SUPER GT

SGT:吉本大樹レースレポート2012(SGT_第7戦_オートポリス)

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【Hiroki Yoshimoto Race Report 2012】
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2012.9.29-30
Round_7 AUTOPOLIS

triple a vantage GT3、今季2勝目をマーク!!
トップから4ポイント差のランキング2位で最終戦へ

【Result】

9.29  FP : 1 st (1'52"977)
9.29  Q1 : 12 th (2'04"625)
9.29  Q2 : 2 nd (1'58"111)
9.29  Q3 : 2 nd (1'53"113)

Starting Grid : 2 nd

9.30  FP : 2 nd (1'58"444)
9.30  Final : 1 st (20 pt)

Series Ranking (Driver's / Team's) : 2 nd (67 pt) / 2 nd (80 pt)

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【公式練習・予選】 2012.9.29 (Sta)
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triple a vantage GT3、オートポリスでも速さは健在
PPは逃すも、予選2番手を獲得

【公式練習】 天候:雨 | コース:ウェット | 気温/路面温度 開始:15度/16度>終了:15度/17度
【公式予選】 天候:雨 | コース:ウェット | 気温/路面温度 Q1開始時15℃/19℃、Q3終了時15℃/17℃

2012 AUTOBACS SUPER GT第7戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」の舞台は、大分県に位置するオートポリス。シリーズ中唯一の九州地区での開催とあって、あいにくの天候ながら観客席には大勢のファンが詰めかけた。

早朝は小雨程度で収まっていたものの、台風17号の接近で雨が徐々に強まる中、気温15℃、路面温度16℃という肌寒いコンディションで午前9時にフリープラクティスが始まった今回のレースウィーク。triple a vantage GT3は、前戦富士の決勝で一時トップに立ちながらもトラブルでリタイヤとなっており、チャンピオンシップ争いへの生き残りを賭ける為には今回のレースは絶対に落とせない1戦となる。そんな緊張感のなか、triple a vantage GT3はこの最初の公式セッションから速さを発揮する。

全車がウエットタイヤを履いてのコースイン、路面温度の低さから中々タイヤに熱が入らず各車2分台でのラップが続いていたセッション序盤、まだ路面の水が多い段階でトップタイムを競ったのはNo.3 S Road REITO NDDP GT-Rとtriple a vantage GT3。開始から10分でNo.3 S Road REITO NDDP GT-Rが1'58"890と2分台を切り、まずはこれがターゲットタイムに。するとここから徐々に各マシンがタイムアップ、まずはNo.11 GAINER DIXCEL R8 LMSが1'57"710、さらにNo.33 HANKOOK PORSCHEも1'57"288までタイムを削ってくる。しかし最終的にこのタイムを上回ってきたのがtriple a vantage GT3。セッション開始から25分程が経過したところで1'56"373をマーク、一気にトップに浮上する。

この頃から雨が少なくなり走行ラインの水も捌けてきたコース上。するとここでNo.2 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電が1'56"119にタイムアップ、チャンピオンを争うチームが入り乱れるトップ争いに割りこんでくる。しかしここから各マシンがそれぞれさらにタイムアップ、予選前のフリー走行ながら、熾烈なトップタイム争いが始まった。そんな中最終的にタイミングモニター最上段に返り咲いたのはtriple a vantage GT3。唯一1分52秒台に入る1'52"977の最速タイムをマーク、予選に向け大きな弾みをつけてこのセッションを終える。

その後、午後に入り始まった予選Q1セッションは定刻通り14時ちょうどにスタート。ここでは15分の走行で上位16台がQ2へ進出する事になる。このセッションでtriple a vantage GT3に乗り込んだのは星野選手。ところがコース上はこのセッションが始まる前に降った大雨の影響でヘビーウェットコンディション。アタック2周目に入る頃にはさらに雨量が増え、A Speedは「コンディション的に計測1周目以上のタイムは出ない」と判断。この時点で4番手に着けていた星野選手をピットに呼び戻し、そのままセッションの終了を待つ事に。するとセッション終盤にかけ徐々にコンディションが回復、各マシンがタイムアップし始め若干冷やりとしたものの、最終的にtriple a vantage GT3は12番手に残り、無事Q2へと進出する事に成功する。

GT500クラスのQ1で赤旗中断があったため、14時45分と遅れて開始されたGT300クラスの予選Q2セッション。ここでの走行時間は10分間、上位10台がQ3へと進むことになる。この頃になると雨は小降りとなり、Q1より路面状況は向上。とは言え、滑りやすい難しい状態であるのは変わらない。ここでtriple a vantage GT3のアタックを担当したのは吉本大樹。Q2セッション中盤まで8番手辺りにつけていた吉本は「なかなかタイヤが温まらずタイムアップさせることが出来なかったけど、赤旗中断の際に変更したセットアップが功を奏してセッション再開後の1周でタイムアップさせることが出来た」と、赤旗中断終了後の唯一のラップでタイムアップを果たし1'58"111をマーク。見事2番手に飛び込み、Q3進出を決定づける。

そして15時05分から始まった予選Q3。このセッションは10分間のセッションとなる。ここでのアタックを担当したのは星野選手。するとその星野選手は回復し始めたコンディションに合わせ、インターミディエイトタイヤでコースイン。「元々インター(ミディエイト)には自信があった」と、吉本に続いて見事なアタックラップを披露。トップのNo.3 S Road REITO NDDP GT-Rにはわずかに届かなかったものの、見事1'53"113のタイムで決勝2番グリッドを確保。最終戦を前にどうしても欲しい優勝を視野に捉え、公式予選を終了する事となった。

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【決勝】 2012.9.30 (Sun)
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triple a vantage GT3、今季2勝目をマーク!!
トップから4ポイント差のランキング2位で最終戦へ

【決勝】 雨 | コース:ウェット | 気温/路面温度 開始:16度/17度>途中:16度/18度

決勝日朝、9時20分より30分間で予定されていたフリープラクティスが深い霧と雨による視界不良で8分ほどで赤旗が提示され、そのままセッションが終了となる等、前戦に続き波乱の予感がした決勝日。結局11時より30分の走行が行われるスケジュール変更となったが、開始時間になっても霧の状況は改善せず、結局このセッションもそのままキャンセルとなり、各マシンは最後のマシン調整が出来ないままに決勝のグリッドにつく事となった。

フリープラクティスはキャンセルとなってしまったものの、正午を過ぎる頃にはようやく霧が晴れ、第7戦決勝のスタート進行はオンタイムで進行が進み、セーフティーカー(SC)先導の下にはなったものの、定刻通りの午後2時に決勝の戦いの幕が切って落とされた。SCがコース上を離れたのはスタートから3周目。するとその直後から熾烈なトップ争いが始まった。このスタートでtriple a vantage GT3のステアリングを握ったのは星野選手。その星野選手はPPスタートのNo.3 S Road NDDP GT-Rの背後でオーバーテイクのチャンスを伺いながら、3番手以下の後続をぐんぐん引き離していく。

ところがレース11周目、ここでNo.52 GREEN TEC & LEON SLSがスロットルリンケージのトラブルで4コーナーを曲がれずにクラッシュ。幸いドライバーに大きな怪我は無かったものの、大破したマシンを回収するためにコース上にはSCが。これで対3番手以降のマシンへのリードが一旦リセットされてしまったが、星野選手は16周目にリスタートが切られると、またも3番手以降を引き離しトップのNo.3 S Road NDDP GT-Rとマッチレースを展開していく。この2台はレース中盤に差し掛かる頃まで1~0.5秒ほどの僅差で攻防。両車ともにチャンピオン争いに残るべく、さらにはここで優勝し、有利な条件で最終戦に挑みたいだけに、その戦いも熾烈を極めていく。しかし勢いに優ったのはtriple a vantage GT3。星野選手は21周目の1コーナーのブレーキングでNo.3 S Road NDDP GT-Rに並びかけ、2台はそのままサイドバイサイドで並走。そして続く3コーナーでついにS Road NDDP GT-Rのインを突いてトップを奪還。その後ジワジワとS Road NDDP GT-Rを引き離していく。

2番手S Road NDDP GT-Rとの差を8秒程に広げた30周目には、そのS Road NDDP GT-Rがピットイン、52秒の作業でコースに復帰してくる。トップのtriple a vantage GT3はその4周後にピットに向かい、ここで吉本大樹へとドライバーチェンジを行っていく。ところがここで若干のハプニングが発生。燃費の悪いアストンマーチンだけにライバルチームより20秒以上のロスは覚悟していたが、何と給油中に火災が発生。メカニック達の素早い対応で最小限のロスで留めたものの、ピットで70秒程を費やしてしまい、コースに戻った時点でNo.3 S Road NDDP GT-Rに前に出られてしまう。それでもこの日のtriple a vantage GT3には、そのロスをも取り戻す速さと強さがあった。吉本は一時8秒以上のギャップを築かれたS Road NDDP GT-Rにすぐさま追いつき、背後からプレッシャーをかけ始める。「わりとすぐに追いつけたけど、キャラクターの違うマシンで、なかなか簡単には抜けなかった」とは言うものの、「ずっと後ろにいたお陰でGT-Rの事が色々分かりました」と、落ち着いてチャンスを伺っていく。

この展開には、誰もが「守るS Road NDDP GT-R」と「攻めるtriple a vantage GT3」の息詰まる戦いが最後まで続くと予想した。しかし結末はレースのチェッカーを待たずに訪れた。レースも残り8周となったところでS Road NDDP GT-Rの左リアタイヤが突如脱落。これで難なくトップに躍り出た吉本はそのまま残り周回を走り切り、最後は2番手のマシンに13秒の大差をつけて、第5戦鈴鹿に続く今季2勝目を挙げる事となった。

これでtriple a vantage GT3はシリーズランキングでトップから4ポイント差の2位に浮上。シリーズは最終戦もてぎを残すのみで、チャンピオン獲得の可能性を残すマシンはtriple a vantage GT3を含む上位3台に絞られた。現在のランキングトップはNo.33 HANKOOK PORSCHE、2位に4ポイント差のtriple a vantage GT3、3位はNo.911 エンドレスTAISAN 911。最終戦ではこの3チームがGT300クラスの覇権を懸けて争うことになる。チームA Speedはチーム参戦僅か3年目で悲願のチャンピオン獲得なるか。ツインリンクもてぎで行われる最終戦(10月27日(予選)28日(決勝))でのtriple a vantage GT3の活躍に大きな期待がかかり、オートポリスラウンドは幕を下ろす事となった。

12' SUPER GT SERIES Round_7 / AUTOPOLIS
2012.9.29 (Sat) Free Practice & Qualify
2012.9.30 (Sun) Final
Text : www.hiroki-yoshimoto.com

【Aspeed Official Site】 http://www.aspeed.co.jp/
【SUPER GT SERIES Official Site】 http://www.supergt.net/jp/
【吉本大樹 Official Site】 http://www.hiroki-yoshimoto.com/

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【吉本大樹コメント】
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単純に、純粋にとても嬉しいです!! 前戦の富士でノーポイントだったことで、最終戦へ向け今日は絶対に勝たなければならなかった。今回は3号車がとても速く、決勝は離されてしまうかもしれないと感じていたし、簡単ではなかったけど全てを出し切ったことで勝つことができたのだと思います。

今回は最初のフリー走行から決勝終了までマシントラブルもなく、常に難しいコンディション変化にチームのアジャスト力も素晴らしかった。ピットで火が出た時の冷静な対処、ヨコハマタイヤさんの最後まで高いレベルで安定し続けてくれた浅溝タイヤ、星野選手のこれ以上にない予選アタックや決勝ラップ、全てにおいてほぼ完璧だったと思います。

これで事実上3台の争いになった訳です。まずはチャンピオン獲得の可能性をかけた切符を手に入れられた事にほっとしています。最終戦もてぎはノーウェイトのガチンコ勝負。絶対に勝ってチャンピオンを決めたいと思います!!

エイチワイ・マネージメント有限会社



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