2月26日、ホンダは2005年のモータースポーツ活動についての発表を行った。
国内レースにおいては、スーパーGTに「Honda NSX-GT プロジェクト」として3チーム4台にて参戦するほか、全日本F3選手権には2チーム2台の参戦が決定している。
以下はプレスリリースより抜粋。
「2005年Hondaモータースポーツ活動」
Hondaは、2005年の「モータースポーツ参戦体制」と、「世界トップレベルのレースで表彰台を競う人材の育成」、
「モータースポーツの普及」の活動について発表した。
モータースポーツ活動は、Hondaの「チャレンジング・スピリット」の原点であり、自らの「志」と「技」と「質」を高め、
「先進創造へのチャレンジ」を続けることで、お客様に夢と感動を提供していく。
2005年Hondaのモータースポーツ活動の概要
1.モータースポーツ参戦体制
「お客様と夢の共有」「世界に挑戦し技術者を育成」「ブランドロイヤルティの向上」を目的に レース活動を展開する。
2輪レース活動は、ロードレース世界選手権最高峰のMotoGPクラスでのライダータイトルの 獲得を狙うとともに、メーカータイトルの連覇、各カテゴリーのチャンピオン獲得を目指す。
4輪レース活動は、昨シーズンのコンストラクターズランキングで2位へと大きく躍進したF1世界選手権において、本年度より新たに「B・A・R」に資本参加を行い、ワールドチャンピオン獲得を狙う。参戦3年目のIndyCar Seriesは、Honda V8「HI5R」エンジンを4チーム10台へ供給し、ドライバー、マニュファクチャラー、ルーキーの各タイトルの連覇に挑む。Super GT(旧 全日本GT選手権)は、「Honda NSX-GTプロジェクト」のもと、チームとドライバーのダブルタイトル獲得を狙う。
2.世界トップレベルのレースで表彰台を競う人材の育成
「鈴鹿サーキット」「ツインリンクもてぎ」と連携し、世界の頂点レースで表彰台を競うライダー、ドライバーの育成を目的に、長期的な視野で継続した活動を推進していく。
2輪では、日本人若手ライダーの育成のために昨年創設した「Honda Racing スカラーシップ」(ライダー育成奨学制度)第2期生として、昨年の全日本選手権シリーズGP250クラスチャンピオンの高橋裕紀がロードレース世界選手権250ccクラスにフル参戦する。また、「鈴鹿レーシング スクール」(SRS-J、SRS-K、SRS-F)をはじめとする各種スクールや、フォーミュラドリーム、F3など、人材を育成するプログラムを推進し、佐藤琢磨や松浦孝亮のような、世界で活躍できるライダーやドライバーの輩出に努める。
3.モータースポーツの普及
「鈴鹿サーキット」、「ツインリンクもてぎ」と連携をとり、世界の頂点レースの開催や「見て、遊んで、体感する」場と機会の創出に積極的に取り組む。
今年3年目を迎える「INDY JAPAN 300 MILE」は、本場Indy 500のもつ、参加・体験型のコンセプトを取り入れ、4月28日(木)~30日(土)に「ツインリンクもてぎ」にて開催する。
Hondaファンへの感謝イベント「Enjoy Honda」を4月16日(土)・17日(日)に鈴鹿、7月23日(土)・24日(日)にもてぎにて開催する他、今年は11月23日(祝・水)にもてぎにて「Honda Racing THANKS DAY」を開催する。
また、昨年に引き続き、「ベルノエキサイティング・カップ・インテグラ・ワンメイクレース」を開催、更に参加して楽しんでいただく各種イベントや「コンセプト・ミーティング」を各地域で開催する。
《四輪参戦計画概要》
■ Super GT
(株)M-TECと(株)童夢の協力のもと、「Honda NSX-GT プロジェクト」を組み、3チーム4台にて参戦する。
エンジンは、V6 3リッター・ツインターボを更に熟成させ、コーナリング特性に優れた車体で、チームとドライバーのダブルタイトルを目指す。
参戦チーム | No. | ドライバー |
---|
チーム・ホンダ・レーシング | 8 | 伊藤 大輔(日本) ジョナサン・コシェ(フランス) |
18 | 道上 龍(日本) 小暮 卓史(日本) |
エプソン・ナカジマレーシング | 32 | 松田 次生(日本) アンドレ・ロッテラー(ドイツ) |
チーム・クニミツ | 100 | セバスチャン・フィリップ(フランス) ジェレミー・デュフォア(フランス) |
■ 全日本F3選手権
参戦チーム | No. | ドライバー |
チーム・ホンダ・エムテック | 10 | 武藤 英紀(日本) |
戸田レーシング | 2 | 高崎 保浩(日本) |
トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、“フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)”、“IRLインディ・カー・シリーズ
(IRL)”および“スーパーGT・インターチャレンジ(スーパーGT)”をモータースポーツのトップカテゴリー
参戦の柱とし、2005年の活動を推進する。
また、将来に向けたトップドライバーの育成、モータースポーツの基盤を支える活動を継続して行う。
日本国内では、“スーパーGT”へ参戦するチームを継続支援する。
また、トップドライバーを継続的かつ長期的に育てることを目的とした“トヨタ・ドライバー・育成プログラム”
は、日本および欧州でのプログラムの連携を深め、一元化する。
さらに、モータースポーツの基盤を支える活動については、日本国内でのワンメイクレース “ESSO
フォーミュラ・トヨタ・シリーズ”や“Netz Cup(ヴィッツ・シリーズ、アルテッツァ・シリーズ)”の開催、
米国での“トヨタ・アトランティック・チャンピオンシップ”の支援などを、継続的に行う。
なお、トヨタのモータースポーツ活動は、東富士研究所のモータースポーツ部を中心に、日本では トヨタ
テクノクラフト(株)TRD(以下、TRD)、米国ではTRD,U.S.A.Inc.(以下、TRD-USA)、欧州では
Toyota Motorsport GmbH(以下、TMG)を、各地域での活動拠点として位置付けている。
2005年の活動概要は次の通り。
【活動および支援計画概要】
スーパーGT・インターチャレンジ(スーパーGT)
・昨年までの全日本GT選手権シリーズ(JGTC)は本年よりFIA公認の国際シリーズとなり“スーパーGT・インターチャレンジ”に名称を変えたが、日本のトップカテゴリーとして引き続きTRDを通じ、参戦するチームを支援
・参戦車両は、V8 4.5リッターエンジン(3UZ-FE)を搭載するスープラ(GT500クラス)、および2.0リッターターボエンジン(3S-GTE)を搭載するMR-Sとセリカ(GT300クラス)
・支援チームおよびドライバーラインナップ(暫定)は次の通り
|
チーム名
|
ドライバー
|
GT500
クラス |
ESSO・トヨタ・チーム・ルマン
(ESSO TOYOTA Team LeMans) |
脇阪寿一 (Juichi Wakisaka 日本) |
飯田章 (Akira Iida 日本) |
トヨタ・チーム・トムス
(TOYOTA TEAM TOM'S) |
土屋武士 (Takeshi Tsuchiya 日本) |
ジェームズ・コートニー(James Courtney 豪州) |
片岡龍也 (Tatsuya Kataoka 日本) |
山本左近 (Sakon Yamamoto 日本) |
トヨタ・チーム・セルモ
(TOYOTA TEAM Cerumo) |
高木虎之介(Toranosuke Takagi 日本) |
立川祐路 (Yuji Tachikawa 日本) |
トヨタ・チーム・サード
(TOYOTA TEAM SaRD) |
アンドレ・クート(Andre Couto ポルトガル) |
ロニー・クインタレッリ(Ronnie Quintarelli イタリア) |
チーム・アドバン・ツチヤ
(TEAM ADVAN TSUCHIYA) |
織戸学 (Manabu Orido 日本) |
ドミニク・シュワガー (Dominik Schwager ドイツ) |
クラフト(KRAFT) |
服部尚貴(Naoki Hattori 日本) |
脇阪薫一(Shigekazu Wakisaka 日本) |
GT300
クラス |
アペックス・ウィズ・エーピーアール
(APEX with apr)<MR-S> |
田中実 (Minoru Tanaka 日本) |
T.B.N. |
チーム・レクリス
(TEAM RECKLESS) <MR-S> |
佐々木孝太 (Kouta Sasaki 日本) |
山野哲也 (Tetsuya Yamano 日本) |
レーシングプロジェクト・バンドウ
(RACING PROJECT BANDOH)<セリカ> |
加藤寛規 (Hiroki Kato 日本) |
谷口信輝 (Nobuteru Taniguchi 日本) |
チーム タケウチ
(Team Takeuchi) <セリカ> |
竹内浩典 (Hironori Takeuchi 日本) |
平中克幸 (Katsuyuki Hiranaka 日本) |
※T.B.N. To Be Nominated
その他の活動支援
・TRDを通じ、下記のカテゴリーへの参戦チームを支援。主にマシンの設計・開発・製作を担当する(除くF3)ほか、トヨタ車を使用するチームへの技術的支援も実施
(1)全日本F3選手権シリーズ
・“全日本F3選手権”に参戦するチームおよびドライバーを支援
・トヨタエンジン使用のチームおよびドライバーラインナップ(暫定)は次の通り
チーム名
|
ドライバー
|
トムス (TOM'S) |
J.P.デ・オリベイラ (Joao Paulo de Oliveira ブラジル) |
トムス (TOM'S) |
中嶋 一貴 (Kazuki Nakajima 日本) |
トムス (TOM'S) |
池田 大祐 (Daisuke Ikeda日本) |
NOW MOTORSPORTS |
番場 琢 (Taku Banba 日本) |
インギング(INGING) |
安岡 秀徒 (Hideto Yasuoka 日本) |
インギング(INGING) |
T.B.N. |
DTM |
折目遼 (Ryo Orime 日本) |
※T.B.N. To Be Nominated
(2)ESSOフォーミュラ・トヨタ・シリーズ
・ワンメイク・フォーミュラ・レース “ESSOフォーミュラ・トヨタ・シリーズ(全11戦)”を開催
・レースカー(FT30)は、カーボンコンポジット製シャシーに1.6リッターエンジン(4A-GE)を搭載した、上級カテゴリーへのステップアップを考慮した車両
(3)Netz Cup “アルテッツァ・シリーズ” および “ヴィッツ・シリーズ”
・“観る”から“参加する”をコンセプトに2000年にスタート、これまで延べ約7300名(アルテッツァ・シリーズ約1200名、ヴィッツ・シリーズ約6100名)の参加者を記録
I“アルテッツァ・シリーズ”
・主要サーキットを網羅する全国シリーズとし、全7戦を開催
II ナンバー付レース “ヴィッツ・シリーズ”
・5つの地方シリーズ(北海道、東北、関東、関西、西日本)全27戦を開催
・各地方シリーズの上位者が集うチャンピオン戦を開催
(4)その他各種グラスルーツ活動への支援
・各種活動(スーパー耐久シリーズ、全日本ラリー選手権、全日本ダートトライアル選手権など)への参戦チームを支援
・B級ライセンスで初心者も参加が可能な、ヴィッツによるワンメイク・ラリー“TRD Vitz Challenge(全6戦)”の開催
・“トヨタモータースポーツクラブ(TMSC)”の活動支援など
【トヨタ・ドライバー育成プログラム】
1.基本的な考え方
・世界および日本のトップカテゴリーにおいて活躍できるレーシングドライバーの育成を目的に、才能ある人材を発掘するとともに、継続的にステップアップできるプログラムを設定
・本年より日本および欧州でのプログラムの連携を深め、日本(FTRS:Formula Toyota Racing School レーシングスクールの名称兼育成プログラム名称)、欧州(TDA:Toyota Drivers Academy)の各育成プログラムの名称を“TDP”(Toyota young Drivers Program)に統一し活動を一元化
2.プログラムの内容について
(1)トヨタ/ヤマハ ステップアップ・システム
・ヤマハ発動機(株)が展開するレーシングカートプロジェクトを支援するとともに、優秀ドライバーを“フォーミュラ・トヨタ・レーシング・スクール(FTRS)”に招聘
(2)フォーミュラ・トヨタ・スカラシップ
・レーシングカート、入門フォーミュラシリーズの成績優秀者などを対象(18歳前後)とするFTRSで選抜したドライバー大嶋和也(Kazuya ohshima 17歳)、関口雄飛(Yuuhi Sekiguchi 17歳)の“ESSOフォーミュラ・トヨタ・シリーズ”への参戦を引き続き支援するとともに、本年より新たに山内英輝(Hideki Yamauchi 16歳)、国本京佑(Keisuke Kunimoto 16歳)の2名を支援
(3)トヨタF3スカラシップ
・2004年“ESSOフォーミュラ・トヨタ・シリーズ”のシリーズ・チャンピオン安岡秀徒(Hideto Yasuoka 21歳)の “全日本F3選手権”への参戦を“トヨタF3スカラシップ”として支援
・中嶋一貴(Kazuki Nakajima 20歳)、番場琢(Taku Bannba 22歳)、池田大佑(Daisuke Ikeda 22歳)の3名のドライバーの“全日本F3選手権”への参戦を“トヨタF3スカラシップ”として引き続き支援
(4)フォーミュラ・ルノー・スカラシップ
・FTRSや“ESSOフォーミュラ・トヨタ・シリーズ”の成績優秀者を対象としたスカラシップで小林可夢偉(Kamui Kobayashi 18歳)の参戦を継続支援
(5)F3ユーロシリーズ・スカラシップ
・入門フォーミュラシリーズあるいはFTRSや“ESSOフォーミュラ・トヨタ・シリーズ”などの成績優秀者を対象としたスカラシップでフランク・ペレラ(Franck Perera フランス 19歳)、平手晃平 (Kouhei Hirate 18歳)の参戦を支援
(6)レーシングスクールの開催
・関谷正徳を校長としたFTRSを年央に4回開催
・各スカラシップ選定者を対象としたトレーニング・プログラムの実施 (レーシングカーの基礎知識、ドライビング理論、メンタル・フィジカル両面でのトレーニング等の幅広いメニュー)
・体験型1日コースも年数回開催の予定
(7)世界トップカテゴリーへ参戦するドライバーへの支援
・ライアン・ブリスコ(Ryan Briscoe 豪州 23歳)の“IRLインディ・カー・シリーズ”への参戦を支援
<ご参考>
【富士スピードウェイ・リニューアルについて】
・国際レーシングコースおよび関連施設の全面改築を終え「富士スピードウェイ落成披露」を2月28日(月)に実施。「リニューアルオープン」は4月10日(日)を予定。
日産自動車株式会社、及び
ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株
式会社(ニスモ)は18日、2005年度のモータースポーツ活動について発表した。
ワークスとしてはSUPER GTのGT500クラスに参戦する。またグラスルーツ活動支援
のため、プライベートチームの活動をサポートしていく。
1. SUPER GT
Z33型フェアレディZにて、SUPER GT(旧全日本GT選手権)に出場
する。
昨年に引き続き日産系チームの総監督を柿元邦彦が務め、
ニスモのチーム監督は出川洋が担当する。
また、ニスモはハセミモータースポーツ及びチームインパルへの技術支援を行い、日産系チー
ムとしては全4台で同シリーズGT500クラスに出場する。
車両についてはニスモが開発を担当する。
2005年型フェアレディZの開発にあたっては、
①ドライバーの衝突安全性(側面衝突)の向上、
②空力性能向上(ストレートスピードの向上)
③接触時の損傷性の改善、
④作業性改良
の4点に重点を置いた。
■チーム体制
No. | エントラント | 監督 | ドライバー | 車両名 |
1 | ニスモ | 出川洋 | 本山哲 リチャード・ライアン | ザナヴィニスモZ |
22 | ニスモ | ミハエル・クルム 柳田真孝 | モチュールピットワークZ |
3 | ハセミモータースポーツ | 長谷見昌弘 | 金石年弘 エリック・コマス | G'ZOX・ハセミ・Z |
12 | チームインパル | 星野一義 | 井出有治 ブノワ・トルルイエ | カルソニックインパルZ |
2. プライベート支援
1) マーチカップレース/日産レーシングスクール
入門クラスでありながら、本格的なレースが楽しめるマーチカップレ
ースを開催する。
車両は現行のK12型マーチをベースに、足回りや排気系に改良を加えている。
データロガー(記録装置)を標準装備して参加者の運転技術の向上を図ると共に、多くのユーザーにレーシン
グカーの楽しさを体感してもらうことを狙いとする。
また、各サーキットでレース前にマーチカップカーを使用したレーシングスクール
を開催し、サーキットマナーやメンテナンスについても指導していく。
2) 日本国内のプライベーター支援
SUPER GTのGT300クラス及びスーパー耐久シリーズに出場する
プライベートチームに技術支援を行う。
SUPER GTには、3台のフェアレディZがプライベートチームから出場し、スーパー耐久シリーズ
にはチームエンドレスからST1(旧クラス1)へ1台がエントリーする。
また、ST3(旧クラス3)にはプライベートチームから4台フェアレディ
Zが出場する。