SUPER FORMULA

SF:第3戦富士 アンドレ・ロッテラーが2連勝! 平手晃平が2位表彰台獲得 (TOYOTA)

  • コース:富士スピードウェイ (4.563km)
  • 予選:7月13日(土)曇:ドライ
  • 決勝:7月14日(日)晴:ドライ
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今季2勝目を挙げたアンドレ・ロッテラー(中央)と
2年ぶりの2位表彰台を獲得した平手晃平(左)

 スーパーフォーミュラの第3戦が7月13日(土)、14日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで行われた。

 第2戦オートポリスから1ヶ月あまり。オートポリスで1-2フィニッシュを飾り、開幕戦の雪辱を果たしたトヨタ勢だが、ホームである富士スピードウェイで、更に勢いに乗るべく邁進する。

 昨年の富士大会は、天候がめまぐるしく変わる難レースとなったが、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が逆転勝利。最後までロッテラーと首位を争った中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が2位に入り、トヨタエンジンがトップ8を独占。トヨタエンジンは過去3年間表彰台を独占している。

 今大会を前に、10日(水)11日(木)には来年よりスーパーフォーミュラで使用される新型車両「SF14」が初のテスト走行を実施。トヨタエンジン搭載車は中嶋一貴がテストドライブを担当した。

 13日(土)、薄曇りに覆われたもののドライコンディションの下、Q1からQ3までのノックアウト方式で午後1時50分に予選が開始された。

 Q1は20分間で行われ、上位14台がQ2へ進出、5台が敗退となる。序盤、国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)がトップタイムをマーク。セッション終盤、各車最後のアタックでタイムを詰めていき、デュバルがトップに浮上。中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)、平手晃平(P.MU/INGING・CERUMO)、国本がこれに続いた。このセッションでは嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsports)が17番手、リチャード・ブラッドレー(KCMG)18番手で脱落。  Q2は7分間と短期決戦で、8台がQ3へと進出。ここでもデュバル、中嶋一貴、平手、J.P.デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)、国本らが好タイムをマークする一方で、開幕戦3位の松田次生(Lenovo TEAM IMPUL)が100分の3秒及ばず9番手でQ3進出ならず。2戦連続入賞のスーパールーキー、平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)は12番手、安田裕信(KONDO RACING)が13番手で敗退となった。  同じく7分間で争われたQ3は、各車ぎりぎりのタイミングまでコースインを待ち、一発アタック。僅差の争いとなったが、デュバルがトップタイムをマークし、今季初、自身7度目となるポールポジションを獲得。好調な国本が100分の3秒及ばず2番手。それでも参戦3年目にして自身最高となる、最前列グリッドから決勝レースのスタートを切ることとなった。

 2列目にはオリベイラと平手、3列目に中嶋一貴とアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)のトムス勢が並び、トヨタエンジンは予選トップ6を独占。この6台のみが1分24秒台に入れ、特に上位4台が0.1秒以内というハイレベルの戦いは、決勝レースでの更なるバトルを期待させるものとなった。

 14日(日)薄曇りの空から時折日差しが覗く、夏らしい天候の下、午後2時18分に決勝レース(55周)がスタート。ポールポジションのデュバルは首位をキープ。2番手の国本が若干出遅れ、3番手のオリベイラが2位浮上。これに3列目5番手から抜群のスタートを切った中嶋一貴と6番手スタートのロッテラーが続いた。

 その後方では、1コーナー進入で嵯峨が他車と接触し、これを避けきれなかったブラッドレーと嵯峨の2台がコース上にストップ。車両排除のためレースはセーフティカーが導入された。

 このセーフティカーラン中に、9番手スタートの松田がピットイン。給油とタイヤ交換を行い、最後尾へと後退することとなったが、最低一度の給油が必要とされる今レース、そのまま最後まで走りきる作戦に出た。

 5周目にセーフティカーが退出し、レース再開。ここで、2位につけていたオリベイラに反則スタートの裁定が下され、オリベイラはドライブスルーペナルティで最後尾へと順位を落としてしまった。

 これで2位に浮上した中嶋一貴を、ロッテラーが激しく攻めるが、パスするまでには至らず。2台がテール・トゥ・ノーズでの2位争いを繰り広げている間に、首位のデュバルは逃げ、10周過ぎには2位に4秒以上の差をつけての独走状態に入った。

 19周目、ストレートでスリップストリームに入ったロッテラーがついに中嶋一貴をパス。ペースの上がらない中嶋一貴は、23周目、平手にもかわされてしまった。

 レースは折り返しを過ぎて、各車給油とタイヤ交換のためにピットイン。ここで中嶋一貴はフロントタイヤのみ交換するという作戦に出て、ピットタイムを短縮。翌周ピットインし、作業で若干タイムをロスした平手の前に出ることに成功した。

 32周目には首位のデュバル、33周目にロッテラーがピットへ。デュバルもピットでタイムをロス。対照的に素晴らしいピット作業を見せたロッテラーは、デュバルのすぐ後でコースに復帰した。

 序盤ピットを終えるという作戦に出た松田はこれが見事にあたり、全車がピット作業を終えた時点で首位に浮上。2位のデュバルとは15秒以上の差が付いていたが、デュバルとロッテラーはバトルを繰り広げながらも、猛烈な勢いで松田との差を詰めていった。

 その後方では、中嶋一貴と平手が激しく4位を争っていたが、42周目の1コーナー進入から並んだ2台は、そのままサイド・バイ・サイドで走行を続け、ヘアピンの進入で平手が中嶋一貴をパス。中嶋一貴は、この隙を突かれ、更に1台にも先行を許してしまった。

 ロッテラーの猛追を凌ぎながら、首位松田との差を縮めていたデュバルだったが、43周目、先のピット時に作業違反があり、痛恨のドライブスルーペナルティ。ペナルティを消化したデュバルは、国本の前7位でコースへと復帰した。

 これで2位に上がったロッテラーは、ファステストラップを更新しながら松田を激しく追い上げ、50周目にはタイヤの厳しくなった松田が1コーナー進入でブレーキングミス。2台の差はほとんど無くなり、翌周にはストレートでロッテラーが前に。松田も1コーナーで抜きかえすなど意地を見せたが、抑えきることはできず、残り5周でロッテラーが首位に浮上した。

 首位の座こそ譲ったものの、2戦終了の時点でランキング首位につける松田は、3位以下との大差もありそのまま2位キープかと思われたが、残り3周を切った53周目、まさかの燃料切れに見舞われコース上にストップ。無念の戦線離脱となってしまった(16位完走扱い)。

 ロッテラーはそのままトップでチェッカーを受け、前戦オートポリスに続き2連勝。開幕戦を欠場したため、今季2戦出場で2勝という圧倒的な強さでランキングでも首位に立った。

 2位は好走を見せた平手。平手にとっては2年前の富士大会以来、チームにとっては2008年以来となる2位表彰台に上った。痛恨のペナルティから追い上げたデュバルが4位、オリベイラが6位でフィニッシュ。国本は7位で今季初ポイント獲得。苦しんだ中嶋は8位でレースを終えた。

PETRONAS TEAM TOM'S 2号車 ドライバー アンドレ・ロッテラー:
 ウォームアップ走行でクルマのセットアップを変更し、決勝レースに向け良い感触をつかめた。スタートは決して良くはなく、2台をパスし4位に上がったが、中嶋一貴選手とのバトルの間に、デュバル選手に離されてしまった。後半、追っていたデュバル選手が不運に見舞われたこともあってトップに立てたが、その後は気持ち良くクルージング出来た。素晴らしいピットストップで助けてくれたチームにはとても感謝している。いつも情熱を持ってレースを戦っているが、やはり勝利は格別だ。
P.MU/INGING・CERUMO 38号車 ドライバー 平手晃平:
 今朝の走行は調子が良すぎるくらいで、決勝に向けて自信を持って行ける良い流れになった。一方で、天候が回復して気温が上がったことによる心配もあった。決勝では、スタートで出遅れてしまい、トムスの2台に先行されてしまったので、厳しいレースを覚悟していたが、結果的に、チームを移籍して初めての表彰台を獲得出来て良かった。とはいえ、ピットでタイムロスするなど、チーム力はまだ足りない部分もある。今後も力を合わせ、より良いチームへと成長しながらシリーズを戦って行きたい。
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