SUPER GT

SGT:第9戦富士 EPSON NSX(L.デュバル/平中克幸組)が4位 (HONDA)

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EPSON NSX(L.デュバル/平中克幸組)が4位、 道上龍/小暮卓史組(TAKATA童夢NSX)はランキング6位でシーズンを終える

2008年11月9日(日) 決勝 会場:富士スピードウェイ(4.563km) 天候:予選/雨時々曇り 決勝/曇り時々小雨 気温:11℃(14:00現在) 路面温度:11℃(14:00現在) 決勝レース:66周(301.158km) コースコンディション:決勝/ウエット 観客数:4万7100人(主催者発表)

 11月9日(日)、静岡県・富士スピードウェイにおいて今年のSUPER GTシリーズ最終戦となる、2008 オートバックス SUPER GT第9戦「FUJI GT 300km RACE」の決勝レースが開催された。

 シリーズタイトル争いは、#23 本山哲/B.トレルイエ組(XANAVI NISMO GT-R)がドライバー部門のランキングトップに立ち、Honda NSX-GTを駆る#18 道上龍/小暮卓史組(TAKATA童夢NSX)が14ポイント差の2位で追いかける展開となっている。道上と小暮が逆転でタイトルを獲得するには、優勝して#23 XANAVI NISMO GT-Rが6位以下の成績か、#23がノーポイントの場合は2位以上でチェッカーフラッグを受けることが条件となっている。

 8日(土)は、朝から雨が降り続き、完全なウエットコンディションでの予選となった。NSX-GTは予選2回目のスーパーラップに全車5台が出場し、1分42秒661を記録した#17 金石勝智/金石年弘組(REAL NSX)が初のポールポジションを獲得することとなった。続いて3番手に#1 ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組(ARTA NSX)、5番手に#100 井出有治/細川慎弥組(RAYBRIG NSX)、逆転タイトル獲得を狙う#18 道上/小暮組は7番手、#32 ロイック・デュバル/平中克幸組(EPSON NSX)は10番手から決勝のスタートを迎えることとなった。

 決勝日の9日(日)は、午前中は曇り空でドライ路面だったが、午後から霧雨が降る場面もあり、路面はところどころが濡れているハーフウエット状態。さらに冷え込みも厳しく、気温は11℃、路面温度は11℃まで低下して、タイヤの選択など難しい判断が求められ、NSX-GTは全車が浅溝のレインタイヤを選択した。決勝スタート前のフォーメーションラップは、各車のタイヤグリップを考慮して2周に増やされ、総勢43台(GT500クラス計16台)のマシンは14時7分にローリング・スタートを切った。

 ホールショットは、ポールポジションからスタートした#17 REAL NSXの金石年弘選手。#1 ARTA NSXのR.ファーマン選手が3位、#18 TAKATA童夢NSXの小暮選手が7位。#100 RAYBRIG NSXの井出選手が8位、#32 EPSON NSXのL.デュバル選手が9位と続く。スタート直前から分厚い雲が空を覆っているが雨はほぼ止んでおり、2周を終えてスリックタイヤに変更するチームもあった。

 しかし、ラップタイムを見てもスリックタイヤのマシンが1分37秒台を記録するなどタイム的に有利な状況となったため、4周終了時にトップを走行していた金石年弘選手や3位のR.ファーマン選手もスリックタイヤへの変更を行った。この結果、スタート時からスリックタイヤを選択していた#39 DENSO DUNLOP SARD SC430と#12 カルソニック IMPUL GT-Rの2台が3位以下を約1分もリードする展開となった。

 10周目終了時、ほぼ全車がドライタイヤに交換した状況で、#1 ARTA NSXのR.ファーマン選手が7位、#17 REAL NSXの金石年弘選手が9位、#18 TAKATA童夢NSXの小暮選手が13位、#32 EPSON NSXのL.デュバル選手が14位、#100 RAYBRIG NSXの井出選手が16位を走行する。

 ところが、ほどなく再び霧雨が降り始めるというコンディションとなり、15周目にはラップタイムも1分38秒台とわずかに下がってくる。さらに上位のマシンにトラブルが続出する展開となり、激しく追い上げるR.ファーマン選手は18周目に3位に浮上、金石年弘選手も4位となる。小暮選手は10位を走行し、レース展開を静観しながら走行する。#100 RAYBRIG NSXの井出選手はエンジントラブルのために緊急ピットインをするが、そのまま無念のリタイアとなった。

 23周目あたりから、ランキングトップの#23 XANAVI NISMO GT-Rなどがドライバー交代を敢行、後半もスリックタイヤを選択してレースに復帰している。霧雨も降り続けているが、1分40秒台で走行できる状況ではスリックタイヤが有利な展開となっている。

 しかし、28周目あたりで各車のラップタイムが1分45秒台へと急激に落ちたため、#23 XANAVI NISMO GT-Rは再びピットインして浅溝レインタイヤに交換した。30周目になると雨の量が増え始めて完全なウエットコンディションとなった。ここでタイミングよくドライバー交代を敢行した#1 ARTA NSXは浅溝レインタイヤに交換して伊沢選手がレースに復帰した。

 ほぼ全車がドライバー交代を終えた36周時点で、トップは#12 カルソニック IMPUL GT-R。交代してからタイムが伸び悩む#1 ARTA NSXの伊沢選手は5位となり、#32 EPSON NSXの平中選手が6位、#18 TAKATA童夢NSXの道上選手が9位、#17 REAL NSXの金石勝智選手が10位を走行する。

 45周目あたりになると雨脚はさらに強くなり、浅溝レインタイヤでも苦しいコンディションとなってくる。47周目に平中選手が伊沢選手をパスして5 位に浮上。伊沢選手はレインタイヤと路面状況が合わなかったために他車よりラップタイムで3秒以上遅く、苦しい走行を強いられている。シリーズタイトル争いに関わる道上選手も同様に苦しい走りでポイント圏外の11位となり、53周終了時に再びタイヤを交換するために3回目のピットインを敢行し、14位まで順位を下げた。

 天候に翻弄された最終戦は、スタート時のギャンブルが的中した#12 カルソニック IMPUL GT-Rが独走で66周を走りきり今季2勝目を挙げた。NSX-GTは終盤にポジションを1つ上げた#32 EPSON NSXが4位、#17 REAL NSXが10位、#1 ARTA NSXが12位となった。14位でチェッカーフラッグを受けた#18 TAKATA童夢NSXは、ドライバー部門のシリーズランキング6位に終わり、シリーズタイトルは、今回9位となった#23 本山/B.トレルイエ組が獲得した。チーム部門では、DOME RACING TEAMが5位となった。

コメント
白井裕|NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー
 「今日は、路面が冷えた状態でのレインタイヤとNSX-GTのマッチングを詰めることができず、17号車のポールポジション獲得など予選順位を生かすことができませんでした。今シーズンも、ポールポジションを4回獲得するなど、NSX-GTの速さをお見せすることはできたと思っています。しかし、結果としては予選の速さを生かせず、1勝にとどまり昨年獲得したシリーズタイトルを逃したことを非常に悔しく思います。この結果を真摯に受け止め、オフシーズンには課題を克服できるように取り組んで参ります。来シーズンはタイトルを奪還できるようにがんばりますので、期待してください。一年間、皆様の熱いご声援ありがとうございました」
ロイック・デュバル選手(4位、#32 EPSON NSX)
 「スタート時はかなり難しいコンディションでした。結果的にスリックタイヤを選択した2台がギャンブルに勝ったけれど、あれは運がよかったと言うしかないですね。その後、スリックタイヤに変えてからは、マシンのセッティングが合っていなかったこともあって少し苦労しました。でも、平中選手に代わってから、我々のレインタイヤがよく働いてくれたおかげで少しずつポジションを上げていくことができました。前戦の2位表彰台獲得でウエイトハンデも積みながら、連続して好結果を残せたことに満足しています。多くのファンが僕たちを応援し続けてくれたことに感謝したいです」
平中克幸選手(4位、#32 EPSON NSX)
 「荒れたレース展開となりましたね。雨でのセッティングとタイヤのマッチングには自信があったので、今日は雨だといいなと思っていました。デュバル選手のピットインタイミングもよく、コースに出てからスリックタイヤのマシンを何台かパスすることができました。最後まで安定して走ることができて、4位でゴールできたことは来年に向けてポジティブな結果となりました。今シーズンは、初めてNSX-GTをドライブし、とてもいい印象が持てました。しかしながら自分自身がマシンを生かす走らせ方を習得しきれない部分もあって、悔しい時期もありましたが、シーズン終盤には会得できたと思います。パーフェクトではありませんが、とてもいいシーズンを過ごせたと思います。応援ありがとうございました」

Text & Photo: HONDA



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