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SUPER GT第5戦菅生決勝 セルモSC待望の今季初勝利

2006オートバックスSUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝が7月23日午後、スポーツランド菅生で行われた。
GT500クラスは#1 ZENTセルモSC(立川祐路/高木虎之介組)、GT300は#46吉兆宝山DIREZZA Z(佐々木孝太/番場琢組)と、今シーズン予選では速さを見せながらも決勝で何度も涙を呑んできた2台が悲願の初勝利を達成することとなった。

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060723_003a フォーメーションラップは午後2時に予定通り開始された。
空はどんよりと曇っているが、雨は降っておらず、路面は完全なドライだ。

ポールの#1高木虎之介がタイミングよく集団を抜け出し、トップで1コーナーへ。2位の#32エプソンNSXのロイック・デュバルも懸命に追い上げ、序盤は両者1秒以内の攻防が続く。

その後方ではセバスチャン・フィリップの駆る#100レイブリックNSXを先頭に#23ザナヴィZ、#22モチュールZ、#36オープンインターフェースSCらが集団を形成して3位争いを展開する。

しばらくテール・トゥ・ノーズの攻防を繰り広げていたトップ争いだったが、周回遅れが出始めた10周目あたりから次第にデュバルが遅れ始めた。
結局高木は一度もトップを脅かされることなく34周終わりでピットイン。立川祐路にステアリングを託す。

しかしトップは安泰と思われたセルモSCに思わぬ伏兵が立ちはだかった。
予選4番手スタートのザナヴィZだ。
スタートドライバーの松田次生はレイブリックNSXに頭を抑えられながらも盛んにプレッシャーを掛け続け、遂には13周目のホームストレートでレイブリックを抜き去ると、34周目にはセルモSCに遅れ始めたエプソンNSXをもレインボーコーナーで攻略し、絶妙のタイミングで38周終わりにピットストップを敢行、見事セルモSCの前でピットアウトしていったのだ。
松田からバトンを受け取った本山哲は、立川の激しい追い上げを巧みなライン取りと周回遅れをフルに活用して押さえ込んでいく。

060723_004a この2台の熾烈なトップ争いは延々30周以上にも及んだが、72周目に遂に転機が訪れる。
最終コーナーで果敢にインをついていく立川。
アウト側で懸命にアクセルを踏んでいく本山。
しかし本山の前方には、周回遅れの#110ボクスターがおり、行き場をなくした本山を立川は悠々と抜き去り、漸くトップを奪い返すと、そこから一気に差を広げ、最後は8秒015もの大差をつけて81周の長い戦いを制した。

060723_005a GT300クラスは、ポールからホールショットを決めた#88アクティオムルシエRG-1のマルコ・アピチェラを予選3番手の#96EBBRO 350Rの黒澤琢弥と予選5番手スタートの#46吉兆宝山Zの佐々木孝太が追い上げ、3台並走で3周目の1コーナーへ。
このバトルを制したのは吉兆宝山Z。佐々木はトップに躍り出るや、一気に後続を突き放しにかかり、ぶっちぎり状態で45周終わりに番場琢に交代した。

アピチェラはその後もペースが上がらずに順位を落とし続け、黒澤琢弥も#11ジムゲイナーフェラーリの田中哲也と2位争いを展開していた13周目のヘアピンで接触、大きく順位を落とすこととなった。

大きなマージンを得て佐々木からバトンを受け取った番場であったが、次々に現れる周回遅れをかわしつつ、自分もGT500に進路を譲りながらの走行に中々ペースが上がらず、2位に上がってきた#13エンドレスアドバンZを駆る藤井誠暢との差は徐々に縮まっていく。
その後方からはじわじわと順位を上げてきた#2プリベチューリッヒ紫電の加藤寛規も迫ってきた。
この3台は遂にファイナルラップでテール・トゥ・ノーズ状態になった。
しかしここに追いついてきたのがGT500トップの立川だ。
自身のポジションを守りながら立川に進路を譲る。難題をつきつけられた3台は立川にレコードラインを明け渡しながらもつれるようにフィニッシュラインになだれ込んだ。

この結果、#46吉兆宝山Zがかろうじてトップを守りきり、コンマ4秒遅れて#13エンドレスZが#2紫電をハナ差でかわして2位でフィニッシュした。

次戦は8月20日、今季初めてGTシリーズ戦に加わった伝統の鈴鹿1000kmだ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO



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