SUPER GT

SGT:第4戦セパン KEIHIN NSX (金石年弘/塚越広大組)が初表彰台となる2位 (HONDA)

ARTA NSXが3位、#100 RAYBRIG NSXが4位
  • 2009年6月21日(日)決勝
  • 会場:セパン・インターナショナルサーキット(5.543km)
  • 天候:予選/晴れ 決勝/曇り
  • 気温:32℃(16:00現在)
  • 路面温度:40℃(16:00現在)
  • 決勝レース:54周(299.332km)
  • コースコンディション:決勝/ドライ
  • 観客:3万586人(主催者発表)

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 6月21日(日)、マレーシアの首都クアラルンプールの郊外にあるセパン・インターナショナルサーキットにおいて、2009 オートバックス SUPER GT第4戦「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」の決勝レースが開催された。

 セパン・インターナショナルサーキットで開催されるマレーシアラウンドは、毎年厳しい暑さの中で行われる過酷なレースだけに、壮絶なサバイバル戦となる。コースレイアウトは、テクニカルな中高速コーナーが多く、NSX-GTとの相性のいいサーキットであるが、高温多湿のコンディションは、ドライバー、マシン、タイヤにとって非常に過酷なものとなっている。

 20日(土)に開催された公式予選においてNSX-GTは、予選1回目の上位8台で決勝グリッドを争うスーパーラップに#18 ROCKSTAR 童夢 NSX、#100 RAYBRIG NSX、#8 ARTA NSXの3台が出場。このスーパーラップの結果、#18 道上龍/小暮卓史組(ROCKSTAR 童夢 NSX)が3番グリッド、#100 井出有治/細川慎弥組(RAYBRIG NSX)が5番グリッド、#8 ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組(ARTA NSX)が6番グリッドを獲得した。#17 金石年弘/塚越広大組(KEIHIN NSX)は11番手、#32 ロイック・デュバル/中山友貴組(EPSON NSX)は13番手となった。しかし、決勝日の午前中に行われたフリー走行後、#100 RAYBRIG NSXがマシントラブルによりエンジン交換を行いペナルティを受けたために、#17 KEIHIN NSXが10番グリッド、#32 EPSON NSXが12番グリッド、#100 RAYBRIG NSXが14番グリッドからの決勝スタートとなった。

 21日(日)の決勝レースは、日中の厳しいコンディションを考慮して午後4時からのスタートとなった。しかし、スタート直前でも気温32℃、路面温度40℃もあり、体力的・精神的な強さを試される54周の決勝レースとなることに変わりはない。

 直前まで雨が降り不安定な天候が続いたが、決勝スタート直前では強い日差しが戻った。路面は完全にドライコンディションとなり、参加台数33台(GT500クラス14台)のマシンが午後4時4分にローリングスタートを切った。

 スタートは、ポールポジションのマシンがトラブルのために遅れ、#18 ROCKSTAR 童夢 NSXの小暮選手が2位、#8 ARTA NSXのR.ファーマン選手が3位につけた。しかし、#8 ARTA NSXは徐々にポジションを下げたために、オープニングラップのポジションは2位に#18 ROCKSTAR 童夢 NSX、5位に#8 ARTA NSX、6位に大きくポジションを上げた#100 RAYBRIG NSXの井出選手、8位に#17 KEIHIN NSXの金石選手、12位に#32 EPSON NSXの中山選手となった。

 2位を走行する#18 ROCKSTAR 童夢 NSXは、トップを走行する#3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-Rに遅れること約2秒で走行を続けた。このトップ2台だけがベストタイムで2分1秒台を記録。一方で4位争いは、#8 ARTA NSXと#100 RAYBRIG NSX、#17 KEIHIN NSXを含めた計5台がし烈なバトルを繰り広げる展開となった。

 12周を終えた時点で、トップから3位までが、それぞれ約2秒の間隔で走行し、さらに約2秒差でグループから抜け出した4位の#8 ARTA NSXと5位の#100 RAYBRIG NSXが続いた。

 20周目に入り、#8 ARTA NSXと#100 RAYBRIG NSXが前を走るマシンに追いつく。この周の終わりで3位のマシンが1回目のピットインを敢行したために、#8 ARTA NSXと#100 RAYBRIG NSXは暫定3位と4位に浮上した。

 22周目、#100 RAYBRIG NSXの井出選手が3位に浮上。23周終了時点で、NSX-GT勢の先陣をきって9位の#32 EPSON NSXがドライバー交替を敢行した。

 26周終了後、2位を走行していた#18 ROCKSTAR 童夢 NSXがドライバー交替を敢行。リアタイヤのみの交換で24秒1の素早いピット作業を行い、道上選手がコースに復帰した。ピットタイミングのアドバンテージでトップを狙っていた道上選手だったが、ペースが上がらずに、トップを走行するマシンがドライバー交代を終えた時点で2台の差は15秒以上もついてしまった。ここから追い上げを図りたい#18 ROCKSTAR 童夢 NSXだったが、32周目で後続のマシンから接触を受けたためにスピンを喫し、コースには復帰したものの順位を大きく落としてしまった。

 33周終了時には、#100 RAYBRIG NSXも細川選手にドライバーを交替。次周には、#8 ARTA NSXも伊沢選手に交替し、コースに復帰した時には実質2位に浮上した。

 38周時点で、#8 ARTA NSXはトップから約11秒遅れて2位を走行。続く3位に#100 RAYBRIG NSX、5位に#17 KEIHIN NSX、6位に#18 ROCKSTAR 童夢 NSX、#32 EPSON NSXは12位を走行している。

 5位を走行する#17 KEIHIN NSXの塚越選手は、果敢な走りで前車を攻め続け、40周目の1コーナーでアウト側から並んだ後、2コーナーで抜き去り4位に浮上する。これにより、 NSX-GT勢は2-3-4位を走行することになった。45周目に塚越選手は3位に浮上し、さらに前を走行する#8 ARTA NSXを攻め、48周目の最終コーナーで2位に浮上した。

 54周で争われたマレーシアラウンドは、#17 KEIHIN NSXが2位でチェッカーフラッグを受け、チームとしてSUPER GTシリーズ初の表彰台を獲得した。続いて#8 ARTA NSXが3位で今シーズン3回目の表彰台を獲得。4位に#100 RAYBRIG NSX、#32 EPSON NSXは11位、#18 ROCKSTAR 童夢 NSXは12位となり、NSX-GT全車が完走を果たした。優勝は#3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-Rだった。

 この結果、ドライバー部門のシリーズチャンピオン争いにおいて、#8 ARTA NSXのR.ファーマン選手/伊沢選手が、計33ポイントを獲得してランキング3位に浮上。チーム部門では、AUTOBACS RACING TEAM AGURIが計43ポイントを獲得してランキング3位となっている。

コメント
白井 裕(Hiroshi Shirai)|NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー
 「今回は各マシンとも仕上がりがよく、予選から優勝への手応えを感じていました。しかし、優勝には届かず、非常に悔しい結果となりました。また、4位に入賞した100号車が決勝前にエンジン交換を強いられたことは、予選でも好調だっただけにチームに申し訳なく思っています。しかしながら、NSX-GT全体としては今回の結果で、マシンが持つポテンシャルの高さを証明することができたと感じています。さらに、すばらしい走りをみせてくれた塚越選手をはじめ、若いドライバーたちの成長を感じるレースでした。これからシーズンは折り返しとなりますが、次戦のSUGOラウンドでは優勝争いとシリーズタイトル争いに加われるようにマシンを仕上げていきたいと思います。ご声援よろしくお願いします」
金石年弘選手(2位 #17 KEIHIN NSX)
 「予選はタイミングがうまくいかずに思うようなグリッドが得られませんでした。あと1周走ることができれば上位を狙えました。今回は、雨の影響もあってセッティングが難しい状況でしたが、スタッフががんばってくれたおかげでマシンのバランスがよく、満足のいく仕上がりになっていました。広大(塚越)が初めてのセパンサーキットでしたので、土曜日から彼の走行距離を増やすようにしたのが功を奏して、決勝でも本当にいい走りをしてくれました。今後は、予選でもタイムを出せるようなマシンにしていきたいと思います。次戦からウエイトハンデが厳しくなりますが、1ポイントでも多く取れるようにがんばりたいと思います。これからも応援をよろしくお願いいたします」
塚越広大選手(2位 #17 KEIHIN NSX)
 「ここは初めてのサーキットだったので、走り込みたかったのですが、土曜日から雨が降ったりして満足のいく練習ができませんでした。でも、チームスタッフと年弘(金石)さんがいいマシンに仕上げてくれたおかげで、最後まで思いきって走りきることができました。やっとNSX-GTやフォーミュラ・ニッポンのマシンに慣れてきた感じです。まだ、バックマーカーの処理やアウトラップのタイムなど課題がたくさんありますので、これから一生懸命に努力していきたいと思います。次のSUGOラウンド以降もチーム一丸となって表彰台の一番上を狙えるようにがんばりたいと思います」
Text & Photo: HONDA


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