SUPER GT

SGT:第6戦富士決勝 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)が今シーズン3度目の3位表彰台を獲得 (HONDA)

ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル組)は逆転タイトル獲得に望みをつなぐ4位入賞
  • 2011年9月11日(日)・決勝  会場:富士スピードウェイ(4.563km)  周回数:55周  天候:曇りのち晴れ   気温:29℃(14:00現在)  路面温度:39℃(14:00現在)  コースコンディション:ドライ  観客:2万7800人(主催者発表)

 9月11日(日)、静岡県駿東郡小山町にある富士スピードウェイにおいて、2011 オートバックス SUPER GT第6戦「FUJI GT 250km RACE」の決勝レースが行われました。

gt110911002L.jpg  今年のSUPER GTは全戦が東日本大震災復興支援大会と位置づけられていますが、震災からちょうど半年を迎えたこの日は、決勝レースのスタート前に犠牲者の方々に黙とうが捧げられ、観客のみなさんや関係者は悲しみを噛みしめるとともに復興への決意を新たにしました。

 10日(土)に行われた予選の結果、#8 ARTA HSV-010(武藤英紀/小林崇志組)が6番手、#1 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル組)は8番手、#32 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴組)は9番手、#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)は10番手、#100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)は15番手からのスタートとなります。

 好天に恵まれた昨日とはうって変わって、決勝日は朝からあいにくの雨模様となり、午前中に行われたフリー走行はウエットコンディションとなりました。そのフリー走行では、#32 EPSON HSV-010が好調な走りを見せてトップタイムをマーク。#100 RAYBRIG HSV-010は6番手タイム、#1 ウイダー HSV-010は11番手タイム、#17 KEIHIN HSV-010は14番手タイム、#8 ARTA HSV-010は15番手タイムをそれぞれ記録しました。

 心配された雨は昼前に上がり、時折り薄日が差し込むほどまで天候は回復。コースはドライコンディションとなって決勝レースが行われました。

 Honda勢のスタートドライバーは#8 ARTA HSV-010は武藤選手、#1 ウイダー HSV-010がデュバル選手、#17 KEIHIN HSV-010は金石選手、#32 EPSON HSV-010は道上選手、#100 RAYBRIG HSV-010は伊沢選手が務めます。

 午後2時、GT500クラスにエントリーする15台のマシンはセーフティカーに先導されてフォーメーションラップを開始。そして1周を走り終えたところでグリーンランプが点灯し、55周で競われる決勝レースが幕を開けました。

 5台のHSV-010 GTは予選順位を守ったままオープニングラップを終えます。#1 ウイダー HSV-010は、タイトル争いを繰り広げるライバルの直後につけ、攻略のチャンスをうかがいますが、GT500クラスの集団の中に呑み込まれて身動きがとれず、2台の戦いはしばらくこう着状態となります。ところが、14周目の1コーナーで前述のライバルが他のマシンと接触して失速したため、#1 ウイダー HSV-010は6番手に浮上。同様に#8 ARTA HSV-010は5番手、#17 KEIHIN HSV-010も9番手となりました。しかし、#8 ARTA HSV-010は5番手へと順位を上げた同じ14周目にコカコーラ・コーナーでコースアウトを喫したため、最下位となります。これはステアリング系のトラブルが原因で、コースに復帰してスロー走行をしながらピットに戻り、問題を起こした部品の交換を行います。この影響で#8 ARTA HSV-010は周回遅れとなりました。

 また、最後尾グリッドからスタートした#100 RAYBRIG HSV-010はレース序盤から好調で、16周目には10番手まで浮上します。これとは対照的に、#32 EPSON HSV-010は装着したタイヤがコースコンディションとマッチしなかったためにペースが伸び悩み、同じ16周目には14番手へと後退しました。

 20周目に入ると給油とタイヤ交換のためにピットストップを行うマシンが出てきます。Honda勢では21周目終了の時点でピットストップを行った#17 KEIHIN HSV-010がいちばん早く、給油、タイヤ交換に加えて金石選手から塚越選手へのドライバー交代をしました。続いてピットストップを行ったのは24周目の#1 ウイダー HSV-010。さらに#100 RAYBRIG HSV-010は25周目、#32 EPSON HSV-010は29周目、#8 ARTA HSV-010は33周目にピットストップを行い、いずれも給油、タイヤ交換、ドライバー交代を実施しました。GT500クラスの全車がピットストップを終えた34周目の段階で、デュバル選手の乗る#1 ウイダー HSV-010は5位、塚越選手の乗る#17 KEIHIN HSV-010は6位、山本選手の乗る#100 RAYBRIG HSV-010は10位、中山選手の乗る#32 EPSON HSV-010は14位、小林選手の乗る#8 ARTA HSV-010は15位となっていました。

 レース後半に入ると、5台のHSV-010 GTは巻き返しを期して追い上げを図ります。まず、#17 KEIHIN HSV-010は37周目に#1 ウイダー HSV-010をパスして5位、40周目にはライバルの1台を追い抜いて4位へと駒を進めます。一方、いったんは6位となった#1 ウイダー HSV-010も41周目にはライバルを攻略して5位に返り咲きました。#100 RAYBRIG HSV-010も37周目に1つ順位を上げて9位となります。

 勢いに乗る#17 KEIHIN HSV-010は3番手を走るライバルに激しいアタックを仕掛けます。#17 KEIHIN HSV-010を駆る塚越選手は何度もライバルに並びかけ、ときにはわずかに先行することもありましたが、ライバルの厳しい防戦に阻まれて順位を上げることができません。2台の戦いは最終ラップまで続きましたが、2位を走行していた1台がフィニッシュ直前にスピンを喫して遅れたため、#17 KEIHIN HSV-010は3位に浮上。第1戦岡山、第3戦セパンに続く今シーズン3度目の表彰台を手に入れました。

 #17 KEIHIN HSV-010に続く5位を走行していた#1 ウイダー HSV-010もシリーズタイトル争いにとって貴重な4位フィニッシュを果たしました。

 47周目まで9位につけていた#100 RAYBRIG HSV-010はレース終盤に向けて尻上がりに調子を上げていき、48周目から50周目までの間に3台のライバルを立て続けに攻略、6位へと躍進し、最後は5位でチェッカーフラッグを受けました。#32 EPSON HSV-010も48周目に1台を追い抜くなど、レース後半は復調して12位完走を果たしました。なお、ステアリング系のトラブルが最後まで解消できなかった#8 ARTA HSV-010はトップから4周遅れの14位でフィニッシュしました。

 この結果、チャンピオン争いのドライバー部門では#1 ウイダー HSV-010に乗る小暮選手とデュバル選手が8ポイントを上乗せして52点とし、ポイントリーダーとのギャップを4点詰めて8点差としました。#17 KEIHIN HSV-010の金石選手と塚越選手は41点で4位、#100 RAYBRIG HSV-010の伊沢選手と山本選手は29点で8位、#32 EPSON HSV-010の道上選手と中山選手は12点で13位、#8 ARTA HSV-010の武藤選手と小林選手は7点で15位となっています。一方のチーム部門では、#1 ウイダー HSV-010を走らせるウイダー ホンダ レーシングがトップと12ポイント差の65点で2位につけており、2年連続のダブルタイトル獲得に向けて着実にポイント差を縮め、残り2戦を迎えます。

 SUPER GT第7戦は10月1~2日に大分県のオートポリスで開催されます。

瀧敬之介|Honda GTプロジェクトリーダー
 「昨日の予選結果を考えれば、まずまず満足できる成績だと思います。#1 ウイダー HSV-010に乗るデュバル選手がいいペースで前半を走りきったのに続き、ピットクルーががんばってくれたおかげでほかのチームよりも3秒近く早い23秒でピット作業を終えることができました。さらに、そのあとを受け持った小暮選手が追い上げて4位入賞を果たしました。決してベストなリザルトとはいえませんが、全員が最大限の努力を尽くした結果だと受け止めています。また、ポイントリーダーとのギャップを詰め、タイトル防衛に望みをつなげられたこともよかったと思います。#17 KEIHIN HSV-010では後半を担当した塚越選手の奮闘が印象的でした。ライバルを攻略できなかったのは残念でしたが、激しいバトルを繰り広げながらも落ち着いてレースを走りきり、11点を獲得してくれました。ドライバーとしての成長ぶりを感じさせるレースでした。残る2戦は、いずれもHSV-010 GTに有利なコースでの開催です。チームとドライバーが一体となって取り組み、総合力を発揮して逆転タイトルの獲得を目指します。引き続きご声援をよろしくお願い申し上げます」
金石年弘選手(3位 #17 KEIHIN HSV-010)
 「予選の順位(10番手)から考えると、3位入賞は結果的によかったのではないかと思います。レース序盤から攻めていこうと思ったのですが、ほかのマシンも状態がよかったので、ピットと相談して早めに塚越選手と交代する作戦にしました。終盤に塚越選手がライバルマシンとデッドヒートをしたものの、抜くことができなかったのは悔しかったですが、気持ちを切り替えて、また次戦でがんばりたいと思います」
塚越広大選手(3位 #17 KEIHIN HSV-010)
 「金石選手のペースはよかったのですが、前が混雑していたので予定よりも早くピットインして、空いているコースで自分が勝負する作戦に切り替えました。その作戦が奏功したと思いますし、ペースもよかったので順位も上げることができました。終盤のライバルマシンとのバトルは、5月の岡山ラウンドのリベンジを果たしたい気持ちもあったのですが、今回も抜くことができずに残念でした。ただ、自分としてはやるだけのことをやって抜けなかったので、もっと勉強して速くなれるようにがんばります。残り2戦で勝たないとチャンピオンは難しいと思います。次戦ではウエイトハンデが軽くなりますし、搭載ウエイトが軽いときはマシンも速いことはテストで実証できているので、残り2戦はどんどん攻めて、最後までチャンピオンシップ争いを楽しめるシーズンになるようにがんばります」
小暮卓史選手(4位 #1 ウイダー HSV-010)
 「表彰台に上がりたかったのですが、4位という結果は悪くないと思います。ドライバーポイントも8ポイント差に縮まりましたし、マシンの状態も悪くないので、次のレースも積極的に攻めてポイントリーダーに追いつきたいです」
ロイック・デュバル選手(4位 #1 ウイダー HSV-010)
 「いい結果が得られました。今日のレースではポイントリーダーの前でフィニッシュすることが目標でしたが、これを成し遂げることができました。フィニッシュまで残り10周の段階で僕たちは5位、ライバルは10位を走っていたので、ポイント差を大きく詰められると期待していましたが、その後、ライバルは7位まで追い上げてフィニッシュしました。このことは残念といえば残念ですが、まだ2戦残っているので、何が起こるか分かりません。幸い、残る2戦はHSV-010 GTにとって有利なコースなので、逆転チャンピオンを目指して全力を尽くします」
Text & Photo: HONDA


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