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2020年8月

SUPER GT

SGT:第2戦富士 両ドライバー我慢の走りで完走ポイント2を獲得、次戦鈴鹿への期待を繋ぐ (Arnage)

 コロナ禍の影響で過密スケジュールとなった今シーズン、8月のレースは第2戦と第3戦が二週間のインターバルで行われることになっている。第3戦までのメンテナンス期間が10日足らずと短く、さらにコロナの影響でスペアパーツが取りにくいことも考えると、この富士大会を無事に終えることが次戦につながるミッションでもあった。

□OFFICIAL PRACTICE August 8th

 開幕戦同様富士スピードウェイでの開催となった第2戦は、例年と同じレーススケジュールとなり、土曜日に公式練習と予選が行われた。

 公式練習の行われた午前中は夏らしい青空が広がり、加納選手と山下選手はマシンのフィーリングを確かめるために交互に走行した。開幕戦ではコンピュータのバージョンアップが原因と思われる不調のためパワー不足などの問題が多く出ていたが、この公式練習でもその不調は続いていた。チームは何度もマシンをピットに入れて調整を続ける。チームは今回、苦肉の策として、スーパー耐久に参加しているAMGのオーナー、地元のSATO-SSスポーツさんよりソフトウエアをお借りしていたため、このタイミングでソフトウエアの入れ替えテストを敢行。結果、問題のない性能が確認できたため、このソフトウエアで決勝を戦うことに決めた。さらに、暑さとの戦いとなることを見越して、決勝に向けてのタイヤの選定も行われた。チームは開幕戦よりもさらに硬いタイヤを試してみたが、こちらは望んだ結果が得られず、開幕戦と同様のタイヤで臨むこととなった。(ベストラップは11Lap目に加納選手が出した1'39.044)

□QUALIFYING August 8th

 午後から行われた予選は、今大会もA B2組に分かれてQ1を行う方式がとられ、Arnage Racingは今回も後半B組。昨年のタイラウンド以来のQ1担当となる加納選手が、慎重にタイヤに熱を入れてチャンスを伺う。そして5Lap目、1'38.864をマークするナイスアタックでB組13番手となった。惜しくもQ2には届かなかったが、チーム歴代の富士の記録にも並ぶ健闘ぶりで、ARNAGE AMG GT3は翌日の決勝を25番グリッドからスタートすることとなった。

□RACE August 9th

 翌日決勝も、雲が多いながら蒸し暑いドライコンディションとなった。レースは13時から行われ、気温の上がる中、第1スティントを担当する山下選手がレースをスタート。これまで富士には苦手意識があったかとも思われた山下選手だったが、序盤ペースを掴むと、1分41秒台を中心に、時には1分40秒台に入れる好走ぶりを見せ、順位を落とすことなくタイヤを労りながらレースを続けた。

 第2戦富士大会では300クラスの全車両にタイヤ4輪交換義務が規定されていた。チームは第2スティントを担当する加納選手の負担を少しでも軽くするために、できるだけ山下選手をコースに留める作戦をとった。

 多くのチームが早々にピットインする中、山下選手はスティント後半になってタイヤが厳しくなる中でも我慢の走行を続けて、66周レースのちょうど半分となる33Lap目、見かけ上11番手でピットに戻ってきた。

 チームは迅速かつ正確にタイヤを4輪とも交換、給油も終えたARNAGE AMG GT3は加納選手にステアリングを託して25番手でコースに復帰した。

 路面温度は40度を超え、日中で最も暑い時間帯に差し掛かっていたが、加納選手は何度も1分40秒台をマークする好調ぶりを見せる。タイヤの厳しくなる後半に、さらに加納選手の走りは輝きを増し、スティント後半に差し掛かった45Lap目に1'40.655のベストを出すなどしてジリジリと前方車両との差を縮めて行った。そして残り3Lap、加納選手はついに前方のマシンを捉えてオーバーテイク、1つポジションアップの24番手でチェッカーを受けた。

 チームは惜しくも3ポイント獲得は逃したものの、無傷に近い状態で無事に完走を果たし、貴重な2ポイントを獲得することに成功した。

Arnage Racing 2020 SUPER GT Race report

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FIA-FR:第1-3戦富士公式予選 記念すべき開幕PPは阪口晴南(Sutekina #3)が奪う!

8月1日、新カテゴリー、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)が富士スピードウェイで開幕を迎えた。
空には雲はあるものの時折日が射し梅雨明けを感じさせる天候となった。新型コロナの影響でスケジュールの組み直しを余儀なくされ、この週末は3レースが行われる。このため、それぞれのグリッドは第1戦が予選Q1のタイム、第2戦が予選Q2のベストタイム、第3戦が予選Q2のセカンドタイムで決まる。
この変則的な予選で圧巻の速さを見せたのが今シーズンはスーパーGT、フォーミュラ・ライツなど多くのカテゴリーにエントリーしている#3阪口晴南(Sutekina #3)。#3阪口はQ1で2位に0.8秒、Q2でも0.3秒引き離す速さを見せ、3レースすべてでポールポジションを奪った。

第1~第3戦公式予選: 3戦ともポールポジションの阪口晴南(SUTEKINA RACING TEAM) 第1~第3戦公式予選: 第1戦2位、第2戦3位、第3戦4位の篠原拓朗(SUTEKINA RACING TEAM) 第1~第3戦公式予選: 第1戦3位、第2,3戦5位の金丸ユウ(SUTEKINA RACING TEAM) 第1~第3戦公式予選: 第1戦5位、第2戦4位、第3戦3位の古谷悠河(TOM\'S YOUTH) 第1~第3戦公式予選: マスタークラスで3戦ともポールポジションの植田正幸(Rn-sports)

予選Q1

ドライバーの経験や実績からポールポジション争いは、同じチームで走る#3阪口晴南(Sutekina #3)、#5金丸ユウ(Sutekina #5)、#8篠原拓朗(Sutekina #8)の3人、#6高橋知己(Super License)、#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)により行われるものと見られていた。
開始早々トップタイムをマークしたのは#5金丸(1分37秒745)。昨年このマシンのシェイクダウンを担当し一日の長があるように見える。9分が経過しスポット参戦で気合の入る#8篠原がこれを逆転(1分37秒156)するが、本命#3阪口が即座にトップに躍り出る(1分36秒408)。#3阪口は次の周にさらにタイムを縮め(1分36秒315)その座を不動のものとした。
2位#8篠原、3位#5金丸、以下#6高橋、#28古谷、#78阪口良平(Field Racing)と続き、この後方に#11植田正幸(RnーsportsF111/3)を筆頭にマスタークラスのドライバーが続いた。

予選Q2

Q1から10分のインターバルを経て始まったQ2ではコースコンディションも良くなったせいか全体的にタイムアップが見られた。Q2ではセカンドタイムが第3戦のグリッドを決めるため、最低でも2周タイムを記録しなければならない。
最初に1分37秒台に乗せたのは#78阪口(1分37秒904)。ベテランらしい走りで次の周には更にタイムを削ってきた(1分37秒442)。15分の予選が半分を過ぎたあたりから順位変動が激しくなり、#8篠原(1分36秒927)、#6高橋(1分36秒608)が相次いでトップに立つ。しかし、Q1と同様にここから#3阪口が1分36秒080、1分36秒237を立て続けに叩き出し、あっさりとポールポジションを決めてしまった。
2位はQ1から1秒もタイムアップした大健闘の#6高橋、3位#8篠原、4位#28古谷、5位#5金丸、6位#78阪口と続き、7位マスターズトップはQ1に続いて#11植田が獲得した。

第3戦のグリッドとなるセカンドタイムでは、#3阪口、#6高橋に続いて#28古谷が入った。#28古谷は第1戦から尻上がりにグリッド順位を上げている。

決勝は、第1戦が11時40分から、第2戦が午後2時10分から15週で行われる。第3戦は明日の午後2時10分から。

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

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