JGTC発足から数えて今回で丁度100戦目を向かえた、スーパーGT第9戦のスーパーラップが11月3日午後、
富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは唯一全100戦に参戦している#12カルソニックインパルZ(ブノワ・
トレルイエ/星野一樹組)が今季初のポールポジションを獲得した。
GT300クラスは#101トイストーリーMR-Sが今季2回目のポールを獲得し、タイトル獲得に向けて一歩前進することとなった。
公式予選2回目の終了から5分間のインターバルの後、GT300のスーパーラップが開始された。
SL開始直前の気温は17℃、路面温度は25℃。この気候が各タイヤメーカー、ドライバーを苦しめることとなった。
最初に出走するのは、31号車の車検落ちで10番手に繰り上がった#13エンドレスZ。
アタックを担当した藤井誠暢は1分43秒763と、午前中の自己ベストより1秒遅いタイムに終わったが、
続いて出走した#33ハンコックポルシェの木下みつひろが1分44秒018と13号車に僅かに遅れる結果になったため、
順位を一つ上げることとなった。
続く#62ウィルコムヴィーマックの柴原眞介は全てのセクターでベストを更新し、1分42秒643でこの時点のトップに立つ。
この後にアタックした#7雨宮RX-7の井入宏之、#88アクティオムルシエRG-1の山西康司、
#19ウェッズスポーツセリカの関口雄飛らは柴原を超えることができず、それぞれ6位、7位、5位にに終わり、
#26ユンケルポルシェの谷口信輝に至っては、
ポルシェに不向きなツイスティな後半セクションの遅れが響いて8番手に後退することになってしまった。
午後に入って気温、路面温度が下がったことで、タイヤの性能を引き出すことに苦労するチームが相次ぐ中、
大躍進を見せたのがミシュラン勢だった。
8番手出走の#43ARTAガライヤの高木真一が漸く1分42秒295を出して柴原を上回ると、
#101トイストーリーMR-Sの大嶋和也も1分42秒068と高木を上回ってトップに立った。
最後に出走したのは目下ポイントリーダーの#2紫電だったが、
加藤寛規はどのセクションでも今ひとつ精彩を欠いて1分42秒403に終わり、これにより101号車のポールポジションが確定。
終わってみればシリーズタイトルを争う4台がいずれも上位グリッドを占めることとなり、
明日の決勝での熾烈なタイトル争いを大いに期待させる結果となった。
続いて行われたGT500クラスのスーパーラップは、最初に出走した#1宝山SCのアンドレ・ ロッテラーが記録した1分33秒766を、#25エクリプスSCの土屋武士、#18TAKATA童夢NSXの小暮卓史、 #6フォーラムエンジ.SCの片岡龍也、#22モチュールZのミハエル・クルム、 #24ウッドワンZの荒聖治らがいずれも上回ることができず、1号車は一気に5台抜きの5番グリッドを得た。
続く#12カルソニックZは、自由自在に車体を振り回すブノワ・トレルイエの豪快な走りで、ロッテラーのタイムをコンマ7秒上回り、 午前中のトップタイムをも凌ぐ1分33秒022をたたき出して一気にトップに立った。
#32エプソンNSXのロイック・デュバルは午前中の自己ベストには届かなかったが、 #38ZENTセルモSCの立川祐路が6番手に後退したこともあってどうにかポジションキープの3位に留まった。
そして金曜テスト、午前中の予選と好調ぶりを見せていた#17リアルNSXが最後のアタックに入ったが、 金石年弘の出したタイムは1分33秒671。午前中のベストタイムをコンマ3下回る結果に終わり、この瞬間、 記念すべき100戦目でのカルソニックZの今季初ポールが決定した。
第9戦決勝は明日午後2時5分より、66周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA