今季最高位の予選結果を悔しいアクシデントのために生かせなかった土曜日の第3戦の夜。翌日の最終戦に向けてメンテナンスを行っていたチームは、ミッションオイルに細かい切子を発見、ミッションをおろしてチェックすることを決断した。ミッションをあけてみたところ2速に細かいクラックを発見、チームはスペアパーツと交換して、シーズン最後となる戦いに向けて、遅くまで入念なメンテナンスを行った。
朝の冷え込みは厳しかったが、早朝から大勢の観客がつめかけた。空は雲ひとつなく晴れて、絶好の観戦日和。昨日同様、朝8時40分より15分間一本勝負の予選が行われた。このもてぎ大会では2レースの2回の予選を異なるドライバーでアタックすることが決められており、ルーキー久保凜太郎選手が、自身のSUPER GTデビューイヤーとなった2016年シリーズ最後の予選をアタックすることになった。初めての予選アタックとなる凜太郎選手だったが、NEWタイヤの醍醐味を存分に生かし、堂々としたアタックで健闘。5Lap目に01'48.588のタイムをレコードして午後の決勝を20位から戦うこととなった。
なお、予選の結果は次のとおり。
午後になっても天候に大きな変化はなく、例年の最終戦からは想像できない汗ばむほどの陽気となった。今大会決勝前のウォームアップ走行は、通常の大会より枠が拡大されて15分間に設定されていたが、タイヤ温存の意味もあり、Arnage Racingは凜太郎選手を2周走行させただけでピットに戻し、決勝のときを待った。13時30分栃木県警のパレードランからフォーメーションラップへと続き、いよいよ今シーズン最後の戦いが幕を開ける。スタートドライバーの凜太郎選手は、自らが決めたポジション20位から、いつものように前へ出るチャンスをうかがう。しかし、ストップアンドゴーが特徴のツインリンクもてぎは、Meredes Benz SLS GT3にとって得意としないサーキットのひとつである。まして最終戦ともなると全車ノーハンデということもあり、いつものジャンプアップが難しい。
凜太郎選手は1Lap目にひとつポジションをあげたものの、その後は少し後退して21位でレースの前半を走行した。とはいえ、マシンは昨日アクシデントがあったことを感じさせない好調な走りをみせていた。凜太郎選手は1分52秒台後半から53秒台前半のタイムで順調な走行を続け、18Lapのところでピットに戻ってきた。今日こそチームポイント3点を狙いたいチームは、もちろん手堅くタイヤ無交換作戦をとり、安岡選手をコースに送り出す。見かけ上の順位24位でコースに戻った安岡選手は、丁寧な走行で前方のマシンを一つずつオーバーテイクしてポジションを徐々に回復、残り8周のところで19位にまで浮上した。そして、最後まで目前の108号車と18位争いを繰り広げたが惜しくも時間切れとなり、ODSSEY SLSは2016年最後のレースを19位でフィニッシュした。
10月にタイで行われた第7戦の後、ODYSSEY SLSは再び3週間の船旅を経て11月初めにガレージに戻ってきた。次戦となるMOTEGI FINALは10日後に迫っており、メンテナンス期間は6日間とあまりに短かかったが、2日間で2つのレースを行うハードスケジュールが予定されており、かねてより不安材料だったミッションセンサのハーネスを交換したり、タイでの激戦の名残となった小傷を直したりしてできる限りのメンテナンスを施し、チームは慌ただしくツインリンクもてぎへと出発した。
熊本復興支援大会として土日に行われる2つのレースに先立ち、金曜日に公式練習が行われた。午前、午後に1時間ずつの練習走行が予定されていたが、この日のツインリンクもてぎは天気予報どおり朝から強い雨が降っており、午前の走行前からウェット宣言が出されていた。雨脚が強い上に気温、路面温度ともに9℃と低く、とても安全に走行できる状態ではなかったため、コース上に出るマシンは少なく、ODYSSEY SLSも走行を見合わせて午後からの天気の回復を待った。午後になるといったん雨は上がったものの、路面は完全にウェット状態。午前中に走行できなかったマシンも多かったため、午後の走行枠は40分延長となり、Arnage Racingも安岡選手からウェットタイヤでコースに出て、凜太郎選手と交代しながら練習走行を行った。車両のコンディションは良好だったが、走行時間の半ばから再び細かい雨が降り始めた。天気予報では明日以降天候が回復することが見込まれており、レインタイヤでの練習は意味がないと判断したチームは、25周で走行を切り上げ、翌日からの連戦に備えることにした。
5月に行われるはずだったオートポリス大会の代替戦として、第3戦となったこの日のレースは、午前中にノックアウト方式で予選が行われ、午後から250kmのレースが行われるスケジュールとなっていた。この日は朝のうちこそ雲が多かったものの、次第に天気は回復し、予選開始の頃には日差しが戻っていた。しかし、前夜遅くまで降り続いた雨のため路面は乾かず、8時35分、ウェット宣言が出されての予選スタートとなった。次々とコースインするマシンはドライタイヤとウェットタイヤが混在していたが、各マシンが水しぶきを上げて走行する様子を見ていたチームは、ウェットタイヤでのアタックを決断、安岡選手が満を持してコースに出た。チームのチョイスは正しく、安岡選手は果敢な攻めをみせて1'58.433の好タイムをレコード、今シーズン最高位の17位から午後の決勝を戦えるチャンスを得た。
なお、予選の結果は次のとおり。
昨シーズンの最終戦以来久しぶりのスタートドライバーとなった安岡選手が、17番手からスタート。Arnage Racingは、安岡選手のスティントをできるだけ長くしてタイヤ温存を図り、タイヤ無交換作戦を手堅く成功させたいところ。目論見が当たれば250kmのレースで300クラストップのマシンとのマージンを1Lap以内に収め、チームポイント3点を取ることは難しいことではない。安岡選手は順調なスタートを切り、早々に前方のマシンをかわしてポジションアップ。16番手からレースを開始した。ところがタイヤが温まるまもなく、2Lap目に2箇所で相次いでクラッシュが発生し、セーフティーカーインとなってしまう。7周目にリスタートとなったが、その直前からODYSSEY SLSはトラクションコントロールの誤作動によると思われるノッキングの症状が出始めていた。後続車を引き離すのに苦労した安岡選手は、最終コーナーの出口でステアリングを右に切った状態で63号車と接触。マシンは右に曲がれなくなった状態のまま、這う這うの体でピットまで戻ってきた。メカニックが駆け寄りマシンをチェックしたところ、フロント右側のタイロッドブラケットが破損していることが確認された。急ピッチでパーツを交換し、右の前輪を交換したのちODYSSEY SLSは、7周遅れてなんとかコースに戻ることができた。安岡選手はアククデントのハンデを跳ね返すように1分52秒前半のタイムを連発しながら残りのスティントを走行、26Lap目に凜太郎選手と交代するためにピットに戻ってきた。チームは予定どおりのタイヤ無交換作戦を敢行、素早いピットワークで凜太郎選手をコースに送り出した。しかし、凜太郎選手のスティントになってもトラクションコントロールの誤作動の症状が治まらない。凜太郎選手は、監督の指示でトラクションコントロールをオフにしたままの走行を強いられることになった。さらに、接触の後遺症とも思われるバイブレーションとも戦いながら、凜太郎選手は後半のスティントを最後まで辛抱強く走りぬき、無事にチェッカーを受けることができた。
ODYSSEY SLSは、接触によるピットインでレースの勝負権を失ったことは痛手ではあった。しかし、迅速なピットワークで最悪の事態を免れ、完走ポイント1点を手にすることができた。
鈴鹿FJシリーズ最終第6戦は11日、鈴鹿サーキットで決勝を行い、ポールポジションからスタートした浦田裕喜(RISEONE-MYST KKSⅡ TODA)が10周・22分15秒937で優勝した。浦田はこの優勝で今シーズンのチャンピオンも決めた。
太陽も西に傾き、ピットビルの影がストレートを半分ほど覆い隠した午後1時55分、決勝のフォーメーションラップが始まった。やや強いフォローの風が1コーナに向かって吹く。
トップで1コーナーに向かったのはポールポジションの浦田裕喜(RISEONE-MYST KKSⅡ TODA)。2位には「人生初のいちばんいいスタートが切れた」という予選5位の八巻渉(中日本自動車短期大学MSE学科KK-2Ⅱ)がアウトから好ダッシュで浮上。3位には名取鉄平(INOKI M2 KK-S2制動屋)が、4位には大井偉史(スキルスピード10V)と続く。
しかし八巻はヘアピンでインから名取に、スプーンの進入で大井にかわされ結局、予選順位のまま1周目のストレートには浦田、名取、大井の順で戻ってきた。
2位の名取は1周目に1秒7ほどあったタイムを3周目には1秒3と詰めるも、浦田は4周目にここまでのベストタイムを更新すると徐々に名取との差を広げはじめる。名取は「マシンもペースも悪くなかった」というもののエンジンに息付きの症状が出て浦田を追い詰めることができない。
チャンピオンのかかっているレースを3位で始めた大井だったが「何をしても追いつけなかった。これが現実」と2位の名取を追い切れず、厳しいレース展開を強いられることとなる。
結局、レースはポールポジションからスタートした浦田がそのまま優勝。鈴鹿スーパーFJシリーズのチャンピオンも手中にし「目標だった2分12秒台のタイムも出せたし、思った通りのレースができた。チャンピオンを取れてほっとしています」と喜びをかみしめる。
2位には名取が、3位には鈴鹿シリーズを2位で終えた大井が入った。
4位には3周目に前を走る八巻を捉えた津本匠(Rn-sports KKSⅡ制動屋)。八巻は、4周目に鈴木智之(K&G C72 FUN☆SCOOP 10V)にもパスされるが7周目に抜き返し5位。6位にはその鈴木を8周目に捉えた吉田宣弘(DAYTONA☆KKS-Ⅱ☆ミスト☆GY)が入った。鈴木は7位でレースを終えた。
Text: Yoshinori OHNISHIF4地方選手権西日本シリーズ最終第7戦は11日、鈴鹿サーキットで決勝をを行い、ポールポジションからスタートした大湯都史樹(TANZEN Rn-s MYST JSS)が後続を寄せ付けず、9周・18分30秒660で優勝した。
決勝は午後12時55分から。入榮秀謙(フジタ薬局☆アポロ電工☆モーターテクニカ/TMSC)からリタイア届けが出たため、13台でフォーメーションラップが始まったが藤井敬士(フジタ薬局☆モーターテクニカ☆FRD)がグリッドに付けずストレートでマシンを止めたためスタートディレイ。結局、レースは9周と1周減算され、シーケンシャルクラス(Sクラス)7台、Hパターンクラス(Hクラス)5台の12台で再スタートが切られた。
大湯都史樹(TANZEN Rn-s MYST JSS)、久保宣夫(セレクトジャパン・MYST・制動屋)、八巻渉(モレキュールアキランドイーグル)の上位3台は予選順のまま1コーナーに飛び込む。大湯が早くも後続を引き離しにかかる一方、2位久保と3位八巻はテールトゥノーズ。2周目のストレートエンドで八巻はインを押さえる久保のさらにインからマシンをねじ込み1コーナーで2位に躍り出た。
トップの大湯は毎周自身のファステストラップを更新しながら異次元のスピードで後続を引き離す。「このレースは今シーズンの集大成。全てを出し切れた」と目標としていた30秒差には届かなかったものの、9周を走りきって後続を24秒離し、ポールトゥウインで有終の美を飾ることとなった。
序盤で2位に上がった八巻は、Hクラスのため大湯には置いて行かれたが、「フォーメーションラップ2回でタイヤを十分暖めることができた」と3位の久保を徐々に離し、最後は単独走行の2位でゴール。3位には久保が入った。
4位には早坂公希(CMS99☆WEST006)が、5位にはペナルティーのため最後尾から追い上げた鶴田和弥(MYST★F108)が、6位には佐藤敦(佐藤製作所★KK-ZS)が入った。
Text: Yoshinori OHNISHI
SUZUKA CLUBMAN Final Round -RIJ- (2016/12/11) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2016 S-FJ鈴鹿シリーズ Round 6 鈴鹿サーキット 5.807km
Pos | No | Driver | Car Maker Model | Tire | Lap | Total_Time Behind |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 34 | 浦田 裕喜 | RISEONE-MYST KKSⅡ TODA MYST KK-S2 | YH | 10 | 22'15.937 |
2 | 11 | 名取 鉄平 | INOKI M2 KK-S2制動屋 MYST KK-S2 | YH | 10 | 2.694 |
3 | 7 | 大井 偉史 | スキルスピード10V TOKYO R&D RD10V | YH | 10 | 4.474 |
4 | 58 | 津本 匠 | Rn-sports KKSⅡ制動屋 MYST KK-S2 | YH | 10 | 13.097 |
5 | 88 | 八巻 渉 | 中日本自動車短期大学MSE学科KK-2Ⅱ MYST KK-S2 | YH | 10 | 18.762 |
6 | 57 | 吉田 宣弘 | DAYTONA☆KKS-Ⅱ☆ミスト☆GY MYST KK-S2 | YH | 10 | 20.641 |
7 | 43 | 鈴木 智之 | K&G C72 FUN☆SCOOP 10V TOKYO R&D RD10V | YH | 10 | 21.530 |
8 | 77 | 勝木 崇文 | ラポールレーシングFORMスキル TOKYO R&D RD10V | YH | 10 | 27.523 |
9 | 19 | 永井 秀貴 | NINE RACING・KKSⅡ MYST MYST KK-S2 | YH | 10 | 38.441 |
10 | 55 | 板倉 慎哉 | AMORE TOKYO☆表参道☆10VF TOKYO R&D RD10V | YH | 10 | 39.917 |
11 | 21 | 太田 浩 | ミスト・セキグチ・制動屋 MYST KK-S2 | YH | 10 | 40.326 |
12 | 48 | 加納 亨介 | テイクファースト・オミッターズ10VED TOKYO R&D RD10V | YH | 10 | 42.979 |
13 | 29 | 宮島 雄太 | アキランドイーグルスポーツKK-SⅡ MYST KK-S2 | YH | 10 | 43.611 |
14 | 39 | 高橋 武秀 | SANKOイーグル MYST KK-S2 | YH | 10 | 44.250 |
15 | 32 | 佐藤 セルゲイビッチ | テイクファースト結婚の学校10VED TOKYO R&D RD10V | YH | 10 | 1'04.859 |
16 | 75 | 問山 孝幸 | RD10V TOKYO R&D RD10V | YH | 10 | 1'05.054 |
17 | 5 | 村瀬 和也 | ミスト・関口・制動屋・勝男武士号 MYST KK-S2 | YH | 10 | 1'51.093 |
18 | 78 | 小林 真奈美 | 中日本自動車短期大学MSE学科07J WEST 07J | YH | 9 | 1Lap |
19 | 28 | 依田 学嗣 | WEST 07J WEST 07J | YH | 9 | 1Lap |
---- 以上規定周回数(90% - 9Laps)完走 ---- | ||||||
- | 1 | 吉田 雄作 | VW車を買うならVW三重北で!ワコーズ号 TOKYO R&D RD10V | YH | 4 | 6Laps |
- | 44 | 前川 涼輔 | 関西国際大学TAKE FIRST 10V MYST RD10V | YH | 0 | 10Laps |
- | 25 | 濱野 隆一 | ロコリス★スキルスピード10V TOKYO R&D RD10V | YH | 0 | 10Laps |
SUZUKA CLUBMAN Final Round -RIJ- (2016/12/11) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2016 F4西日本シリーズ Round 7 鈴鹿サーキット 5.807km
Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Tire | Lap | Total_Time Behind |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | S | 1 | 大湯 都史樹 | TANZEN Rn-s MYST JSS MYST KK-ZS | DL | 9 | 18'30.660 |
2 | 27 | H | 1 | 八巻 渉 | モレキュールアキランドイーグル WEST 006 | DL | 9 | 24.589 |
3 | 77 | S | 2 | 久保 宣夫 | セレクトジャパン・MYST・制動屋 MYST KK-ZS | DL | 9 | 30.552 |
4 | 99 | H | 2 | 早坂 公希 | CMS99☆WEST006 WEST 006 | DL | 9 | 40.579 |
5 | 6 | S | 3 | 鶴田 和弥 | MYST★F108 ZAP F108 | DL | 9 | 41.816 |
6 | 5 | S | 4 | 佐藤 敦 | 佐藤製作所★KK-ZS MYST KK-ZS | DL | 9 | 44.126 |
7 | 35 | S | 5 | 髙橋 忠克 | 高宮商事ミストKK-ZS MYST KK-ZS | DL | 9 | 49.160 |
8 | 7 | H | 3 | 山岸 洋之 | イーグルスポーツ☆MTN☆056 WEST 056 | DL | 9 | 1'08.507 |
9 | 29 | H | 4 | 細川 義成 | NY006ES WEST 006 | DL | 9 | 1'16.430 |
10 | 95 | H | 5 | 佐藤 健介 | KRS赤レンジャー・ANDARE・976 WEST 976 | DL | 9 | 1'44.524 |
11 | 70 | S | 6 | 岡本 武之 | ビズキューブ☆セノーテキャピタルMC MOONCRAFT MC090 | DL | 9 | 1'53.332 |
12 | 12 | S | 7 | 山下 亮生 | 山下製作所KOTA-R MARマルサン MYST KK-ZS | DL | 8 | 1Lap |
---- 以上規定周回数(90% - 8Laps)完走 ---- | ||||||||
- | 51 | H | 6 | 藤井 敬士 | フジタ薬局☆モーターテクニカ☆FRD WEST FRD 956 | DL | DNS | - |
- | 46 | H | 7 | 入榮 秀謙 | フジタ薬局☆アポロ電工☆モーターテクニカ/TMSC WEST 056 | DL | DNS | - |
鈴鹿FJシリーズ最終第6戦は10日、鈴鹿サーキットで公式予選を行い、浦田裕喜(RISEONE-MYST KKSⅡ TODA)が2分12秒390でポールポジションを獲得した。
公式予選は午後3時5分より22人のドライバーが参加して20分間で行われた。
序盤から中盤にかけトップ争いを演じたのはチャンピオンを狙う大井偉史(スキルスピード10V)と名取鉄平(INOKI M2 KK-S2制動屋)。大井がトップに立つと名取がそのタイムを更新するパターンで予選は中盤から終盤へと向かう。
ところが、7周目には現在ポイントリーダーの浦田裕喜(RISEONE-MYST KKSⅡ TODA)が名取と大井の間に入って2位に浮上すると、最終周の9周目には2分12秒390をたたき出して、ポールポジションをもぎ取ることとなった。「クルマもエンジンも良かった。最後はスプーン2個目でミスをしましたが、トップでびっくり。ミスしたラインの方が速かったのかも」とまんざらでもない様子。チャンピオンに向け好発進となった。
浦田対大井で第5戦まで進行してきた鈴鹿シリーズで予選2位に食い込んできたのは名取。名取は、鈴鹿レーシングスクール・フォーミュラでアドバンスに進み、この9月11日で16歳になり限定Aライセンスを取得したばかり。スーパーFJはもてぎシリーズでデビューし、いきなりポールポジション。S-FJは鈴鹿で3戦目だ。「朝の練習でマシンが壊れて予選から別のクルマに乗りました」というハンディを背負っての2位は立派と言うほかない。
チャンピオンを狙う大井は予選を3位で終え窮地に立たされた。明日の決勝では浦田の前でゴールすることが最低条件。シリーズチャンピオンが決まる第6戦は午後1時55分より10周で争われる。
Text: Yoshinori OHNISHIF4地方選手権西日本シリーズ最終第7戦は10日、鈴鹿サーキットで公式予選を行い、大湯都史樹(TANZEN Rn-s MYST JSS)が2分2秒653でポールポジションを獲得した。
公式予選は午後2時30分よりシーケンシャルクラス(S)7台、Hパターンクラス(H)7台の計14台が参加して20分間で行われた。
やはりこのシリーズですでにチャンピオンを決め、鈴鹿レーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)を主席で卒業した大湯都史樹(TANZEN Rn-s MYST JSS)が予選を圧倒。今回はFIA-F4勢からの参加もなくライバル不在。「狙っていました」というコースレコードの2分01秒888には及ばなかったものの6周目に2分2秒653をたたき出し、2位以下を2秒以上ちぎってポールポジションを獲得した。
2位には最終アタックの9周目で2分4秒699を出した久保宣夫(セレクトジャパン・MYST・制動屋)が、3位にはHクラスながら健闘した八巻渉(モレキュールアキランドイーグル)が入った。
決勝レースは明日11日、午後12時55分より10周で争われる。大湯が有終の美を飾るのか、一矢報いるドライバーが現れるのか注目される。
Text: Yoshinori OHNISHI
SUZUKA CLUBMAN Final Round -RIJ- (2016/12/10) Qualifying Weather:Fine Course:Dry
2016 S-FJ鈴鹿シリーズ Round 6 鈴鹿サーキット 5.807km
Pos | No | Driver | Car Maker Model | Time | Behind | Gap | km/h |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 34 | 浦田 裕喜 | RISEONE-MYST KKSⅡ TODA MYST KK-S2 | 2'12.390 | - | - | 157.906 |
2 | 11 | 名取 鉄平 | INOKI M2 KK-S2制動屋 MYST KK-S2 | 2'12.650 | 0.260 | 0.260 | 157.597 |
3 | 7 | 大井 偉史 | スキルスピード10V TOKYO R&D RD10V | 2'13.120 | 0.730 | 0.470 | 157.040 |
4 | 58 | 津本 匠 | Rn-sports KKSⅡ制動屋 MYST KK-S2 | 2'13.596 | 1.206 | 0.476 | 156.481 |
5 | 88 | 八巻 渉 | 中日本自動車短期大学MSE学科KK-2Ⅱ MYST KK-S2 | 2'14.257 | 1.867 | 0.661 | 155.710 |
6 | 43 | 鈴木 智之 | K&G C72 FUN☆SCOOP 10V TOKYO R&D RD10V | 2'14.493 | 2.103 | 0.236 | 155.437 |
7 | 77 | 勝木 崇文 | ラポールレーシングFORMスキル TOKYO R&D RD10V | 2'14.644 | 2.254 | 0.151 | 155.263 |
8 | 57 | 吉田 宣弘 | DAYTONA☆KKS-Ⅱ☆ミスト☆GY MYST KK-S2 | 2'15.090 | 2.700 | 0.446 | 154.750 |
9 | 44 | 前川 涼輔 | 関西国際大学TAKE FIRST 10V MYST RD10V | 2'15.432 | 3.042 | 0.342 | 154.359 |
10 | 55 | 板倉 慎哉 | AMORE TOKYO☆表参道☆10VF TOKYO R&D RD10V | 2'15.767 | 3.377 | 0.335 | 153.979 |
11 | 21 | 太田 浩 | ミスト・セキグチ・制動屋 MYST KK-S2 | 2'15.895 | 3.505 | 0.128 | 153.833 |
12 | *25 | 濱野 隆一 | ロコリス★スキルスピード10V TOKYO R&D RD10V | 2'16.142 | 3.752 | 0.247 | 153.554 |
13 | 29 | 宮島 雄太 | アキランドイーグルスポーツKK-SⅡ MYST KK-S2 | 2'16.495 | 4.105 | 0.353 | 153.157 |
14 | 48 | 加納 亨介 | テイクファースト・オミッターズ10VED TOKYO R&D RD10V | 2'16.665 | 4.275 | 0.170 | 152.967 |
15 | 1 | 吉田 雄作 | VW車を買うならVW三重北で!ワコーズ号 TOKYO R&D RD10V | 2'16.711 | 4.321 | 0.046 | 152.915 |
16 | 19 | 永井 秀貴 | NINE RACING・KKSⅡ MYST MYST KK-S2 | 2'16.936 | 4.546 | 0.225 | 152.664 |
17 | 75 | 問山 孝幸 | RD10V TOKYO R&D RD10V | 2'17.802 | 5.412 | 0.866 | 151.705 |
18 | 39 | 高橋 武秀 | SANKOイーグル MYST KK-S2 | 2'18.396 | 6.006 | 0.594 | 151.053 |
19 | 5 | 村瀬 和也 | ミスト・関口・制動屋・勝男武士号 MYST KK-S2 | 2'19.148 | 6.758 | 0.752 | 150.237 |
20 | 32 | 佐藤 セルゲイビッチ | テイクファースト結婚の学校10VED TOKYO R&D RD10V | 2'21.598 | 9.208 | 2.450 | 147.638 |
21 | 78 | 小林 真奈美 | 中日本自動車短期大学MSE学科07J WEST 07J | 2'31.601 | 19.211 | 10.003 | 137.896 |
22 | 28 | 依田 学嗣 | WEST 07J WEST 07J | 2'32.360 | 19.970 | 0.759 | 137.209 |
---- 以上基準タイム(130% - 2'53.000)予選通過 ---- |
SUZUKA CLUBMAN Final Round -RIJ- (2016/12/10) Qualifying Weather:Fine Course:Dry
2016 F4西日本シリーズ Round 7 鈴鹿サーキット 5.807km
Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Time | Behind | Gap | km/h |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | S | 1 | 大湯 都史樹 | TANZEN Rn-s MYST JSS MYST KK-ZS | 2'02.653 | - | - | 170.442 |
2 | 77 | S | 2 | 久保 宣夫 | セレクトジャパン・MYST・制動屋 MYST KK-ZS | 2'04.699 | 2.046 | 2.046 | 167.645 |
3 | 27 | H | 1 | 八巻 渉 | モレキュールアキランドイーグル WEST 006 | 2'04.846 | 2.193 | 0.147 | 167.448 |
4 | 99 | H | 2 | 早坂 公希 | CMS99☆WEST006 WEST 006 | 2'05.386 | 2.733 | 0.540 | 166.727 |
5 | 5 | S | 3 | 佐藤 敦 | 佐藤製作所★KK-ZS MYST KK-ZS | 2'05.528 | 2.875 | 0.142 | 166.538 |
6 | 6 | S | 4 | 鶴田 和弥 | MYST★F108 ZAP F108 | 2'06.523 | 3.870 | 0.995 | 165.228 |
7 | 12 | S | 5 | 山下 亮生 | 山下製作所KOTA-R MARマルサン MYST KK-ZS | 2'08.131 | 5.478 | 1.608 | 163.155 |
8 | 35 | S | 6 | 髙橋 忠克 | 高宮商事ミストKK-ZS MYST KK-ZS | 2'09.342 | 6.689 | 1.211 | 161.627 |
9 | 51 | H | 3 | 藤井 敬士 | フジタ薬局☆モーターテクニカ☆FRD WEST FRD 956 | 2'09.556 | 6.903 | 0.214 | 161.360 |
10 | 7 | H | 4 | 山岸 洋之 | イーグルスポーツ☆MTN☆056 WEST 056 | 2'09.580 | 6.927 | 0.024 | 161.330 |
11 | 95 | H | 5 | 佐藤 健介 | KRS赤レンジャー・ANDARE・976 WEST 976 | 2'10.135 | 7.482 | 0.555 | 160.644 |
12 | 29 | H | 6 | 細川 義成 | NY006ES WEST 006 | 2'11.136 | 8.483 | 1.001 | 159.416 |
13 | 46 | H | 7 | 入榮 秀謙 | フジタ薬局☆アポロ電工☆モーターテクニカ/TMSC WEST 056 | 2'12.304 | 9.651 | 1.168 | 158.009 |
14 | 70 | S | 7 | 岡本 武之 | ビズキューブ☆セノーテキャピタルMC MOONCRAFT MC090 | 2'14.442 | 11.789 | 2.138 | 155.496 |
---- 以上基準タイム(130% - 2'42.000)予選通過 ---- |