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SGT:第1戦鈴鹿決勝 大クラッシュから蘇ったHIS GT-Rが2年連続で開幕戦を制す!GT300は雨宮RX-7が優勝

2010オートバックスSUPER GT第1戦「鈴鹿GT300km」の決勝レースが3月21日、鈴鹿サーキットで行われた。
優勝は#24HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信組)。
昨日の予選でのクラッシュから見事に復活し、目まぐるしく天候の変わる荒れたレースを巧みなドライブとピット作戦で切り抜け、昨年の岡山に続いて2年連続で開幕戦を制した。
GT300クラスはポールシッターの#7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC7(谷口信輝/折目遼組)が、序盤のコースアウトから見事に順位を挽回して勝利。谷口はサポートイベントのシビックインターカップとあわせてこの日2つ目の優勝をものにした。(天候:曇りのち晴れ コース:セミウェット>ドライ 観客動員数31,000人)

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決勝レースは午後2時にスタート。
ウォームアップランで一時雨が降り始めたものの、スタート進行が始まる頃には一旦上がったため、殆どのチームがスリックタイヤでグリッドに着き、一部ウェットを選択したチームもグリッド上でスリックタイヤに履き替えた。

ところがフォーメーションラップを開始するや否や、西コースの方角から雨雲が上空を多い尽くし始め、瞬く間に路面はウェットに変化した。
これがレース展開に大いに影響を及ぼし、GT300クラスは1周目のデグナーで多重クラッシュが発生、上位陣が総崩れ状態に陥った。
一方GT500クラスも1コーナーは慎重にグリッド順どおりで抜けて行ったが、130Rでトップの#18ウイダーHSV-010がアウトに飛び出し、一気に後方に沈む。ドライバーは小暮卓史だ。
続いて2周目の1コーナーでは#1ペトロナスSC、#23モチュールが立て続けにコースを飛び出した。一方#35KRAFT SCを駆る大嶋和也は#38ZENT SCのリチャード・ライアンを抜きトップに躍り出た。
この結果2周終えての順位は、 #35、 #38、 #6、 #24、 #23、 #1、 #32、 #39、 #12、 #8、 #100、 #18、 #17の順。
ここから#35大嶋が一気に後続を突き放しにかかり、2位#38ライアンとの差を5秒以上に広げていく。
ライアンはペースを上げることが出来ず、これに引っかかった後続車が長い隊列を形成する。
昨日のクラッシュから今朝の4時までかかって修復作業を行った#24HIS GT-Rもその中の1台だ。

スタートドライバーのオリベイラは、周回遅れに詰まった#6エネオスSCを9周目に抜き去ると、間髪を入れず#38ZENTとの差をも縮めにかかる。
防戦に必至のライアン。この間にトップの大嶋はどんどん逃げていく。
その後方では、激しい追い上げを敢行していた#1ウイダーHSVが、すぐ前を併走する#32エプソンHSVと#8ARTA HSVのインに飛び込んでいった。
ところがこの動きを察知していなかった#8ラルフ・ファーマンがイン側に牽制の動きをみせたことが引き金となって3台が接触、8号車と18号車は1コーナーを飛び出して原形をとどめないほどに大破してしまった。

これにより10周目からセーフティーカーが導入され、トップ大嶋の築いたマージンは水泡に帰した。
走行を続けていた32号車も右フロントバンパーを破損してピットイン。しかしこの時点では未だピットレーンはクローズの状態だったため、#32エプソンHSVにはレース終盤60秒のペナルティストップが課せられた。
SCランは15周目で終了。16周に入ったところでレースは再開された。

規定周回数の3分の1を消化した直後の19周目に#23モチュールGT-Rがピットイン。
これを皮切りに上位陣が相次いでピット作業を行い、2位の#38ZENTは23周終わり、トップの#35KRAFTは24周終わりでピットに飛び込んだ。
この結果、冷えたタイヤにてこずる#35石浦宏明を#38立川祐路が25周目のデグナーで攻略、ペースの上がらない石浦は25周終わりでリヤ2本交換のピットストップを行った#17ケーヒンHSVにも先行される結果となった。
これでトップに繰り上がったのが#24HISだ。

24号車は規定一杯の34周までオリベイラが引っ張って漸くピットに飛び込み、タイヤ無交換で安田がトップのままコースに飛び出していく。
後方の#6エネオスSCには逆に10秒以上のマージンを築いた。
3番手には#100レイブリックHSV。ここもタイヤ無交換でルーキー山本尚貴が目覚しい追い上げを見せ、#6伊藤大輔との差を徐々に削り取っていく。

その後方では#38ZENT、#17ケーヒン、#1ペトロナスの三つ巴のドッグファイトが展開されたが、50周目のシケインで#38立川のインに#17塚越広大が飛び込み、両者は激しく接触。これにより38号車はフロントタイヤをバーストさせて1コーナーで飛び出してしまう。
このアクシデントにより17号車には27秒加算のペナルティが課せられた。

結局24号車は終盤クルージングに入りながらも後続に付け入る隙を与えずに52周を走破。
昨年の岡山国際サーキットに続いて2年連続で開幕戦を制した。

オープニングラップから波乱に満ちた展開となったのがGT300クラスだ。
まずデグナーで飛び出してコースに戻ってきた#7雨宮RX-7を回避しようとアウトに進路を変えた#43ARTAガライヤが濡れた縁石に足をとられてスピン、そこへ団子状態で入ってきた#2紫電が避けきれずに追突、#9初音ミクポルシェ、#31カローラアクシオらも巻き込まれて4台が後方に沈む。雨宮RX-7も6位に後退した。

これでトップに立ったのが#11ジムゲイナー。しかし#33ハンコックポルシェが2周目のバックストレッチで並びかけ、130Rでインを突いてトップに躍り出る。#33影山正美は実に2周で11台抜きという離れ業を演じた格好だ。
ハンコックポルシェは影山が規定ぎりぎりの34周まで引っ張ってピットイン。リヤ2本を交換して木下みつひろがピットアウトしていく。しかし33号車は給油にてこずっている間に後方から追い上げてきた#7雨宮RX-7に先行されてしまった。

実は7号車もまた、GT500の24号車と同じくタイヤ無交換作戦を採り、アウトラップからハイペースで周回を重ねていたのだ。
この作戦とスタートドライバー谷口のアグレッシブな走り、途中で入ったSCランが奏功し、7号車は見事トップに復帰、最後は折目がペースをコントロールする余裕すら見せながらクラス優勝を物にした。
谷口はサポートレースのシビックインターカップでもポール・トゥ・ウィンを果たしており、今日一日で二つの勝利を、いずれもポール・トゥ・ウィンで成し遂げた。
2位には序盤のコースアウトを挽回してきた#46モーラZ、3位には#19ウェッズスポーツISが入った。

次戦は岡山国際サーキット。
4月4日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA & Motorsports Forum



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