SUPER GT

SGT:第1戦岡山 GAINER DIXCEL R8 LMS デビューウイン! (GAINER)

  • GAINER DIXCEL R8LMS
  • DRIVER:Tetsuya TANAKA / Katsuyuki HIRANAKA
  • 予選:3位決勝:優勝
  • 予選日入場者数:8100人 決勝日入場者数:16000人

 長いオフシーズンが終わり、新しいSUPER-GTの開幕となった。今年からはGT300クラスはFIA-GT3車両、JAF-GT車両の2本柱で進んでいく。もちろん昨シーズンまで走っていた特認車両や、FIA-GT2車両も参加し、さらに多種多様なマシンが参加している。Team名もGAINERに変わり、長年使用していたFERRARIからAUDIに車両をスイッチ。昨年忘れてきた優勝とシリーズチャンピオン獲得に向けて、全戦全力投球で1年を戦って参ります。

  • 2012年3月31日(土曜日) 雨/曇り/晴れ/雹
  • 公式練習:9:00~10:40 気温:8度・路面状況:ウエット
  • ノックアウトQ1:14:30~14:45 平中克幸 気温:12.2度・路面状況:ドライ
  • ノックアウトQ2:15:20~15:30 田中哲也 気温:8.2度・路面状況:ハ-フウエット/ドライ
  • ノックアウトQ3:15:50~16:00 平中克幸 気温:9.7度・路面状況:ドライ

 開幕戦は岡山国際サーキットで行われた。岡山国際サーキットはGAINERにとって非常に相性の良いサーキットで、2004年に初めて優勝したのもここ岡山国際サーキットの開幕戦だった。

 先日の合同テスト時には思うほどテストを消化することが出来ず、まだまだ不安が残るスタートになった。

 まずは平中克幸がマシンのセットを詰めていく。朝からの雨は若干弱くはなっていたものの、コースには川が出来ているところもあり、平中は500クラスと合せてもトップに名前を刻みながら走行を繰り返す。テストの時よりもマシンのバランスは悪く、平中自身まだ責められる状況にありながら、他車のタイムが思ったほど伸びてこないことに、まだまだ手の内を明かさない駆け引きが存在しているように感じていた。赤旗中断も何度かあり、雨量も増え風は春の嵐とさえ感じるくらい強くなってきていた。

 開始から1時間15分経過し、田中哲也と交代。田中も雨の中走行を繰り返し、クラストップのタイムで公式練習は終了した。午後からの予選時の天気が非常に気になったが、どちらにしても今年のDUNLOPタイヤは昨年以上に良いパフォーマンスを発揮してくれそうだ。

 予選はノックアウト方式で行われた。まず平中がタイムアタックを開始。予選時間は15分間。朝からの雨はやみ路面はドライ。3周目に1分31秒039計測。しかし雨雲が急に現れ、このころからぽつぽつと雨を降らし始めた。そのタイムを出した時点でトップに名前があり、Q2に残ることは確実だったのでタイヤ温存の事も考えて予選時間を残してQ1の走行を終了した。その後タイムアップした唯一のマシンが昨年のライバル0号車のBMWZ4で、0.259のタイム差で、Q1は2位通過した。

 Q2は10分間の予選で田中が担当だが、Q1GT300クラスの途中から降りだした雨はやむことなく、そのままQ1 GT500クラスの予選に突入し完全はウエット路面になってた。しかしQ1の予選が終わると雨は止み、いきなり日差しが差してくる。

 Q2のインターバルは突然の雨により、予定より10分遅れで開始された。ドライタイヤで行くか、ウエットタイヤで走り出すか悩んだ末、他車の動向をみながらウエットで行くと決定。しかし、無情にも路面はドライタイヤでのタイムが上回る状態。田中は1周でピットに戻り、ドライタイヤでアタックを開始。路面状況も悪くなかなかタイヤが温まらず、苦戦を強いられる田中。しかしラストアタックできっちりと10位以内に入れてくるあたりはさすが。Q2は6番手で終了した。

 Q3も10分間のタイムアタックになる。完全なドライ路面で予選は開始された。計測3周目には1分29秒285を出しコースレコードに届く勢いの平中だったが、そこからオーバーステアが若干強くなり、やはり公式テストの時のようなパフォーマンスが発揮出来ていない。タイムアップが図られないと判断しアタックは終了。3番手のポジションから明日はスタートすることとなった。

田中哲也コメント
 天候も不安定だったんですけど、テストが十分出来ていない中で、3位を獲れたということは非常に良かったと思います。ウエットもドライもある意味様々な状況でテストが出来ましたのでそれも良かったですね。決勝に向けてがんばります。
平中克幸コメント
 ポール獲れると思ってアタックしたんですけど、車のバランスもまだ完璧ではなかったんです。テストの時のバランスであれば結構いけてたとは思うのですが、オーバーステアが強くなってポルシェ2台に前に行かれてしまいました。今年はポルシェ勢が有利だとわかっていたので、想定はしていましたが、正直ポールポジションは欲しかったので残念です。決勝は気持ちを切り替えて優勝目指してがんばりたいと思います。
  • 2012年4月1日(日曜日) 晴れ/曇り
  • フリー走行:9:00~10:40 気温:5.8度・路面状況:ドライ
  • 決勝82周(78周):14:00~ 気温:11度・路面状況:ドライ

 目まぐるしく変わった昨日の天気が今日もまた?と朝の一雨は不安にさせたが、走行開始前には日差しが顔を出し、一気に路面をドライへと変えていく。まず田中からセット確認のためスタート。やはり若干のオーバーステアに劇的な変化はなく、フロントのダンパーの調整を行い再びコースへ。FIA-GT3車両は規制が厳しく、今までのようにセット変更が出来ない部分もかなり多い。変えてはいけない部品等も多く存在し、思うようにマシンセットを変えられない難点もある。しかしその分ドライバーの技量が大きくタイムに左右される。その後平中と交代し、リアウイングを調整し走行は終了した。

 スタートを担当するのは田中。今年から300kmのレースに戻り、各ドライバーの担当する距離も必然的に伸びる。タイヤとの絡みもあり、ロングスティントのデーターがまだまだ取れていな状況では、すべてが手探り状態でのスタートとなった。

 エンジン音が高まり、フォーメーションが始まった。田中はきれいなスタートを切り、順当に1コーナーへ消えていく。前2台のポルシェは相変わらず直線が速く、ストレートで並んでも、なかなか楽には抜かさせてくれない。トップを行くNo.911 PORSCHEに離されないよう、2番手を走るNo.33 PORSCHEにぴったりと張り付いていく。7周目にNo.33の隙を突き2番手に浮上。

 ここからNo.911に焦点をしぼって追いかけていく。12周目には0.4秒差まで詰めよるが、なかなか抜くまでにはいかない。GT500クラスとGT300クラスのスピード差が昨年までと比べて大きく変わり、GT500クラスは簡単にGT300クラスをパスできず、各所でバックマーカーを使った接近戦が演じられ、トップとの差も詰まったと思えばまた3秒差まで開いてしまうといった状況が延々と続けられた。

 田中は39周目にルーティーンの為にピットへ。FIA-GT3車両は非常に燃費が悪く、給油時間が昨年と比べても劇的に長くなっており、今回に関してはNo.911よりも10秒近くGAINERは給油にかかっている。ピット作業を完璧にこなしても1分は掛かり、非常に辛い戦いになる。No.911がピット作業を終えて、それがそのまま平中との差になっていた。42周目には11秒もNo.911との差が開いてしまっていた。しかし、ここから平中克幸劇場が始まる。43周目にはすでに2秒近くまで差を詰め9秒台に。しかし前をいくNo.911も猛プッシュをかけているのがわかる。そこからは15周ほど小康状態が続き、徐々に燃料が減ってきた平中は、他車が1分32秒後半~33秒台で周回しているのに対して、1分31秒台を連発。60周目あたりからは1周0.5秒の差を縮めて周回。とうとう68周目には0.5秒差までNo.911を追い詰める。

 途中GT500クラスの上位争いと接近。差が開いたように見えたが、平中とNo.911とのラップ差は明らかで、一気に追いついていく。アウトウッドカーブで徐々にプレッシャーを与え、ストレートの速いポルシェには裏ストレートでは敵うわけもなく、ブレーキングで平中が並びかけ、ヘヤピンカーブを外から攻め、リボルバーコーナーをイン側からパス。ハイパーコーナーでそのまま引き離しに掛かり、メインストレートに戻ってきたときは1秒近くの差を持って通過。そこからは安定した走りを続け、78周目にトップチェッカーを受けた。

田中哲也コメント
 久しぶりの優勝でなおかつ、ダンロップタイヤに変わってからシーズンでは初めての優勝で、今回に関しては車もタイヤも良かったし、すべて良かったですね。給油時間等課題も多かったですが、開幕戦獲れたら圧倒的に有利だと思います。これからもがんばっていきたいし、過去には開幕勝って残りあかんかったっていうレースもありましたから、目指すはチャンピオンですから、気を引き締めて最後に勝ちたいですね。開幕勝っても後がグダグダだったら忘れ去られてしまいますからね。
平中克幸コメント
 去年は優勝できなくて、2位、2位、2位が続いた年だったので、今年は絶対優勝を1度はしてやると思っていました。去年の開幕戦は自分のミスで優勝を逃した事で、今年の開幕戦はリベンジを果たしたいと思って岡山に入りました。 それが本当にリベンジできてうれしいです。車もいいパフォーマンスを発揮してくれて、タイヤも本当に最後までたれずに、他と比べてもすごくいいパフォーマンスだったのです。2010年からダンロップタイヤでやってきた成果がやっと実になって、今後のシーズンに弾みがついたと思います。 チャンピオン目指してがんばりたいと思います。
Text & Photo: GAINER


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース