
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第3戦Race6、7の公式予選が、7月12日、鈴鹿サーキットで行われ、梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)が、前大会に続いて両レースともポールポジションを奪った。
マスタークラスは、鳥羽豊 (AIWIN)がダブルポールで、開幕戦からの連続ポール記録を7に伸ばした。
富士ラウンドから2週間というインターバルでFRJの舞台は鈴鹿へ。今回はやや台数が減り11台のエントリー。総合を争う主なメンバーに変わりはないが、マスタークラスはチャンピオン最右翼の鳥羽と、ユキ(NILZZ Racing)の2台となった。
上空には雲が多く、蒸し暑い天候のなか、Race6と7の予選が、午前11時10分から15分ずつ、10分間のインターバルを挟んで行われた。
Race6予選
梅垣がアタック2周目に1分57秒489をマークしてトップに立つと、ライバルの鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)も57秒702で迫るが、これは走路外走行で採用されず。このノータイムで鈴木のリズムは狂ってしまった。
代わって2位に食い込んできたのが、卜部和久(B-MAX RACING F111)。ここまでトムス勢に遅れを取ってきたが、今回は前日の練習走行でも差を詰めてきている。
11分が経過したところで、3番手タイムを出していた大宮賢人(PONOS RACING F111/3)がS字でコースオフ。コースサイドにクルマを停めたため、赤旗が提示され予選は中断。
残り3分30秒で再開したが、マスタークラスの2台以外はタイムアップならず。梅垣がポールポジションを獲得し、卜部、大宮、鈴木と続いた。
マスタークラスは、ライバル不在の鳥羽が2分00秒306でクラスポール。
Race7予選
予定より5分遅れて始まったRace7の予選も、梅垣がリード。アタック3周目には1分57秒009と、2021年12月に大草りきが打ち立てた1分57秒015を上回るコースレコードを樹立。
やや抜け出した梅垣に、セッション終盤に鈴木、卜部、大宮らがどこまが迫るかが注目されたが、残り1分となったところで、猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)がデグナーでクラッシュ。これで予選は終了となり、終盤のアタックは見られずに終わってしまった。
これで梅垣は、前回の富士大会から4連続のポールポジション。開幕大会の鈴木の3連続ポールを含めて、ここまで7レースの予選はすべてトムスが制している。
2位以下は、鈴木、卜部、大宮と続き、このトップ4が決勝でもレースをリードする展開になりそうだ。
マスタークラスは、鳥羽が2分切りを果たして連続クラスポールを獲得した。
Race6の決勝は、本日Race4が午後3時50分から、Race7は明日日曜の午後2時35分から、それぞれ13周で行われる。




Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSO
ポールポジション 箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SII)

「昨日の練習までは調子よくなかったんですが、クルマのセッティングを大幅に変更して、いい方向に持っていけました。後ろのダンパーが壊れていたのを直しました。第3戦は優勝をめざしてがんばります。第4戦はリバースなので、冷静にバトルできればと思います」
2位 五十嵐文太郎(Drago CORSE)

「最初にスリップを使ってタイムを出しましたが、タイヤがグリップしてなかったのでスピンしてしまいました。それで焦ったんですが、最後の周にまとめてタイムを出せたのでよかったです。決勝は、初めてのフロントローからのスタートなので、トップに立って勝てるように頑張ります。昨日もスタート練習をしてたので、ばっちりです」
3位 西田光来(FTK・REV RACING GARAGE)

「最後にスリップにつけなくて3位に落ちてしまいました。決勝は悪くない位置からスタートできるのでよかったです。練習から調子がよかったので力を出せればこの辺はいけるかなと思っていました。ちょっとトップが速すぎたのは想定外でしたが、決勝はスタートを決めてトップを逃がさないようにしたいと思います」
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI

スーパーFJ地方選手権鈴鹿・岡山シリーズ第3戦は12日、鈴鹿サーキットで公式予選を行い、箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SII)がぶっちぎりでポールポジションを獲得した。
公式予選は午前9時55分より20分間で行われた。天候は曇り。連日続いた猛暑も影を潜めたが、蒸し暑い中、28台(うち3台がジェントルマンクラス)がコースインして予選が始まった。
計測1周目、まずは2分15秒082で吉田馨(TAKE FIRST KKS-II)がトップに立つ。これに西田光来(FTK・REV RACING GARAGE)が2位で続き、鈴鹿初登場の武者利仁(KF MOTORSPORT KKS-2)が3位につける。
計測2周目、2分14秒483とタイムを伸ばした箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SII)がトップに浮上。西田が2位のままで、3位には杉田悠真(LAPS with REV RACING GARAGE)が上がってきた。
計測3~4周目、箕浦はタイムを2分14秒287、14秒226と徐々に縮めトップを堅守。終盤になると、コースアウトする車両もあり、各所でダブルイエロー、イエローフラッグが振られ各ドライバータイムを縮められない。
計測7周目には、箕浦が2分13秒937とただ一人14秒台を切り、2位以下を圧倒。このままポールポジションを決めた。
予選時間も残りわずか、ここまでスピンなどで順位を落としていた五十嵐文太郎(Drago CORSE)がタイムを2分14秒496と縮め、一気に2位に浮上。西田は3位に落ちた。
4位には酒井翔太(ファーストガレージ制動屋S2)が、5位には吉田馨(TAKE FIRST KKS-II)が、6位には杉田が続いた。
第3戦決勝は、明日13日午前9時50分より10周で行われる。午後4時40分より行われる12周の第4戦決勝は第3戦の結果でグリッドが決定するが、上位6台はリバースグリッドとなる。ポールポジションの箕浦は2位以下を0秒503離してぶっちぎりだが、2位以下は僅差。6位を巡る争いにも注目したい。





Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Atsushi BESSHO
鈴鹿チャンピオンカップレース第3戦 -RIJ- (2025/07/12) Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2025 FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 7 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 37 | | | 梅垣 清 | PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR TOM'S FORMULA | 1'57.009 | - | - | 178.663 |
| 2 | 38 | | | 鈴木 斗輝哉 | マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR TOM'S FORMULA | 1'57.550 | 0.541 | 0.541 | 177.841 |
| 3 | 50 | | | 卜部 和久 | B-MAX RACING F111 B-MAX RACING TEAM | 1'57.737 | 0.728 | 0.187 | 177.558 |
| 4 | 45 | | | 大宮 賢人 | PONOS RACING F111/3 PONOS RACING | 1'57.761 | 0.752 | 0.024 | 177.522 |
| 5 | 48 | | | リン チェンファ | BALR.RAGNO MOTOR SPORT with TLM F111/3 RAGNO MOTOR SPORT | 1'59.073 | 2.064 | 1.312 | 175.566 |
| 6 | 11 | | | 小田 優 | Rn-sports F111/3 Rn-sports | 1'59.122 | 2.113 | 0.049 | 175.494 |
| 7 | 13 | M | 1 | 鳥羽 豊 | AIWIN AIWIN | 1'59.294 | 2.285 | 0.172 | 175.241 |
| 8 | 21 | | | 猪爪 杏奈 | ユピテル羽衣6 F111/3 Hitotsuyama Racing | 1'59.369 | 2.360 | 0.075 | 175.131 |
| 9 | 51 | | | ジャ ジャンビン | B-MAX RACING F111 B-MAX RACING TEAM | 1'59.981 | 2.972 | 0.612 | 174.238 |
| 10 | 46 | | | 入榮 秀謙 | アポロ電工フジタ薬局ベローナ フジタ薬局レーシング | 1'59.991 | 2.982 | 0.010 | 174.223 |
| 11 | 18 | M | 2 | YUKI | NILZZ Racing NILZZ Racing | 2'02.545 | 5.536 | 2.554 | 170.592 |
| ---- 以上基準タイム(110% - 2'08.709)予選通過 ---- |
鈴鹿チャンピオンカップレース第3戦 -RIJ- (2025/07/12) Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2025 FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 6 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 37 | | | 梅垣 清 | PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR TOM'S FORMULA | 1'57.470 | - | - | 177.962 |
| 2 | 50 | | | 卜部 和久 | B-MAX RACING F111 B-MAX RACING TEAM | 1'57.702 | 0.232 | 0.232 | 177.611 |
| 3 | 45 | | | 大宮 賢人 | PONOS RACING F111/3 PONOS RACING | 1'58.098 | 0.628 | 0.396 | 177.016 |
| 4 | 38 | | | 鈴木 斗輝哉 | マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR TOM'S FORMULA | 1'58.295 | 0.825 | 0.197 | 176.721 |
| 5 | 48 | | | リン チェンファ | BALR.RAGNO MOTOR SPORT with TLM F111/3 RAGNO MOTOR SPORT | 1'59.548 | 2.078 | 1.253 | 174.869 |
| 6 | 11 | | | 小田 優 | Rn-sports F111/3 Rn-sports | 1'59.558 | 2.088 | 0.010 | 174.854 |
| 7 | 21 | | | 猪爪 杏奈 | ユピテル羽衣6 F111/3 Hitotsuyama Racing | 2'00.005 | 2.535 | 0.447 | 174.203 |
| 8 | 13 | M | 1 | 鳥羽 豊 | AIWIN AIWIN | 2'00.678 | 3.208 | 0.673 | 173.231 |
| 9 | 46 | | | 入榮 秀謙 | アポロ電工フジタ薬局ベローナ フジタ薬局レーシング | 2'00.798 | 3.328 | 0.120 | 173.059 |
| 10 | 51 | | | ジャ ジャンビン | B-MAX RACING F111 B-MAX RACING TEAM | 2'01.283 | 3.813 | 0.485 | 172.367 |
| 11 | 18 | M | 2 | YUKI | NILZZ Racing NILZZ Racing | 2'03.755 | 6.285 | 2.472 | 168.924 |
| ---- 以上基準タイム(110% - 2'09.217)予選通過 ---- |
鈴鹿チャンピオンカップレース第3戦 -RIJ- (2025/07/12) Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2025 S-FJ鈴鹿・岡山シリーズ Round 3 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 56 | | | 箕浦 稜己 | MYST SEIDOYA KK-SII MYST KK-S2 | 2'13.943 | - | - | 156.075 |
| 2 | 43 | | | 五十嵐 文太郎 | Drago CORSE MYST KK-S2 | 2'14.446 | 0.503 | 0.503 | 155.491 |
| 3 | 8 | | | 西田 光来 | FTK・REV RACING GARAGE MYST KK-S2 | 2'14.537 | 0.594 | 0.091 | 155.386 |
| 4 | 22 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージ制動屋S2 MYST KK-S2 | 2'14.544 | 0.601 | 0.007 | 155.378 |
| 5 | 6 | | | 吉田 馨 | TAKE FIRST KKS-II MYST KK-S2 | 2'14.561 | 0.618 | 0.017 | 155.359 |
| 6 | 10 | | | 杉田 悠真 | LAPS with REV RACING GARAGE MYST KK-S2 | 2'14.634 | 0.691 | 0.073 | 155.274 |
| 7 | 13 | | | 武者 利仁 | KF MOTORSPORT KKS-2 MYST KK-S2 | 2'14.819 | 0.876 | 0.185 | 155.061 |
| 8 | 88 | | | 八巻 渉 | 中日本自動車短期大学MSE学科KK-SII MYST KK-S2 | 2'14.914 | 0.971 | 0.095 | 154.952 |
| 9 | 11 | | | 土橋 皇太 | Rn-sports制動屋KK-S2 MYST KK-S2 | 2'14.917 | 0.974 | 0.003 | 154.949 |
| 10 | 51 | | | 永原 蒼翔 | ピットワークながはら/MYST MYST KK-S2 | 2'15.053 | 1.110 | 0.136 | 154.793 |
| 11 | 18 | | | 鈴木 七瀬 | ネッツトヨタ三重with FORM MYST KK-S2 | 2'15.180 | 1.237 | 0.127 | 154.647 |
| 12 | 53 | | | 石井 大雅 | ファーストガレージ制動屋SII MYST KK-S2 | 2'15.286 | 1.343 | 0.106 | 154.526 |
| 13 | 12 | | | 宮本 颯斗 | JAYLOCK MYST KK-S2 | 2'15.331 | 1.388 | 0.045 | 154.475 |
| 14 | 34 | | | 藤井 翔太 | Drago CORSE MYST KK-S2 | 2'15.430 | 1.487 | 0.099 | 154.362 |
| 15 | 79 | | | 三瓶 旭 | 中日本自動車短期大学MSE学科KK-SII MYST KK-S2 | 2'15.515 | 1.572 | 0.085 | 154.265 |
| 16 | 3 | | | 堀 隼登 | レヴレーシングSuper-FJ #3 MYST KK-S2 | 2'15.547 | 1.604 | 0.032 | 154.228 |
| 17 | 57 | | | 東 慎之介 | サンセルモMYST/ORM MYST KK-S2 | 2'15.556 | 1.613 | 0.009 | 154.218 |
| 18 | 61 | | | 一宮 總太朗 | MYST KK-SII MYST KK-S2 | 2'15.657 | 1.714 | 0.101 | 154.103 |
| 19 | 50 | | | 伊藤 聖七 | eagle sprots MYST KK-S2 | 2'15.706 | 1.763 | 0.049 | 154.048 |
| 20 | 55 | | | 板倉 慎哉 | AMORE TOKYO☆表参道☆KKSII MYST KK-S2 | 2'15.748 | 1.805 | 0.042 | 154.000 |
| 21 | 39 | | | ハン ゼヒ | Eagle Sports KKS-2 MYST KK-S2 | 2'15.873 | 1.930 | 0.125 | 153.858 |
| 22 | 47 | G | 1 | 山根 一人 | 光精工TK-Sport MYST MYST KK-S2 | 2'16.055 | 2.112 | 0.182 | 153.653 |
| 23 | 52 | | | 中川 賢太 | イーグルスポーツ MYST KK-S2 | 2'16.283 | 2.340 | 0.228 | 153.396 |
| 24 | 4 | G | 2 | 古里 拓 | FLEETレブレーシングガレージ MYST KK-S2 | 2'16.714 | 2.771 | 0.431 | 152.912 |
| 25 | 9 | G | 3 | 上吹越 哲也 | FTK・レヴレーシングガレージ MYST KK-S2 | 2'17.912 | 3.969 | 1.198 | 151.584 |
| 26 | 72 | | | 久保 直也 | AQUAだーはまレーシングNUTEC WEST 07J | 2'18.325 | 4.382 | 0.413 | 151.131 |
| 27 | 70 | | | 地崎 壱星 | デザインラボKKS2 MYST KK-S2 | 2'18.942 | 4.999 | 0.617 | 150.460 |
| 28 | 7 | | | 小野原 悠 | レヴレーシングガレージwith LAPS MYST KK-S2 | 2'20.863 | 6.920 | 1.921 | 148.408 |
| ---- 以上基準タイム(130% - 2'54.601)予選通過 ---- |

スーパーFJ(S-FJ)は日本のナショナルフォーミュラとして1980年に始まったFJ1600をルーツとして、2007年にFJ1600の後を継ぐ形でスタート。その大きさは全長およそ3.8メートル、全幅1.7メートル未満とだいたいリッターカーと同じサイズだが、車重は約420キロと圧倒的に軽い。エンジンはホンダのL15AというFITに搭載されていた4気筒エンジンがベースで排気量1.5リッター、出力は120馬力(89kw)程度で、馬力当たり荷重は3.50kg/PSということになる。スタートから18年が経過し、来年より新規格のS-FJ車両のデビューが予定されている。
今回はその「新規格S-FJ」のプロトタイプ車両の筑波サーキットでのテストについて取材を行った。
マシンは鈴鹿を拠点にこれまでのS-FJ車両「KK-S2」を製作販売していた「自動車工房ミスト」によって開発されたもので「KK-F」とネーミングされている。他にも新規格S-FJを製作しているコンストラクターがあるが、現時点でマシンが出来上がっているのはミストだけのようだ。
KK-Fの見た目は従来のS-FJ車両(以下現行型)に似ているが、なんといってもコックピット上のHALOが目立つ。他のフォーミュラに比べて車体が小ぶりなS-FJだけにHALOが異様に大きく見えるが、この形状は今後変わるようだ。そしてこれまでの「Hパターン」のシフトレバーが無くなり、他のフォーミュラマシンと同様のパドルシフトとなっている。ただしペダルは3ペダルで発進時のみクラッチペダルの操作が必要。
車両のサイズも現行型とほぼ同じ、ホイールベースが約50ミリ伸びて、リヤにクラッシャブル・ストラクチャーが追加された分全長は長くなっている。
シャシーの構造は鋼管スペースフレーム+鉄板のセミモノコックで現行型と同一だが全くの新設計で、現行型のパーツはごく僅かとのこと。

搭載されるエンジンはトヨタの4気筒「1NZ-FE」がベース。VITZ RSはじめカローラシリーズ、プロボックスなどにも搭載されている量産エンジンで、ノーマルで110馬力程度を発揮する。これをセキグチカーズでチューニング、130馬力(95kw)としている。またエンジン高を下げるためにオイルパンを薄くするなどの加工を行ってあり、これによって現行型のL15Aより重心が下がり、重量物であるHALOの追加で重心が上がる分を相殺できているそうだ。車重は430~450キロ程度(プロトタイプ車両の為今後変わる可能性あり)で、450キロで馬力当たり荷重は3.46kg/PSと現行型とほぼ同等だ。パドルシフトとトランスミッション一式もセキグチカーズ製とのこと。
気になる販売価格については550万円を目標にしているという噂があるがまだ未定。現行型が500万円程度と言われており1割増しという感じだが、すでにミストには問い合わせや予約が入っていると聞く。
7月2日に行われたテストを担当したのは東日本のS-FJシリース(筑波/富士、もてぎ/SUGO)を主戦場としている「ZAP SPEED」。今回のテストは6月の富士スピードウエイに続いて行われたもので、目的はギアレシオが固定となる6速パドルシフトのギヤ比について、高速の富士とツイスティな筑波の両方でマッチするかを探ることにあるとのこと。ちなみに富士でのテストでは現行型と比べて2秒程度速いラップタイムだったそうだ。ZAP SPEEDのスタッフの他、セキグチカーズのメンバーも参加、ロガーデータの分析を行っていた。
テストを行うドライバーは2名で、一人目は荒川麟。2018年にはS-FJ SUGOシリーズチャンピオンを獲得、2021年からFIA-F4に参戦しシリーズ2位。その後もF4やスーパーフォーミュラ・ライツに参戦。今年はRUNUP SPORTSでGT300のGTRをドライブしている。S-FJの運転についてレースはともかく、レッスン等で最近も走っているそうだ。もう一人は伊藤駿。本格的なレースデビューがS-FJからという経歴で、2019年に初参戦の筑波でデビューウイン、2020年に筑波/富士シリーズのチャンピオンを獲得、4シーズンのブランクののちに2024年に復活、筑波/富士シリーズのチャンピオンを再び獲得、と結果を残している。つまりは現行のS-FJで昨年まで筑波でレースをしていて熟知している選手ということだ。
テストは3回あるスポーツ走行枠(1回20分間)の中で行われ、他のフォーミュラマシンとの混走となり、現行型も数台が走っており比較にちょうどいい。まずは1本目が12時30分から開始、ドライバーは荒川。気温33.7度、路面温度55.6度と真夏のコンディションで冷却性能を試すには絶好だとスタッフが苦笑する。タイヤは「かなり古い」ユーズドタイヤで感触を確かめるところから。ラップタイムは1分00秒から始まって59秒1まで詰めて終了。同時に走っていたファーストガレージの車両が59秒台なのでほぼ同等。荒川によるとギヤ比については最もボトムスピードが落ちる第2ヘアピンでやや高めに感じるのと、やはり車体の上の方が重いので動きが大きい感触で、ブレーキングで挙動が不安定になるという。
2本目は午後1時50分から伊藤がドライブ。気温33.7度、路面温度49.7度。タイヤは1本目のユーズドのままだ。車体のあちこちに赤いパラフィンが塗られ、空気の流れを後で確認する。
タイムは59秒台から始まりベストタイムは58秒9。直近5月末に行われた筑波のレースの決勝のファステストラップが58秒668で、そのタイムを出したファーストガレージの津田が今日も走っており、同じ走行で58秒6をマークしている。伊藤は何周かした後でスタート練習も実施。前述のとおり3ペダルなのでスタート時はクラッチワークが必要になる。僅かなホイールスピンでスタートしたが、テスト後の会話を聞いていると「かかとを床につけてペダルが踏めないのでスタートしづらかった」ということだった。
ラジエターインテークが現行型に比べて小さくクーリングが心配されたが伊藤の報告で水温80度とのこと。今回見ることはできなかったがサイドポンツーンの中がかなり気流に気をつかった造りになっているそうで、今日のコンディションで80度なら問題なかろうとの見解だった。
伊藤の走行後コメント

「大きなコースだと気がつかなかったのですが、筑波に来ると制御の甘さというか。(シフトダウン時の)ブリッピングでシフトロック気味になるのが改善点ですかね。ギア比については低すぎず高すぎずで問題ない感じです。ちょっとローテーション(姿勢変化)のスピードが早い感じで、曲がり始めの挙動がシビアな感じです。筑波だとそこの挙動がすごく大事なので、そこがちょっと扱いにくいな、と感じました。大きなコースだと路面についていていい感じなのですが。(HALOがついて頭が重くなったのは気になった?)そこはまったく気になりませんでした。全体的に地上高が低いので、どっしりとした感じで。(ブレーキングが不安定?)それも制御の甘さやシフトロック気味なことに起因していると思います。自分で(アクセルを)踏み足して試してみましたが、制御が入ってしまってうまくシフトダウンできなかったです。(ほぼ現行型と同タイムだが?)そこはロガーを見て比較してみたいですね。制御の介入のせいなのか、車速が上がっている分なのか。ちょっとわからないですね」
※その後のチェックでブレーキバランスの問題が見つかり、伊藤が指摘していたシフトロック等の課題もそこに起因しているだろうという事で、実際3回目の荒川の走行では改善がみられた)

車体各所に塗ったパラフィンの流れた跡を確認すると、ウイングやノーズはきれいに流れていたが、エンジンカウルまわり、特にサイドの部分で空気が流れていないようで、左サイドについている吸気孔には圧がかかっていないようだった。他のコンストラクターではロールバー脇を検討しているという話もあるようで、吸気孔の位置は要検討、もしくは現行型のように統一(エンジンカウル後端に後ろ向きでエアファンネルが露出した形で配置)の必要がありそうだ。
3本目は午後3時10分から。気温34.7度、路面温度54.7度と相変わらずの猛暑。実はこの走行前にブレーキバランスが極端に前よりになっていたことが発覚。1回目や2回目の走行でブレーキング時の挙動が不安定だったことやシフトダウン時に制御が入りタイムラグがあるといった指摘の原因がここにあったようだ。
荒川がドライブするこの回、ニュータイヤを装着しアタックラップを行い、ベストタイムは57秒8をマーク。5月末のレースでの予選タイムは58秒6だったので、0.8秒上回り、ここ数年S-FJでは出ていなかったタイムだ(コースレコードは57秒571)。荒川はその後も58秒1、57秒9とタイムを出してテストを終了。スピードが上がったことで、第2ヘアピンでもギア比が合ってきた感触で、ブレーキング時の不安定さも解消したという。
荒川の走行後コメント

「現行のS-FJよりも大きく変わった点はパドルシフトになったことで、それに関しては操作が楽ですね。以前なら片手で運転しなければならない所もあったりしたので、そこはシフト操作が楽になって快適に運転できるようになりました。最低地上高も現行型より下がったので、クルマの動きもシャープですし、限界値も高くて、F4とかに似たようなクルマの動かし方になってきたと思います。現行型の地上高ですと縁石に乗れてしまってS-FJ特有の乗り方が必要になったりしたのですが、そういう部分に関してKK-Fの方が上(のカテゴリー)につながるスキルが身につくと思います。(タイムはまだ伸びしろがある?)合わせていければまだまだ上がると思いますが、ひとまずは57秒台に入ったので、冬とか、もっともっと開発して56秒目指していけると思います」
最後に本日のテストについてZAP SPEEDの笹川代表に総括してもらった。
ZAP SPEED 笹川代表コメント

「こういうプロトタイプのテストの時って(ベースラインが)何もないというのが大変で。この先改良の余地があるな、ということが出てきた方がよくて。そういう点いろいろ収穫はありました。それでもスタート段階のかたちとしては、よくまとまっているという感じで。心配していたギア比も合っていましたし、最初ちょっとブレーキにトラブルが出ていましたがそれが収まって、シフトロックするとかの問題も改善して、基本的には最初からいいレベルにいると思います。何作も(マシンを)作ってきたミストさんなので、最初からスィートスポットに持ってきていて、変な癖がないと思います。次のテストはスポーツランドSUGOで、モビリティリゾートもてぎでのテストは日程が合わなくて8月になると思います」
これにて本日のKK-Fのテストは終了。マシンのポテンシャルが確認され、タイムも出たということで所期の目的を達成できたようだ。今後も各地でテストも予定されていて、早ければ来シーズンから実践デビューの可能性があり、その場合は過去にFJ1600からS-FJに移行した時と同様現行型との混走となるもようだ。




Text & Photo: Junichi SEKINE
優勝 箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SII)

「SCが出て、僕SCの先頭初めてだったので、ちょっと焦ったところはありました。そのまま逃げ切れたので、よかったです。(何も不安はなかった?)ペースもよくてそのまま行けたので、大丈夫でした」
2位 津田光輝(ファーストガレージ制動屋S2)

「(酒井とのバトルは?)ストレートで抜かれたら、他で追いついてもどうしょうもないなと思ってブロックが必要になって。ちょっと無理やり(ノーズを)突っ込んでいってしまったところもありました。あまりきれいなバトルではなかったかもしれませんが、順位は死守できました。(その間に箕浦に逃げられた?)どうやって追い上げたらいいのか、ちょっとわからなかったです」
3位 五十嵐文太郎(Drago CORSE)

「予選が自分のミスでタイムを出せなかったので、追い上げのレースになるとは思っていました。スタートもミスせず、ペースはあったので、そこから順位上げられたという感じです。(2位に上がれそうだったが?)抜けそうだったのですが、もうちょっと自分のペースが欲しかったですね」
4位 酒井翔太(ファーストガレージ制動屋S2)

「(最初に2位に出られたが?)レースの展開考えたら、そこは(前を追う流れに)乗ってほしかったのですが、やっぱりみんな最初から(攻めて)来るよな、という感じだったので。僕は箕浦君も巻き込んでバトルをやりたかったので、そこは抑えてほしいなと思ったのですが、そこは自分の思い通りにはいかないので(苦笑)。その後、五十嵐選手と絡んでコースアウトもしてしまったので、その後は前について行くのが精いっぱいでした」
5位 石井大雅(ファーストガレージ制動屋SII)

「スタートはけっこう決まってよかったのですが、その後の立ち回りですね。五十嵐選手に抜かれてから、あまりよくなかったです。酒井選手に対しても追い上げる機会があったのですが、11周目くらいで自分がGRスープラコーナで飛び出てしまって、そこで離されてしまいました」
6位 切替悠喜(ファーストガレージRSDS2)

「悪い中でもカバーができたというか、水曜の走行まですごく調子よかったのですが、昨日から調子崩してしまって、そんな中で最低限の立て直しはできたかなと思います。あと初めての富士だったので、予選に関しては赤旗出てしまってアタックができずに終わって。それで予選で前に行けなかったのが今回の敗因なのかなと思います。富士では予選でスリップの使い方とかまったくわからないところがあったので、それがわかったというのは次の富士に向けてはポジティブな要素です」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE

2025年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第4戦決勝が6月29日(日)に富士スピードウエイで開催され、スタート直後のクラッシュでセーフティカー(SC)が出るという展開のレースで箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SII)が終始リード。一度もトップを脅かされることなく12周を走り切り優勝した。
午前8時からの予選に続いて決勝は定刻午前11時に21台でフォーメーションラップ開始。気温29度で日差しは夏のものだ。フロントロウにポールシッターの箕輪、予選2番手の津田光輝(ファーストガレージ制動屋S2)が並び、セカンドロウに酒井翔太(ファーストガレージ制動屋S2)とYOSHIDA KODAI(T's TECHNO RF)、3列目に石井大雅(ファーストガレージ制動屋SII)、中村ブンスーム(ファーストガレージKKSII)というグリッド順。なお予選14番手のタイムを出した板倉慎哉(AMORE with Racing F)は五十嵐文太郎(Drago CORSE)との接触によって降格。最後尾からのスタートとなった。富士には毎年参戦してコンスタントな成績を残し、過去には優勝争いも演じている板倉だけに追い上げが期待される。

ポールシッター箕浦が好スタートを切ってホールショットを奪いTGRコーナーで進入したのに対し、2番グリッドの津田はやや加速が弱くTGRコーナー進入でアウト側から酒井の先行を許す。津田以上にスタートが悪かったのが4番グリッドのYOSHIDAでクラッチミートを失敗したか一瞬出遅れて後続車に飲み込まれる。スタートがよかったのが7番グリッドの五十嵐で、ストレートエンドまでにYOSHIDAを抜くとコカ・コーラコーナーで6番手スタートの中村ブンスーム(ファーストガレージKKSII)のインを差して5位にポジションアップ。YOSHIDAは7位まで順位を落とした。
各車がTGRコーナーに殺到する中でクラッシュが発生。14番手スタートからやや出遅れた山本龍(おさきにどうぞ☆KKS-II)に19番手スタートの水谷誠(HC桶川MRPYTTZAPED)が追突、スピンした山本に水谷が再度接触、山本は再スタートを切ったものの水谷はコーナーの脇にストップ。ただちにSC投入が宣言される。
オープニングラップを終えてSCを先導に箕浦~酒井~津田~石井~五十嵐~中村というトップ6。水谷の車両が移動され2周目にSCインとなり3周目からレース再開。箕浦はSCランの先頭が初めてだったということもあり、SCが離れた後も極端な隊列のけん制は行わず、ゆっくりと最終パナソニックオートモビルコーナーの立ち上がりから加速を開始。2位以下もこれに追随してレースはリスタートした。
2位酒井は箕浦に0.124秒差とテール・ツー・ノーズ状態でコントロールラインを通過、TGRコーナーに向けてアウト側から並びかけようとするが箕浦がインを守る。逆に津田が酒井のインを突く形になり、サイド・バイ・サイドでTGRコーナーを通過すると、4位石井がクロスラインからこの2台のさらにイン側から仕掛けて、第2コーナーではアウト側酒井、真ん中津田、イン側石井というファーストガレージ勢の3台がスリーワイドで旋回する。ここは津田が一歩引いて酒井~石井~津田の順になるが、続くコカ・コーラコーナー進入で津田が石井を仕留めて3位を取り戻す。この2位争いの背後につけているのが五十嵐で、アドバンコーナー入り口で石井のインから差しに行き並走。ここは石井が守ったがダンロップコーナーでアウトから五十嵐が被せるとオーバーテイクに成功。4位にポジションアップ。5位に落ちた石井の後方に今度はスタート失敗で順位を落としていたYOSHIDAがリスタートで中村をかわして迫ってくる。
3周目を終えてトップ箕浦はバトルを続ける2位以下に1.035秒の差をつけてコントロールラインを通過。2位酒井と3位津田は0.012秒のサイド・バイ・サイドでストレートを駆け抜けると津田が前に出てインからTGRコーナーへターンイン、2位のポジションを奪い返す。4位を争う石井と五十嵐も0.058秒差で並走、こちらはストレートエンドまでに五十嵐が前に出る。これで箕浦~津田~酒井~五十嵐~石井~YOSHIDAの順に。
トップを行く箕浦のペースは速く、4周目には1分51秒683とここまでの最速ラップを刻み2位に上がった津田に1.424秒の差をつける。津田は箕浦を追うより0.318秒差で離れない酒井への防戦に追われている状況。前を追えないのは4位の五十嵐も同様で、5位に落ちた石井が0.250秒差と再逆転のチャンスを狙っている。さらに6位争いもYOSHIDAに対して中村をかわして7位に上がった切替悠喜(ファーストガレージRSDS2)が0.068秒差とテール・ツー・ノーズ状態で迫り、5周目のTGRコーナーでインを突くとオーバーテイクに成功、6位にアップする。
ジェントルマンクラスではリスタート時点でトップだった古里拓(FLEETレヴレーシングガレージ)が4周目に順位を落とし、クラストップは総合14位の秋山健也(スーパーウインズKKS2)。秋山のマシンは昨年のKKS2投入以来真っ白なボディだったが、今回トレードマークともいえるブルーの面積が増えた。クラス2位は畠山退三(Hobby Base& zap-ED)で秋山の1.448秒後方につける。クラス3位は富士がホームである野村大樹(WRS NOMURA KK-SII)で、こちらも畠山に0.095秒差とテール・ツー・ノーズ状態だ。古里はとこかでミスがあったようで、一気に順位を落とした。
6周目、石井のプレッシャーにさらされながらも五十嵐が酒井へのアタックを開始。100Rで酒井のテールに食らいつくとアドバンコーナーでインから仕掛けてオーバーテイクに成功、酒井はややラインがワイドになり五十嵐の先行を許した。これで五十嵐3位、酒井4位。6周目も箕浦は最速ラップを1分51秒665まで更新。2位津田に1.686秒の差。津田は1.013秒差と3位からのプレッシャーから解放されたが箕浦のペースにはついていけないか。
その後の箕浦は手綱をゆるめることなく走行。2位津田とは9周目2.004秒差。10周目2.216秒とじわじわと引き離していく。3位以下も8周目に5位石井1分51秒513、9周目に3位五十嵐51秒508、10周目に4位酒井51秒471とそれぞれ最速タイムをマークするが、箕浦と津田も51秒台で走っておりおおきな順位変動はない状態。
箕浦は最終的に2位津田に2.469秒の差をつけてレースを走り切り優勝。ポール・ツー・ウインの完勝で富士デビューを飾った。2位津田は序盤で落とした順位を取り戻したものの、トップ箕浦を脅かすところまでは接近できずに終わった。その津田に一時0.6秒差まで近づいた五十嵐だったが、最後の数ラップは酒井と五十嵐がそれぞれ0.3秒差で続く表彰台争いになり、防戦に追われたか0.789秒差で3位、そこから0.371秒差で4位酒井、0.362秒差で石井。石井はファイナルラップに1分51秒068と予選のポールタイムを上回るファステストラップを叩き出した。6位は切替が入賞した。
デビュー戦の林零仁(KK-SII)は13番手からスタートで17位までポジションを落としたが徐々に順位を取り返し、13位でフィニッシュし、上位のペナルティで12位に繰り上がって初レースを終えた。また最後尾スタートとなった板倉は持ち前の速さを見せてオープニングラップで7台抜き、14位まで進出するとその後も順位を上げて11位フィニッシュ。こちらも上位のペナルティで繰り上がり10位という結果になった。
6台が出場のジェントルマンクラスは総合13位の秋山がクラス優勝、総合14位の野村がクラス2位でチームを率いる和田孝夫表を喜ばせた。クラス3位はスタート直後の接触で最下位まで落ちながら総合17位まで挽回した山本となった。
レース終了時点で気温30度という厳しいコンディションになり、各選手は汗だくでポディウムに戻ってきたが、そんな中でも16歳の箕輪は溌剌とした表情で表彰台に上がった。今年鈴鹿/岡山シリーズでS-FJにデビューし、開幕戦鈴鹿で9位、第2戦岡山で5位を獲得しているが、初の表彰台が優勝ということになった。
S-FJ筑波/富士第5戦は7月27日に舞台を筑波サーキットに戻して行われる。シリーズも後半戦。ファーストガレージ勢優位の勢力図に風穴を開けるのは誰だ。













Text: Junichi SEKINE
Phot: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
ポールポジション 箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SII)1分51秒233

「富士はレースでは初めてです。富士の予選はストレートが長いので、スリップストリームを使うところが難しかったです。そこがうまく行かなかったけれどポール取れたのでよかったです。ペースとしてはよかったと思うので、決勝もスタートを決めて勝ちたいです」
2位 津田光輝(ファーストガレージ制動屋S2)1分51秒245(+0.012秒)

「最終のラップで(タイムを)詰め切れなかったという感じで、そこが差になったと思います。今回富士で晴れたのは初めてで、予選の晴れも初めてなので。位置取りをどこに取ろうかとずっと考えていたのですが、(狙い通りに)ならなかったなという感じになってしまいました。昨日、一昨日とエンジンにトラブルがあって、いろいろ直していただいて、メカニックには感謝です。決勝でも頑張って走りたいと思います」
3位 酒井翔太(ファーストガレージ制動屋S2)1分51秒500(+0.267秒)

「今回はすごい混戦になると思っていました。予選でスリップストリームの使いあいになるだろうなと思っていたので、自分の走りができなくなるのもいやだし、そこで変に引っかかってしまうリスクもあったので、いつも通りちょっと遅れて、最後の1周に前に追いつくぐらいのイメージで出て行ったのですが、それがちょっとうまく行かず、単独になってしまったので、そこで離されてしまっているタイムなのかな、と思います。昨日、一昨日と走行が1本ずつしかなくて、セットもいい方向にはいかなくて、今日やっといいセットになってきたので、決勝は自分の走りも含めて、見直していきたいなと思います。あとの課題はスタートですね(苦笑)」
4位 YOSHIDA KODAI(T's TECHNO RF)58秒997 1分51秒604(+0.371秒)

「最後の周うまく(前を)抜けていればもっとタイム出たと思います。最後に新しい事を見つけたりしてもうちょっと行けたなという感じですが、4番手じゃけっこういい結果だと思います。スタートを決めて前に上がりたいと思います」
5位 石井大雅(ファーストガレージ制動屋SII)1分51秒705(+0.472秒)

「ちょっと立ち回りをミスしましたね。赤旗前に単独で走ってみたのですが、タイヤの暖めがうまくいかなくて、タイム出そうというところで赤旗になったので、最初は下の方の順位でした。赤旗からの再開後、最初は単独で行ったのですが、最後の方に箕浦選手が後ろの方から来ていたのでの、そこで譲って(後ろについて)タイムを出そうと思って、51秒前半は狙えそうなペースだったのですが、13コーナーでスライドしてしまってタイムロスして51.7秒で終わってしまいました。ミスがなければ3番手は狙える位置にはいたかなと思います」
6位 中村ブンスーム(ファーストガレージKKSII)1分51秒845(+0.612秒)

「最後にうまく前の人のスリップストリーム使えたのですが、セクター3で大きくミスしてしまって。そこでタイムをロスして全然まとまらずで、不完全燃焼な結果になってしまいました。もうちょっと(上に)行けた気がしますけど、微妙ですかね。まず自分のドライビングでミスが目立っているので、そこを直していかないと、絶対に上には行けないと思うので、そこは見直して、決勝に向けて頑張って行きます」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE

2025年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第4戦公式予選が6月29日(日)に富士スピードウエイで開催され、赤旗中断明けにトップタイムを出した箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SII)が津田光輝(ファーストガレージ制動屋S2)に千分の12秒差でポールポジションを獲得した。
筑波/富士シリーズも中盤戦に差し掛かり、今年初の富士ラウンドを迎えた。シリーズに2大会しかない富士でのレースだが、今年は年末のS-FJ日本一決定戦がここ富士で開催されることもあって、シリーズを追う選手以外にも10名が参戦、計21台がエントリーした。
20分間の予選は午前8時コースオープン。各地で猛暑、熱帯夜が報じられているが高地の富士スピードウエイは気温24.6度と控えめ。しかし日差しはじりじりと強く、路面温度はかなり高そうだ。
各車ウオームアップを終えて計測3周目あたりからタイムアタックが本格化。まずは残り時間14分50秒に箕浦が1分52秒225でトップに出る。箕浦は鈴鹿/岡山シリーズからの遠征だ。すかさず筑波での第2戦/第3戦優勝で好調なポイントリーダー津田が51秒751といち早く51秒台に入れてトップに立つ。箕浦2番手で、以下3番手石井大雅(ファーストガレージ制動屋SII)52秒411、4番手YOSHIDA KODAI(T's TECHNO RF)52秒418、5番手中村ブンスーム(ファーストガレージKKSII)52秒464ともてぎ/SUGOシリーズを主戦場とする選手が続き、6番手には五十嵐文太郎(Drago CORSE)の52秒521。五十嵐はもてぎ/SUGOシリーズ、鈴鹿/岡山シリーズにも参戦中だ。
そして残り時間13分、各地のS-FJを転戦し、F4にも参戦している酒井翔太(ファーストガレージ制動屋S2)が52秒033で2番手浮上する。
このタイミングで赤旗が提示。五十嵐と板倉慎哉(AMORE with Racing F)がアドバンコーナーで接触。板倉がコースサイドに停止したことによるものだ。板倉も主戦場は鈴鹿/岡山シリーズだが富士にも毎年出てきている。
板倉の車両が移動されて、予選は残り時間6分40秒から再開。各車仕切り直しでタイムアタックのチャンスは2周程度しかない。
残り時間3分、箕浦が1分51秒233でトップに出る。YOSHIDAが51秒604で2番手につけ、津田は0.001秒だけ自己ベストを更新して3番手にドロップ。4番手五十嵐51秒901、5番手は赤旗前のベストタイムで酒井、6番手52秒075の石井と続く。今回6台がエントリーのジェントルマンクラスでは古里拓(FLEETレヴレーシングガレージ)が53秒149とジェントルマンクラスのコースレコードを出して総合10番手でトップにつける。
今回S-FJでのレースデビューを迎えた林零仁(KK-SII)は前日夕方のスポーツ走行でクラッシュ、リヤセクションをかなり損傷していたが、メカニックの懸命の修復で予選出走にこぎつけて、この段階で16番手。55秒012をマークしている。
残り時間1分20秒。津田が1分51秒245まで自己ベストを短縮して2番手に上がり吉田3番手。続いて残り30秒で酒井が51秒565をマークして3番手浮上。YOSHIDAは4番手にドロップしたところで20分が経過。
チェッカードフラッグが振られる中で最後のタイムアタックを続けていたのが酒井、石井、中村のファーストガレージ勢で、まず石井が51秒706を出して5番手に上がり、中村も51秒845で6番手へ。これで2台並んで3列目のグリッドを確保。一方五十嵐は7番手に陥落。酒井も51秒500とベストタイムを更新したがトップから0.267秒差の3番手変わらずで、YOSHIDAとセカンドロウに並ぶこととなった。そしてポールポジションは箕浦。2番手津田が0.012秒差でフロントロウから決勝を迎えることとなった。デビュー戦の林は1分53秒419まで自己ベストを短縮、マシンを修理してくれたメカニックに感謝しつつ13番手でレースをスタートすることとなった。
ジェントルマンクラスはレコードタイムの古里が総合12番手のクラストップ。クラス2位は総合15番手の山本龍(おさきにどうぞ☆KKS-II)同じくクラス3位は総合17番手の畠山退三(Hobby Base& zap-ED)というトップ3となった。
S-FJ筑波/富士第4戦決勝は午前11時ちょうどにスタート予定。遠来の箕浦がそのまま逃げるか、ファーストガレージ勢の逆襲がかそれともYOSHIDAが割って入るか。勝負のカギは富士特有のスリップストリームかもしれない。








Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE

2025年JAF地方選手権、スーパーFJ筑波/富士シリーズ第4戦は年末の日本一決定戦をにらんで出場した選手を含めて21台がエントリーした。その中に今回初レースを迎えたドライバーが一人いた。
T's techno RFがメンテナンスする84号車「KK-SII」で出場の林零仁はレーシングカート出身、来月には22歳になる。昨年は前田代表率いる「ELEV Racing Dream」にてフォーミュラマシンへの習熟を重ねた。その後今年に入ってスーパーFJでの練習を重ねて今回レースデビューと相成った。前田代表に当時の印象を聞くと「陽気な性格だったのでドライビングも積極性の強いものかと思っていたが非常に丁寧で繊細なハンドル捌きで、堅実な走りをしていた」そうだ。
そんな林にレース前日にショートインタビューを行った。
――今までのモータースポーツ歴は?
「レーシングカートで、全日本にスポット参戦したり、後は地方選手権で鈴鹿とかでレースしていました。実績としてはあまり(苦笑)」
――その後ELEVのオーデションを受けた?
「とりあえず自分の実力を試したくてオーデションを受けました。その後縁あってT'sはさんからレースに出ることになりました。(前田代表は「繊細なドライビングをすると言っていた)それはちょっとうれしいですね」
――練習はどのくらい積んだ?
「今年の2月ぐらいから5、6回くらいは練習しました。月いちぐらい、先月はちょっと練習する機会がなかったのですが、今月に入って富士のレースが近いので富士で練習していました」
――動画配信にも取り組んでいるようだが?
「(動画配信は)自分の名前をたくさんの人に知ってもらうための活動の一環ですね。今後もそういう動画上げていきたいです」
――動画で言ってた「筑波1分切り」は達成できた?
「まだできてないです(苦笑)だいたい1分フラットくらいで周回してますね。自分がまだドグミッションに慣れていなくて、ミスも多発していたので。今はだいぶ慣れてきましたが」
――富士の走行はいつから?
「6月の13日に初めて走って、今週水曜日も、雨でしたが走りました。思っていたより苦戦していますが、今日この後走ってどうか? という感じですね。そこでしっかりと走れたら明日のレースも十分戦えるんじゃないかと思っています」
――この後のレースは
「とりあえず富士だけスポットで出て、日本一決定戦のために準備しようかな、と思っています。余裕があれば鈴鹿とかも出てみたいなと思います」
この後午後4時30分から行われたスポーツ走行開始早々に林は100Rでクラッシュ。マシンはリヤからガードレールに当たってウイングが飛ぶほどのダメージを負ったが幸いドライバーは無傷。明日朝の予選に向けてマシンの修復に取り掛かった。富士の洗礼を浴びた格好だが健闘を期待したい。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
6月29日にマレーシアのセパンサーキットで行われたオートバックス スーパーGT第3戦「スーパーGTマレーシアフェスティバル2025」の決勝レース。GT300クラスはポールポジションからスタートした18号車UPGARAGE AMG GT3(小林崇志/野村勇斗)が優勝。ルーキーの野村勇斗が参戦3戦目にしてスーパーGT初優勝を遂げた。
スタートでトップに立ったのは18号車の野村。しかし予選2位スタートの野中誠太(Green Brave GR Supra GT)がすぐさまこれを捉え、トップでコントロールラインに戻ってきた。
18号車はその後もペースが上がらず、予選3位スタートの元嶋佑弥(VENTENY Lamborghini GT3)に背後を脅かされる展開に。
しかし25周目にトップの52号車がピットインすると、形勢は逆転することに。
52号車はタイヤ交換に手間取り大きくタイムロス。一方の18号車は野村が最後まで2番手のポジションを守って26周目にピットへ。ここで第2スティントを担当した小林が52号車の前でコースに戻ると。27周目には9秒7の大差をつけることに成功する。
懸命に追い上げる52号車だったが、18号車まではわずか0秒033及ばず。18号車UPGARAGE AMG GT3(小林崇志/野村勇斗)が今季初優勝。TEAM UPGARAGEにとっては車両をホンダNSXからメルセデスAMG GT3に変えてから初の勝利だ。
52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)は2位
に終わった。
そしてレース終盤を大いに盛り上げたのが3位争いだった。
序盤から3番手を快走していた0号車に対し、4車グッドスマイル初音ミクAMG(中山友貴/奥本隼士)は16周目に早めのピット作業を行い、4番手に浮上すると、47周目には奥本がついに小暮を攻略して3位をもぎ取っている。
4号車は今回、片岡龍也と谷口信輝の両名がスパ24時間出場の種に欠席、代わってベテランの中山友貴とルーキーの奥本隼士が抜擢された。特に奥本はこれがスーパーGTデビュー戦。昨年から61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)のリザーブドライバーとしてチームに帯同してきたが、今回GOODSMILE RACING & TeamUKYOから出走することとなり、見事デビュー戦で表彰台を獲得している。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
オートバックス スーパーGT第3戦「スーパーGTマレーシアフェスティバル2025」が6月29日、マレーシアのセパンサーキットで行われ、GT500クラスは予選4位からスタートした37号車Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が今季初優勝を挙げた。
第3戦決勝は現地時間午後4時30分より55周で行われた。天候は曇り。スタート時の気温33℃、路面温度は42℃。
ところがここで予選13位の24号車リアライズコーポレーションADVAN Z(松田次生/名取鉄平)がプロペラシャフトの破損によりグリッドを離れることができず、マーシャルの手でピットレーンへ戻されることに。これによりレースは14台で争われることとなる。
スタートでトップに立ったのはポールポジションの国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)。しかし9周目に周回遅れに詰まったところを予選2位の松下信治(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)に捉えられてしまい、8号車がトップに浮上する。
その後方では笹原右京(Deloitte TOM'S GR Supra)が7周目に予選3位の大草りき(Modulo CIVIC TYPE R-GT)を抜いて3番手に浮上している。
トップの松下は2番手以下を3秒近く引き離して21周目にピットイン。野尻智紀に交代する。2番手の国本はその前の20周目にピット作業を済ませ、阪口晴南に後半を託した。
しかし3番手の笹原はここでピットインを引き伸ばす作戦を採り、32周目に漸くピットへ。この時点で暫定トップだった37号車はチームの迅速な作業と、少ない残り周回に応じた短い給油時間でそのままトップでコースに戻ることに成功する。
後半を担当したジュリアーノ・アレジはアウトラップで8号車の猛追に晒されるが、これをなんとか凌いでコントロールラインに戻ってくると、タイヤが作動領域に入ってからは逆に2番手以下を突き放しにかかった。
これにより37号車は34周終了時点で1秒446だったリードは40周目には3秒575、48周目には9秒013にまで広がり、最後は19秒046もの大差をつけてフィニッシュ、37号車Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が昨年9月の第6戦SUGO大会以来9ヶ月ぶりの勝利をものにした。
2位は8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)。
3位には予選6位からスタートした12号車TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が入った。
12号車はバゲットがオープニングラップで小出峻(Astemo CIVIC TYPE R-GT)を捉えて5番手に浮上すると、その後も64号車を捉えて4番手でピットイン、ピットアウト後も平峰が阪口を捉えて3番手に浮上する。54周目には100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)の先行を許し、4番手でチェッカーを受けるが、100号車に対しては30周目の最終コーナーで38号車KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)を押し出したとして10秒のタイムペナルティが課せられており、最終順位は12号車が3位という結果になっている。
なお、ポイントリーダーの1号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)は予選8位からスタート、1周目の2コーナーで39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)に追突され、一旦はクラス最後尾まで後退したが、その後はスタートドライバーの坪井、後半担当の山下がトップ集団と遜色のないハイペースで周回を重ねて7位でフィニッシュ。70kgのサクセスウェイトを抱えながらもしぶとく3ポイントを獲得し、依然としてチャンピオンシップをリードしている。
またランキング2位にはこのレースを勝利した37号車の二人がジャンプアップ、9ポイント差でチームメイトを追う展開となった。
次戦の舞台は富士スピードウェイ。2013年に開催された富士スプリントカップ以来の2レース制のスプリント戦が8月2−3日の両日にわたって行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
6月27日にマレーシアのセパンサーキットで行われたオートバックス スーパーGT第3戦「スーパーGTマレーシアフェスティバル2025」の公式予選。GT300クラスは18号車UPGARAGE AMG GT3(小林崇志/野村勇斗)が今季初のポールポジションを獲得した。
予選Q1 ドリアン・ボッコラッチ(EBM GIGA 911 GT3)がグループAトップ!
グループAの走行は現地時間午後4時30分より10分間で行われた。各車アウトラップ、ウォームアップラップに続いて残り時間3分を切ったあたりから本格的なアタックに取り掛かる。
まずはケイ・コッツォリーノ(PONOS FERRARI 296)がウォームアップ1周から2分3秒304を記録、これをボッコラッチが2分3秒107で上回り、611号車が公式練習1回目に続いてトップに立った。
2位は45号車。3位は野中誠太が2分3秒529を記録した52号車Green Brave GR Supra GTだった。
現地時間午後4時48分にコースオープンとなったグループBも残り3分を切ってアタック合戦が始まり、松浦孝亮(METALIVE S Lamborghini GT3)が2分3秒165をウォームアップ2周から記録。これがトップタイムとなった。
2位にはウォームアップ2周から2分3秒553、2分3秒234と2週連続でアタックを行った小林崇志(UPGARAGE AMG GT3)が続き、オリバー・ラスムッセン(apr LC500h GT)が3位だった。
予選Q2 ルーキー野村勇斗が初のポールポジションを獲得!!
予選Q2は現地時間午後5時23分にコースオープン。ところがここでグループAトップの611号車に警告灯が点灯するトラブルが発生。エイドリアン・ダ・シルバ(EBM GIGA 911 GT3)はタイム計測をすることなくピットに戻ってしまった。
一方、コース上では吉田広樹(Green Brave GR Supra GT)がウォームアップ1周から2分2秒405を記録するが、その直後に野村勇斗(UPGARAGE AMG GT3)がウォームアップ2周から2分2秒219で52号車を上回ると、次の周には2分2秒110までタイムを縮め、参戦3戦目にして初のポールポジションを獲得してみせた。TEAM UPGARAGEにとってもこれはホンダNSX-GT3からメルセデスAMG GT3に車種を変更してから初めてのポールだ。
予選2位には52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)がつけ、ディフェンディングチャンピオンの0号車VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)は小暮が2分2秒603を記録して3位に続いた。
Text: Kazuhisa SUEHIRO