☆☆ SKILL SPEED ☆☆ ☆☆☆ F3 REPORT ☆☆☆ ****全日本F3選手権第4戦**** 決勝レース 場所:富士スピードウェイ 日時:6月1日 天候:晴れ(路面/ドライ) 伊藤大輔 スタート:2番手/決勝順位:4位 快晴に恵まれた決勝レースは、この日の最終レースとして行われた。フロント ロウに並んだ伊藤大輔の周囲は、百戦錬磨の強豪ぞろい。ルーキーは伊藤だけ だ。伊藤にとってはかなり厳しいレースとなることは間違いなかった。 「まずは自分がどれくらい戦えるか。どんな状況においても最後まであきらめ ない。」と決意も固くスタートの瞬間を待った。前回のレースで、エンジンを ストールさせた苦い経験から、チームではアクセル、クラッチの操作性を向上 させていたが、伊藤はまたしてもスタートをミス。1周目の1コーナーでは後 続グループに飲み込まれてしまった。 オープニングラップは9番手でピット前を通過。自分が犯したミスからあせり が生じやしないかとピットクルーは心配したが、予選で見せたパフォーマンス 通りの力を、伊藤は見せた。清水選手をパスするのを皮切りに9番手から猛追 劇を展開。レースが折り返す頃には脇坂選手の真後ろとなる5番手まで浮上し てきた。ラップタイムも、他の選手が1分30秒中盤で走っているのとは対照 的に、伊藤はすぐさま29秒台にタイムを乗せていた。この時点で29秒台を 出していたのはトップを独走していたコロネル選手のみだった。 脇坂選手に抑え込まれている間に、2・3番手の土屋・立川両選手に差を広げ られてしまったのが痛かった。1コーナーでようやく脇坂選手の前に出ること ができたとき、立川選手はすでに約3秒のマージンを取っており、残り周回数 は5周。追いつめるにはつらい状況だった。しかし、伊藤はジワジワと前との 差を詰め始めた。負け時と立川選手も逃げの体制をつくり、2台の無限パワー が2番手の土屋選手との差をも詰め始めた。 結局、このままのポジションでチェッカーとなるが、2位の土屋選手との差は 約2秒。3位の立川選手に対しては1秒というタイトなレースだった。初めて のF3フロントロウ、初めての入賞。収穫多き第4戦だった。 伊藤大輔のコメント: 「またスタートをミスしてしまった。もっと練習しないとダメですね。初めて の入賞は素直にうれしいですが、それよりも反省すべき点も多かった。しか し、マシンも完璧、僕もF3に少しずつ慣れてきたことが実感できています。 ひとつひとつ学んでいき、今度はもっといい結果を残したいと思います。」 百田義弘テクニカル・エンジニアのコメント: 「よくがんばったと思う。反省すべき点は本人が充分わかっているでしょうか ら、特にあえてアドバイスすることはありません。F3にも慣れてきたようで すので、次回からは次のステップに上がれるように、またいいマシンを彼とと もにつくっていきたい。」 深尾栄一ディレクターのコメント: 「欲を言い出したらきりがないので、今回のところは初めてのポイントを素直 にほめたいです。予選ではしっかりと与えられた課題をこなしたし、決勝では スタートはミスしましたが、その後の追い上げ、ラップタイムペースは今後に 期待をつなげるものでした。どん底を味わったこれまでの3戦は無駄ではなか ったのではないかと思います。マシンの仕上がりがいいのも確認できました。 伊藤が今急速な勢いでいろいろなことを吸収しています。彼にはもっとラップ 数を稼げるようなテストをさせたいと思います。そのためにもこの約一ヶ月間 のインターバルを有意義にすごしたいですね。」 SKILL SPEED F3 TEAM 深尾栄一