SUPER GT

S-GT第2戦岡山決勝 NSXが1-2フィニッシュ!

2006オートバックスSUPER GT第2戦 岡山GT300㎞は、ポールポジションからスタートした#18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)が後続を全く寄せ付けず、2位に40秒051の大差をつけてGT500クラスを制した。
2位には#100RAYBRIG NSX(セバスチャン・フィリップ/細川慎弥組)が入り、NSXが1-2フィニッシュを達成した。
GT300クラスは、#27direxivADVAN320R(蜜山祥吾/谷口信輝組)が、激しいバトルを制して初優勝を遂げた。
(観客動員数:56,100人)

060409_wingt500 午後2時、決勝がスタートした。
ポールシッターの#18道上龍がホールショットを決め、一気に後続を突き放しに掛かる。
#100セバスチャン・フィリップ、#3横溝直輝が続き、ここまでは予選順位どおりだ。
しかしその後方では、#66アンドレ・クートと#23本山哲が1コーナーで絡んでコースオフ。2台ともすぐに戦列に復帰したが、ザナヴィZは右リヤフェンダーを大きく破損、これに対してオレンジボールが出され、4周目に本山はピットイン。
フェンダーの応急処置と、右リヤタイヤのチェックにかかるが、結局19周目のレッドマンコーナーの手前でストップ。昨年に引き続いて不運な結末を迎えることとなった。

順調に後続との差を広げていく1位道上、2位フィリップの後方では、3位横溝を4位ファーマンが激しく追い立てるが、横溝も懸命に押さえ込む。その更に後方では、#32武藤、#22クルムが激しい5位争いを展開、これに#36ロッテラー、#12トレルイエらが次第に接近してくる。
ところが14周目、#8、#35、#36にドライブスルーペナルティ。
ロッテラーはすぐにピットイン。11番手に後退してコースへ。
4位を走行していたファーマンは次の周回でピットイン。10番手まで後退した。
続いてダンブレックもピットイン。

その後も武藤、クルム、トレルイエの3台は接戦を繰り広げていたが、18周目の最終コーナー手前で武藤が痛恨のスピンアウト。タイヤバリアに突っ込んでストップしてしまった。
クルムと接触した可能性がありそうだ。
武藤はなんとか再始動し、そのままピットへ。右リヤを破損している模様で、そのままガレージへ戻されてしまった。

ペナルティで後退していた#8ARTA NSXだが、ファーマンはしぶとく走行を続け、すぐ前を走る#25織戸学を追い立て、22周目のヘアピン進入で織戸のインをついて8番手に上がる。

31周終わりで#1ZENTセルモSCがピットイン。高木虎之介から立川祐路に交代して33秒でピットアウト。これをきっかけに各車相次いでピットへ。

34周終わりで#3イエローハットZがピットイン。横溝からオリベイラに交代して38秒4でピットアウトするが、既にピット作業を済ませていた#1セルモSC立川にこの周で3位の座を明け渡すことになってしまった。

37周終わりで#22モチュールZがピットイン。クルムから山本左近に交代。冷えたタイヤに手間取る山本はアウトラップでコースをはみ出し、復帰の際に後方から来た車と危うく接触しそうになるが、その後は安定したペースで#3オリベイラを追い上げていく。
この周で#8ARTAもピットイン。伊藤大輔にバトンタッチして上位復帰を目論む。

トップのTAKATA童夢は39周終わりでピットイン。道上は2位レイブリックに12秒3の差をつけて小暮卓史にNSXを託す。作業時間は34.1秒だ。
2位のレイブリックも続いてピットへ。フィリップから細川慎弥にバトンタッチ。

その細川を激しく追い詰め、42周目の1コーナーで攻略したオリベイラがなんと2コーナーでスピン。これで#3イエローハットZは#22モチュールZにも抜かれてしまった。

この時点でのトップは、まだピットストップを済ませていない#12カルソニックZ。
2位TAKATA童夢NSXとは41秒のギャップがある。

トレルイエは46周終わりでTAKATA童夢に37秒差をつけて漸くピットイン。
星野一樹に交代、33秒7で作業を済ませ、3位でコースに戻っていく。
しかしタイヤの温まっていないカルソニックZは、アトウッドカーブであっさりとモチュールZに抜き去られてしまう。

これで再びトップは#18TAKATA童夢NSXに。
2番手には#1ZENTセルモSCがつけているが、その差は18秒にもなっている。
3番手は#100レイブリックNSX、4番手に#22モチュールZがつけている。

星野は後方から追い上げてきたオリベイラにも激しく追い立てられ、50周目のヘアピンでインを突かれて6位に落ちてしまう。
オリベイラはなおもハイペースで追い上げ、60周目には山本のテールに張り付いた。しかし山本もつけ入る隙を与えない。逆に周回遅れを利用して突き放しに掛かる。

66周目、#1ZENTセルモSCに黄旗追越によるペナルティのボードが出された。
67周終わりで立川がピットイン。10秒ストップの後に7位でコースに戻っていく。
これでレイブリックが2位に上がり、NSXの1-2体制が出来上がった。

75周目、ヘアピン進入で星野をインから抜き去った伊藤大輔だったが、星野に立ち上がりで抜き返され、逆にレッドマンで後ろから来た立川にパスされてしまった。
立川は更に76周目のヘアピンで星野を攻略し、5位に浮上。さらに前を行くオリベイラをも追い詰めていく。ファイナルラップであわや接触という激しいバトルを繰り広げるも、オリベイラも一歩も引かず、立川の猛追を押さえ込んで4位を死守した。

トップの小暮はその後も順調に飛ばしていき、最終的には2位細川に40秒051の大差をつけてチェッカーを受けた。

TAKATA童夢NSXの優勝は2003年第5戦、旧レイアウトで行われた最後の富士のレース以来だ。
昨年TAKATA童夢に加入した小暮にとっては初めてのGT優勝だ。

060409_wingt300_1 GT300クラスは、ポールの#47吉兆宝山Zがスタートを制するが、6周目に#110松田秀士が#47佐々木孝太をパス。トップを奪うと、一気に後続を突き放しに掛かる。佐々木の背後からは#27谷口信輝が迫ってくる。佐々木と谷口が2位争いを展開する間に松田はリードを広げていく。

19周目、クラス4位につけていた#13影山正美がペースの上がらない#27谷口をパス、3番手に上がると、2位を走る佐々木との差をも詰めていく。22周目には早くもテール・トゥ・ノーズ状態に持ち込み、数周を待たずにこれを抜き去っていった。
これで#46吉兆宝山Zは3位に後退、今回もポールポジションの優位を活かせなかった。

30周を終わっての順位は
#110、#13、#27、#46
トップの松田は影山に対して4.8秒のリード。
影山も谷口に対して4.5秒差をつけた。

39周終わりで松田秀士がピットへ。菅一乗に交代して9番手でコースに復帰。
この間に影山を抜き返していた谷口がトップに立った。

影山は47周終わりでピットイン。藤井誠暢に交代して5位でコース復帰。

トップに立っていた#27ディレクシブ320Rは50周終わりでピットイン。蜜山祥吾に交代して32秒8でコース復帰すると、背後に迫ってきた#110ボクスターの猛追をタイヤの冷えた状態ながらも力ずくで押さえ込み、トップを死守する。

3番手には#11フェラーリの青木孝行が上がってきた。
青木は68周目の1コーナーでオーバーランした菅抜き去り、2位に浮上するが、トップ蜜山を脅かすまでには至らず、#27ディレクシブがチーム結成以来始めての優勝を岡山の地で成し遂げることとなった。
蜜山にとっては2002年の第7戦美祢以来、谷口にとっては2004年の第2戦菅生以来の優勝である。

(TEXT: Kazuhisa SUEHIRO  PHOTO:Keiichiro TAKESHITA)



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース