SUPER GT

SGT:第1戦鈴鹿 チーム ルマンのLEXUS SC430が2位表彰台獲得 (TOYOTA)

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2位表彰台を獲得したENEOS SC430 6号車の
伊藤大輔(左)とビヨン・ビルドハイム(右)

 SUPER GTの2010年シーズン第1戦「SUZUKA GT 300km」が3月20日(土)、21日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。

 今季のSUPER GTではライバル勢が新型車両、新エンジンを投入するが、昨年いち早く新規定に合わせた車両を投入し、見事タイトルを獲得したレクサスチームは、熟成を進めたLEXUS SC430でタイトル防衛を狙う。

 今大会にはGT500クラスに5台のLEXUS SC430が出場。GT300クラスに1台のLEXUS IS350と2台のカローラアクシオが出場した。

◆予選◆

 20日(土)午後1時15分からの公式予選1回目を経て、午後3時からノックダウン予選が行われ、決勝レースのグリッドが決定された。

 レクサス勢はZENT CERUMO SC430 38号車が最上位となる最前列2番手グリッドを確保。ENEOS SC430 6号車がその後方4番手、TDPの石浦宏明/大嶋和也組が駆るMJ KRAFT SC430 35号車も5番手と好位置からのスタート。ディフェンディングチャンピオンのPETRONAS TOM'S SC430 1号車は、惜しくも最終セッション進出を逃し、8番手。DENSO DUNLOP SARD SC430 39号車は13番手からのスタートとなった。

 GT300クラスでは、TDPドライバーコンビとして2年目を迎える井口卓人/国本雄資組のCOROLLA Axio apr GT 74号車が5番手。2009年チャンピオンのウェッズスポーツIS350 19号車が6番手。トヨタ/レクサス勢では唯一、全く新しいドライバーコンビでの参戦となった嵯峨宏紀/松浦孝亮組のapr COROLLA Axio 31号車は9番手につけた。

◆決勝◆

 21日(日)、決勝レースを前にしたウォームアップランの間に降り始めた小雨はまもなく止んだが、グリッドにレースカーが並び、エンジンがかけられた直後に再び雨が降り始めた。しかし、全車スリックタイヤのまま、午後2時に決勝レース(52周:約300km)のスタートが切られた。

 黄砂混じりの小雨によって滑りやすくなった路面で始まったレースは、序盤から波乱の展開。GT500クラスに続いてスタートを切ったGT300クラスでは、1周目のデグナーコーナーを回った先でスピンした車両に後続が突っ込み、多重クラッシュが発生。これに31号車が巻き込まれ、無念のリタイアとなってしまった。

 GT500クラスでは、38号車が2位のポジションを守る中、8番手グリッドの1号車が好スタートでポジションアップ。1周目の130Rで首位を走行していたウイダー HSV-010 18号車がコースオフしたため、38号車が首位に立ち、5番手からポジションを上げた35号車が2位、1号車が3位となった。しかし、1号車は2周目の第1コーナーでコースアウト。この波乱の中で35号車がトップを奪うと、38号車、6号車が続き、LEXUS SC430が1-2-3体制で序盤戦へ突入した。

 首位を行く、大嶋が駆る35号車は快調なペースで2位以下を引き離し、その差は一時5秒近くまで広がったが、11周目のメインストレートで接触した車両が第1コーナーのウォールに激しくクラッシュ。セーフティカーが導入され、35号車の築いたマージンは失われてしまった。

 しかし、16周目の再スタートでも35号車の大嶋は好ダッシュを見せ、首位の座を堅持。続く38号車と1号車による激しい2位争いが展開される中で、 35号車は再び後続との差を広げていった。

 レースは中盤に入り、23周目終了時に2位を走行していた38号車がピットイン。給油、タイヤ交換とドライバー交代を行った。翌周には首位を行く35号車がピットインし、好走を見せた大嶋から石浦へドライバー交代。石浦は38号車の前でピットアウトしたが、タイヤがなかなか暖まらず、ポジションダウン。

 27周目には39号車、28周目に1号車がそれぞれピットインを行ったが、ピットアウト後のタイヤ温度を上げるのに苦戦。天候が回復していく中で、ピットのタイミングを遅らせ、タイヤを交換しないなどの作戦を採ったライバル勢の先行を許してしまった。全車がピットを終えた時点で、31周目までピットを遅らせた6号車が2位、38号車が4位につけ、1号車は6位で38号車を先頭とする4位争いを展開した。

 後半好ペースで追い上げてきた、TDPドライバー 平手晃平の駆る39号車もこの4位争いに加わり、終盤は4台が連なっての激しいバトルとなった。残り2周に突入する最終シケインで、前を行く38号車をパスしようとしたKEIHIN HSV-010 17号車が38号車と接触。38号車はコースオフし、1号車と39号車がこの2台をパス。その順位のままチェッカーとなった。  6号車は2位でフィニッシュし、2008年の最終戦以来となる表彰台を獲得。1号車が4位、39号車が5位。 35号車は6位となった。38号車は接触でタイヤにダメージを負い、9位でレースを終えた。

 GT300クラスでは、31号車が早々に姿を消してしまったものの、ディフェンディングチャンピオンの19号車が最後まで激しいバトルを繰り広げ、見事3位表彰台を獲得。74号車はファイナルラップで勝負を仕掛け、惜しくもスピンを喫したが、8位でチェッカーを受けた。

ENEOS SC430 6号車 ドライバー 伊藤大輔:
テストが好調だっただけに、もう少し上の順位でフィニッシュしたかったが、いろいろと苦戦した中で、2位表彰台に上がれたことはまずまずの結果だと思う。天候の荒れた中で、ビヨン(・ビルドハイム)が冷静にレースを維持してくれた。アウトラップで順位を落とさないように対策し、あとはタイヤを持たせることに注力した。スポンサーやチーム、応援してくれたファンの皆さんに表彰台をプレゼントすることができて嬉しい。
ENEOS SC430 6号車 ドライバー ビヨン・ビルドハイム:
オフシーズンのテストで好調な結果を出してきたことが強みとなって、開幕戦からとてもポジティブに戦うことができた。冷静にタイヤマネージメントをしっかり考え、戦ったことが結果につながったと思う。今季のチャンピオンシップに向け、幸先の良いスタートが切れたことに満足している。
ウェッズスポーツIS350 19号車 ドライバー 織戸学:
チャンピオンとして迎えた今シーズン、開幕戦で3位表彰台が獲得できて安堵している。しかし、まだ足りない「何か」があると思うので、さらにクルマを煮詰めて、次戦以降もしっかり戦っていきたい。よく知った仲である片岡選手と目指すものは同じ。2連覇の目標に向かって、頑張るつもりだ。
ウェッズスポーツIS350 19号車 ドライバー 片岡龍也:
天候の荒れる中、またわれわれのクルマにとって苦手な鈴鹿サーキットで表彰台を獲得できたことは大きい。テクニカルだが、実はストレートがとても多いこのサーキットは、我々の19号車が昨年トップ5入りできなかったコースだ。開幕戦を迎えるにあたって、鈴鹿サーキットでもぜひ表彰台に乗りたいという希望もあり、3位の結果は2年連続チャンピオン獲得に向けて明るい材料だ。
Text & Photo: トヨタ自動車株式会社


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