SUPER GT

SGT:第6戦富士 LEXUS SC430が3位表彰台、GT300ではトヨタ プリウスが2位初表彰台獲得! (TOYOTA)

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トヨタ プリウスで初の表彰台を獲得したapr HASEPRO PRIUS GT
31号車の嵯峨宏紀(左)と新田守男(右)

 SUPER GT第6戦「FUJI GT 300km RACE」が9月8日(土)、9日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。

 今大会を含め、残り3戦となった2012年シーズンのSUPER GT。次戦第7戦ではウェイトハンデが半減、最終戦はハンデ無しとなるため、最も重いウェイトハンデで戦う大会となる。LEXUS SC430勢はランキング首位のZENT CERUMO SC430 38号車が94kg、同3位のDENSO KOBELCO SC430 39号車が76kgと重いウェイトを積んでのレースとなるが、タイトルへ向け、得意とするホームコース富士でのポイント獲得を目指して臨んだ。

 また、前大会、初の2位表彰台を獲得した国本雄資/アンドレア・カルダレッリ組の若手コンビが駆るKeePer Kraft SC430 35号車も、更なる好成績が期待された。

 今大会にはレクサスチームからGT500クラスに6台のLEXUS SC430が出場。また、GT300クラスに1台のLEXUS IS350と1台のトヨタ プリウスが出場した。

◆予選◆

 8日(土)、午後2時から予選がノックアウト方式で実施された。

 予選Q1では、タイムを詰めることができなかった39号車がまさかの敗退で13番手。残る5台のLEXUS SC430は順調にQ1を突破。

 Q2では、重いウェイトを積む38号車が、平手晃平が懸命のアタックも及ばず9番手で敗退。このセッションは大嶋和也がアタックしたENEOS SUSTINA SC430 6号車がトップタイム。ロイック・デュバルのPETRONAS TOM'S SC430 36号車2番手、国本の35号車が3番手と、3台のLEXUS SC430が0.1秒以内の僅差で上位を独占。WedsSport ADVAN SC430 19号車が5番手でQ3進出を決めた。

 7台で争われるQ3、4台が残ったLEXUS SC430勢は最後にタイムで上回られ、最前列獲得はならなかったが、カルダレッリが好走を見せた35号車が3番手。中嶋一貴がアタックした36号車が4番手。6号車が5番手、19号車が6番手から翌日の決勝レースに臨むこととなった。

 GT300クラスでは、apr HASEPRO PRIUS GT 31号車が初のポールポジションを獲得。Team SGC IS350 14号車は21番手スタートとなった。

◆決勝◆

 9日(日)午後2時、強い日差しの下、気温29度、路面温度45度というコンディションで決勝レース(66周)がスタート。3番手グリッドの35号車以降、GT500クラスの上位はグリッド順のまま順当なスタートを切った。

 7周目には6位を争っていたアンドレ・クートの19号車が1コーナーで6号車をパスし、5位へ。同じ7周目の最終コーナーでは、3位につけていたカルダレッリの35号車が、周回遅れとして現れたGT300車両と接触、スピン。スピンを喫した35号車だけでなく、そのすぐ後ろにいたロイック・デュバルの36号車もポジションを落としてしまった。

 この混乱で3位へとポジションを上げた19号車は、13周目の1コーナーで前を行くGT-Rに並び、2位に浮上。このバトルの後方につけていた6号車も、その隙を見逃さず、19号車に続き、GT-Rをパス。LEXUS SC430が2-3位に浮上し、首位を追う展開となった。

 レースは中盤に入ると、各車ドライバー交代及びタイヤ交換と給油を行うためにピットへ。3位につけていた6号車はトランスミッションのトラブルに見舞われ無念の後退。代わって、序盤の混乱で順位を落としていた36号車が、19号車に続く4位へと浮上した。

 全車がピットを終えたあとは、上位勢は間隔が開き、順位変動のない展開となったが、中団グループでは、6位の35号車、7位の38号車、8位の39号車と3台のLEXUS SC430によるバトルが展開。35号車の若手国本に、ベテランの38号車立川祐路、39号車脇阪寿一が襲いかかった。

 ハイペースの周回でみるみる38号車との差を詰めた39号車は、62周目、コース後半のテクニカルセクションで並びかけ、そのままサイド・バイ・サイドでどちらも一歩も譲らないまま最終コーナーへ。立ち上がりでアウトにはらんだ38号車をパスし、39号車が7位に浮上。勢いに乗る39号車は、残り2周、前を行く35号車もパスし、LEXUS SC430同士のバトルは、ベテラン脇阪が制すこととなった。

 3位を走行する19号車はそのままポジションを守りフィニッシュ。今季初の表彰台を獲得。36号車が4位で続いた。39号車、35号車、38号車が6,7,8位。38号車はランキング首位の座を明け渡すこととなったが、その差は8ポイント。ランキング3位の39号車と共に、ウェイトハンデの軽くなる残り2戦での逆転タイトル獲得を目指す。

 GT300クラスでは、ポールポジションから真っ先に第1コーナーに進入した31号車が、まさかのスピン。すぐにレースには復帰したものの、最後尾まで後退。ブレーキにトラブルを抱えた31号車は、2周目の1コーナーでもスピンするなど、厳しいレースのスタートとなった。

 しかし、その後猛烈なペースで追い上げていった31号車は、終盤には首位争いまで順位を取り戻し、50周目には首位のポルシェとテール・トゥ・ノーズ状態に。ハイブリッドパワーを活かし、ポルシェを追い詰めるプリウスの走りに観客は釘付けとなった。

 再三にわたり、ポルシェに並びかけ、プレッシャーを与え続けた31号車だったが、52周目のヘアピン進入でインをついた際に、痛恨のミッショントラブル。接触を避けるためにスピンを喫した31号車は、3位へと後退してしまった。

 しかし、最後まで諦めない31号車は、トラブルを抱えながらも、抜いていったCR-Zを猛追。スピン直後には5秒あった差をあっという間に詰め、2位争いを展開した。

 ハイブリッドカー同士の2位争いに再び観客の注目が集まる中、速さで勝る31号車は残り2周のストレートでCR-Zをパス。その後はサイド・バイ・サイドのバトルとなったが、31号車はこれを制し、2位でチェッカー。一度は最後尾に落ちながら見事な追い上げを見せた31号車が、トヨタ プリウスにとって初となる表彰台獲得を果たした。

WedsSport ADVAN SC430 19号車 ドライバー 荒聖治:
走り始めから調子が良く、タイヤのグリップも安定していて、良い流れのレースウィークだった。欲を言えばもっと上に行きたかったが、表彰台に乗ることができたのは良かった。アップデートしたクルマで、手ごたえのあるタイヤをチョイスでき、全てが結果に繋がったと思う。
WedsSport ADVAN SC430 19号車 ドライバー アンドレ・クート:
良いレースを戦い、チームに好結果をもたらす事ができて嬉しい。メカニック、エンジニアも素晴らしい仕事をしてくれた。予選の時から、コースコンディションにあったタイヤの選択や、セットアップが上手く行った。ここまで、なかなかクルマを良いコンディションに持って行けず、皆苦労してきた。レースを戦うにあたって支援してくれた全ての人に感謝している。
apr HASEPRO PRIUS GT 31号車 ドライバー 新田守男:
残念だ。午前中からブレーキトラブルを抱えたまま、レースに臨むこととなってしまった。なんとかごまかしながらスタートを切ったが、どうにも止まらずコースアウトしてしまった。そんなコンディションの中でもトップ争いに加われたことは評価できるし、結果的に表彰台を獲得できたことは、悔しいが良かったと思う。ハイブリッドレーシングカーとして完成度が高まり、クルマのバランスも向上し、まとまって来ているので、残りのレースでも結果を残したい。
apr HASEPRO PRIUS GT 31号車 ドライバー 嵯峨宏紀:
最初の脱落からよくここまで来られたという思いだ。トップ争いをしていた時に、抜きに行ったタイミングでギアが抜けて故障してしまい、それ以降はそのギアのないままの走行を強いられた。全てのトラブルが無ければ…という思いはあるが、トヨタのホームコース富士で良い結果を出すことができて良かったと思う。少々残念なのは、ここまでのトラブルは、ハイブリッドシステムに全く関係ない所で起きているということだ。先行開発を手掛けている方々に申し訳ないという気持ちもある。しかし、更なる好結果を導くことができるよう今後も頑張るつもりだ。
Text & Photo: TOYOTA


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