SUPER GT

SGT:triple a vantage GT3、伝統の1戦で決勝最後尾スタートから大逆転優勝を達成!!

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【Hiroki Yoshimoto Race Report 2012】
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2012.8.18-19
Round_5 Suzuka

【Result】

8.18  FP : 1 st (2'02"868)
8.18  Q1-Q3 : No Time

Starting Grid : 25 th

8.19 FP : 1 st (2'07"848)
8.19 Final : 1 st (25 pt)

Series Ranking (Driver's / Team's) : 1 st (47 pt) / 2 nd (57 pt)

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12' SUPER GT SERIES Round_5
2012.8.18-19
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triple a vantage GT3、全セッションでトップタイムをマークするも
予選終了後にまさかの失格裁定で決勝は最後尾グリッドに

【公式練習】 天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:29度/33度>終了:32度/47度
【公式予選】 天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度 Q1開始時32℃/46℃、Q2開始時30℃/48℃、Q3開始時30℃/44℃

薄曇りながらも時折日が差し、朝から蒸し暑いコンディションとなった土曜日の鈴鹿サーキット。レースウィーク最初のセッションとなる公式練習は午前9時20分にスタート。最初の1時間40分は混走セッションとなった。

このセッションでは早々にベストタイムを記録したチームが多かった中、triple a vantage GT3も走り出してすぐの2周目に星野選手が2'02"868をマーク、トップに躍り出る。しかし翌周も02秒台と速さを見せた直後、ステアリング系のトラブルでマシン下部から突如白煙が上がりそのままピットイン。修復には20分以上かかったものの、その後無事に再度コースイン。さらにマシンのセットアップを進めていく。

ここからは決勝レースに向けたセットアップに終始するも、それでもラップタイムは2分03?04秒台。好調を維持したままGT300の占有時間には第3ドライバーの吉田選手の慣熟走行も行い、トラブルはあったものの、唯一の02秒台というトップタイムでこのセッションを終える事となった。

その後、午後に入り行われた公式予選。今回の予選はQ1~Q3の3セッションで争われるノックダウン方式。最初のQ1セッションは定刻通りの14時ちょうどにスタート。ここでは星野選手がマシンに乗り込んでコースへと向かう。15分間で争われるこのセッション、星野選手はグリーンランプの点灯と共にすぐさまコースイン、アタックへと向かう。するとその星野選手は最初のアタックラップでいきなり2'02"195をマーク。2007年に記録されたコースレコード(2'02"254)を更新する素晴らしい走りを見せ、またしても唯一の02秒台というトップタイムでQ2へと駒を進める。

Q2で使用するタイヤはQ1でアタックを終えたユーズドタイヤを使用しなければならないが、Q1を走行したドライバーは走行できない。Q2を務める吉本大樹は早々にマシンに乗り込むがGT500のQ1で赤旗中断が出たため、5分遅れの14時45分より10分間の予定でスタート。するとNo.16 MUGEN CR-Z GTやNo.33 HANKOOK PORSCHEが2分3秒台前半のタイムでトップ争いを展開するなか、その吉本は唯一の02秒台となる2'02"584をマーク。Q2もトップで通過してみせた。

予選トップ10を決めるQ3は15時15分にスタート。これも10分間の戦いとなる。するとこのセッションでは各マシンが続々とそれまでのベストタイムを更新し始める。序盤、No.16 MUGEN CR-Z GTがファーストアタックを決め、2'02"130とこれもコースレコード更新のタイム。これがターゲットタイムとなっていく。さらにその後No.0 GSR 初音ミクBMWも2分02秒987と2分02秒台にタイムアップ、2番手に飛び込んでくる。しかしここでtriple a vantage GT3の星野選手がまたしても素晴らしい走りを披露。2'02"078というQ1のベストタイムをさらに更新する驚異的なタイムでこのセッションのトップを奪取。コースレコードを引っさげ今シーズン初のPPが確定したかに思われた。

ところがQ3終了後にまさかの展開が待っていた。なんと予選後の車検で燃料タンク容量について指摘をされ、結果全予選タイムが抹消されてしまう事に。公式練習からここまでの全セッションでトップタイムをマークする速さを見せながら、決勝はまさかの最後尾スタートとなってしまった。

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【決勝】 2012.8.19 (Sun)
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triple a vantage GT3、驚異の追い上げで
最後尾からの大逆転優勝を達成!!

【決勝】 天候:晴れ | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:32度/50度>途中:31度/52度>終盤:29度/37度

4年ぶりにレース距離が1000kmとなった伝統の1戦、第41回インターナショナルポッカ1000kmレース。triple a vantage GT3は前日の予選で圧倒的な速さを見せながら、わずかな規定違反で予選タイム抹消という悪夢のような土曜日となってしまったが、その速さは真のものである事は間違いなく、最後尾からのスタートとなる長丁場のレースでどこまでポジションを上げてくるかに注目が集まった。

スタートは非常に苦しい位置からとなるものの、吉本大樹はこれまでのSUPER GT参戦経験の中で、2007年のポッカ1000kmでの優勝、2009年のマレーシア(セパン)戦では最後尾から優勝をした経験を持つなど、苦しい戦いの中で勝利を積み重ねてきた実績を誇る。さらにパートナーの星野選手はこの夏の鈴鹿で3度の優勝を経験した言わずと知れた2度のGTチャンピオン経験者。それに加えマシンの速さは間違いなくあるだけに、レースでは序盤からの追い上げが期待された。するとスタートでステアリングを握った星野選手が、その期待を裏切らない、素晴らしい追い上げを披露する。

レースは1周のフォーメーションラップ後グリーンランプが点灯、そこから綺麗なスタートが切られ、まずはNo.0 GSR 初音ミク BMWがレースを引っ張る展開。しかし観客の目は後方より猛追する1台のマシンに釘付けとなった。triple a vantage GT3はなんとスタートからわずか3周で12台のマシンを抜き去り13番手にまで浮上。そのペースは衰えることなく、4周目に12番手、7周目には6番手、さらに8周目には3番手、9周目にはとうとう2番手にまでポジションをアップ。そのペースはトップのマシンが2分7秒~8秒台でラップしているのに対し、triple a vantage GT3は2分5秒台。その差は歴然、15周目にはトップのNo.0 GSR 初音ミク BMWの背後に着けホームストレートエンド、1コーナーの侵入でアウト側からオーバーテイク、「最初のスティントでトップになって戻ってくる」と公言していた両選手も自ら驚くほどのハイペースでトップに躍り出る事に成功する。

しかしtriple a vantage GT3は燃費の面では決して有利ではなく、チェッカーまでにはライバル勢よりも1回多くピットに入らなければならない可能性が高い。その分のマージンを稼ぐ為にも星野選手はそのまま猛然とプッシュ。2番手以降をどんどん置き去りにして、2ndスティントの吉本にステアリングを託していく。するとコースに戻った吉本も他を圧倒するペースで周回を開始。50周程が経過した時点で2番手に60秒近いマージンを築き、その後そのまま3rdスティントを走る星野選手にマシンを渡す事に成功する。ところが直前の53周目、ヘアピン手前でGT500クラスのマシンと300クラスのマシンが接触し、クラッシュした300クラスのマシンの回収作業に時間を要した兼ね合いでコースにはセーフティーカー(SC)が入ってしまう。

これでそこまでのマージンが帳消しとなってしまったtriple a vantage GT3。しかしこの日のtriple a vantage GT3はこの展開も意に介さず。リスタート直後からまたどんどんマージンを築き始め、その後ステアリングを受け継いだ吉本大樹の4thスティントでは遂に2番手以降全てのマシンを周回遅れにしてしまう。さらにその後星野選手が走った5スティント目でも後続との差を広げ続け、137周目にライバル勢よりも1回多い最終ストップを終えてなお1分20秒の差を保ってコースに復帰。吉本大樹が最終6スティント目に入っていく。これで「トラブルさえ無ければ優勝は確実か」と思われたtriple a vantage GT3。しかしレースはそう簡単には終わらないのが夏の鈴鹿ラウンド。なんと吉本がコースに戻った直後にGT500クラスのマシンが130Rで大クラッシュ。幸いドライバーに大きな怪我は無かったものの、コース上にはこれでSCが入る事となり、triple a vantage GT3はまたしてもここまでに築いたマージンがフイになってしまった。

その後のレース再開時点でチェッカーまでは残り11周。2番手には前戦SUGOの覇者No.3 S Road NDDP GT-Rが13秒後方に着けてくる。それでもこの日のtriple a vantage GT3の速さを持ってすればその差は安全圏かと思われた。しかし実はこのSCランの直前辺りからエンジンに異常を感じ始めていた吉本大樹。「多分12気筒の内、1~2気筒は点火していなかった感じのフィーリングで、明らかなパワーダウンを感じていた」と、No.3 S Road NDDP GT-Rの追撃と、パワーダウンし始めたエンジンがいつ完全に止まってしまうかというプレッシャーに耐えながらチェッカーを目指す事に。それでも吉本は最後の苦しい状況を乗り切り、見事トップでチェッカーを潜り抜ける事に成功。予選タイム抹消というまさかの展開から、大逆転での優勝を手にする事となった。しかし吉本のこの激走はギリギリのもので、ウィニングラップの途中でエンジンが力尽き、さらにフロア下から火災が発生。デグナーでマシンを停めた吉本は大慌てで消火器を取りに走り、コース・オフィシャルと共に消火作業をする一幕もあった。

なにはともあれ、これで1000㎞レースの特別ポイントも含めチャンピオンシップで25ptを追加したtriple a vantage GT3。これでランキングでは一躍トップに立つ事になり、次戦の富士には悲願のタイトル獲得に向けランキングリーダーとして挑む事となった。

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【吉本大樹コメント】
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言葉にならないくらいに嬉しいです!今回は全セッショントップでいく位の意気込みでいました。実際非公式ではありますが、全セッショントップでした。これほどまでに好調であったのは完璧なマシンを用意してくれたチームと、ヨコハマタイヤさんが最高にこの1000㎞にマッチしたタイヤを作ってくれたからです。これまで勝てるパフォーマンスはありました。そして今回、やっとそれを実現できました。しかもこの1000㎞で!

4戦を終えて2戦ノーポイントという厳しい状況にありましたが、今回の勝利でランキングでもトップに上がることができました。単なる一勝ではなく、もっと大きな意味をもつ一勝だったと思います。

マシンはボロボロになってしまいましたし、メカニックは修復に大変だと思います。ウエイトもどっさりと乗っかり、楽な展開にはならないと思いますが、しっかりとポイントを頂きにいきたいと思います。チャンピオンシップ争いに戻ってくることができたこのチャンスは絶対に生かします!

エイチワイ・マネージメント有限会社



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