富士スピードウェイで開催された、スーパー耐久2007第4戦SUPER TECは、
#8黒豆リボイスGT3(清水康弘/竹内浩典組)が今季初の総合優勝を達成した。ポールシッターの#50ペトロナスシンチウムBMW
Z4Mクーペ(柳田真孝/フェリーク・ハイムラン組)はレース終盤までトップを独走していたが、トラブルにより後退、
総合20位でレースを終えた。
ST2クラスは#11オーリンズランサーEVO・MR(木下隆之/中谷明彦組)が激戦を制して開幕以来の4連勝を達成。
ST3クラスは#113カルラレーシング☆ings北海Z(大井貴之/伊橋勲組)、
ST4クラスは#18FUNKY-SコスモソニックFKingsDC5がそれぞれクラス優勝を遂げた。
第4戦決勝は午後1時にスタート。気温は28℃、路面温度は43℃。時折霧雨の降る蒸し暑いコンディションだ。
ポールシッターの#50BMW Z4が序盤からトップを快走、後続をどんどん引き離していく。その後方では、#8の911GT3、
#3エンドレスZ、#23カーチャンネルZらが激しく順位を入れ替えながら周回を重ねていく。
ところがトップの#50柳田が39周目に入ったところでST2クラスの車両2台によるアクシデントが発生。
2台はいずれも大破してコース上にストップしたため、セーフティーカーが導入されることとなった。
ちょうどスタートから1時間あまりが経過していたこともあり、このタイミングを利用して各車相次いで1回目のピットストップを行うが、
ここでいち早くピットに飛び込んだ#1マカオポルシェが4位から一気にトップへジャンプアップに成功する。
#50BMW Z4は40周終わりでピットイン。ハイムランに交代して2位でコースに復帰するが、44周終わりでセーフティーカーが離れ、
レース再開となるとすかさず追い上げにかかり、49周目のダンロップ進入でインを付いてトップを奪い返した。
ハイムランはその後もハイペースで逃げに逃げ、2位以下に15秒以上の大差をつけて87周目に柳田に交代、
柳田もペースを緩めずにリードを20秒以上に広げていくが、スタートから3時間以上が経過し、
104周目に入ったところでシフトリンケージのトラブルに見舞われて緊急ピットインを余儀なくされる。
チームスタッフの懸命の修復作業により、なんとかレースには復帰したが、その時点で既にトップからは8周遅れ。
結局50号車は9周遅れの総合20位、クラス最下位でレースを終えた。
代わってトップに立ったのは、#8黒豆リボイスGT3。#3エンドレスZ、#23カーチャンネルZ、
#1マカオポルシェらはSC導入前後に黄旗追越をしたとしてペナルティストップを課せられており、既に8号車とは大差をつけられていた。
#8竹内は着実に残りの周回をこなして126周で4時間のチェッカーを受け、今季初勝利を挙げた。
2位には#3エンドレスZ、3位には#23カーチャンネルZが入った。
今回最も激しいトップ争いが展開されたのがST2クラスだった。
スタートからアクシデント発生まで、1位から5位が3秒以内にひしめく接戦が展開され、#11オーリンズランサー、#6新菱オートランサー、
#20RSオガワランサー、#12ゼルスランサーワゴンとめまぐるしくトップが入れ替わる。
そして総合トップの#50BMW Z4が39周目に入ったところで、事件はおきた。
最終コーナー先のホームストレート上で#20砂子と#6関が接触。二人に怪我はなかったものの、
クルマはいずれも車体の前後を激しく損傷してコース上にストップしてしまい、
これを排除するためにセーフティーカーが導入されることとなった。
この時点でトップに立っていたのは#11オーリンズ。しかしピットストップを行った後、SCのすぐ後ろでコースに戻ってしまい、
1周早くピットに入ってSCの前でコースに復帰した#2フジツボインプレッサとはほぼ1周近い差がついてしまった。
それでも中谷、木下の両ドライバーは着実に2号車との差を削っていき、
88周目の最終コーナーで木下が#2川口正敬のインを突いてトップを奪い返すと、
そのまま後続との差を30秒以上引き離す脅威のペースで4時間を走りぬき、開幕以来土付かずの4連勝を達成した。
ST3クラスは、ペースの安定しないポールシッターの#14RX-7に#113、#333、#41、#15のZ勢が次々に襲い掛かり、
最後は#113カルラレーシングZが今季初勝利を挙げた。
#333H.I.S.ZはSC明けの44周目に周回遅れの#100BMW M3と1コーナー先で接触してクラッシュ、戦列を去ることとなり、
終盤順位を上げてきた#27FINA BMW M3がZ勢に割って入って2位をもぎ取った。
3位には#41SABOTAGE Zが入った。
ST4クラスは予選1位の73号車、2位の87号車が序盤に相次いでトラブルに見舞われ、戦列を去る中、#18インテグラ、
#34インテグラ、#76シビックの3台が順次トップに立つ展開となったが、
34号車のピットストップに乗じて63周目にトップに立った18号車がそのまま逃げ切った。
2位には3度目のピットストップを終えてコースに戻ってきた34号車を1コーナーで差しきった#76シビックが入った。
次戦は岡山国際サーキット。9月2日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO