SUPER GT

SGT:第3戦セパン 灼熱のセパン、暑さに苦しみ下位に沈む (Hitotsuyama)

 Hitotsuyama Racingは6月9~10日にマレーシア・セパン・インターナショナル・サーキットで開催されたSuper GT 第3戦において、14位、15位で完走しました。

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6月9日 公式練習 / 公式予選
#21 ZENT Audi R8 LMS 都筑晶裕 / シンディ・アレマン

 例年厳しい暑さがドライバーを苦しめるマレーシア・セパンラウンド。#21 ZENT Audi R8 LMSは都筑、シンディともに走行経験が非常に少ないサーキットということもあり、当初から苦戦が予想される1戦であった。今回シンディの希望により、公式練習は都筑・シンディに全く同じ走行時間・条件を与え、その時間内に好タイムを記録したドライバーが予選Q1を担当する戦略を採用。比較的涼しいコンディションの下、シンディ・都筑が20分ずつに区切った走行時間を交互に担当し、マシンセッティングとアタックを行っていく。最終的に好タイムを記録した都筑が予選Q1を担当することになったが、公式練習の順位はクラス16位と下位に沈んでしまう。Audi勢は合計4台が参戦しているものの、全車下位に沈みマシン特性がサーキットに合わないことを露呈した。同日午後に15分間で行われた公式予選Q1。上位10台のみがQ2のスーパーラップへ進出できる予選システムで、各マシン早々にアタックを開始。都筑は午前中の公式練習からタイヤコンパウンドを変更。しかし、このタイヤ選択が大きく外れてしまい、オーバーステアに悩まされる。午前中のタイムすら更新できないままチェッカーを受け、アウディ勢でも最下位となる想定外のクラス19位でQ1を終えた。

#99 Racerbook Audi R8 LMS フランク・ユー / 安岡秀徒

 セパンラウンドより新たに安岡秀徒をドライバーに迎え入れ、マシンゼッケンも#99へ変更、心機一転セパンに挑むことになった#99 Racerbook Audi R8 LMS。安岡は2011年Porsche Carrera Cup Japanで全戦ポール・トゥ・ウィンを成し遂げている。安岡とコンビを組むのは前戦富士500kmに引き続き、香港出身のフランク・ユー。精力的にレース活動を行うフランクは、今回サポートレースのGTアジアにも自身のFord GT GT3で参戦している。公式練習ではまず安岡がドライブ。マシンのチェック、タイヤ選択、そしてマシンセッティングを手際よく行っていく。実質ドライコンディションでのAudiドライブはこの日が初めての安岡だが、それを感じさせない貫禄ある走りを見せた。公式練習も後半に入り、ドライバーはフランクに交代。安岡がセッティングしたマシンで決勝を想定したロングランとピットストップの練習を行う。Super GTデビュー戦の前戦富士500kmでは、GT500との絡みでタイムロスする場面も見られたフランク。今回はその課題を克服するためにも積極的に走行を続けた。公式練習の順位は19位と、#21 ZENT Audi R8 LMS同様下位に沈む結果に終わり、予選Q1を担当する安岡に順位晩回を託すこととなった。続く公式予選ではライバルが早々にコースインをしていく中、安岡はピットに留まりタイミングを見計らう。ライバルたちのアタックの様子を確認してからコースインした安岡はアタック1周目、2周目と順調にタイムアップ。公式練習から約1秒タイムアップを果たした。順位は16位と決して納得のいくものではないが、Audi勢では2番手タイムを記録し前戦までと比較しチーム力が着実に上がってきていることを証明した。

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6月10日 決勝
#21 ZENT Audi R8 LMS 都筑晶裕 / シンディ・アレマン

 公式練習・公式予選までは比較的涼しかったセパンだが、決勝日には気温・湿度ともに大きく上昇し、厳しいレースが予想された。#21 ZENT Audi R8 LMSのスタート担当はシンディ。2周のフォーメーションラップの後、グリーンシグナルが点灯。14位スタートの#66 triple a vantage GT3が2速ギヤを失っていたことにより失速、後方のマシンは#66を避けるために混乱してしまう。その混乱を上手く交わしたかに見えたシンディだが、混乱で失速していた前方の#30 IWASAKI MODAクロコ apr R8をスタートライン通過時に2mほど追い越してしまい、後にジャンプスタートの判定が下ってしまう。さらに2周目、今度は水温トラブルで一時的にスローダウンした#99 Racerbook Audi R8 LMSの後方でも混乱が生じる。シンディは#99を避けたものの#22 R?Qs VEMAC 350Rとラインが交錯し2台は接触。シンディはスピンし、コース復帰までに約30秒を費やすことになってしまった。最後尾まで順位を落としたシンディは追い上げを開始、程なくして#69 ThunderAsia MT900Mをパスするとさらに先を急ぐ。だがここでジャンプスタートに対するドライブスルーペナルティが課せられる。コースに復帰した時点でGT300クラストップ集団にラップダウンされてしまい、苦しいレース展開に。その後はしばらく安定したペースで前車との距離を縮めていたシンディだが、25周目に入ったところでシンディは暑さによる体調不良を無線で訴える。26周目にはラップタイムが4秒以上下がってしまい、チームは緊急ピットインを指示。シンディは何とかピットまでマシンを戻すも、朦朧とする意識の中ピットロード速度制限をオーバーしてしまう。マシンを定位置にストップさせマシンから降りたシンディに都筑のドライバー交代を手伝う余力は残されておらず、都筑は1人で交代作業を行い20秒以上のタイムをロスしてしまうことに。コースイン後、シンディのピットロード速度制限に対するドライブスルーペナルティを終えた時点で、クラス18位とほぼ最下位まで順位を落とすが、チームは都筑のモチベーションを保つべく無線で指示を出し続ける。都筑もそれに応え、安定したペースでラップを重ね徐々に順位を挽回。都筑は最終ラップまでほぼ同様の安定したペースで走り切り14位まで順位を上げて完走を果たした。

#99 Racerbook Audi R8 LMS フランク・ユー / 安岡秀徒

 #99 Racerbook Audi R8 LMSのスタートを担当するのはSuper GT公式戦デビューとなる安岡。慣れないローリングスタートを上手くまとめると前方の#11 GAINER DIXCEL R8 LMSに接近。オープニングラップからテール・トゥ・ノーズの接近戦を展開し、コーナーアウト側から並走するシーンも魅せる。しかし安岡は2周目に突如スローダウン。水温上昇によりマシンが自動的にセーフモードに入り、パワーを抑制するシステムが作動してしまった。2周続いた低速でのフォーメーションラップ、さらにスタート直後の#11との激しいテール・トゥ・ノーズの争いが、この水温上昇を引き起こしたことがレース後のデータ解析で判明した。この間に後続のマシンに次々とパスされてしまった安岡だが、水温が下がりセーフモードが解除されてからはデビューレースとは思えぬ安定したペースを披露。とりわけGT500との絡みではタイムの落ち込みを見せず、持ち前の冷静な走りをチームに印象付けた。安岡は自身の担当スティントを30周目まで引っぱり、一旦はクラス19位まで落としてしまった順位を暫定クラス2位まで挽回、残りのレースをフランクに託した。ただ、ピット作業では思わぬトラブルが重なる。ホイールナットのトラブルにより時間を失うと、それに加えて発進時にクラッチがスムーズに繋がらないトラブルも発生し、再スタートまでに約60秒の時間をロスしてしまう。さらにフランクはコースイン後、クラッチが滑り始めパワーが上手く伝わっていないことを無線でチームに伝える。このトラブルにより想定ラップタイムからは1周あたり3~4秒をロスしてしまうが、その状況下でもフランクはゴールまでマシンを運ぶべく、懸命かつクラッチを労わる丁寧なドライビングを続け、#21 ZENT Audi R8 LMSに続く15位で何とかフィニッシュを成し遂げた。

チーム代表 一ツ山幹雄
 「#21 ZENT Audi R8 LMSに関しては決勝中にトラブル・ミスが相次ぎチームの目標からは程遠い順位でレースを終えることになりました。今回のセパンはAudiに不向きなコースではありましたが、レース中のトラブル・ミスで費やした時間を計算すると、これらのロスがなければポイント圏内でフィニッシュ出来ていた計算になります。トラブル・ミスがあること自体、まだまだチーム力が足りないことを露呈してしまっているわけですから、最後までミスなく走り切り、ポイント圏内でフィニッシュ出来るようなレース運びを目指していきたいです。#99 Racerbook Audi R8 LMSも残念ながらいくつかのトラブルを抱え、思うようなレースはできませんでした。しかし、安岡選手はまだまだこれからマシンとレース自体に慣れていくでしょうから、さらにポテンシャルを上げることができると確信しています。フランクも2回目のSuper GTで、だいぶポイントを掴めてきたようですし、習得していることも非常に多いようです。第4戦菅生ではフランクに代わりマイク(マイケル・キム選手)が走ります。これからも、応援宜しくお願いします。 最後に、シンディはメディカルで治療を受け、特に問題はないと診断を受けました。心配をしてピットまでいらしてくださったファンや関係者の方々、治療をしてくださった方々にこの場をお借りし、お礼申し上げます。」

 第4戦菅生は7月28~29日に開催されます。引き続き、応援宜しくお願い致します。

Hitotsuyama Racing Press release


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