全日本F3選手権シリーズ 第6戦 決勝結果 鈴鹿サーキット・7月5日(日) 伊藤大輔、ベストタイムをマークするも今季初優勝ならず 快晴に恵まれた決勝日、久しぶりのポールシッターの座についた伊藤大輔は落 ちついてスタートを待った。斜め横に金石選手、2列目にはトムスのふたりダン ブレック選手と舘選手が虎視眈々とジャンプアップを狙っていた。決してスター トは悪くなかった。しかしそれ以上に2列目のふたりのスタートが勝っていた。 シフトアップの度にダンブレック、舘両選手のマシンがミラーに大きくなってい き、1コーナーまでに彼らは1-2体制を作り上げてしまった。 伊藤は金石選手を従えて3番手で1コーナーに突入し、前のトムス勢を追った。 しかし序盤戦、伊藤はペースを上げられない。むしろ金石選手の追撃を受け、防 戦一方となってしまったため前との差が徐々に開き始めてしまう。9周目の1コー ナー、金石選手がついに伊藤の前に出て、伊藤は4番手にドロップ。その後、約 2秒の差を金石選手につけられて後半に入ったが、ラスト7周頃から伊藤のラッ プタイムが上がりはじめる。レースに参戦している他の誰よりも速い自己ベスト を更新しながら、グイグイと金石選手との差が詰まっていった。 15周目にはレース中のファステストラップとなる2分04秒019という圧 倒的なタイムをマークし、金石選手との差をジャスト1秒まで削り取った。必死 に追い上げる伊藤だが、中盤戦に作ってしまった2秒というギャップは大きすぎ た。結局、優勝はおろか表彰台をも取りこぼす4位でチェッカーを受けることに の食いつきが良かったから、 本番のスタートはやや控えめにクラッチミート。タイミングも悪くなかったんだ けど、それ以上にピーターと舘クンのスタートが良かった。序盤、少しオーバー ステアが出ていてドライビングが慎重になってしまった。でもそれはコンディショ ンのせいさはいつも以上だ。ただ、鳴りを潜めていた伊藤 のバカッ速さが蘇ってきた。その部分が次への希望となってモチベーションをつ なぎ止めている。次は夏真っ只中の菅生ラウンド。今度こそ表彰台の真ん中を狙 う。 伊藤大輔 「フォーメーションラップのスタートで意外とタイヤの食いつきが良かったから、 本番のスタートはやや控えめにクラッチミート。タイミングも悪くなかったんだ けど、それ以上にピーターと舘クンのスタートが良かった。序盤、少しオーバー ステアが出ていてドライビングが慎重になってしまった。でもそれはコンディショ ンのせい「序盤のペースの遅さがすべてとなってしまいました。決定的な弱点が露呈して しまった。これまで応援してくださった方々、そして新たに応援してくれること になった方々に対して申し訳ない気持ちで一杯です。光が見えて、それがまた消 えて……、なかなかうまくいきませんね。これにめげずにチームが一丸となって 後半戦を闘いますので、今後も応援のほどよろしくお願いいたします」 SKILL SPEED 深尾栄一