JAF Grand Prix | SUPER GT

SGT:RAYBRIG HSV-010(山本尚貴選手)が8位でフィニッシュ (HONDA)

  • 2011年11月12日(土)・決勝1日目/会場:富士スピードウェイ/天候:晴れのち曇り/気温:16℃(15:00現在)/路面温度:18℃(15:00現在)/コースコンディション:ドライ/観客:2万3000人

gt111112001L.jpg 11月12日(土)、静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイにおいて、JAFグランプリ「富士スプリントカップ」の決勝レース1日目が行われました。

JAFグランプリは、1969年の第1回大会よりJAF(日本自動車連盟)の名を冠する歴史と名誉のあるタイトルです。昨年に初開催された富士スプリントカップは国内最高峰レースのSUPER GTとフォーミュラ・ニッポンを同日開催するイベントで、今回が2回目となります。どちらもシリーズの終了後に開催される特別戦との位置づけですが、およそ20年ぶりに復活したJAFグランプリのタイトルが昨年に続いてかけられることから、大いに関心を集めています。

SUPER GTのGT500クラスならびにGT300クラス、フォーミュラ・ニッポンの計3カテゴリーが開催され、それぞれの優勝者にJAFグランプリのタイトルが贈られるのは昨年と同じですが、競技の形態は一部見直されました。このうちSUPER GTでは、金曜日にフリー走行と公式予選、土曜日に決勝レース1日目、日曜日に決勝レース2日目を行うスケジュールに変わりはないものの、ドライバーは2人1組となり、決勝レース1日目と決勝レース2日目の成績を総合して順位を決めることになりました(昨年は2つのレースを独立した競技と見なし、それぞれの決勝結果に応じて順位を認定、JAFグランプリを授与しました)。

レース距離は100km、シリーズ戦のローリングスタートとは異なり、スタンディングスタートが採用され、決勝レース中のピットストップやドライバー交代は義務づけられないなどの点は昨年と変わりありません。また、全参加ドライバーを出身地別に東西に分け、競技結果などを集計して勝敗を決める「東西対抗戦」も昨年に続いて実施されます。

この富士スプリントカップにHondaは、シリーズ戦と同じ5台のHSV-010 GTを投入。#1 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル組)、#8 ARTA HSV-010(武藤英紀/小林崇志組)、#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)、#32 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴組)、#100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)という顔ぶれもシリーズ戦と変わりません。このうち、決勝レース1日目に出走するのは小暮選手、小林選手、塚越選手、中山選手、山本選手の5名。決勝レース2日目にはデュバル選手、武藤選手、金石選手、道上選手、伊沢選手の5名が出走します。

金曜日はあいにくの雨模様となりました。ウエットコンディションのもとで行われた決勝レース1日目の公式予選では、小林選手が7番手、山本選手が8番手、小暮選手が9番手、中山選手が12番手、塚越選手が14番手のタイムを記録しました。その後、雨脚が強まってコンディションが悪化。このため予定されていた決勝レース2日目の公式予選は、土曜日に順延して実施されることになりました。

明けて土曜日は、前日と打って変わって快晴に恵まれました。ただし、決勝レース2日目の公式予選が行われた午前中は、まだ路面が乾ききっておらず、路面のコンディションはセミウエットでした。ここで道上選手は2番手に入る健闘を示したほか、伊沢選手も4番手に食い込みました。さらにデュバル選手は9番手、金石選手は14番手、武藤選手は15番手で続きました。

土曜日の昼過ぎになると上空は雲に覆われたものの、幸い雨が降ることはなく、GT500クラスの決勝レース1日目のスタートが切られる午後3時までには、路面もすっかり乾きました。

スタートでは、#8 ARTA HSV-010が出遅れたのに対し、#1 ウイダー HSV-010は好ダッシュを見せ、6番グリッドからスタートしたライバルの隣に並びました。ところが、このライバルが#1 ウイダー HSV-010に接触。姿勢を乱してコースアウトしかけた#1 ウイダー HSV-010がコースに復帰しようとしたところ、同じマシンともう一度接触を喫した結果、#1 ウイダー HSV-010は右フロント/サスペンションに大きなダメージを負い、ピットまで戻ったところでリタイアを余儀なくされました。一方、#8 ARTA HSV-010もこの混乱に巻き込まれてしまい、最下位近くまで後退することとなります。

こうしたアクシデントの影響を受け、#17 KEIHIN HSV-010は10番手、#100 RAYBRIG HSV-010は11番手、#32 EPSON HSV-010は13番手、#8 ARTA HSV-010は14番手でオープニングラップを終えました。

この後、懸命の追い上げを図る#17 KEIHIN HSV-010は、ライバルの脱落もあり4周目には9番手へ浮上。さらに6周目にはライバルの1台を攻略して6番手へと駒を進めます。同じ周、#100 RAYBRIG HSV-010は8番手、#8 ARTA HSV-010は11番手、#32 EPSON HSV-010は12番手とばん回。レース後半のさらなる追い上げに期待がかかりました。

しかし、気温と路面温度が想定ほど上がらなかったため、タイヤの能力を十分に引き出すことができず、4台のHSV-010 GTはペースが伸び悩んでしまいます。このため、#17 KEIHIN HSV-010は14周目までに10番手へと後退。その後、ドライバーの塚越選手がマシンの異状を訴えたため、17周目にマシンをピットイン。タイヤの消耗が原因と判明したため、これを交換してコースへと送り返しました。これにより#17 KEIHIN HSV-010は最後尾へと後退しました。

#32 EPSON HSV-010もタイヤのコンディションがマッチしなかったため、18周目にピットストップを行ってタイヤ交換を実施。#17 KEIHIN HSV-010に続く13番手でコースに復帰しました。

結局、4台のHSV-010 GTはこのままの順位で22周のレースを走りきり、#100 RAYBRIG HSV-010は8番手、#8 ARTA HSV-010は10番手、#17 KEIHIN HSV-010は12番手、#32 EPSON HSV-010は13番手でチェッカーフラッグを受けました。なお、11番手でフィニッシュしたマシンにペナルティが科せられた結果、#17 KEIHIN HSV-010は順位が1つ繰り上がって11位となりました。

22周で競われる決勝レース2日目は、11月13日(日)の午後3時25分にスタートが切られます。

瀧敬之介 | Honda GT プロジェクトリーダー
「とても悔しい結果に終わりました。昨日の予選では、少し慎重に走り始めたところ、本格的なアタックを開始する前に雨脚が強まり、期待するような成績を残せませんでした。今日も想定より気温が低めで、Hondaにとっては厳しい展開となりました。明日は、もうちょっと温かくなってくれることを期待しています。また、このままではHondaファンのみなさんに申し訳ないので、一部のチームについてはややギャンブルともいえる戦略を選び、面白いレースをご披露するつもりです」
山本尚貴選手(8位 #100 RAYBRIG HSV-010)
「今週初めて走るドライコンディションの中で、いま一つ戦闘力が不足している部分がありました。スタートでは、前方で混乱があったために少し順位を落としてしまいました。その後は前のマシンについていこうと懸命に走りましたが、思いのほかペースが上がりませんでした。このチームにはこれまで2年間お世話になり、今回はその集大成ともいえるレースをお目にかけたいと思っていたので、この結果は残念です。一生懸命働いてくださったチームのスタッフのみなさんには、心からお礼を申し上げます」
Text & Photo: HONDA


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