5月4日、GWの真っ只中、新装なった富士スピードウェイで行われた初の全日
本イベント「富士GT500kmレース」は、ポールシッターの#38ZENTセルモスープラ
(立川祐路/高木虎之介組)が完璧なレース運びで逃げ切り今季初優勝。高木虎
之介にとっては、嬉しい国内戦復帰後初優勝となった。
GT300クラスは、こちらも格違いの速さを見せた#0EBBRO M-TEC NSX(黒澤治樹/
細川慎弥組)が独走で優勝。
やや風はあるものの絶好のレース日和となった決勝日。昨年はリニューアル工事
でレースが行われなかったため、1年ぶりに開催されたGW恒例のイベントには
5万人を超える大観衆が詰めかけた。
スタートからレースをコントロールしたのは、ポールシッターの#38ZENTセルモ
スープラ。高木との新コンビとなってもエースの座は譲れない立川が快調なペー
スで2位#6エッソウルトラフロースープラを引き離していく。
30周を過ぎてからルーティンのピットインが始まる。そんな中、40周まで引っ張
っりピットに滑り込んだ2位#6エッソウルトラフロースープラ、4位#39デン
ソー サード スープラGTの2台はともにパーコレーション(熱で燃料系統に気泡
ができる症状)を起こし再スタートに手間取ってタイムロス。
上位を占めていたスープラ勢が自滅するなか浮上してきたのはZ勢。45周目には
#22モチュールピットワークZ、#1ザナヴィ ニスモ Z、#12カルソニック インパ
ル Z、#3G'ZOX・HASEMI・Zが、2~5位を占め、トップ#38スープラを追う。
高木にバトンタッチしてもペースの崩れない#38スープラは、折り返しの55周終
了時点で、13秒のマージンを築いて独り旅。
レース後半に入って台頭してきたのは#35イエローハットスープラ。ベテラン服
部が61周目に#3Z、63周目に#32EPSON NSXをパスして5位に浮上。さらに上位を
窺う。
レースの3分の2を過ぎた76周目、トップ#38スープラが2度目のピットイン。
再度立川にステアリングを託す。この作業を終えても#38の優位は揺るがず。残
る周回でも安定した走りで後続との差を開いてチェッカー。ほぼ完璧なレース運
びで記念すべき新生富士スピードウェイの初レースを制した。
2位は#22Z、3位は終盤Z勢に食い込み最後は#22の背後にまで迫った#35スー
プラが入った。
GT300クラスは、#0EBBRO M-TEC NSXが、序盤に他車を毎周1秒引き離す別格の速
さを見せつけ独走。これに対し、#43ARTA Garaiyaがワンストップ作戦で対抗。
53周までピットインを引き伸ばして何とか逆転をしようと試みる。
しかし、この抵抗も#0NSXの速さの前には徒労に終わり、終盤も開いていく差を
詰めることはできなかった。
観客:5万2400人
レポート:北路滋