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2024年5月

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第2戦富士決勝 大量リタイヤの理由は原因不明のエンジントラブル?! GTAが経緯を説明

ぶらさがり会見でMCS4-24のエンジン問題について説明する服部尚貴オブザーバー

 5月4日朝に行われたFIA-F4選手権第2戦は、チャンピオンクラス8台、インディペンデントクラス1台からスタート前にリタイヤ届が提出されるという異例の事態が発生した。

 この原因となったのが、今季から導入されたMCS4/24に搭載されるトムスTMA43エンジンのトラブルだ。

 これについて、スーパーGTのレースディレクターであり、FIA-F4のドライビングスタンダードオブザーバーでもある服部尚貴氏が、これまでの経緯と今後の見通しについてメディアの質問に答えた。

 問題が起きたのは今週に入ってから。公式予選日の前に行われた専有走行、そしてその前に行われたスポーツ走行において燃焼室内のピストンやスリーブにダメージが及ぶエンジントラブルが相次いでいる。公式予選や決勝においても同様のトラブルは発生しているとのことだが、同じ富士で3月に行われたスプリングトレーニングでは問題は発生していないという。

 また、このトラブルはエンジンの走行距離に関係なく発生しており、エンジン本体というよりは電気系や制御系に起因するものではないかというのが服部氏の見解だ。

 これを受けてGTAは第1戦の決勝終了後にエントラントを集めて緊急ミーティングを開催し、これまでの経緯を説明したという。

 その結果、4日朝になってTGR-DC Racing SchoolとHFDP WITH B-max Racing Teamのメーカー系チームとPONOS RACINGから選手の安全を優先するという主旨でリタイヤ届が提出され、第2戦はチャンピオンクラス13台、インディペンデントクラス11台で戦われることになった。

 配線の問題なのか、点火系のトラブルなのか、現時点で原因は特定できていないが、第2戦はECUの変更で混合比を5%リッチにし、回転数を300回転低くして燃焼室温度を下げる応急処置を行なって決勝レースを行った。

 チーム側の要望として今大会を中止にする提案もあったというが、すでに第1戦決勝を実施していることもあり、ここで第2戦を行わないことは考えられなかったという。また、有効ポイント制にとの提案もあったが、JAFの地方選手権として行われているシリーズである以上、シーズン途中でのレギュレーション変更はGTA単独では行えないとの見解。

 今後の行方については、原因の特定と対策が重要であり、それが判明しない時点で次大会の中止や延期を判断することは現時点ではできないが、FIAのスーパーライセンスポイントがかかるシリーズであることを考えると、中止ではなく延期の形で年間14レースという形は守りたいという。過去には熊本地震の影響でオートポリス大会が中止となった2016年や、コロナ禍で10月開幕となった2020年には1大会3レースというフォーマットを採用した前例もあることから、今回もそうした措置をとる可能性もありそうだ。

 いずれにせよドライバーの安全にも関わる事案であり、早急な原因の究明と対策が待たれるところだ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第1戦、第2戦富士予選後のコメント 新原光太郎「第1戦はポール・トゥ・ウィン、第2戦もスタートでトップに立ちたい」

第1戦ポールポジション、第2戦予選2位 新原 光太郎(YBS Verve 影山 MCS4)

 「新型車両ということで、練習走行から悩む部分が多かったですが、エンジニアの方に色々教えていただき、走り方を見直したらだんだん調子が上がっていきました。それを結果に結びつけられてまずは一安心ですが、決勝で結果を残すことが大事なので、このまま頑張っていきたいです」

 「前半の場所どりが良くなかったのですが、タイヤにしっかり熱が入った中盤にはいい場所で走れるようになりました。後半も場所取りは良かったんですが、タイヤがたれてきてしまって、セカンドベストを更新することができませんでした。今でも場所取りは課題ですね」

 「去年までは表彰台には一度も上がったことがなく、入賞が精一杯でしたが、今年こそは結果を残せるよう頑張ります。第1戦の目標はポール・トゥ・ウィン。第2戦もスタートでトップに立って逃げ切りたいです」

第1予選2位、第2戦ポールポジション 森山冬星(HELM MOTORSPORTS F4)

 「マシンが決まっていました。昨日からペースが徐々に上がってきて、フィーリングも良くなってきました。エンジニアさんがうまくアジャストしてくれたので、予選も決まったという感じです」

 「タイヤの特性なのか、後半に向けてタイムが出る印象でしたので、序盤からずっとフルプッシュという作戦で最後まで全然タイムが落ちずに走れました。だから決勝はチャンスがあると思います」

 「HELMさんのおかげでここまでこれていますし、優勝して恩返ししたいです。チームとしてもまだ優勝したことないと思いますので、最初の勝利を捧げたいです」

第1戦予選3位 野村勇斗(HFDP Racing Team)

 「練習では調子が良かったんですが、予選になって急にグリップ感がないというか。セットアップもベストの状態だったはずなのに、感覚が結構違っていました。もちろん路面コンディションは変わってると思いますが、それにしても感覚が違いすぎるので、データを見直して決勝に臨みます」

 「ここは3番手からでも優勝が狙えるので、チームと話し合いながら詰めていきたいと思います」

第2戦予選3位 佐野雄城(TGR-DC RS F4)

 「昨日の練習走行は全然良くなかったので、それを考えるとこの順位まで上げられたのはすごく良かったです。ですが、うまくまとめればもう一つくらい順位は上がられたはずなので、そこは反省点ですね」

 「タイムは2周まとめることができたので、2レースとも優勝が狙えるポジションが取れました。クルマ自体のフィーリングは悪くないので、決勝頑張ります」

Text: Kazuhisa SUEHIRO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第1戦、第2戦富士予選上位3人のコメント 小林利徠斗「できればスリップに頼らずにトップを取ってやろうという気持ちで走った」

第1戦、第2戦ポールポジション 小林利徠斗(TGR-DC Racing School)

 「今日の予選は想定通りというか、自分の中でやらなきゃいけないことができましたし、その上でついてきた結果ですので、本当に嬉しいです」

 「富士だとスリップストリームを使ってタイムを出すやり方が主流だと思いますが、そうやって出したタイムは自分のタイムじゃないと思うんです。できればそれに頼らずとも走れるぐらいの強さを見せたいと思っていました。むしろみんなの逆手を取って単独で走ってトップを取ってやろうという気持ちで走りました」

 「予選もそうですが、決勝も自分のやれることに専念するのが今の僕のテーマです。自分の実力を出し切った結果なら後悔はしないと、常にそういうところを目指していれば強くなれると思うので、変に焦らず、今やれることだけをやります」

第1戦、第2戦予選2位 三井優介(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)

 「率直にいうと悔しいですが、路面温度の差などもあると思うので、タイムの出方を見ていてもA組の方がタイムを出しやすい方向にあったのかなと思います。それを考慮すれば全然負けてはいないと思います。決勝レースに持ち込めば同じペースで戦えると思うので、決勝でいかに前にいるかだと思います」

 「ただタイムで負けてるのも事実なので、まだあとコンマ1、コンマ2縮められるように考えたいです」

 「2番手スタートですが、ちゃんとトップで帰ってきたいです。去年も第1戦で勝ってるので、今年も初戦で優勝して、一年のいい流れを作っていきたいです」

第1戦、第2戦予選3位 佐藤樹(HELM MOTORSPORTS)

 「昨日まであまり調子いい感じではなかったんですが、今回はタイムが上がってくるにつれてクルマのバランスが良くなってきていて、ドライビングも昨日の修正点をまとめることができました」

 「去年のSUGOでスポット参戦した時も前日の練習ではタイムは悪くなかったんですが、予選で焦ってまとめることができませんでした。今回はうまくまとめることができました。オフの色々準備を進めてきましたが、FIA-F4には去年のスポット参戦以降は今年の公式テストまで乗っていません」

 「決勝では表彰台が狙える位置にいますし、うまくいけば勝つこともできるポジションからのスタートなので、やれることをやっていい結果で終われるようにしたいです。とりあえずシーズンよりも目の前のことに集中したいです」

Text: Kazuhisa SUEHIRO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第1戦、第2戦富士公式予選 参戦2年目の小林利徠斗が好発進! 2戦連続ポールポジションを達成

第1戦、第2戦ともポールポジションの小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)

 FIA-F4選手権の2023シーズンがついに開幕。第1戦、第2戦の公式予選が5月3日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)が第1戦、第2戦共にポールポジションを獲得した。

 今大会には17台のインディペンデントカップを含め過去最多の46台がエントリー。これをA組とB組の二つに分けて、各20分間の公式予選が午前7時50分より行われた。この日の天候は晴れ。路面はドライだ。

 A組の走行で速さを見せたのは、参戦2年目の小林。走り始めてから4周目に1分46秒258でトップに立つと、6周目には1分45秒753、7周目には1分45秒662と着実にタイムを縮め、9周目に1分45.553、12周目には1分45秒396をマークして、ベストタイム、セカンドタイムともにトップのまま走行を終えた。

 この小林に続いたのが今季からフル参戦を開始した佐藤樹(HELM MOTORSPORTS F110)だ、2022年のJAF-F4選手権チャンピオンの佐藤は昨年のSUGO大会にもスポット参戦を果たしたが、第9戦が14位、第10戦が15位と今ひとつの結果に終わった。それでも専有走行での感触は悪くなかったと語る佐藤は、この予選でも序盤から好タイムを連発、7周目には1分45秒877を記録すると、10周目には1分45秒653、12周目には1'45秒628までタイムを縮めて2番手で今季最初の予選を終えた。

 3番手には今季からHFDPに加入した野村勇斗(HFDP RACING TEAM)が1分 45秒663で続き、セカンドタイムでも佐藤が2番手、野村が3番手という結果だった。

 続いてB組が午前8時20分に走行開始。アウトラップ、ウォームアップラップに続いて3周目に参戦2年目の三井優介(HFDP RACING TEAM)が1分46秒918でトップに立つと、次の周では1分46秒130をマーク。その後も1分46秒109、1分45秒703と立て続けにタイム更新。8周目には1分45秒701を記録。これがこのセッションのベストタイムとなり、三井がB組トップで予選を終えた。

 三井の後方では中村仁(TGR-DC RSトムススピリットF4)、森山冬星(HFDP RACING TEAM)、そして荒川麟(Dr. Dry F110)の3人が終盤まで激しく2番手を争い、最終的には参戦2年目の中村が10周目に1分45秒742を記録して2番手、今季新たにZAP SPEEDに移籍して4年目のシーズンを迎えた荒川が11周目に1分45秒753で3番手に。昨年度のホンダレーシングスクール鈴鹿(HRS-Suzuka)のスカラシップを獲得してFIA-F4デビューを果たした森山が4番手という結果となった。

第1戦、第2戦とも予選2位の三井優介(HFDP RACING TEAM)

第1戦、第2戦とも予選3位の佐藤樹(HELM MOTORSPORTS F110)

 その結果、ベストタイム、セカンドタイムともにB組の三井を上回ったA組の小林が2戦連続でポールポジションを獲得。三井が2番手となり、A組2番手の佐藤が3番手から午後の第1戦決勝と明日の第2戦決勝をスタートすることとなった。

 また、インディペンデントカップは2年ぶりの参戦となる仲尾恵史(TCS AKILAND F110)が第1戦のクラストップ。第2戦は今田信宏(JMS RACING with B-MAX)がクラストップという結果となっている。

 FIA-F4選手権第1戦決勝はこのあと午後2時10分より、第2戦決勝は明日の朝8時15分より、それぞれ14周または30分間で行われる。

ピットロードに並ぶF4マシン(DOME F110)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第1戦、第2戦富士予選後のコメント 小出峻「今年はチャンピオンを取ることしか考えてない」

第1戦、第2戦ポールポジション 小出峻(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)

 「去年のシーズンが終わってから、今回の開幕戦に向けて、本当に綿密にチームで調整してきました。昨日の練習もすごく調子良くて、非常にポジティブな気持ちで予選に挑めました。マシン的にも、メンタル的にも良かったです。その結果第1レース、第2レースともポールということで、一安心という感じです。ただ昨日の練習よりも今日の予選の方が、後続とのタイムさが縮まっているので、余裕という感じではないかなあと」

(A組に比べて早めのアタックだったように見えたが、やはり路面コンディションが影響しているのか)

 「もちろん路面のこともありますし、去年までは30分間走れたのが、今年から2組に分かれて20分間の走行になりました。走行時間が短くなる中で、何が起きるかもわからないので、とりあえず早めにタイムを出す、という意識で最初からガンガン攻めていきました」

 「3年目ということで、今年はもちろんチャンピオンを取ることしか考えていないので。今まで経験してきたことを開幕戦から活かせたなと思います」

 (決勝に向けての抱負を)

 「今日も明日もポールですが、安心はできません。後続に速いドライバーが控えていますから。とりあえず自分の走りをして、全力を尽くす、ということに集中して走れば、自ずと結果はついてくると思うので、そこまで力まずにやろうと思います」

第1戦予選2位 西村和真(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)

 「恵まれた体制で出られることを嬉しく思います。予選ではグループの中で一番いいタイムだったことはすごく良かったです。朝から路面に濡れてるところが所々ある状態で、前半は様子を見ながら、周りのクルマとの間隔も見つつ、ポジションを探りながら走っていました。10分過ぎたあたりから、アタックを始めて、赤旗の出る直前の周でタイムを残すことができました。とはいうものの、濡れてるところに対処ができなかったり、もうちょっと行けたのかな? という部分があったりしたので、その辺りを経験として学びながら決勝にむけて準備していきたいです」

 「最後の方でタイムが出ることを見越して、セットアップもしていたので、赤旗が出てなければもうちょっとタイムが出せたと思います。46秒台前半は間違いなかったでしょうね。でも決勝はいいポジションからスタートできるので、しっかりいいポジションで戻ってきたいです」

第1戦予選3位 荒川麟(TGR-DC Racing School)

 「昨日の練習走行であまり速くなかったんですが、今日は少しコンディションに合わせることができました。あとほんの少しの差なので、そこを決勝にむけてどう考えていくかだと思います」

(感触は悪くなかった?)

「はい。昨日に比べたら差が縮まっているので、決勝では小出選手とのバトルになると思います。クルマはいじっていないんですが、コンディションの変化にクルマが合ってきた感じです。」

 (決勝の抱負を)

 「決勝では小出選手についていけるだけのペースがあるので、自信を持って臨みます」

第2戦予選2位 平安山良馬(TGR-DC Racing School)

 「自分ではうまくいった感じはしません。ミスが多くて、反省の多い予選でした。運よくセカンドベストがA組の中で良かったということで、結果的にフロントローになれたという感じです」

 (初めてのFIA-F4についての感想を)

 「ずっとカートをやってきましたが、フォーミュラではコミニュケーション能力も必要になり、苦労している部分もあります。一戦一戦で成長していければと思います」

 (経験の全くない中でのこのポジションは上出来だったのでは)

 「そうは思っていません。やはりみんな勝つためにテストから走り込んできているので、そのテストでやってきたことを思えば、第1戦で12位という結果は納得できません。反省することが多いです」

 (決勝への抱負を)

 「まずはクラッシュしないように。最後までゴールすることを前提に1台1台抜いて行って、次のレースに繋げられる結果で終わりたいです」

第2戦予選3位 伊東黎明(OTG MOTOR SPORTS)

 「昨日の専有走行はドライのコンディションでうまく走れなかったこともあり、マシンは変えずにドライビングに集中して走ったんですが、それで少し状況が良くなり、グループの中でベストタイムでは3番手、セカンドベストでは2番手を取ることができました。あまり位置関係は悪くなかったんですが、美味しいスリップを使うことができなかったので、それが使えていればベスト2番手、セカンドベスト1番手くらいには行けたと思います」

 (A組よりは路面コンディションは良かったようだが)

 「そうですね。Aよりは乾いていたと思いますけど、100Rとかにウェットパッチは残っていましたが、かなりドライに近い走り方ができていました」

 (決勝に向けての抱負を)

 「今年はもう3年生なので、去年までは追う立場でしたが、今年は追われる立場になります。しっかり3年生ってことを自覚して、結果にこだわってレースしたいです」

まとめ: Kazuhisa SUEHIRO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第1戦、第2戦富士公式予選 参戦3年目の小出峻が2戦連続ポールを達成

Bグループ予選: 第1戦、第2戦ともトップタイムの小出峻(HFDP RACING TEAM)

 FIA-F4選手権第1戦、第2戦の公式予選が5月3日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、第1戦、第2戦ともに小出峻(HFDP RACING TEAM)がポールポジションを獲得した。

 2022年の開幕戦には過去最大の40台がエントリー。このうち14台がインディペンデントカップだ。このため公式予選はAとB二つのグループに分かれて各20分間で行われた。最速タイムを出したドライバーのいる組が奇数グリッド、もう一方の組が偶数グリットにつく。かつて30台を超えるエントリー台数を誇った全日本F3000選手権で行われたのと同様の方式だ。

Aグループ予選: 第1戦トップタイム、第2戦7位の西村和真(HFDP RACING TEAM)

 グループAの走行は午前7時55分より午前8時15分まで。天候は快晴だが、路面には所々濡れた箇所があり、各車慎重に周回を重ねながら徐々にペースを上げていくことになった。

 まずは西村和真(HFDP RACING TEAM)が3周目に1分49秒992、続いて4周目に1分47秒992を記録してトップに立ち、奥本隼士(Racing TEAM HERO'S)が1分48秒170で続く。

 西村は5周目に1分47秒812までタイムを縮めるが、その直後に岩澤優吾(BJ Racing F110)が1分47秒600でトップに立った。残り時間は10分を切ったところ。3番手には卜部和久(BJ Racing F110)が1分47秒855で続く。

 すかさず西村も6周目に1分47秒026を叩き出し、再びトップに。奥本が1分47秒438で2番手。小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)が1分47秒519で続く。

 7周目に入ると、奥本が1分46秒770でトップに浮上。奥住慈英(ATEAM Buzz Racing)も1分47秒252で3番手に上がってきた。路面が乾き、温度も上がってきたことで、各ドライバーが相次いで好タイムを連発しはじめた。西村も9周目に1分46秒597を叩き出してトップを奪い返した。

 ところがA組の予選は残り5分を切ったところで赤旗中断になってしまう。

 100Rの立ち上がりで眞田拓海(SD-STYLE CSI-R F110)がクラッシュしたためだ。結局この赤旗をもってA組の走行は終了となった。ベストタイムトップは西村。セカンドベストでも西村は1分47秒026を記録していたが、この周でランオフエリアを走行していたと判定されて、このタイムは不採用となった。

 これによりセカンドベストトップは1分47秒350をマークした平安山良馬(TGR-DC RSフィールドF4)のものとなった。平安山は今季初参戦。これまでは全日本カート選手権に参戦しており、最高峰のOKクラスで参戦初年度の2020年に年間4位、昨年は年間6位に入っているが、フォーミュラカーでのレースはこのFIA-F4が初めてだ。

Aグループ予選: 第1戦6位、第2戦トップタイムの平安山良馬(TGR-DC RSフィールドF4)

 続いて午前8時25分より45分までB組の公式予選が行われた。路面コンディションが良くなったこともあり、B組のドライバーは序盤から積極的にアタックを開始する。

 まずは大滝拓也(Media Do影山Racing F110)が2周目にいきなり1分48秒616でトップに。小出峻(HFDP RACING TEAM)は1分48秒640、 荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)も1分48秒828と続く。

 3周目には三井優介(HFDP RACING TEAM)が1分46秒820を記録。これを4周目に小出が上回り1分46秒432でトップに浮上する。三井も1分46秒446までタイムを縮め、荒川も1分46.863で続く。

 その後も小出は5周目に1分46秒197、8周目に1分45秒724と着実にタイムを縮め、9周目には1分45秒799とセカンドベストでもトップをキープして走行を終了。第1戦、第2戦ともにポールポジションから決勝に臨むこととなった。

 B組ベストタイム2番手は1分45秒838の荒川。セカンドベスト2番手は1分46秒006の伊東黎明(OTG DL F4 CHALLENGE)となり、それぞれ第1戦、第2戦で3番手からスタートすることになった。

 またインディペンデントカップは1分47秒245でB組トップのDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)がポールポジション。1分47秒902でA組トップの鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F110)が2番手となった。

 第1戦決勝はこのあと午後1時50分より14周または30分間で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER FORMULA LIGHTS

第1戦&第2戦富士公式予選 第1戦はルーキーの川合孝汰、第2戦は小高一斗がPPを獲得

第1戦ポールポジション、第2戦予選3位の川合孝汰(Rn-sports 320)

 2022年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦、第2戦の公式予選が4月9日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、第1戦は川合孝汰(Rn-sports 320)、第2戦は太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)と、いずれもルーキードライバーがポールポジションを獲得した。

 公式予選は午前8時50分より30分間で行われた。ここでのベストタイム順が第1戦、セカンドベストタイム順が第2戦のスターティンググリッドとなる。第3戦は第1戦決勝の順位だ。

 この日の富士スピードウェイは快晴。気温は14℃とまだまだ肌寒さの残るコンディションでの走行となった。

 各車入念なウォームアップ走行を行い、計測4周目あたりから本格的なアタックに取り掛かる。まずは平木玲次(HELM MOTORSPORTS 320)が計測4周目に1分34秒516をマーク。続いて平良響(Kuo モビリティ中京 TOM'S 320)が1分34秒429、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320)が1分34秒395、菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)が1分34秒200と次々にタイムを削っていく。

 そして残り時間が18分になろうかというところで川合孝汰(Rn-sports 320)が1分33秒858を記録。さらに太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)が残り15分で1分33秒706を計測5周目に叩き出してトップに立った。

 ここで全車一旦ピットイン。残り10分を切ったところで最後のタイムアタックに取り掛かる。

 まずは2021フォーミュラ・リージョナル王者の古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が1分33秒767で2番手に浮上。続いて2021FIA-F4王者の野中が1分33秒382でトップに浮上する。

 しかし川合は1分33秒248を叩き出して再びトップに。太田は1分33秒381、小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM'S 320)も1分33秒365で2番手に食い込む。

 太田、小高はさらにアタックを続けるが、太田が1分33秒378、小高が1分33秒259を記録したところでチェッカーが提示され、予選は終了。

 今季初参戦の川合が見事デビュー戦でポールポジションを獲得。セカンドタイムでは小高の1分33秒365が最高で、こちらも第2戦のポールポジションを獲得するという結果となった。

 なお、予選2番手の小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM'S 320)は、予選前にエンジン交換を行ったため、第1戦決勝において5グリッド降格となることが公式通知により決定している。

 第1戦決勝はこのあと12時30分より21周で、第2戦決勝は明日の朝9時25分より15周で行われる。

第1戦予選2位、第2戦ポールポジションの小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM\'S 320)

第1戦予選3位、第2戦予選2位の太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第1、2戦富士公式予選 第1戦は#31神、第2戦は#35平良がPPを獲得

2020年のFIA-F4選手権がついに開幕。第1戦、第2戦の公式予選が10月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、第1戦は#31神晴也(ATEAM Buzz Racing F110)、第2戦は#35平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)がポールポジションを獲得した。

公式予選は午前8時20分より30分間で行われた。この日の天候は晴れ。コースはドライ。残念ながらSRSコチラレーシングは今シーズンの参戦休止を6月の時点で発表していたものの、エントリー台数は32台とほぼ例年通りだ。

また今シーズンは全ての大会で3レース開催となるため、第1戦のスターティンググリッドはこの予選のベストタイム順、第2戦はセカンドベストタイム順、第3戦は第1戦決勝でのベストラップ順で行われる。

序盤は多くのドライバーが1分51~52秒台で走り始めたが、その中で#80伊東黎明(OTG DL F4 CHALLENGE)が計測1周目に1'49.862を記録してトップに立つ。

計測2周目には#25堀尾風允(SAMURAIサポーターズF4)が1'48.131でトップに。堀尾は次の周で1'48.051にタイムアップするが、予選開始から10分が経過したところで#62平木玲次(HELM MOTORSPORTS F110)が1'46.466を記録してトップに立った。

なおも平木は1'46.228、1'46.021、1'45.996と着実にタイムを縮めていくが、平木が1分45秒台のタイムを記録した直後に#11岩澤優吾(Rn-sports SEIDO-YA)が11岩澤1'45.995と平木を0.001秒上回るタイムを記録、さらに#31神が1'45.732でトップに立った。

#35平良も1'45.910、1'45.853、1'45.752と好タイムを連発、上位陣が残り時間4分あたりで続々と走行を切り上げるなか、最後まで懸命のアタックを続けるが、#31神にはわずかに及ばず2位に終わった。しかしセカンドベストタイムでは#35平良がトップとなったため、第1戦決勝は#31神、第2戦決勝は#35平良がポールポジションからスタートすることになった。

なお、インディペンデントカップはFIA-F4発足当初から参戦を続けている#86大阪八郎(Dr. Dry F110)が初めてのトップタイムを記録している。

PORSCHE CARRERA CUP JAPAN

PCCJ:第1,2戦岡山 上村優太が両戦で総合のポールポジションを獲得

 当初の4月11~12日の開催予定から2か月半遅れでの開幕戦となったポルシェカレラカップジャパン。PCCJの第1戦と第2戦が、岡山国際サーキットで開催された。

総合で第1,2戦のポールポジションを獲得した上村優太 プロアマクラスで第1,2戦のポールポジションを獲得したIKARI アマクラスで第1,2戦のポールポジションを獲得した高田巧

 土曜日の午前9時50分から梅雨空の曇天のなか、ドライコンディションで30分間の予選セッションが始まった。この日の午後に行われる第1戦と明日の第2戦のスターティンググリッドを1回の予選で決定する。

 ベストタイムが第1戦、セカンドラップが第2戦のタイムとして記録されてグリッドが決定する。

 今季は従来の全ドライバーを対象とするオーバーオール(総合順位)に加えて、プロアマクラスとアマクラスの2クラス制を導入した。

 参加台数は11台とやや寂しいシーズン開幕となったが、セッションは1分30秒356のコースレコードを持つ#31上村優太が1分31秒733のトップタイムをマーク。残り7分で31秒549のトップタイムを更新した。2番手には#60小川諒。プロアマクラスは#98IKARIがトップタイム、アマクラスは#21高田匠がそれぞれトップタイムをマークした。

 開幕戦の決勝レースは午後2時55分から15周あるいは30分間の予定で行われる。

Text & Photo: Keiichiro TAKESHITA

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