Japanese F3

SKILL SPEED F3 REPORT 5/31


全日本F3選手権シリーズ 第4戦 決勝結果
富士スピードウェイ/5月31日(日)

伊藤大輔、復活の狼煙。開幕戦以来の3位表彰台

 全日本F3選手権第4戦、富士ラウンド決勝、シビアだった予選セッションが、
そのまま決勝レースでも続いたかのような展開となった。この日の最終レースと
して行なわれた決勝レースは、終始ダンブレック選手、加藤選手、そして伊藤大
輔の3名による激しい三つ巴戦となった。
 優勝争いがこの3名に絞られることは、レースウィークの流れからしても明ら
かで、グリッドにつけた3チーム間に漂うムードは緊張感に溢れていた。スター
トは後続車のミスでスタートディレイとなるが、集中力を削がれることはなく伊
藤はベストスタートを見せた。まずスタートで加藤選手を抜き、2番手に浮上。
トップのダンブレック選手に肉薄する勢いを見せた。開幕戦ではダンブレック選
手に序盤戦のダッシュで負けた伊藤は、その教訓を生かして序盤からダンブレッ
ク選手に迫って離れない。加藤選手が出遅れた分、序盤戦は一騎討ちの様相とな
るが、底力を見せる加藤選手が6周目に3番手に浮上するとトップの2台に追い
つき始めた。富士スピードウェイ特有の長いストレートで3台のマシンは等間隔
で駆け抜ける。スリップストリームで引っ張りあいながらも、そこから抜け出せ
るほどの勢いまでは稼げない、そんな状態が続いた。3台の力はまさに拮抗して
おり、一瞬のミスも許されない精神戦とも言えた。
 しかし、とにかくスタートからトップに食らいついて、後半に勝負をかける作
戦であった伊藤だったが10周目の1コーナー立ち上がりで一瞬バランスを崩す
ミスを犯してしまう。この瞬間に一定の間隔に留めていた加藤選手との差がグンッ
と縮まってしまう。ほんの1、2メートルの話なのだが、この違いが相手にスリッ
プストリームから抜け出す勢いを与えてしまうのだ。案の定、11周目の第1コー
ナーで最終コーナーから伊藤にピタリとつけて来た加藤選手がスリップストリー
ムを有効に使って伊藤の前に出た。そしてすぐさま、また“一定”の間隔を作り
伊藤の攻め手を防ぐことに。結局、この一瞬ですべてが決してしまった。
 優勝はダンブレック選手。2位に加藤選手、そして伊藤は開幕戦以来の3位で
フィニッシュした。伊藤大輔とスキルスピードはまたも負けてしまったが、筑波
戦から続いた低迷状態を一掃するような攻めのレースをできたと思う。次のもて
ぎラウンドこそ、表彰台の最上段を狙う。

伊藤大輔
「すごく悔しい。別にミラーを気にしていたわけでもないのに、一瞬ミスしてし
まった。やはりそれが決定的でした。ダンブレック選手のマシンはすごく速かっ
たけれど、最後には勝てるとも思っていた。だからすごく悔しい。次のレースで
は絶対に勝ちを狙っていきます」

百田義弘チーム監督
「うーん、惜しいレースでしたね。やり方次第では勝てましたからね。ライバル
たちもいいマシンに仕上げてきた。その方向性を観察していると、本当に最後の
数周勝負だったと思う。伊藤に関しては、終始攻めのレースを見せてくれたのは、
大きな収穫だったと思います。次のレースでも再びトップ争いを見せたいと思い
ます」

深尾栄一チームマネージャー
「今までのレースで一番悔しいレースですね。今回は絶体絶命に近い状態の中か
ら土壇場で参戦にこじつけることができ、協力していただいた方々のためにも、
どうしても勝ちたかった。でも内容的には次に繋がるレースをできたとも思いま
す。また、今からもてぎに向けての体制作りのために飛び回ります」

                          SKILL SPEED 深尾栄一



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