SUPER FORMULA

SF:第4戦もてぎ決勝 小暮卓史選手が5位入賞、8位完走の山本尚貴選手は4戦連続の入賞 (HONDA)

  • 2013年8月4日(日)・決勝  会場:ツインリンクもてぎ(4.801km)  天候:曇り  気温:27℃(15:00時点) 路面温度:32℃(15:00時点)  コースコンディション:ドライ  決勝レース:52周  観客:1万5500人(主催者発表)

 8月4日(日)、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎにおいて、2013年全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ第4戦の決勝レースが開催されました。

sf130804001L.jpg  昨日の予選では#16 山本尚貴選手(TEAM 無限)がHonda勢でトップとなる6番グリッドを獲得。そして#40 伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は7番手で、以下、#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)は8番手、#10 塚越広大選手(HP REAL RACING)は11番手、#15 小林崇志選手(TEAM 無限)は12番手、#41 武藤英紀選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は15番手、#31 中嶋大祐選手(NAKAJIMA RACING)は16番手、#11 中山友貴選手(HP REAL RACING)は17番手となりました。

 決勝レースが行われた本日、ツインリンクもてぎのある栃木県は薄曇りで、ときどき太陽が顔をのぞかせる空模様となりました。また、朝から昼過ぎまで雨は降りませんでしたが、天気予報はところによって夕立が降るかもしれないと伝えていました。

 決勝レースに先立ち、午前8時50分から9時25分までフリー走行が行われました。ここでは#11 中山選手がトップタイムを記録したほか、#31 中嶋選手が4番手、#41 武藤選手が5番手となり、決勝に向けたマシンの仕上がりが順調であることをうかがわせました。

 「もてぎ2&4レース」というイベントタイトルで開催された本大会は、全日本F3選手権のほか、二輪レースの全日本ロードレース選手権も併催されたため、スーパーフォーミュラの決勝レースは午後3時過ぎにスタートが切られる予定になっていました。ところが、スタートまであと5分となったところで、サーキットに小雨が降り始めます。幸い雨は本降りとはならなかったので、晴天用のスリックタイヤを装着したままスタートを切ることができましたが、路面はやや湿って滑りやすくなっており、スタート直後には、アクシデントが発生することも心配されました。

 不安は的中し、オープニングラップではいくつかのアクシデントが発生します。まず、12番手スタートの#15 小林選手は、3台横並びの状態で3コーナーに進入し、アウト側にいた#41 武藤選手と軽く接触。この影響で、#15 小林選手はサスペンションアームにダメージを負ってしまい、5コーナーでコースアウトを喫します。その後、#15 小林選手はコースに復帰すると自力でピットまで戻り、ここでサスペンションの修復作業を実施することとなりました。

 さらに、セカンドアンダーブリッジでは、5番手争いを演じていた#40 伊沢選手と#16 山本選手が接触、2台そろってコースアウトします。ここで#16 山本選手は7番手に後退してレースに復帰しましたが、#40 伊沢選手はマシンにダメージを負っていたこともあり、リタイアに終わりました。

 オープニングラップが終わった段階でのHondaドライバーのポジションは、6番手の#32 小暮選手を筆頭に、#16 山本選手は7番手、#31 中嶋選手は9番手、#10 塚越選手は12番手、#11 中山選手は13番手、#41 武藤選手は15番手、#15 小林選手は18番手となっていました。

 その後、雨は上がり、コース上は徐々に乾き始めます。これに合わせて各車のペースも次第に速くなり、当初、1分44秒台だったトップグループのラップタイムは、6周目には1分36秒台まで向上しました。

 11周目、ピットでサスペンションの修復作業を行っていた#15 小林選手がコースに復帰し、走行を再開しました。7名のHondaドライバーは懸命の力走をみせましたが、ストップ&ゴーが繰り返されるツインリンクもてぎは追い抜きが困難で、レースは大きな順位の変動がないまま進行していきました。

 15周目、8番手の#16 山本選手を1秒差で追走していた#31 中嶋選手は、この局面を打開するために早めのピットインを敢行。給油とタイヤ交換を行いました。17周目、#16 山本選手と#10 塚越選手もこれに続き、給油とタイヤ交換を行います。さらに#11 中山選手も21周目とやや早めの段階でピットストップを行いました。

 一方、#41 武藤選手は35周目、#32 小暮選手は37周目と、いずれもレースの折り返し地点以降までピットストップを引き延ばします。なお、#15 小林選手は、結果的にピットストップを行わないままフィニッシュしました。

 38周目、最後までピットストップを引き延ばしていたドライバーが、給油とタイヤ交換を行います。この段階で#32 小暮選手は一つポジションを上げて5番手につけていました。以下、#16 山本選手は8番手、#10 塚越選手は9番手、#31 中嶋選手は10番手、#11 中山選手は11番手、#41 武藤選手は12番手となり、レース終盤の追い上げを期します。なお、#15 小林選手は11周目遅れで17番手となりながらも、安定したペースで周回を重ねていました。

 このあとも大きな順位の変動はありませんでしたが、7名のHondaドライバーは一つでも順位を上げようと懸命の力走をみせました。中でも、1分36秒台の比較的速いペースで走行していた#31 中嶋選手は、9番手の#10 塚越選手に急接近。41周目に2人の差は1秒を切るまでになります。また、接戦を繰り広げていたのはこの2人だけではなく、47周目には#10 塚越選手が8番手の#16 山本選手を0.8秒差まで追い上げたほか、11番手の#11 中山選手と12番手の#41 武藤選手との差も1秒を切っていました。

 しかし、前を走るマシンに接近しすぎると、エアロダイナミクスのバランスが崩れるため、なかなか攻略するまでには至りません。結果的に7名のHondaドライバーは、それぞれのポジションを守ったまま52周のレースを走りきり、#32 小暮選手は5位、#16 山本選手は8位、#10 塚越選手は9位、#31 中嶋選手は10位、#11 中山選手は11位、#41 武藤選手は12位で完走を果たしました。なお、レース序盤のアクシデントで大きく遅れた#15 小林選手もチェッカーフラッグを受けましたが、周回数が41周だったため、残念ながら完走とは認められませんでした。優勝は#1 中嶋一貴選手(トヨタ)でした。

 この結果、ドライバーのシリーズポイント争いでは、今回1点を加算して計18点とした#16 山本選手が3位となったほか、#40 伊沢選手は15点で6位、今回4点を上乗せした#32 小暮選手は計10点で8位、#10 塚越選手は3点で12位、#11 中山選手は1点で14位につけています。

 なお、第5戦として8月24、25日に韓国での開催が予定されていた、インジェ大会が中止となったため、次戦は9月28、29日に宮城県のスポーツランドSUGOで行われる第6戦となります。

佐伯昌浩(Masahiro Saeki)|スーパーフォーミュラ・プロジェクトリーダー代行
 「ツインリンクもてぎは、鈴鹿サーキットと並ぶHondaのホームコースなので、思うような成績が残せなかったことは非常に悔しく思っています。新仕様のエンジンによってライバルとの差は埋められたと予想していたのですが、もっと努力しなければいけない点が残っているようです。ただし、決勝レースではトップグループと変わらないペースで走行できた部分もあったので、そういう意味では開発の方向性は間違っていなかったと考えています。今シーズンは第5戦が中止になって残り2戦となったので、この2戦は必勝態勢で臨めるよう、今回のデータをすべて見直して、シーズン終盤に備えたいと思います」
小暮卓史選手(5位 #32 NAKAJIMA RACING)
 「Hondaドライバーが表彰台に上がれなかったのは残念ですし、自分自身も開幕戦以来、表彰台に上がっていないので、今回は3位以内でフィニッシュしたいと考えていました。その意味では非常に悔しい結果でした。今日は決勝レース前にマシンのセッティングを大幅に変更しましたが、これによってかなりパフォーマンスは向上しました。もしも、この状況で予選を戦っていたら、結果は大きく変わっていたと思います。ただし、このセッティングは今後も活用できるので、次のレースではさらに上位を目指してがんばるつもりです」
山本尚貴選手(8位 #16 TEAM 無限)
 「スタートをうまく決められず、伊沢選手とバトルをする中で接触してしまいました。公式の裁定はレーシングアクシデントとなり、どちらにも責任がないことが明らかになりましたが、Hondaとして考えると伊沢選手がリタイアしたのは残念ですし、僕自身も伊沢選手に申し訳なく思っています。ただし、自分も引くに引けない状況でしたので、その意味では仕方なかったとも考えています。決勝は思ったほどペースを上げられませんでした。原因はまだよく分かりませんが、レース中のデータをよく見直し、改善を図るつもりです。ただし、そうした難しい状況の中でもポイントを獲得できたのはよかったと思います。この1ポイントが、チャンピオン争いの最後の局面で効いてくることを期待しています」
Text & Photo: HONDA


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