GTアソシエイション(GTA)は8月19日、スーパーGT第5戦の開催されている鈴鹿サーキットで、西部自動車クラブ(ACO:ルマン24時間や各国のルマンシリーズのプロモーター)と共同記者会見を開催した。
今回の会見は2013年に開催予定のアジアンルマンシリーズ全6大会にスーパーGTのGT300クラス車両の参加を可能とすることについてGTA、ACO双方で合意に至ったとするもので、壇上には坂東正明GTA代表の他、ACOからはレミー・ブルアール氏(グローバル・デベロップメント・ディレクター)、ダニエル・ペルドリ氏(インターナショナル・テクニカル・デレゲート)の2名が出席、今後のアジア展開について語った。
2013年のアジアン・ル・マン・シリーズはLMP2、LMGTE、LMGTCの3クラスで構成され、GT300車両はこの中のGTCクラスに参加できる。GTCはこの他FIA-GT3や各種カップカー(ポルシェ911やフェラーリ458など)が参加するカテゴリー。GT300車両の性能は既存のカテゴリー体系の中で、特にLMGTEとのバランス維持を図りつつ(具体的にはGTEより速くなりすぎないように)、ACOとGTAによって調整される。
なお、世界耐久選手権(WEC)とルマン24時間についてはLMP1、LMP2、LMGTEProとLMGTEAmのみで構成されるためにGT300の参加は許可されないが、アジアン・ルマン・シリーズのチャンピオンについてはルマン24時間レースに招待されることになっている。
9月22日には富士スピードウェイでシリーズの1戦が開催されるが、このレースに関してはスーパーGTのシリーズポイントを付与することもGTAでは前向きに考慮中とのことだ。
- 坂東正明GTA代表のコメント
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伝統と格式を誇るルマン24時間レースの主催者であるACOが2013年からスタートさせるアジアン・ルマン・シリーズにGT300車両を受け入れて下さったことに心からお礼を申し上げたい。この中にはJAF-GT車両も含まれ、これにより日本のもの作りが広くアジアで認められることになる。
この連携によりGT300車両によるアジアでのレースシリーズ開催、チームとドライバーの育成、それによるレース産業の発展の一助となりたいというGTAのアジア戦略は大きく前進すると確信している。 - レミー・ブルアール氏のコメント
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15年前にアメリカン・ルマン・シリーズが発足し、7年前にはヨーロピアン・ルマン、そして2009年には岡山でアジアン・ルマンが開催された。今年は富士でWECが開催される。
そして2013年からは遂にアジアン・ルマン・シリーズ全6大会が開催される。
GT300車両に関するGTAとの合意をとても嬉しく思っている。スーパーGTを今回初めて見たが、クルマもコンペティションも素晴らしいし、観客数の多さにも感心した。また夕方行われたキッズウォークには将来のお客様を育てるという意味で大いに勉強になった。これはアメリカやヨーロッパの関係者にも学んでほしいことだ。 - ダニエル・ペルドリ氏のコメント
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今回の合意に関して、FIA-GT3車両についてはFIAの性能調整に従えば良いが、GT300についてはGTAのもつ豊富なデータをベースにこれから勉強していきたい。
GT500については日本の間にファクチャラーの作った素晴らしいクルマが接近したコンペティションを行っていることに感銘を受けた。ただGT500は非常に高価な車両でLMP1に相当するため、今すぐの共存共栄は難しい。今後コストを下げたクルマの開発が達成されればこちらの参加も可能性はあると思う。
Photo: Yoshinori OHNISHI