SUPER GT

SGT:第1戦岡山決勝 RAYBRIG HSV-010)が2位、PPのKEIHIN HSV-010は3位となりHSV-010 GTが2台そろって表彰台を獲得 (HONDA)

2011年5月22日(日)・決勝 場:岡山国際サーキット(3.703km) 周回数:68周 天候:曇りときどき晴れ 気温:23℃(14:00現在) 路面温度:29℃(14:00現在) コースコンディション:決勝/ドライ 観客:1万5000人(主催者発表)

gt110522005L.jpg  5月22日(日)、岡山県美作市にある岡山国際サーキットにおいて2011 オートバックス SUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 250KM RACE」の決勝レースが行われた。シリーズ上の位置づけは「第1戦」だが、東日本大震災の影響で日程が変更され、第2戦富士ラウンドが先に開催されたため、実際には2戦目となっている。

 昨日行われた予選では、#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)がポールポジションを獲得。さらに#100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)が3番グリッドを手に入れており、今季初の優勝ならびに2台そろっての表彰台獲得に大きな期待がかけられている。

 決勝日は、朝のうちに一時雨が強く降ったため、午前8時30分から予定されていたフリー走行はキャンセルとなった。その後、昼前に雨は止み、コースは完全にドライコンディションとなったが、午後になると雲の合間から時折り太陽が顔をのぞかせ、それにつれて気温も上昇する空模様となった。

 ポールポジションの#17 KEIHIN HSV-010は金石選手、3番グリッドの#100 RAYBRIG HSV-010は伊沢選手、7番グリッドの#8 ARTA HSV-010は小林崇志選手、9番グリッドの#1 ウイダー HSV-010はロイック・デュバル選手、13番グリッドの#32 EPSON HSV-010は道上龍選手がそれぞれスタートドライバーを務める。

 決勝はローリングスタート方式で、午後2時4分にグリーンライトが点灯。ポールポジションスタートの#17 KEIHIN HSV-010はホールショットを奪い、ハイペースで後続を引き離しにかかる。以下、#100 RAYBRIG HSV-010が3番手、#1 ウイダー HSV-010は1つ順位を上げて8番手、#8 ARTA HSV-010は10番手、#32 EPSON HSV-010は2つ順位をあげて11番手でオープニングラップを終えた。2周目、#32 EPSON HSV-010は#8 ARTA HSV-010をオーバーテイクし、10番手となる。#8 ARTA HSV-010はペースが伸び悩み、4周目までに14番手へと順位を落としてしまう。

 予選で手応えをつかみながら予想外の9番手で終えていた#1 ウイダー HSV-010は本来のペースを取り戻し、5周目に7番手、7周目には6番手へと浮上。トップを快走する#17 KEIHIN HSV-010、3番手の#100 RAYBRIG HSV-010とともに、3台そろっての上位フィニッシュに期待がかかる。

 10周目の段階で5台のHSV-010 GTは#17 KEIHIN HSV-010がトップ、#100 RAYBRIG HSV-010が3番手、#1 ウイダー HSV-010が6番手、#32 EPSON HSV-010が9番手、#8 ARTA HSV-010が14番となり、いずれも順調に周回を重ねていく。安定したペースで走行する#32 EPSON HSV-010は20周目にライバルの1台を抜いて8番手に浮上。25周目には#8 ARTA HSV-010も同じマシンをパスして13番手となる。

 28周目、ならびに29周目を終えたところで3位の#100 RAYBRIG HSV-010と、トップを走行する#17 KEIHIN HSV-010が相次いでピットイン。タイヤ交換とドライバー交代を行い、コースに復帰する。このとき、塚越選手に交代した#17 KEIHIN HSV-010はピットインのタイム差により、それまで2番手を走行していたライバルの直後につける形になり、実質的なポジションは2番手となった。これを皮切りに各車続々とピットイン。それらが一巡した42周目には、#17 KEIHIN HSV-010が2番手、山本選手がドライブする#100 RAYBRIG HSV-010は4番手、小暮卓史選手の#1 ウイダー HSV-010は9番手、武藤英紀選手の#8 ARTA HSV-010は13番手となっていた。#1 ウイダー HSV-010は32周目を終えてドライバー交代を行った際、シートベルトがロックできないというトラブルが発生してピットストップに1分以上を要し、順位を落としていた。一方、35周目を終えてピットストップを行った#32 EPSON HSV-010は、中山友貴選手がピットアウトした直後にヘアピンで他車と接触、タイヤがパンクしたために再びピットインを行い、やはり順位を落とした。

 2番手の#17 KEIHIN HSV-010はトップのマシンを猛追し、他を圧倒するペースで走行を重ねる。その差は42周目にわずか0.1秒となり、ここから3周にわたって息もつかせない接近戦を繰り広げた。しかし、45周目のヘアピンコーナーで右のイン側を走行していた#17 KEIHIN HSV-010に乗る塚越選手がわずかに姿勢を崩してしまい、止まりきれずにトップのマシンの右側面に接触。これで2台はそろってスピンしたが、塚越選手はいち早く体勢を立て直し、トップで走行を再開する。しかし、この行為がドライビングスルーペナルティの対象となり、47周目を終えたところで塚越選手はペナルティを消化、4番手となってコースに復帰した。また、これにより#17 KEIHIN HSV-010が接触してスピンを喫したライバルのマシンが、トップのポジションに復帰している。

 48周目の段階で、#100 RAYBRIG HSV-010は2番手、#17 KEIHIN HSV-010は4番手、#1 ウイダー HSV-010は9番手、#8 ARTA HSV-010は13番手、#32 EPSON HSV-010は14番手となって走行。このあとも5台のHSV-010 GTは追撃の手を緩めず、デュバル選手は49周目に、塚越選手は51周目にそれぞれライバルをパス、1つずつ順位を上げた。さらに、デュバル選手は58周目にも1台をオーバーテイクし、7番手へと駒を進める。

 レースはそのまま終盤に入ったが、5人のHondaドライバーは最後まであきらめることなく、1つでも上の順位を目指して走行を続けていく。その結果、#32 EPSON HSV-010はファイナルラップまでに相次いで2台をパス、12番手に浮上した。その次周、68周目にわたるレースにチェッカーが振り下ろされ、#100 RAYBRIG HSV-010は2位、#17 KEIHIN HSV-010は3位となってHondaにダブル表彰台をもたらした。以下、#1 ウイダー HSV-010は7位入賞、#32 EPSON HSV-010は10位、#8 ARTA HSV-010は12位で完走を果たしている。優勝は#12 カルソニック IMPUL GT-Rだった。

瀧敬之介|Honda GTプロジェクトリーダー
 「優勝できるレースだと思っていたので、勝てなかったのは残念ですが、レース中も安定したペースで走行できることが確認できたのは大きな成果でした。しかも、タイヤに優しいクルマであることも改めて確認できました。1号車と32号車はタイヤ無交換の戦略を選んでいましたが、それができたのもHSV-010 GTのタイヤに優しいという性格があればこそだったと思います。また、優勝を目指して追い上げていた塚越選手は、少し若さが出てしまったかな、という気がします。いずれにせよ、今後もあの元気のよさを発揮して活躍して欲しいと思います」
伊沢拓也選手(2位 #100 RAYBRIG HSV-010)
 「山本選手の最後の粘りで獲得できた2位だと思います。個人的にはチョイスしたタイヤが厳しく、苦戦してしまったので、もっといい流れで山本選手にバトンを渡すことができれば、展開ももっとよかったと思います。開幕戦から『自分たちで流れをつかみ取れている』という実感があり、マシンも常に上位にいられる仕上がりが保てています。気持ちよくドライブすることができていて、それが結果にもつながっていますので、次戦は優勝が果たせられるように戦っていきたいです」
山本尚貴選手(2位 #100 RAYBRIG HSV-010)
 「前半の伊沢選手は、タイヤの状況が厳しく、期待していたよりタイムも順位も伸びなかったので相当つらかったと思います。ただ、その状況下で必死に走っている姿は心に響くものがありました。また、スタート前に伊沢選手から『頼むから待っていてくれ』と言われていたので、その言葉を信じ、レースの状況をしっかりと把握していました。ピットイン時に順位を下げてしまいましたが、『絶対に抜き返す』という思いでいっぱいでした。過去のレースのDVDを観て研究していて、狙い通りのポイントで自信を持って抜くことができました。優勝に手が届かなかったのは残念ですし、悔しいですが、現状の中ではベストに近いレースができたのではないかと思います」
金石年弘選手(3位 #17 KEIHIN HSV-010)
 「スタートから後ろのペースを見つつ、タイヤもいたわりながらしっかりと走ることができました。ピットインのタイミングも相談しながら、ベストのタイミングで入れたと思います。優勝できる速さがあっただけに、接触というミスで順位を落としてしまい、本当にもったいないレースでした。ただ、チーム一丸となってセッティングを煮詰めた結果、速さを求められるマシンに仕上がっていることが今回のレースを通じて確認できましたので、今後につながると思います。次戦では必ずリベンジします」
塚越広大選手(3位 #17 KEIHIN HSV-010)
 「自分のミスで勝てるレースを落としてしまい、チームに対して申し訳なく思っています。とてもいいマシンに仕上げてもらったのに、台無しにしてしまいました。マシンの調子はとてもいいので、次戦でばん回できるようにがんばります」
Text & Photo: HONDA


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース