やはりここでもBMWは強かった。
スーパー耐久シリーズ2008第5戦、「スーパー耐久岡山500kmレース」は、予選3番手からスタートした#28PETRONAS
SYNTIUM BMW Z4M COUPE(谷口信輝/片岡龍也組)が優勝、#5028PETRONAS SYNTIUM BMW
Z4M COUPE(柳田真孝/吉田広樹組)が2位と、Z4Mクーペが今季4度目の1-2フィニッシュを達成することとなった。
ST2クラスは#20RS小川ADVANランサー(阪口良平/谷口行規/小川日出生組)が勝ち、
谷口は来る10月10月26日のWTCC岡山大会に向けて最高の結果を得た。
なお、ST3クラスはポイントリーダーの#333エクセディH.I.S.イングスZ(前嶋秀司/佐々木雅弘組)が、
ST4クラスは#51AGYingsインテグラ(井尻薫/黒木英春/黒木健次組)が今季3度目のポール・トゥ・フィニッシュを達成した。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:10,050人)
決勝レースは午後1時20分にスタート。
お昼のピットウォークが行われているときに小雨が降ったものの、スタート進行が始まるまでに天候は回復。
無事ドライコンディションの下でレースは行われた。
ポールシッターの#10Cenote Zがホールショットを決めてトップでオープニングラップを終えるが、
その後方では予選3位の28号車がアトウッドカーブで#1エンドレスZの青木孝行に並びかけ、ヘアピン手前で抜き去って2位に浮上してきた。
28号車を駆る谷口は2周目のアトウッドでも同じように#10田中哲也のインに飛び込み、ヘアピン手前でトップに躍り出た。
谷口は4周目にこのレースのファステストラップとなる1分36秒425を記録するなど序盤から一気に後続を突き放しにかかり、
30周を終える頃には2位との差を27秒まで広げてきた。
その後方では#5ポルシェの大井貴之、#50BMWの柳田真孝らが次々と#1青木を攻略、 #1エンドレスZは一時5位まで順位を落とすが、#1青木も次第にペースを上げ、 #50柳田と抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げながら#5大井との差をも詰めていく。
ところが11周目、突然50号車がピットイン。
空気圧に以上があったか、前後タイヤ交換のみを行ってピットアウト。これで11位まで後退することとなった。
一方エンドレスZは5号車のポルシェを抜き返して3位に浮上すると、10号車のZとの差をも徐々に詰めていき、
25週を消化する頃には遂にテール・トゥ・ノーズ状態にまで持ち込んだ。
しかし#10CenoteZも一歩も引かず、
両者は1秒以内の間隔を保ったまま50周終わりで10号車が最初のピットストップを行うまで接近戦を繰り広げた。
トップの28号車は47周終わりでピットイン。片岡龍也に交代すると、その後も1分39秒台、40秒代前半のハイペースで周回を重ね、
1スティト目を59周まで引っ張った#1エンドレスZがピットストップを行うと再びトップに立ち、
最後は2位に1分12秒194もの大差をつけて135周を走り切り、今季3勝目を挙げた。
2位はチームメイトの50号車。予定外のピットストップで一時は11位まで後退しながらも、
その後は28号車とほぼ同タイムのハイペースで追い上げ、36周目の1コーナーで5号車のポルシェを抜いて4位、
Z勢が最初のルーティンストップを終える頃にはこの2台をも抜き去って今季4度目のペトロナスBMWの1-2フィニッシュを達成した。
3位には#1エンドレスZ。昨年の岡山戦を髣髴とさせる左前後タイヤ2本交換を2度目のピットストップで敢行したが、
速さと信頼性の増した今年のZ4Mクーペには通用しなかった。
ポールシッターの10号車は結局1周遅れの4位でレースを終えた。
ST2クラスは今回も荒れに荒れた。
予選トップの#37シーケンシャルランサーを2番手の#6新菱オートランサーが抜いてトップに立つが、
44周終わりで行った1回目のピットストップでエンジンがかからず、ガレージに戻されての修復作業により大きく遅れることとなった。
変わってトップに立ったのはシーケンシャルランサー。
オープニングラップでは6号車だけでなく#11オーリンズランサーにも抜かれて3位に後退したが、
5周目の1コーナーで11号車を抜き返して6号車を追走していた。
オーリンズランサーはその後29周目に#20RSオガワランサーにも抜かれ、
2度目のピットストップの際にはおびただしい燃料漏れに見舞われて82周でレースを終えることになった。
最初のピットストップまではクラストップで快調に周回を重ねていた37号車であったが、 51周終わりでドライバー交代を済ませた直後の1コーナーで痛恨のスピン!これで20号車にトップの座を明け渡すこととなってしまう。 しかし2番手を任されたHINOKIは67周目のアトウッドカーブで#20谷口行規のインに飛び込み、 そのまま併走状態でバックストレートを立ち上がってヘアピン手前で前に。クラストップを奪い返して自らのミスを帳消しにして見せた。
ところが37号車は90周終わりで20号車と同時に2度目のピットストップを行った際、
ピットレーン速度違反という痛恨のミスを犯してしまう。
これにより3番手を担当した和田久に対し、ドライブスルーを命ずるボードが提示される。
37号車は98周終わりでピットイン。これにより#20オガワランサーが再びトップに立つと、そのままチェッカーまで逃げ切り、
今季初のクラス優勝をものにした。
ST3クラスは、予選トップの#39トレーシースポーツNSXが序盤ペースが上がらず、
36周目にはスピンを喫するなどで下位に後退する中、
着実に順位を上げてきたポイントリーダーの#333エクセディZが今季4勝目を挙げる結果に。
39号車は2番手の井入宏之が連続2スティントを担当して懸命に追い上げ、
81周目のリボルバーコーナーで#777号車のZを抜いて2位に浮上すると、その後もトップとの差を着実に詰めていったが一歩及ばなかった。
ST4クラスは、予選トップの#51AGYインテグラが一度もトップを明け渡さない磐石の走りで2位以下をぶっちぎり、
今季3勝目を挙げた。つまり51号車はここまで参戦したレース全てで勝利を収めたことになる。
2番手には#73キャラコートDC5が入った。
次戦はスポーツランドSUGO。11月2日決勝だ。
なお、当初10月5日に予定されていた韓国テベックサーキットでのオールスター戦はサーキット側の都合によりシリーズ戦から除外されている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro
TAKESHITA