SUPER GT

SGT:第8戦オートポリス EPSON NSX(L.デュバル/平中克幸組)が2位、ARTA NSX(R.ファーマン/伊沢拓也組)が3位表彰台を獲得 (HONDA)

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2008年10月19日(日) 決勝 会場:オートポリス(4.674km) 天候:予選/晴れ 決勝/晴れ 気温:24℃(14:00現在) 路面温度:36℃(14:00現在) 決勝レース:65周(303.81km) 観客:2万8800人(主催者発表)

 10月19日(日)、大分県にあるオートポリスにおいて2008 オートバックス SUPER GT第8戦「SUPER GT IN KYUSHU 300km」の決勝レースが開催された。

 オートポリスでは、2003年からシリーズ戦として開催されており、6回目となる今年のラウンドはし烈を極めているチャンピオン争いのターニングポイントとして位置づけられている。

 現在、ドライバー部門のランキングトップに#18 道上龍/小暮卓史組(TAKATA童夢NSX)と#36 脇坂寿一/A.ロッテラー組(PETRONAS TOM'S SC430)が同ポイントで並んでいる。しかし、2台とも重いウエイトハンデを課せられているため、どのようなレース戦略を組み立てるのかに注目が集まっている。また、ランキング8位の#100 井出有治/細川慎弥組(RAYBRIG NSX)や、10位の#1 ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組(ARTA NSX)にもチャンスが残されており、目の離せないラウンドとなっている。

 18日(土)に開催された公式予選のスーパーラップには、Honda NSX-GT勢が4台出場し、#1 R.ファーマン/伊沢組が予選2番手、#32 ロイック・デュバル/平中克幸組(EPSON NSX)が3番手、#18道上/小暮組が4番手、#100 井出/細川組が8番手を獲得した。#17 金石勝智/金石年弘組(REAL NSX)は11番手グリッドからのスタートとなった。

 オートポリス・ラウンドのレースウイークは好天が続き、19日(日)の決勝日も快晴となった。日差しも強く、スタート直前の気温は24℃、路面温度は36℃と絶好のコンディションとなり、2万8800人ものファンが見守る中、計39台(GT500クラス16台)のマシンが午後2時4分にローリングスタートを切った。

 ホールショットは、ポールポジションスタートの#23 XANAVI NISMO GT-R。続いて#32 EPSON NSXのL.デュバル選手がポジションを1つ上げて追走、3位に#1 ARTA NSXのR.ファーマン選手、4位に#18 TAKATA童夢NSXの小暮選手が続く。トップの#23 XANAVI NISMO GT-Rは序盤から1分42秒台の速いペースで走行し、5周終了時で2位の#32 EPSON NSXとのタイム差は4秒626に広がるものの、NSX-GT勢は1分44秒の安定したペースでラップを刻み続ける。

 6周目にR.ファーマン選手がL.デュバル選手をパスして#1 ARTA NSXが2位に浮上。GT300クラスのバックマーカーを巧みにパスしながらトップとの差を徐々に縮めていく。10周目、#100 RAYBRIG NSXの井出選手が勢いのある走りをみせ、#36 PETRONAS TOM'S SC430をパスして7位に浮上。さらに次周に6位、14周目に5位まで浮上する。

 バックマーカーが発生してからは、トップグループは1分45~46秒台のペースで走行し、18周目では、#1 ARTA NSXはトップから3秒679差の2位。続く3位集団は18秒以上離れているものの、#32 EPSON NSX、#18 TAKATA童夢NSX、#100 RAYBRIG NSXの3台が続いている。

 このサーキットは、アップダウンが激しくテクニカルなレイアウトであり、荒れた路面に加えて路面温度も上昇したことからタイヤに厳しい状況となったため、19周あたりから早めのピットインを敢行するチームが続いた。NSX-GT勢は23周終了時に#100 RAYBRIG NSXがピットイン。細川選手に交代し、前後タイヤを交換してコースに復帰した。次周には#1 ARTA NSXがピットインを敢行して伊沢選手に交代するものの、ピット作業に51秒もの時間を費やしたために順位を下げることとなった。

 数チームが2ピット作戦を敢行する展開となったが、多くのチームは1ピット作戦を選択した。#32 EPSON NSXのL.デュバル選手も30周を走行。暫定トップでピットインし、平中選手に交代してコースに復帰した。

 37周目で、トップは#23 XANAVI NISMO GT-R。#32 EPSON NSXの平中選手は4位、#1 ARTA NSXの伊沢選手が5位、#100 RAYBRIG NSXの細川選手が6位、#18 TAKATA童夢NSXの道上選手が7位、#17 REAL NSXの金石勝智選手が11位を走行する。

 ペースを上げて走る平中選手は43周目に1分45秒台を記録。2位を走行していた#22 MOTUL AUTECH GT-Rと3位を走行していた#36 PETRONAS TOM'S SC430が2回目のピットインを敢行したために、45周目に平中選手が2位に浮上。#1 ARTA NSXが3位、#100 RAYBRIG NSXが4位、#18 TAKATA童夢NSXの道上選手が5位と続く。

 47周目、#1 ARTA NSXの伊沢選手がスピンを喫し、順位を1つ下げて4位となる。しかし、55周目にはトップと平中選手との差は16秒451まで縮まる。56周目に#100 RAYBRIG NSXの細川選手がGT300クラスとの接触によるドライブスルー・ペナルティの裁定を受けたために、4位に順位を下げた。

 #32 EPSON NSXの平中選手は最後までトップを追い続けるが、2位で65周目のチェッカーフラッグを受けた。3位争いは、#1 ARTA NSXの伊沢選手と#100 RAYBRIG NSXの細川選手の激しい争いとなった。最終ラップに細川選手が伊沢選手とバトルを繰り広げて3位となったが、レース後に伊沢選手との接触が30秒追加のペナルティと裁定されて9位となった。

 その結果、#1 ARTA NSXは3位、#18 TAKATA童夢NSXが7位、#17 REAL NSXは11位となった。優勝はポール・トゥ・ウインの#23 XANAVI NISMO GT-Rで、今季3勝目を記録した。

 この結果、シリーズポイント争いで#23 本山哲/B.トレルイエ組(XANAVI NISMO GT-R)がトップに浮上。#18 道上/小暮組(TAKATA童夢NSX)が14ポイント差の2位で最終戦に挑むこととなった。

コメント
白井裕|NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー
 「大変残念な結果に終わりました。正直、完敗です。チャンピオンシップの上で非常に重要な一戦でしたが、貴重なポイントを逃したのが悔やまれます。しかしながら、NSX-GTのポテンシャルは、2、3位の表彰台を獲得したように、クルマ全体では満足できるものがありますが、優勝したクルマがあまりにも速すぎました。最終戦富士でのチャンピオンシップ獲得に向けて全力を尽くしますので、皆さんのご声援をよろしくお願いします」
ロイック・デュバル選手(2位、#32 EPSON NSX)
 「スタートはとてもうまくいって、1コーナーで2位に上がることができました。その後、3位となりましたが、ペースを保って多くの周回を走行するように努めました。予選ではタイヤのマッチングに苦しみましたが、決勝は同じタイヤを履いても問題なく走行できました。チームスタッフもすばらしい仕事を続けてくれたので、絶対にいい成績を残そうと誓っていました。最終戦もベストを尽くして、チームのために好結果を残したいと思います。期待していてください」
平中克幸選手(2位、#32 EPSON NSX)
 「レース前半はロイックが多くの周回を走行してくれたおかげで、タイヤの耐久性の面で助かりました。ドライバー交代のピット作業でも、チームスタッフは完ぺきな仕事をしてくれたので、順位を上げることができました。僕自身もいいペースを保ってミスなく走り続けられたので、満足しています。終盤はタイヤやブレーキのコンディジョンが厳しくなって苦労しましたが、ほかのチームも同じだったと思います。今回は性能調整2ランクUPでしたが、次戦はウエイトハンデが積まれて厳しい展開となりそうです。でも、精一杯走って、結果的にHondaのタイトル争いに貢献できればと思っています。応援ありがとうございました」

Text & Photo: HONDA



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