操るかは、やってみないとわからないですね」

*決勝日のトピックスに続く

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.2/4

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 2 FUJI GT RACE                                         4 May '97
   Race Report                    決勝レース                   FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
混乱のレースを制したのはデンソーサードスープラ!
ユニシアジェックススカイライン追い上げ及ばず

 朝から小雨が降り、時に止むものの非常に不安定な天気が続く。朝のフリー走行
では、雨自体は降っていなかったが路面は完全にウェット状態。そのような状態の
中、No.75 NISSAN 300ZX-GTSが300Rの水たまりに乗ってしまってクラッシュ。フロ
ント部分を大破して、決勝レースに参加することが出来なくなった。
 空模様も黒い雲がかったままで、いつ本格的な雨になってもおかしくない状況
で、各チームともタイヤ選択に頭を悩ませた。スタート直前には、霧が発生し視界
が著しく悪くなったために、45分間スタートが順延された。フォーメーションラッ
プも2周行われ、決勝周回数が66周と1周減らされた。
 スタートで飛び出したのは、No.2 ZEXELスカイラインの亜久里とNo.36カスト
ロール・トムス・スープラのM.クルムだった。だが、中途半端に濡れた路面とまた
発生した霧によって、あちらこちらでスピンやクラッシュが続いた。特にデビュー
戦で期待されたNo.18 avex童夢無限NSXとNo.100 RAYBRIG NSXも相次いでクラッシュ
し、わずか3周足らずで姿を消した。この直後にセーフティカーがコースに入り、
6周に渡ってパレードラップになる。再スタート後には、路面がさらに乾きほぼド
ライコンディションとなり、レインタイヤを選択したNo.2 ZEXELとNo.36カストロー
ルはじりじりと順位を下げる。
 代わって、トップに立ったのはスリックタイヤを選択したNo.39デンソーサード
スープラの影山正美、そして追い上げ急なNo.5 5ZIGEN SUPRAの田嶋栄一だった。田
嶋は31秒台とひとつ抜けたスピードで15周目にZEXEL、デンソーを一気にかわして
トップに立つ。この2台の後ろには、やはりスリックを選択し、後方から上がって
きたNo.3ユニシアジェックススカイラインの長谷見昌弘とNo.556 KURE R33の影山
正彦の2台のスカイライン。
 各車がルーティンのピットインを行い、一通り終わった直後の40周目に田嶋から
引き継いだNo.5 5ZIGEN のグーセンが1コーナーでコースアウト。そして43周目に
はやはり代わったばかりのNo.556 KURE R33の近藤真彦がやはり同じ1コーナーで
グラベルにはまる。
 ちょうどこの頃に霧がまた濃くなったためにセーフティカーが入り、7周に渡っ
てパレードラップとなる。再スタート後はわずか6周のスプリントの様相になる。
トップのNo.39デンソーサードの谷川達也と2番手No.3ユニシアジェックス田中哲
也の差は約6秒ほど。2台の間には、数台の周回遅れがいたが、田中はわずか1周
ですべてを抜いて、No.39谷川との間が一気に4秒となるが、ここで谷川も最後のガ
ンバリを見せ、互いに32秒台を叩き出す好走をみせる。結局、わずか3秒差で谷川
が逃げ切り、トヨタチームサードにGTC初優勝をもたらした。3位には序盤ピットイ
ンしタイヤをレインからスリックに換えた、No.36カストロール・トムス・スープ
ラ、そして4位に同じくレインタイヤからの切り替えで遅れたNo.2 ZEXELスカイラ
インが入った。


タイサンスターカードRSRが巧みなレースで今季初勝利

 GT300はクラスポールのNo.19 RS☆Rシルビアがブーストが上がらないという不調
を抱え遅れ、予選クラス9位と低迷したNo.26タイサンスターカードRSRが巧みな
レース展開と2度のセーフティカーランを味方にしてトップに立ち、今季初優勝を
飾った。2位は開幕戦の覇者であるNo.19RS☆Rシルビア。3位にはRE雨宮SuperG 
RX7が入った。


☆総合優勝
No.39 デンソーサードスープラ
影山正美「スタート前からスリックを履いて行くつもりで、待たされているときは
結構怖かったですよ。でも、みんなスリックに変えちゃったから(笑)。途中、田
嶋君に抜かれたけど向こうはソフト目のタイヤだと、路面のコンディションが良く
なれば絶対挽回できると自分に言い聞かせて我慢しました。自分でも冷静に行けた
と思います。谷川君に代わるときは45秒のマージンがあったし、彼はテストでもい
いタイムを出していたので心配はしてなかった...。でもペースカーが入って差が詰
まったときは、シビレましたけど(笑)。昨日誕生日だったんで、ホント最高の日
でした。これまで誕生日のレースって、ロクなことなかったからね(笑)」
谷川達也「このチャンスを与えてくれたサードのみなさんにお礼を言いたいです。
でも、今日、僕はレースをしてません。なんかずーっとペースカーの後ろに付いて
走ってただけです(笑)。最後、田中さんが追っているのは、ミラーで見えて分
かってました。思ったほど詰まってこないから大丈夫と思ってました」


☆GT300クラス優勝
No.26 タイサンスターカードRSR
鈴木恵一「最初からスリックでいった。だから、5、6周は我慢の走りをした。8
周もすると路面も良くなってきたんで、ペースアップできた。前の方でスピンして
たクルマもいたしね。クルマもタイヤも問題ないよ。とりあえず勝てたけど、まだ
鈴鹿の汚名を晴らしたわけでないから。次、勝ってからだね」
新田守男「回りがドタバタして、ノーミスだったウチがトップになったって感じで
す。前回の鈴鹿は、福山さん(No.19RS☆Rシルビア)の呪いに負けたから、今度は
呪い返して上げました(笑)。1勝1敗でこれで五分ですね。今年も2人でチャン
ピオンになれるようがんばります」


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.2/2

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 2 FUJI GT RACE                                         2 May '97
   Practice Report                練習走行レポート             FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第2戦富士・直前テスト情報
予選はスープラvsスカイライン、そしてNSXと三つ巴対決なるか?!

 5月2日、静岡県・富士スピードウェイで全日本GT選手権第2戦全日本富士GTレー
ス大会の公開練習走行が行われた。
 午前中は晴れたものの、夕刻には天気予報通り何時降り出してもおかしくないよ
うな空模様となった。午前9時30分から第1回目の練習走行が1時間30分行われた。
10時の気温は19.2度と穏やかな陽気で、前評判通りにまず上位のタイムをマークし
たのはスープラ勢だった。トップは唯一1分29秒台をマークしたNo.39デンソースー
プラGT。2番手には、#3ユニシアジェックススカイライン、3番手にはNo.5 5ZIGEN
SUPRAが入った。
 13時から14時30分までの午後の走行は曇り。ここでは午前中のタイムの更新はな
く、ここでは今回が今年のデビュー戦になるNo.100 RAYBRIG NSXが2台のスープラ
に次いで3番手に食い込む健闘をみせた。そして、15時30分から1時間の最終セッ
ションでは、ラストアタックに近い時間にNo.36カストロール・トムス・スープラが
これまでのコースレコードの1分29秒528を非公式ながら更新する1分29秒150を
マーク! No.38カストロール・セルモ・スープラも3番手のタイムをマークしてい
る。この2台は開幕戦こそ96年仕様のマシンだったが、このレースからは97年仕様
が導入された。結局、終わって見ればトップ3はスープラという公開練習の結果と
なった。続く4番手にはNo.3ユニシアジェックススカイラインが入り、スカイライ
ンのとしての意地を見せた。そして、5番手には初登場のNo.100 RAYBRIG NSXが入
るという健闘ぶりを見せた。一方、No.18 avex童夢無限NSXは午前の走行前にエンジ
ントラブルが生じ、エンジンを載せ換えるために2回の走行をキャンセルした。ま
た、このレースがデビュー戦となるNo.88 JLOC ディアブロGTRは今日が事実上のシェ
イクダウンで、3回目の走行に1分35秒台を記録したに留まった。
 GT300クラスでは、開幕戦をデビューウィンで飾ったNo.19 RS☆Rシルビアが、2
回目の走行で1分36秒045で、ディフェンディングチャンピオンNo.26タイサンポル
シェRSRを押さえてトップタイムを記録している。


練習走行タイム                   走行:39台 天気:晴/曇り コース:ドライ
[GT500] 
Po No  マシン                          ドライバー             Time
-----------------------------------------------------------------------------
1  36  カストロール・トムス・スープラ  M.クルム/ P.デ・ラ・ロサ  1'29.150(3)
2  39  サードスープラGT                影山正美/谷川達也         1'29.560(1)
3  38  カストロール・セルモ・スープラ  竹内浩典/金石勝智         1'29.672(3)
4   3  ユニシアジェックススカイライン  長谷見昌弘/田中哲也       1'30.375(1)
5 100  RAYBRIG NSX                     高橋国光/飯田 章         1'30.571(1)
6  37  カストロール・トムス・スープラ  関谷正徳/鈴木利男         1'30.673(3)
[GT300]
   19  RS☆Rシルビア                   織戸 学/福山英朗         1'36.045(2)
   26  STPタイサンポルシェRSR          鈴木恵一/新田守男         1'36.364(2)
   51  コブラポルシェ                  石原将光/池谷勝則         1'36.722(2)
*タイムは非公式のもの。カッコ内はタイムを出したセッション
*コースレコードは1分29秒528


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.2/1

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 2 FUJI GT RACE                                      29 April '97
   Preview Report                 プレビューレポート            FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
'97GTC第2戦 富士GTレース大会

連勝なるかGT-R! それともスープラの逆襲?!
ニューNSX登場!!GT戦線に波乱は起きるのか?

 予想通りに開幕戦鈴鹿は、97スープラのカストロール・トムス・スープラ(No.37)
の関谷正徳/鈴木利男組がポール、そして決勝を制したのがZEXELスカイライン(No.
2)の鈴木亜久里/E.コマス組とGT-Rとスープラが激突したレースだった。
 レース後、関谷はセッティングのミスを悔やみ、もっと速いマシンであることを
暗に訴えていた。一方、勝ったコマスはすでに96スカイラインGT-Rのアドバンテー
ジがほとんどないことをつぶやき、ニューマシンの登場を待ち望んでいる。この言
葉を額面通りに取れば、第2戦富士はスープラ有利という予想になる。さらに、ZEXEL
スカイラインのコマス、カルソニックスカイライン(No.12)の星野一義はル・マン24
時間レースの予備予選参加のために欠場し、それぞれ代打のドライバーが担当する
ことになる。このように状況としてもスープラだが、開幕戦もマイナートラブルの
多さでGT-Rに独走を許しているだけに、このあたりが勝負の綾となるのではないだ
ろうか。
 今回がデビューになる新NSXは、エンジンを無限が、シャシー製作は童夢という日
本のトップ・コンテンダーが開発に携わっている。これまでのル・マンGT2仕様の
NSXとは全く別物と言っていいだろう。特にアンダーパワーと言われていたNAエンジ
ンは、2,940ccから3,450ccにアップし、スカイラインやスープラに大きく劣ること
はないだろう。そして、空力性能が良く、ミドシップ・レイアウトというシャシー
のアドバンテージを活かしてトップに食い込むことは十分に考えられる。ドライ
バーもavex童夢無限NSXが黒澤琢弥/山本勝巳、RAYBRIG NSXは高橋国光/飯田章と
GTCやフォーミュラなどで活躍している有力ドライバーが名を連ねている。
 そして、もう1台話題のニューカマーはランボルギーニ・ディアブロGTR(No.88)
だ。昨年までのディアブロは市販車両をベースにGTマシンに改造されていたが、今
季のマシンは、GTRという名前の示すとおりランボルギーニ社が最初からル・マンや
FIA GTなどGTレースに使用することを前提に製作したものだ。その1号車がGTCに投
入されることになった。チームとしても、ドライバーに和田孝夫/和田久組という
実力のあるコンビを投入し、今年は優勝を争うと言っている。



シルビアvsMR2vsポルシェ!3ローターRX7も侮れず
話題のオープントップ、ルノースパイダー&REロードスターがデビュー

 GT300クラスは、RS☆Rシルビア(No.19)が先勝。早くも昨年のポルシェRSR中心の
展開に変化が出てきた。昨年から速さを見せていたシルビアだが、今季はターボを
搭載してトップスピードがアップ。安定感が増した。第1戦もチャンピオンのタイサ
ンスターカードRSR(No.26)とのマッチレースを制しての勝利だけに、その実力はフ
ロックでないだろう。ターボだけに優勝によるハンデ30kgを搭載しても、そう大き
な戦闘力低下にはならないだろう。
 一方、巧みに逆転のシナリオを進め、最後の最後でペナルティとガス欠で勝利を
逃してしまった間のあるタイサンスターカードRSRだが、戦闘力はシルビア、MR2に
劣るものではないことを証明した。RS☆RシルビアもつちやMR2(No.25)ともにハンデ
ウエイトを背負うだけに、この富士では雪辱を狙ってくるだろう。
 しかし、混戦のGT300では、主役がこの2台だけとは限らない。一発の速さは抜群
のものがありながら、マイナートラブルで勝利を逃してるつちやMR2にとっては、そ
ろそろその真価を発揮すべき時だろう。そして、ダークホースと言っては失礼だが、
RE雨宮SuperG RX7(No.7)は要注意な1台だ。今季は3ローターのロータリーエンジン
を投入し、そのぶっつけ本番レースとなった第1戦で、トップを走るRS☆Rシルビア
を序盤追い回したパフォーマンスは侮れない。オイル漏れというマイナートラブル
でリタイアしただけに、第2戦は万全な体制で挑むはず。
 話題のマシンとしては、オープントップのマシンが2台登場する。1台はSiFo Spider
 Ver.GT(No.57)。このマシンはルノー・スポール・スピダー(英語読み:スポーツ
・スパイダー)のフランスで行われているワンメイクレース仕様をベースに、クリ
オ・マキシのエンジンを搭載したもの。そして、もう1台はユーノス・ロードスター
のシャシーにロータリーエンジン、13Bを搭載したKAGEISEN RACINGTEAMの科芸専:
REロードスター(No.17)だ。このマシンは整備士課程の専門学校生と講師が協力して
製作したもので、新たなチャレンジなだけに応援したいところだ。また、第1戦は
準備不足でトラブルの連続ながら完走を果たしたフェラーリF355(No.27)も、今度は
もうワンランク上の走りを見せてくれるだろう。

                    Report by GTインサイドレポート班


◎予想エントリーリスト(4月28日現在)

[GT500] 18台
No. マシン                 ドライバー                    エントラント   タイヤ
----------------------------------------------------------------------------
2   ZEXELスカイライン      鈴木亜久里/M.アピチェラ     NISMO            BS
3   ユニシアジェックススカイライン       長谷見昌弘/田中哲也         ハセミ・モータースポーツ    BS
4   アルファコンピューターポルシェ      金海辰彦/駒 光武           SUZUKI BANKIN    DL
5   5ZIGEN SUPRA           田嶋栄一/M.グーセン         TEAM 5ZIGEN      DL
8   パワークラフトTRDスープラ       B.ガショー/P.ベルモンド     パワークラフト   BS
10  シャトレーゼ・ポルシェGT2       飯田 薫/R.ファーマンJr.    TEAM TMS         DL
12  カルソニックスカイライン           本山 哲/水野文則           HOSHINO RACING   BS
13  エンドレスアドバンGTR        木下みつひろ/菊地 靖       エンドレススポーツ      YH
18  avex童夢無限NSX        黒澤琢弥/山本勝巳           無限+童夢PROJECT BS
30  綜合警備 PORSCHE       山田洋二/茂木和男           TEAM TAKE ONE    BS
36  カストロール・トムス・スープラ       M.クルム/P.デ・ラ・ロサ  TOYOTA Castrol TEAM BS
37  カストロール・トムス・スープラ       関谷正徳/鈴木利男        TOYOTA Castrol TEAM BS
38  カストロール・セルモ・スープラ       竹内浩典/金石勝智        TOYOTA Castrol TEAM BS
39  デンソースープラGT     影山正美/谷川達也          TOYOTA TEAM SARD  BS
75  NISSAN 300ZX-GTS       立川祐路/高橋 毅           Team Le Man      YH
88  JLOC ディアブロGTR     和田孝夫/和田 久           JALOC CORSA      YH
100 RAYBRIG NSX            高橋国光/飯田 章      チーム国光with MOONCRAFT BS
556 KURE R33               影山正彦/近藤真彦           NISMO            BS

[GT300] 23台
6   ワイズダンロップBP MR-2     加藤寛規/藤田孝博           KRAFT            DL
7   RE雨宮SuperG RX7       山路慎一/松本晴彦           RE雨宮レーシング     DL
11  ムラウチ カメイ スカイライン        石森浩元/鈴木錦治           Mファクトリーレーシング    BS
16  YB BMW 318iクーペ      関根基司/井入宏之           Team Power Magic YH
17  東京科芸専:REロードスター   野上敏彦/輿水敏明      KAGEISEN RACING TEAM DL
19  RS☆Rシルビア          織戸 学/福山英朗      RS-Rレーシングwith BANDOH YH
20  アイ・オート GAB ポルシェ       高橋健二/須賀宏明           アイ・オートレーシングチーム  YH
21  ダンロップ-BP-BMW      一ツ山康/木下隆之         HITOTSUYAMA RACING DL
25  つちやMR2              土屋武士/長嶋正興           土屋エンジニアリング   YH
26  タイサンスターカードRSR         鈴木恵一/新田守男           TEAM TAISAN Jr.  YH
27  TEAM FCJ フェラーリ    太田哲也/A.オロフソン  TEAM FERRARI CULB of JAPAN YH
28  TEAM FCJ フェラーリ    山崎正弘/杉山正巳 TEAM FERRARI CULB of JAPAN YH
45  フレンド日東シーサイドシルビア   湯浅 毅/花井聖明           SIGNAL           YH
51  コブラポルシェ         石原将光/池谷勝則           コブラレーシングチーム    YH
55  Castrol RX7            深沢寿裕/長島正明      SPORTS FACTRY RACING  YH
57  SiFo Spider Ver.GT     玉本秀幸/おくやま道子       ecurie SiFo      YH
70  外車の外国屋アドバンポルシェ 石橋義三/小宮延雄          チーム外国屋     YH
71  シグマテック911        星野 薫/城内政樹          シグマテックレーシングチーム  DL
72  WAKO'S BMW M3          牧口規雄/浅見 武           牧口エンジニアリング   YH
79  ナックウエストシルビア 杉山正則/青柳裕易            NAC WEST         DL
81  ダイシンシルビア       大八木信行/萬雲恒明         TEAM DAISHIN     BS
91  バーディークラブ・MR-2       松永雅博/三原じゅん子       ファーストレーシングチーム   YH
910 ナインテンポルシェ     袖山誠一/見崎清志           910 RACING       DL

*このエントリーリストはGTインサイドレポート班の取材により作成
  されたものです。公式発表ではありませんので、ご注意ください。
*他のホームページやメディアへの無断転載はご遠慮ください。
 マスメディアの方へは別途資料がございますので、古屋までメール
 でご連絡ください。


◎第2戦富士チケット購入のご案内

 各種前売り券、好評発売中!!
 下記のプレイガイドまたは販売店でお求めください

【入場料金】
決勝前売り券 ●大人:5,250円●ペア:9,450円
決勝当日券  ●大人:6,000円●中小学生:無料
予選日当日券 ●大人:3,000円●中小学生:無料
パドックパス ●前売:15,000円(入場料込)●当日:10,000円(2日有効/入場料別)
駐車料金   ●4輪:1,000円●2輪:500円(当日のみ有効)

【チケット発売所】
チケットぴあ(03-5237-9999)/チケットセゾン(03-5990-9999)/
CNプレイガイド(03-5802-9999)/ローソン(関東地区)/
レーシングチケットセンター/赤木屋プレイガイド/丸井チケットぴあ/
神奈川交通営業所/富士スピードウエイ/Mr.クラフト(東京・恵比寿)/
NISMO(東京・大森)/IMPAL(東京・三鷹)/TOM'S(御殿場)他
*一部で取り扱っていないチケットもあります。

【お問い合わせ】
チケットインフォメーションダイアル(TEL:03-3409-2365/平日10:00-17:00)まで。


◎タイムスケジュール
 5月2日(金)練習走行日
  GT練習走行1回目         9:30~11:00
  GT練習走行2回目         13:00~14:30
  GT練習走行3回目         15:30~16:30

 5月3日(土)予選日
  F100カート予選           8:20~ 8:40
  ザウルスRd.2予選         9:00~ 9:20
  F-TOYOTA Rd.2            9:40~10:00
 ☆GT予選1回目           10:20~11:20
  F100カート決勝          11:53~12:10 (6Laps)
  *ザウルスRd.1決勝       12:48~13:05 (10Laps)
  *F-TOYOTA Rd.1          13:38~14:05 (15Laps)
 ☆GT予選2回目           14:20~15:20
  スーパーカート予選      15:40~16:00
                       *:4/6の順延レース

 5月4日(日)決勝日
 ☆GTフリー走行           8:30~ 9:00
  スーパーカート決勝       9:25~ 9:40 (6Laps)
  ザウルスRd.2決勝        10:15~10:40 (10Laps)
 ☆ピットウォーク          10:50~11:40
  F-TOYOTA Rd.2決勝       12:10~12:40 (15Laps)
 ☆GTウォームアップ      13:10~13:25
 ☆GT決勝レース          13:40~15:40 (67Laps)


◎テレビ放送
 5月10日(土)16:00~17:15
 テレビ東京系全国6局ネット
 テレビ東京/テレビ大阪/テレビ愛知/テレビ北海道/テレビせとうち/
 ティーエックスエヌ九州


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                         古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.1/7

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 1 SUZUKA GT300km                                    30 March '97
   Points Ranking                 ポイントランキング            FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
       ◎この集計はインサイドレポート班によるもので非公式のものです


*ドライバーポイント
[GT500]
                                     3/30     5/4   6/29    8/10  10/5  10/26
                                     Rd.1     Rd.2  Rd.3    Rd.4  Rd.5   Rd.6
Po.  No. Driver               合計   Suzuka   FUJI  Hiland  FUJI  MINE   SUGO
------------------------------------------------------------------------------
 1    2  鈴木亜久里/コマス    20     20
 2   39  グルイヤール/影山正美     15     15
 3   37  関谷正徳/鈴木利男    12     12
 4    3  長谷見昌弘/田中哲也  10     10
 5  556  影山正彦/近藤真彦     8      8
 6    5  田嶋栄一/グーセン     6      6
 7   38  竹内浩典/金石勝智     4      4
 8   13  木下みつひろ/菊地靖   3      3
 9   30  山田洋二/茂木和男     2      2
10    8  ガショー/ベルモンド   1      1


[GT300]
                                     Rd.1     Rd.2  Rd.3    Rd.4  Rd.5   Rd.6
Po.  No. Driver               合計   Suzuka   FUJI  Hiland  FUJI  MINE   SUGO
------------------------------------------------------------------------------
 1   19  織戸 学/福山英朗    20     20
 2  910  袖山誠一/見崎清志    15     15
 3   25  土屋武士/長嶋正興    12     12
 4   26  鈴木恵一/新田守男    10     10
 5   51  石原将光/池谷勝則     8      8
 6    9  日置恒文/木下正治     6      6
 7   72  牧口規雄/浅見 武     4      4
 8   81  大八木信行/萬雲恒明   3      3
 9  777  牧口克哉/塩見勝治     2      2
10   70  石橋義三/小宮延雄     1      1


*チームポイント
[GT500]
                                  Rd.1     Rd.2  Rd.3   Rd.4   Rd.5  Rd.6
Po.  Team                  合計   Suzuka   FUJI  Hiland  FUJI  MINE  SUGO
----------------------------------------------------------------------------
 1   NISMO                  20       20
 2   TOYOTA TEAM SARD       15       15
 3   TOYOTA Castorl TEAM    12       12
 4   ハセミ・モータースポーツ          10       10
 5   TEAM 5ZIGEN             6        6
 6   ENDLESS SPORTS          3        3
 7   TEAM TAKE ONE           2        2
 8   POWER CRAFT             1        1


[GT300]
                                  Rd.1     Rd.2  Rd.3   Rd.4   Rd.5  Rd.6
Po.  Team                  合計   Suzuka   FUJI  Hiland  FUJI  MINE  SUGO
----------------------------------------------------------------------------
 1   RS-Rレーシングwith BANDOH  20       20
 2   910 RACING             15       15
 3   土屋エンジニアリング   12       12
 4   TEAM TAISAN Jr.        10       10
 5   コブラレーシングチーム  8        8
 6   TEAM 5ZIGEN             6        6
 7   牧口エンジニアリング    4        4
 8   TEAM DAISHIN            3        3
 9   タックル&RS松元        2        2
10   チーム外国屋            1        1


*第1戦鈴鹿のGTインサイドレポート(FMOTOR4版)は以上で終了です

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

P.S. このレポートへのご意見、ご質問はFMOTOR4F/6番会議室へお寄せください。
   このレポートは個人利用のためのサービスです。商的使用、他ネット、ホー
   ムページへの無断転載はご遠慮ください。他メディアへご利用になりたい方
   は、古屋(QYB04322)までご連絡ください。

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.1/6

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 1 SUZUKA GT300km                                    30 March '97
   Race Topics                     決勝の話題                   FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
                               注:カーNo.前の#はGT500、*はGT300を表します

☆決勝日(30日)のトピック
*51池谷勝則(コブラポルシェ・フリー走行クラストップ)
「予選ではポルシェ勢の2番手だった。トップのポルシェ(*26タイサンスターカー
ドRSR)は速すぎるよ。本番では金曜日のテストくらいのタイムでいけるでしょう。
クルマもいいし、うまくいってます。去年のクルマは清水さんに売ったんです。今年
はRSRのエンジンを積んでます。中速からのピックアップがいいですね。スタートは
石原さんで、17周で交代する予定です」

◎STPタイサンポルシェGT-2
 今回、土屋圭市・松田秀士のコンビでエントリーしていたが、直前になってエント
リーを取り消した。千葉監督によれば「チームタイサンwithアドバンということで契
約して、クルマも黒赤に塗り替えていたんですが、土屋選手の都合で出場しなくなり
ました。今後についてはまだ未定です。ドライバーを替えて出場することは考えてい
ません」とのこと。

◎96年チャリティ募金贈呈式
 GTC開催時のピットウォークで、チャリティ募金(1,000円以上)をすると、その場で
ドライバーやキャンギャルと一緒にポラロイド写真を撮ってもらえる通称"ポラロイ
ド・チャリティ"は、今やGTCの名物となった感がある。昨年GTCが開催された寄せら
れた募金の総額を5つのサーキットで割った平均額は92万2,269円。この募金は鈴鹿
サーキットランドを通じて、慈善団体に寄付されることとなった。30日の午後1時過
ぎより表彰台にて、この昨年度募金の贈呈式が行われた。プレゼンテーターはGTCエ
ントラントを代表して長谷見昌弘選手が行った。なお、贈呈式は各サーキットで毎回
行なわれる。

#38 カストロール・セルモ・スープラ
絶好調のトムス勢に比べ、直前のテストで97モデルをクラッシュさせ、96モデルで臨
んでいるセルモ陣営は、予選結果が芳しくなかった。それでも朝のフリー走行後、竹
内浩典に話を聞いてみると、「(96の方は)テストをしていなかったんで、予選も
ずっとセッティングしていたようなもんなんです。でもようやく朝のフリー走行で
セットが決まりましたから、決勝はかなりいけると思いますよ」とのことで、決勝で
は本来の実力を発揮してくれそうな雰囲気だった。一方今年から竹内とステアリング
を握る金石勝智も、「決勝はガンガン行けると思います。ただね、亜久里さんがうる
さいんですよ(笑)。さっきもわざわざ舘さん使って『路面が濡れてるから気をつけ
ろ』って言うてきて、わかってるちゅうねん(笑)」と、表情は明るかった。気にな
る97モデルの投入に関しては、「クラッシュしたボディを修理して使うか、新品にす
るか、それとも96のボディに97のエンジンとミッションを載せるか今悩んでるんで
す」と佐藤代表。投入は早くて第2戦だが、第3戦になる可能性が高いとのこと。


◎ンボルギーニ・ディアブロの現況
開幕戦には間に合わなかったディアブロだが、現在ニューマシンはフランスで製作
中で、第2戦には間に合う予定になっている。マシンはセンターのチューブラーフ
レームを残して前後はカーボンで造り直し、外観もかなり変わっているという。マク
ラーレンF1のように、ノーマルがディアブロGT、レース仕様がディアブロGTRという
ネーミングになる。エンジンは6リッターで、ドライサンプ化されているため従来よ
り15cmほど低く搭載できる。1号車は4月下旬にシェイクダウン予定で、そのクルマ
がそのまま日本に来る。2号車はFIA-GT選手権に出場し、鈴鹿1000kmにはやってくる
予定。ドライバーは和田孝夫だけは決定しているがもう1人は未定。今年は本気で勝
ちにいくつもりですと、チーム関係者は意欲満々である。

◎300クラスにニューカマー、インプレッサが
ラリー、ダートラ、ジムカーナで知られるキャロッセでは、かねてから残る1つの
フィールドのレースに参戦したいという希望があった。当初は、'97年シーズンから
投入したいという意向はあったが、他のカテゴリーとの兼ね合いもあり、デビューは
第3戦のハイランドに予定されている。ドライバーは、昨年は500クラスのJUNスカイ
ラインをドライブした小林且雄とキャロッセの加勢裕二代表の予定だ。マシンは、今
年から全日本ジムカーナで投入したインプレッサだ。
「以前からレースをやりたいという構想はあった。ただ、人手はないようでメカニッ
クもダートラと兼任なんで、シーズンが始まっちゃった。シャシーは7割ぐらい出来
てるんだけど、マシン全体ではパーツをまだ作っているので、3割ぐらいの完成度で
す。シャシーバランスは良いし、水平対向エンジンは低重心で重量バランスも良い。
ただ、セダンのボディは空力が今一歩なんですが、まあWRカーのようなイメージで
す。シャシーや足回りはキャロッセ製なんで、早く煮詰まるでしょう。チューナーと
して信用できるし、現役のドライバーですからクルマのセッティング能力も高いんで
す。変わったクルマが出るのも可能性を秘めていて面白いでしょう。今年は、走らせ
てみて一回でも良いから結果を残したいですね」(小林且雄)
「エンジンは当面2リッターです。製作はあちこちに協力してもらっています。クル
マはFRと4WDの両方のパーツを用意し、両方テストをします。ミッションはシーケン
シャルの6速の予定です。今年、ジムカーナのCクラスのクルマで既にシーケンシャ
ルは使っていますから」(加勢裕二代表)


○決勝スタート直前 13時45分現在
 天気:曇り
 気温:16度  湿度:51% 路面温度:17度
 入場者数:3/30 42,000人(3/29   11,000人)


*リタイヤ(GTインサイドレポート班調べ)
No. 原因                 周回数
--------------------------------------------------
*21 エンジン               3L
#12 駆動系                3L
*6  ミッション              10L
*333 エンジン               11L
*20 コース上でストップ          16L
*7  デフ・オイル漏れ           23L
#36 ギアボックス             39L

*26 タイサンスターカードRSR
黒旗提示:ピットロードでの速度違反:ペナルティ10秒

*26 新田守男(タイサンスターカードRSR)
「ピットインする前に*19シルビアをスプーン入り口で抜くことが出来た。最初はず
いぶん離されてしまって、心配でしたよ。でも何とか自分の仕事が出来たと思いま
す」(ドライバー交代直後)

*19 福山英朗(RS☆Rシルビア)
「満タン状態では、ウチの方が速かったけど、軽くなってからは*26ポルシェの方が
バランスが良いみたいだね。でも、あちらはペナルティがあるみたいだし、もう飛ば
すことないじゃないかな」(残り10周時点)

#37 関谷正徳(総合3位、カストロール・トムス・スープラ)
「セッティングを失敗したのか、よく分からないけど、なぜかオーバーステアだっ
た。利男に悪いことしちゃったよ」

#39 影山正美(総合2位、デンソーズープラGT)
「兄貴抜くのに手こずっちゃった。いやぁ、面白かったですねぇ。ブロックが結構き
つかったけど。大丈夫でしょ、レースだから。兄貴も分かってますよ。本当にチーム
がいいクルマを造ってくれたからできた走りです。ホントは1番がいいんでしょうけ
ど、とりあえず表彰台に上がれてよかったです」

#39 オリビエ・グルイヤール(総合2位、デンソースープラGT)
「マサミがよいポジションでクルマを渡してくれたんんで、とてもイージーだった
よ。クルマはすごく快調だった。ただ、終盤ちょっと4速と5速が入り辛くて注意し
ながら走らなければならなかった。コースの一部で追いつかれてしまったのはそのた
めだ。タイヤもよかったし、開幕戦としてはたいへんよい結果が残せたと思う。この
チームがそろって最初のレースでこの順位はとてもうれしい。スズキ(利男)選手と
競り合ったが、彼は非常にフェアで、とても気分よく走れた。激しく競り合っても
フェアに走らなければならない。自分もそうしたし」

#2 ZEXELスカイライン(総合優勝)
柿本監督:「長かったですね。クルマのほうはまったく問題ありませんでした。ピッ
ト作業で10秒は稼げましたよ。あれで勝てました。(メカニックが「言われたとおり
にやりましたよ。なんかください(笑)」)

#556 KURE R33(総合5位)
影山正彦:「前を走っていた星野さんが急に遅くなって当たったんだ。きっとトラブ
ルだろう。大きなダメージはなかったけど、エアジャッキの口がへこんでピットで時
間をくった。正美はこれで運を使っちゃたから、もうないよ(笑)」
近藤真彦:「ここからひとつずつ順位を上げていきたい。4、3、2、1、1位でノルマ
OKですね(笑)」


☆ウィニング・インタビュー

総合優勝
鈴木亜久里(#2 ZEXELスカイライン)
「チームは喜んでました。NISMOがGTで勝つのは5年ぶりでスカイラインの100勝めっ
て言ってました。NISMOも日産も改めてスタートを切ろうといったレースで優勝でき
たのは嬉しですね。スタートはポールの関谷さんがアクセル踏むまでは待ってようと
思ってました。エンジンのトルクがあるんでスカイラインの方がひとつのギアが長い
ので、スタートは少し有利かなと思ってました。それで前に出れて、少し楽になる
なって。それで最初は一生懸命逃げたんです。2分7秒くらいのハイペースで逃げまし
た。36号車が追い上げてくるのは分かってました。その時はブレーキが少し深くなっ
て、最初に攻めすぎたんで少しタイヤがきつかったんですが、何とか押さえられる
なって。このままトップでエリックに渡せば、彼が何とかしてくれるのは分かってま
したから。今回はスープラはトラブルだったんですが、次回トヨタも対策してくると
思いますし、我々も早く新しい車を導入したり、強化をしていきたいですね。今期の
目標は、まず土曜日の夜にトムスの舘監督の誘いに乗らない、夜遊びに付き合わない
ですね(笑)。昨日も誘われたんですが、11時までに引き上げたんで、勝てたんです。
あとはレースの神様が決めることですから、まじめにレースやっていけば何回か勝て
るんじゃないかなと」

エリック・コマス(#2 ZEXELスカイライン)
「日産での最初レース勝ててうれしいです。いいスタートになった思います。みんな
のおかげです。なぜなら...(以下日本語で)あぐりさん、ちょべりぐっどすたーとで
すね。そう、あとでわたしはキープポジション。と、36のくるま、ちょっとはやいで
した。でもラップタイムがおなじくらい。あとで36ばんのくるまリタイア。そのご、
かんたんでした。もちろん、レースおわりまでゆっくりいきました。なぜなら、ゆう
しょうしたいからです。すかいらいん、このくるまとてもすきです。いまきょねんの
くるまですね。もうすこし、97ねんのくるま、たぶん、とてもはやいです。このしゅ
うまつはすーぷらとすかいらいんおなじくらいのはやさでした。そう、コンペティ
ティションがハイレベル。(英語に戻って)この選手権はとてもすばらしいので、日
産の勝利の為に頑張りたいです」

GT300クラス優勝
福山英朗(*19 RS☆Rシルビア)
「(レース後かなり厳しい顔でしたが?)状況は分かってました。けど、まあたいして
若くないんですけど(笑)、若い選手を育ててくれって言われてましたから、キツイ顔
するところはしないと、育ちもしませんから。ぴっと締めるっと。今日はかなりラッ
キーな部分もあって優勝できました。クルマは去年のシルビアとはまったく別物で、
生まれたばかりの赤ちゃんみたいなクルマなんで、もっともっと仕上げていかない
と、シーズン通しては厳しくなると思います。26のポルシェが追い上げてた時にピッ
トで呪いかけてましたから(笑)、黒旗でピットに入った時は、天井を突き破るくらい
飛び上がって喜びました(笑)。今年はタイトルは取りたいので、僕らも、開発のス
タッフも頑張りますから、運良く取れればありがたいですね。え、今年のうちのキャ
ンギャルの衣装が過激ですって? それがそもそも全ての間違いです(笑いながら織戸
の方を見る)」

織戸 学(*19 RS☆Rシルビア)
「ラスト1周で『ああ、あと1周だぁ』と思ったら、ちょっと心の中でいろいろ考える
ことがあって。胸に込み上げるものとか、ちょっとニヤニヤしちゃって。で、自分の
不注意ですピンしちゃったんですけど。(福山「優勝したら、キャンギャルとなんか約
束してたんじゃないの(笑)」)。まあ、状況はそんな感じです(笑)。そうしたら、
(ストレートに戻って)チェッカーを受けるはずが、こうやって(オフィシャルがピッ
トを指した)入れられちゃったんで、もしかしたらGT300はピットに入んなきゃいけな
いのかなって、勝手に解釈しちゃったんです。それが混乱の原因です。これは僕のミ
スです。交代してからは順位を考えないで走ってました。練習というとおかしいです
が、自分がこれから学ばなければいけないことがたくさんあるからと、それを心がけて
走りました。今日はほんとに、福山さんを始めメカニックの人たちがやってくれてれ、
僕は走るだけだったですけど、こういういい結果が残せてうれしいですね」


*ランキング表に続く

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.1/5

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 1 SUZUKA GT300km                                    29 March '97
   Qualify Topics                   予選の話題                  FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
                               注:カーNo.前の#はGT500、*はGT300を表します

☆注目のニューカマー(ニューマシン)に訊く
#13 木下みつひろ(エンドレスアドバンGTR)
「12月頃からGT参戦の話は出ていて、クラリオンカラーの'96仕様のルマンのテスト
車をNISMOから買いました。18、19日の鈴鹿合同テストがシェイクダウンでルマン仕
様のまま好感触を得たんですが、N-GT規定の形状に合わせたらフェンダーやバンパー
が飛んだりと、ボディ関係の強度不足が出て、スピードを出せない状態です。悪い
ところを鈴鹿で出し尽くして、クルマを仕上げたいです」

*6 藤田孝博(ワイズダンロップBP MR-2)
「昨年の井村屋号の改良マシンです。車体のダウンフォースを増したり、エアイン
テークを下の方から取るように変えました。GT合同テストで初めて乗ったんですが、
フォーミュラと違って路面のインフォメーションがダイレクトに来ないので戸惑って
います。サスペンションはスーパーストラットからノーマルにしました。耐久は初め
てなんでいたわりつつ加藤さんに引っ張ってもらいたいです」

*7 RE雨宮Super G RX7
雨宮勇美代表:「97年からFIAのレギュレーションでロータリーの係数が1.5から1.0
になったんで、3ローターを出してみようかと思いました。20数年変わってないエン
ジンだったし、タイムも練習走行でも、2秒ぐらい同じ300クラスのライバルに差を付
けられてきて、ポルシェの安定性なども高いですしね。13Bから比べて10~15馬力ぐ
らいパワーも増えて、320馬力ぐらい出ています。トルクも26.5kgから37kgへと増え
ました。その分、車両重量も1070kgになって、あと29kgは軽量化できるんですけれど
ね。ストリートパーツを販売しているので、ストリートと同じ物を使いたいんです。
開幕戦という事で、6位入賞をねらいたいです。悪いところがここまで何も出ていな
いので、反対に不安はあります」
山路慎一:「金曜日はトータルで15周ぐらい走りました。足回りが決まってなかった
のを、最後には納得できる範囲までセットできました。トルクがないとタイムにつな
がらないし、飛び込み一発や脱出一発の速さだけになってしまうんです。ノーマル形
状のサスペンションなんでストローク特性を良くしていかないと。シルビアはノーマ
ル部品はないでしょう。MR2もジオメトリーをいじっているからストローク特性は
上がっているし、40mmぐらいは動いてると思います。ウチは去年のデーターで最小だ
と25mmのストロークしかなかった。シルビアやMR2はレーシングカーなんで、対抗す
るにはさらに手を加えたい。まあ、ここまで速いというのはRX-7の素性の良さの証明
で、誰がやっても速いマシンに仕上がる可能性はあると言うことでしょう。3ロー
ターの認可は勇気がいる行為だったと思うんですが、この決断はレースを盛り上げて
くれると思いますよ」

*19 織戸学(RS☆Rシルビア)
「木曜日に最高速が出ない不調のマシンを富士でチェックしました。おかげで、ここ
まで来れて、足のセッティングに好みの部分でとまどったけれどいい感じです。ねら
える位置に居るんじゃないかな」

#8 パワークラフトTRDスープラ
ベルトラン・ガショー:「マシンは去年までのものとは違う全くのニューマシン。ポ
テンシャルは高いと思うし、とくにエンジンが良いが、まだ出来立てでセッティング
の真っ最中。この前に1時間乗っただけ。まだまだこれからで、タイム云々という段
階じゃあない」
ポール・ベルモンド:「去年の夏の鈴鹿1000kmに出たので日本でGTに乗るのが初めて
というわけではない。ただトヨタ車は初めてだ。また外国の選手権に出るのもこれが
初めてだ。FIA選手権は詳細がずっとはっきりしていなかったから良いチーム、良い
マシンでレースがしたいと思って、それで日本に来ることにした。今は先ずマシンに
慣れること。今回は完走を目指す」

*16 関根基司
「チーム・パワー・マジックっていうのは、取り敢えず付けた名前なんです。武藤文
雄さんと僕で一緒にやろうってことで。武藤さんの会社で、去年一ツ山さんが乗って
いたマシンを手に入れてチューンして、それで出場します。ええ、2リッターのNAで
す。井入君は、ある人から紹介してもらいました。腕も性格もいいっていうし、本人
もシビック・インターカップより上のレースがやりたいってことだったもんで。え
え、期待してますよ。我々はヨコハマ・タイヤでやるんですが、去年一ツ山さんたち
はダンロップだったでしょ。だから足回りのセッティングがちょっと違うんですが、
まぁ心配はないと思います。BMWは一昨年の旧型M3以来なんですが、グループAでもM3
や635CSi乗っていたんで、結構縁があるんですよ」

*333 カストロール・ポルシェ
清水正智:「GTは初めてなんですが、フォーミュラとは違うんで、大変です。実は鈴
鹿は3年ぶりなんですよ。でもちゃんと覚えてましたけどね(笑)。クルマは去年他
のチームで使っていたものを、ノバで組み直してもらいました」
片山義美:「年末に急に清水君からお誘いがあってね。ホンマはもっと若い子がエエ
んちゃうか、って言うたんやけど、若い子が乗るとクルマ壊すかも知れないから、言
われてね(笑)。清水君とレースするのは初めてやけど、元ダンロップの京極さんが
間に入ってくれたもんやからね。ポルシェは956以来やね。911でレースするのは初め
て。まぁものの5~6周もすれば慣れるやろ。それとGT選手権にマツダが復帰する時
のために勉強しとこう、思うて。身体慣らすのにもエエしな。まぁ2人合わせて100
歳越えるなぁってこないだ笑ったんやけどね(笑)」

*27 太田哲也
「今日(金曜日)クルマが完成したばかりなんです。午前中は燃調がおかしくて走れ
なかったので、午後の走行がシェイクダウンです。クルマはフェラーリ・チャレンジ
用の車両に前後スポイラーをつけて、ガソリンタンクとショックアブソーバーを交換
し、ロールバーなどを補強した程度です。車両重量がまだかなり重いのが難点です
ね。クラッチペダルが奥まで踏んだ時に戻ってこないんですよ。しばらくするとポン
と戻るんですが、クラッチミートが難しくてスタートに苦労しました。クルマ自体
は、コーナーはまだいいんですけど、エンジンにまったくパワーがないですね。この
クルマは5バルブで、本来非常に高回転型なんですけど、リストリクターで抑えられ
てしまっているために、体感的には250馬力くらいにしか感じられないですね。他
のGT300クラスのクルマが物凄く速くみえるくらい。ある程度は予想してましたけ
ど、ちょっと厳しいですね。まあでも今後のためもありますから、ベストを尽くして
頑張ります」

#5 田嶋栄一(5ZIGEN SUPRA)
「今日(金曜日)がシェイクダウンなんです。まだどうこう言える段階ではないです
ね。ただ、セッティングの方向性は見えているので、あとは煮詰めていくだけです。
まだ二人の好みがどう違うかはわかりませんが、他チームではいいタイムが出ていま
すから、素性はいいはずです」


☆予選日(29日)
 予選1回目のトピック

#75 NISSAN300ZX-GTS
レギュレーションの解釈の違い(ホイール幅)により、車検委員からクレームがつ
き、予選1回目の走行を取りやめた。

#37 関谷正徳(予選1回目トップ)
「GT300と分けているので20分しか時間がないから、とりあえず出したタイムです。
クルマは、96仕様と基本的には変わらないんですが、エンジンが97スペックになった
こと、それからミッションがH型からシーケンシャルになったことが違います」

#2 鈴木亜久里(予選1回目2番手)
「(午後は)もうダメだね。雨でタイムは出ないでしょう。ただ、スープラに負けた
のは悔しいね。大事なのは明日の決勝だし、クルマのトータルなバランスを煮詰め
て、一生懸命頑張るだけ」

#556 影山正彦(予選1回目3番手)
「正直言ってクルマの状態の割には予選の順位は良かった。もう一つクルマが決まっ
てなくて、アンダーステア気味。もう少しセットすればタイムも上がるはず。明日は
気合い充分ですよ」

#12 カルソニックスカイライン(予選1回目4番手)
本山哲:「アタックは星野さんです。レースに向けてはセットもokで、レースウィー
クにはクルマのトラブルも出て、リズムが狂うところもありました」
金子監督:「あんまりよくなかったね。バッテリーにトラブルがあって、5分ぐらい
出遅れたのが響いた。ニュータイヤに履き替えて2周目でベストラップを出そうとし
てたんだけど、1周しかアタックできなかった。決勝は晴れだと思うけれど、雨は雨
で…。ドライバーには自信があるので、頑張りますよ。悪くても表彰台に行きます」

*26 新田守男(予選1回目GT300トップ)
「タケシ(つちやMR2)が速かったでしょ。その後タケシが停まっていたのを知らな
かったモンだから、とにかく早くタイムを出さなくちゃと思ってね。午後は、もうボ
クと恵一さんと1セットずつタイヤを使っちゃたから、もうアタックはしません」

*25 土屋武士(予選1回目クラス2位)
「1回目のアタックで15秒ゼロまで出した直後にエキゾーストパイプが外れてしまっ
た。だからアタックは1周しかしてないんです。タイサンは13秒9ですか。ウーンい
い勝負ですね。午後は天気が悪くなるだろうし、順位はこのままじゃないですか。も
し天気がもてば、タイヤはもう1セット残ってますからもう1回アタックします」


☆予選2回目のトピック

#39  オリビエ・グルイヤール(デンソースープラGT)
「午前中はクルマは快調だった。とくに二度目に新品タイヤで出たときはクルマは完
璧な状態だった。ところがダンロップコーナーでスピンしているクルマがあったん
だ。あれで1秒から1.5秒はロスしてしまった。だからあのタイムにはまだ余裕があ
る。ともかくクルマには満足している。あと1秒くらいは詰められると思う。午後は
コースアウトしてしまったが、水にのって飛び出しただけ。クルマはスポイラーを少
し傷めただけで問題ない。雨のスズカが初めてなら雨のなかスープラで走るのも初め
て。コースコンディションはかなり難しい状態だったんだ」


#3 長谷見昌弘(ユニシアジェックススカイライン)
「午後の走行では、スプーンで前のクルマが上げたオイルスモークに視界を奪われ、
コースアウトしてしまった。クルマはフロントのスポイラーがちょっと壊れたが、明
日の決勝にはまったく影響はない。クルマは昨年のまま変わっていないんだけど、フ
ロントタイヤがきれいに減らないという症状に、富士のテストから見舞われるように
なってしまった。クルマってのはそういう不思議なことがあるんですよ。それに今回
はどうもタイヤの磨耗が激しいようです。これはウチだけじゃないんです。だから決
勝では、タイヤをいかに保たせるかという走りになりそうだ。それにしても今回は
ちょっと苦しいね。ほかが潰れて自分のところが浮上するというパターンは、ちゃん
とセッティングができての話だからね」


☆注目ドライバー大いに語る
ポールシッター&話題のドライバー共同記者会見
 29日の予選終了後、共同記者会見が行われた。出席したのは、ポールポジションを
獲得した#37 カストロール・トムス・スープラの関谷正徳と鈴木利男、GT300クラス
でトップタイムを記録した*26 タイサン・ポルシェRSRの新田守男、#2 ZEXELスカイ
ラインの鈴木亜久里とエリック・コマスの5人のドライバー。それぞれのコメントの
要約は以下のとおり。

関谷正徳(#37 トヨタ・カストロール・スープラ)
「クルマはいいですよ。去年と変わったのは、シャシー剛性が上がったのと、エンジ
ンが4連スロットルになったこと。それとミッションがシーケンシャルになって、サ
スペンションも多少見直したので、トラクションとかそういう部分がすごくよくなっ
た。そういう意味では、いろんなものをほとんど換えていますから、去年より相当よ
くなっていますね。予選タイムはよかったんですけど、実はヘアピンでダサかったん
ですよ。カメラ積んでいるんで意識しちゃって…。ホントは4秒台だったんだけど、
そんなタイムが出るとまずいんで、やめといたんです(笑)。スカイラインがもっと
速くなるとまずいですから」

鈴木利男(#37 トヨタ・カストロール・スープラ)
「クルマはスカイラインもスープラもどっちも一緒ですよ(笑)。形が違うだけ。た
だ最初に乗った時凄くきれいに仕上がっているんで驚きました。乗るのもったいない
と思うくらい。実際走ってみて感じたのは、スープラは乗りやすいってことですね。
それ以上はコマスに聞いてください(笑)。ただスープラの取り回しは楽ですよ。向
きを変えるのは変えやすいです。あとブレーキは、ブレーキだけだったらスカイライ
ンの方がいいかも知れませんけど、クルマってのはそれだけじゃありませんからね。
関谷さんとのコンビですか? それはもう「最強じじいコンビ」でしょ(笑)。もう
これ以上ないわけですから、間違いないですよ。今シーズンは最終的に最終戦でチャ
ンピオンがとれればいいですし、それまでに決まっていればもっといいですね」

関谷「100kgウェイト積めるといいね(笑)。明日の決勝に関しては、作戦はとくに
ないですよ。とにかく一生懸命全開で走って、チギれれば楽ですし、チギれなければ
厳しいレースになるし、ということですよね。とにかく全力で走るだけです。あとは
もらい事故とかに気をつければ、と思っています。クルマは心配すればきりがないで
すからね」

鈴木亜久里(#2 ZEXELスカイライン)
「予選はできればもうちょっといきたかったですね。クルマは去年のオールスター戦
からなにも変わってないですよ。リヤのスプリングを50ポンドを堅くしたくらいか
な。クルマはね、説明するのが難しいんだけど、単純にアンダーが強いとかそういう
問題じゃなくて、アンダーも強ければオーバーも強いんですよ。でもシビアじゃない
んで、すごく乗りやすいんです。というより、乗りにくいんだけど怖くないの。クル
マを走らせることに対して神経を使わないんですよ。速く走るかどうかは別なんだけ
ど、雨のなかやタイヤが冷えているときでも、スピンしちゃうってことはないんで
す。そういう意味では楽かな。それは研ぎ澄まされた速さじゃないのかも知れないけ
ど、ドライバーにとっては楽にレースができるってことですからね。フォーミュラ・
ニッポンのウチのドライバー2人がそれぞれライバル車に乗ってますけど、今回は作
戦勝ちですね。『わかってんだろうな!』作戦(笑)。2人に無線で、『白いZEXELが
見えたらわかってるんだろうな!』っていうね(笑)。まぁ、『無理な抜き方だけは
やめてくれ』とは言っておきましたけど。あと金石には『クラッシュして全損にはす
るな』って言っときましたけどね。でも2人ともムキになってかかってきますよ。本
山なんか『絶対負けたくない』って言ってましたもん。金石はそういうタイプじゃな
いですから、なんかモゴモゴ言ってますけど(笑)。『絶対亜久里さん、負けません
よ』なんて言ってるから、怖いですよね。でも逆に、2人には早くどんどん行って欲
しいよね。スカイラインの97モデルは、次のレースか、次の次か、98年に近づいたた
ら出てくると思いますよ」

エリック・コマス(#2 ZEXELスカイライン)
「(すべて日本語で)スカイラインとスープラは、ステッカーがちがう(笑)。スカ
イラインは、もあかんたんです。ラップタイムおなじくらい。でもきょねんのくるま
です。そー、あたらしいくるま、まってます。97ねんモデル。まってます。たぶん、
よりよいね。でもとてもかんたんです」
鈴木利男「そのとおりです(笑)。スープラの97年モデルはもっとカンタン(笑)」

新田守男(*26 タイサン・スターカードRSR)
「13秒台のタイムは、ボクたちは出ると思ってなかったんですけど、他のチームが既
にテストで出していますから、今回はたまたま他のチームの調子が悪かったんだと思
います。クルマはちょっとだけ軽量化をしてますが、あとは去年と一緒です。エンジ
ンもオーバーホールしてませんし。千葉さんがおカネないからしないって(笑)。で
もシーズン途中で壊れると思うんで、そうしたらやると思うんですが、もっとおカネ
かかったりして(笑)。もちろんウェイトハンデがないですし、タイヤもかなりよく
なっているみたいなんで、その分もあると思います。ライバルとしては、土屋さんと
このMR2と、坂東さんのところのシルビアと、雨宮さんのRX7と、みんな真っ直ぐとか
が速くなってきてるんで、堅く堅く行って、ポイントを確実にとっていこうと。もち
ろんすごく勝ちたいんですけど、あんまりひっちゃきになって、こっちが墓穴を掘ら
ないようにしたいと思っています。でも開幕戦は絶対とりたいですね。今シーズンも
負けたくないです。与えられたクルマでチャンピオンとりたいと思っています」

関谷「今年はマクラーレンが出ないですけど、マクラーレンそのものはちょっとルー
ルの違うレースのクルマですからね。そういった意味では、いればいたで大きな差が
あるでしょうが、今年はスカイラインとスープラ、そしてNSXも出てくるから、トヨ
タとニッサンとホンダの三巴の戦いを、楽しんで見てもらえるんじゃないですかね。
その中でトヨタを一歩リードさせたいんですけど、スカイラインも97モデル出してく
るわけでしょ。それにNSXだってどのくらい速いかわからないわけですし。それだけ
に、非常に面白い、ファンに楽しんでもらえるレースにできたらいいなと思っていま
す。で、その中で何回かこちらが勝てたら最高ですね」

亜久里「スカイラインは97年モデルを今一生懸命作ってるんで、それがどのくらいの
パフォーマンスか。まぁ今年のクルマをベースに悪いところを改良してるんで、今年
のクルマよりは速くなると思いますから、そうした時に他のクルマと比べてどうか、
ですよね。なにしろスープラがどのくらい行くのか、NSXがどのくらいのパフォーマ
ンスなのかわからないわけですからね。でも基本的にこのレギュレーションでやって
いくと、みんな互角に戦ってレース自体は面白くなると思いますよ。1つのクルマだ
けが断トツに出ていっちゃうより、みんなが競り合って最後にどうなるかってレース
をしたら面白いんじゃないですか。去年のマクラーレンってのは、基本のコンセプト
が違ったんですが、今年出てくるのはどれも同じようなレベルのクルマなので、見て
いるお客さんは面白いでしょう。やってる僕たちは苦しいですけど、そのなかでいい
結果が出せれば面白いですからね。目標としては2つですかね。2つは勝たないといけ
ない契約になってるんです(笑)」

*決勝の話題に続く
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.1/4

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 1 SUZUKA GT300km                                    30 March '97
   RACE Report                      決勝レポート              FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------

スカイラインvsスープラの激しいバトル
スタートダッシュを決めたZEXELスカイラインが逃げ切る

                                                        天気:晴 気温:16゚C
                                                        コース:ドライ
                                                        スタート:14時05分

 心配された雨も何とか持ち、ドライコンディションで1997年のGTC開幕戦SUZUKA 
GT300kmの決勝レースが30日14時ちょうど、鈴鹿サーキットでスタートした。
 スタートはトルクに優るスカイラインの特性を生かして、No.2ZEXELスカイライン
/鈴木亜久里がダッシュし、ポールポジションのNo.37カストロール・トムス・スー
プラ/関谷正徳を押さえて1コーナーに1番で進入する。これにNo.556 KURE R33/影
山正彦、No.12カルソニックスカイライン/星野一義、No.39デンソースープラGT/
影山正美が続く。スタートダッシュを決めたNo.2ZEXELは後続を徐々に離していく。
一方、No.12カルソニック/星野とNo.KURE R33/正彦という去年までコンビを組ん
でいた師弟コンビが激しく争う。だが、4周目のヘアピンで星野が突然失速。ぴっ
たりと後ろに付けていた正彦は避けきれずに追突してフロントを一部破損してしま
う。星野はデフのトラブルらしく、このままリタイアし、この勝負あっさりと水入
りになる。星野に代わって次に3番手を行く正彦を攻めたのが、実の弟であるNo.39
スープラの正美だった。スープラのストレートスピードを活かして、接触の後遺症
か今一つスピードの乗らないNo.556に襲い掛かるが、正彦は巧みなブロックライン
を使って正美を前に出させない。これにスタートで出遅れたNo.36カストロール・ト
ムス・スープラ/デ・ラ・ロサも加わって、6周に渡って3つ巴のバトルを展開する。
ここから抜け出したのはラップペースが明らかに勝っているNo.36のスープラだっ
た。このスープラは昨年型で熟成の度合いはもっとも進んでいた。さらにNo.556
/正彦が周回遅れに引っかかる隙を突いてNo.39/正美もパッシングしていく。そ
こに激しい追い上げを見せるNo.36スープラは、11周目にはNo.37スープラもかわし
て、これをかわして2番手に上がる。
 これで、トップがNo.2スカイライン、No.36スープラ、No.37スープラ、No.556ス
カイライン、No.3ユニシアジェックススカイラインと続く。
 23周目に入るとトップのNo.2スカイラインがピットイン。亜久里からコマスへと
バトンタッチする。これを皮切りに上位陣が続々とピットイン。この時、No.556は
接触の為に、エアジャッキの接続口が中に食い込んでしまったために、ピットで時
間をロスし6番手に順位を下げてしまう。それ以外は大きな順位の変動はなかった。
 トラブルに襲われたのは、トップを行くNo.2スカイラインを徐々に追いつめてい
たNo.36スープラだった。40周目にミッションのトラブルで突如白煙を上げ出し、つ
いにはストレート脇のグリーンでマシンを止めてしまった。これで、一気に楽に
なったNo.2コマスは若干ペースダウンをする余裕を見せて、そのままゴールを迎え
た。この勝利は亜久里にとって全日本F3000以来9年ぶり、スカイラインにとって記
念すべき100勝目だった。


GT300はRS☆Rシルビアがデビューウィンを飾る

 GT300クラスは、GTC初登場のNo.19RS☆Rシルビアが序盤をリード。これを3ロー
ター化でトルクアップし戦闘力を上げたNo.7RE雨宮SuperG RX7が追うという展開。
クラス・ポールNo.26タイサンスターカードRSRとNo.910ナインテンポルシェは、や
や出遅れ追い上げを掛ける。15周過ぎにNo.7RX7が突如オイルを吹き上げ、ピット
に戻ったものの結局リタイア。終盤、No.26ポルシェが、No.19をきわどく追い上げ
たが、なんとピットロードの速度規制を守らなかったというペナルティで10秒、さ
らにはラスト2周でガス欠でもう1度ピットインするというミスで、逆転のチャンス
をふいにし、4位となった。No.19シルビア/織戸学は、最終ラップにスピンし、何
とかリカバーし、逃げ切って初出場レースで初優勝を飾った。さらにゴールの際に
誘導の手違いでチェッカーを受けることが出来ず、一時失格という情報も流れたが、
結局リザルト通りとなった。


☆優勝者のコメント
総合優勝
No.2 ZEXELスカイライン
 鈴木亜久里
 「ブレーキにちょっとトラブルがあったけど、問題にはならなかった。とに
  かく勝ててよかった。ピット作業がよかったんでアドバンテージができた」
 エリック・コマス
 「NISMOやタイヤメーカーのみなさんがいいクルマを造ってくれて勝てました。
  感謝をいいたいです。(あとは日本語で)あぐりさん、ちょべりぐっどすたー
  とね。あと、36ばんリタイアで、かんたんでした。おわりはゆっくりいきま
  した。スカイラインにのれたうれしいです」

GT300クラス優勝
No.19 RS☆Rシルビア
 福山英朗
 「GT300のほうも面白いレースをやってるから、ファンも増えるでしょう。ピッ
  トで呪いをかけたからタイサンがガス欠になったのかな(笑)。うまくいき
  ましたよ。織戸は初々しいミスだからねぇ。カンベンしてやって」
 織戸学
  「ラスト1周で感極まっちゃって、いろいろ考えて・・・。ニヤニヤしちゃっ
   て。(福山「キャンギャルと約束してたんだろ」)え、いや、そうです(笑)。
   不注意でスピンしちゃったんです。それで、慌てちゃって、ストレートに
   戻ったら、オフィシャルがピットロードを指してるもんだから、GT300は
   ピットに入れるのかと思っちゃって。反省してます」

以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                         古屋 知幸 = QYB04322 =

全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.1/1

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 1 SUZUKA GT300km                                    19 March '97
   Preview Report                 プレビューレポート            FMOTOR4版
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開幕迫る!'97GTC第1戦 SUZUKA GT300km

スープラ勢が開幕奪取を狙う?!
移籍組GT-R/コマスvsスープラ/利男の活躍は
NSX勢はマシンが間に合わず欠場

 開幕最大の話題はスカイラインGT-R(R33)のレーシングバージョンを開発した鈴
木利男のカストロール・トムス・スープラへの移籍だろう。一方、昨年スープラに
唯一の勝利をもたらしたエリック・コマスが、利男と入れ替わるようにNISMOへ移
籍した。これにより、トムス・スープラは関谷正徳/鈴木利男組に、ZEXELスカイ
ラインは鈴木亜久里/コマス組となり、ゴールデン・ペアが一気に2つ誕生するこ
とになった。
 スープラ勢では、今季TEAM 5ZIGENが新たに参戦。ドライバーは綜合警備PORSCHE
で95年第3戦仙台でポールを獲得した田嶋栄一と96インターF3000でランキング3位の
マーク・グーセンがコンビを組む。これにより、スープラ勢は昨シーズンより1台増
えて6台になる。また、ほとんどのチームが97年仕様のスープラを使用する予定で、
開幕ダッシュを狙っている。
 この他ニューカマー・ドライバーとして注目なのは、シャトレーゼ・ポルシェGT2
のラルフ・ファーマンだろう。彼は英国F3の96年チャンピオンを獲得している。ま
た、カルソニックスカイラインの本山哲、ATLUSつちやMR2の土屋武士、ワイズダン
ロップBP MR-2の加藤寛規、NISSAN 300ZX-GTSの立川祐路など、期待のドライバーが
フルエントリーすることなった。
 また、開幕前に話題を呼んだ無限開発のNSXはマシン製作が間に合わず、開幕戦は
欠場となり第2戦富士からの参戦となる。
 また、確定情報ではないが、パワークラフトTRDスープラにフランスの映画俳優の
ジャン・ポール・ベルモントの息子としても有名な、ポール・ベルモンドが乗ると
いう情報が入っている。今季はチーム国光を離れた土屋圭市だが、いくつかのチー
ムと交渉中とのことで、開幕への参戦は微妙だがGTC出場の可能性はありそうだ。


23台の大量エントリー
GT300は戦国時代に突入せり!
GTC初登場のフェラーリF355の実力はいかに

 GT300クラスは、過去最大23台がエントリーしている(3月18日現在)。この中で
注目なのが、今季から登場するフェラーリF355だ。フェラーリクラブ・オブ・ジャ
パンのバックアップにより2台がエントリー。F40でも活躍した太田哲也がステアリ
ングを握るだけに初戦と言えども侮れないだろう。
 また、2月の鈴鹿テストで昨年ポルシェRSRが記録したGT300のコースレコードを
4秒近く縮めるタイムを記録しているのが、ATLUSつちやMR2。土屋武士のドライブに
よるタイムで、早くもポール候補の呼び声が挙がっている。
 昨シーズン登場した初戦にポールを獲得したシルビアはNAエンジンだったが、今
季ターボ化される。このNISMO開発のシルビア・ターボを得たのが、昨年のTV解説で
も活躍した板東正明の率いるRS-Rレーシングwith BANDOHだ。ドライバーもシルビア
使いとして名高い織戸学が指名され、これもポール候補といえる。RE雨宮のRX7も昨
年は2ローターの13Bだったが、今季は3ローターエンジンの20B投入を決定。開幕戦
に間に合わせるべく努力しているようだ。
 安定志向のポルシェRSRに対し、国産GT300マシンはそれぞれパワーアップを図っ
ている。今年のGT300は過激な戦国時代に突入するだろう。

                    Report by GTインサイドレポート班


☆'97全日本GT選手権 第1戦 SUZUKA GT300km
予想エントリーリスト(3月18日現在)

[GT500] 16台
No. マシン                 ドライバー                    エントラント   タイヤ
----------------------------------------------------------------------------
2   ZEXELスカイライン      鈴木亜久里/E.コマス          NISMO           BS
3   ユニシアジェックススカイライン       長谷見昌弘/田中哲也          ハセミ・モータースポーツ   BS
4   アドバンポルシェ       金海辰彦/駒 光武            SUZUKI BANKIN   YH
5   5ZIGEN SUPRA           田嶋栄一/M.グーセン          TEAM 5ZIGEN     DL
8   パワークラフトTRDスープラ       B.ガショー/P.ベルモンド      パワークラフト  BS
10  シャトレーゼ・ポルシェGT2       飯田 薫/R.ファーマンJr.     TEAM TMS        DL
12  カルソニックスカイライン           星野一義/本山 哲            HOSHINO RACING  BS
13  エンドレスアドバンGTR        木下みつひろ/菊地 靖        エンドレススポーツ     YH
30  綜合警備 PORSCHE       山田洋二/茂木和男            TEAM TAKE ONE   BS
34  STP タイサンポルシェGT2       松田秀士/T.B.N.              TEAM TAISAN     YH
36  カストロール・トムス・スープラ       M.クルム/P.デ・ラ・ロサ  TOYOTA Castrol TEAM BS
37  カストロール・トムス・スープラ       関谷正徳/鈴木利男        TOYOTA Castrol TEAM BS
38  カストロール・セルモ・スープラ       竹内浩典/金石勝智        TOYOTA Castrol TEAM BS
39  デンソースープラGT           O.グルイヤール/影山正美    TOYOTA TEAM SARD  BS
75  NISSAN 300ZX-GTS       立川祐路/T.B.N.              Team Le Man     YH
556 KURE R33               影山正彦/近藤真彦            NISMO           BS

[GT300] 23台
6   ワイズダンロップBP MR-2     加藤寛規/藤田孝博            KRAFT           DL
7   RE雨宮SuperG RX7       山路慎一/松本晴彦            RE雨宮レーシング    DL
9   PCJ 5ZIGEN RSR         日置恒文/木下正治            TEAM 5ZIGEN     YH
16  YB BMW 318iクーペ      関根基司/井入宏之          Team Power Magic  YH
17  東京科学芸術専門学校:RX-7 野上敏彦/輿水敏明   KAGEISEN RACING TEAM DL
19  RS☆Rシルビア          織戸 学/福山英朗    RS-Rレーシングwith BANDOH   YH
20  アイ・オート GAB ポルシェ       高橋健二/須賀宏明          アイ・オートレーシングチーム   YH
21  ダンロップ-BP-BMW      一ツ山康/木下隆之       HITOTSUYAMA RACING   DL
25  ATLUSつちやMR2         土屋武士/長嶋正興            土屋エンジニアリング  YH
26  タイサンスターカードRSR         鈴木恵一/新田守男            TEAM TAISAN Jr. YH
27  TEAM FCJ フェラーリ    太田哲也/A.オロフソン  TEAM FERRARI CULB of JAPAN YH
28  TEAM FCJ フェラーリ    山崎正弘/杉山正巳 TEAM FERRARI CULB of JAPAN YH
45  フレンド日東シーサイドシルビア   湯浅 毅/花井聖明             SIGNAL         YH
51  コブラポルシェ         石原将光/T.B.N.               コブラレーシングチーム  YH
55  Castrol RX7            深沢寿裕/長島正明      SPORTS FACTRY RACING  YH
70  外車の外国屋アドバンポルシェ 石橋義三/小宮延雄            チーム外国屋   YH
71  シグマテック911        星野 薫/城内政樹          シグマテックレーシングチーム  DL
72  WAKO'S BMW M3          牧口規雄/浅見 武            牧口エンジニアリング  YH
81  ダイシンシルビア       大八木信行/萬雲恒明           TEAM DAISHIN   BS
91  バーディークラブ・MR-2       松永雅博/三原じゅん子        ファーストレーシングチーム  YH
333 カストロールポルシェ   清水正智/片山義美      シミズレーシングエンタープライズ  DL
777 PCJシオミクリニックRSR 牧口克哉/塩見勝治         タックル&RS松元   DL
910 ナインテンポルシェ     袖山誠一/見崎清志           910 RACING       DL

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  されたものです。公式発表ではありませんので、ご注意ください。
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 でご連絡ください。


☆第1戦鈴鹿チケット購入のご案内

 各種前売り券、好評発売中!!
 下記のプレイガイドまたは鈴鹿サーキットへ

*前売り券 ●大人:5,000円●女性:3,200円●中高生:1,600円
*決勝当日券 ●大人:6,000円●女性:4,000円●中高生:2,000円
*予選日当日券 ●大人:3,000円●女性:2,000円●中高生:遊園地入場料
*指定席券(3歳以上) ●S1席(グランドスタンド中央):4,000円
 ●S2席(グランドスタンド1コーナー寄):2,000円●Aエリア(グランド
  スタンド最終コーナー寄):1,500円●Eエリア(1-2コーナー):2,000円
*チケット発売所:鈴鹿サーキットチケットセンター/チケットぴあ/チケット
 セゾン/関西プレイガイド/ローソンチケット/CNプレイガイド他
*お問い合わせは、鈴鹿サーキットチケットセンター(TEL:0593-78-1111)まで。


☆タイムスケジュール
 3月28日 練習走行
   GTフリー走行1回目 9:00~11:00  GTフリー走行2回目 14:10~16:10
 3月29日 公式予選
   GT予選1回目 11:10~12:10    F3公式練習  10 20~10:50
   GT予選2回目 15:30~16:30    F3予選    13:50~16:20
 3月30日 決勝レース
   GTフリー走行   8:30~ 9:00    F3決勝スタート 10:50~  17周
   ピットウォーク 11:45~13:15
   GT決勝スタート 14:00~  51周(終了予定16:00)


☆テレビ放送
 4月12日(土)16:00~17:15
 テレビ東京系全国6局ネット
 テレビ東京/テレビ大阪/テレビ愛知/テレビ北海道/テレビ瀬戸内/
 ティーエックスエヌ九州


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                         古屋 知幸 = QYB04322 =

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