スーパー耐久シリーズ2008第1戦、「鈴鹿スーパー耐久500km」は、#28PETRONAS SYNTIUM BMW Z4 COUPE(片岡龍也/吉田広樹組)が2位以下を1分以上突き放す圧倒的な速さで87周を走りきり、Z4Mクーペに初の優勝をもたらした。
ST2クラスは#37シーケンシャル エンドレス アドバン ランサー(和田久/大瀧賢治/HINOKI組)がクラス優勝。
8連勝のかかった#11オーリンズ・ランサーEVO Xは、レース終盤にまさかのアクシデントで後退、惜しくもEVO
Xのデビューウィンを逃した。
また、ST3クラスは#333エクセディH.I.S.イングスZ(前嶋秀司/佐々木雅弘組)、ST4クラスは#51AGY ings
インテグラ(井尻薫/黒木英春/黒木健次組)がそれぞれクラス優勝をものにした。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:15,000人)
決勝レースは午後1時30分にスタート。
ポールポジションの#50Z4Mクーペを駆る柳田真孝が序盤からハイペースでトップを快走する一方、
予選2位の#1エンドレスZの青木孝行は1周目から#28片岡の猛チャージを受け、遂に5周目のシケインで2位の座を奪われてしまった。
この間に柳田は後続との差をじりじりと広げていき、一時は5秒以上のリードを築き上げる。
しかし、20周を目前にしてまたしても不運が50号車を襲った。
19周目に3秒以上のペースダウンを強いられた柳田は堪らず20周終わりでピットイン。
そのままアタマからガレージに突っ込んでしまった。
デファレンシャルのトラブルだ。
50号車はそのまま修復作業に3時間近くを要し、レース復帰を断念せざるを得なかった。
変わってトップに立った28号車は、そのまま一気に2位の1号車を突き放しにかかり、
最後は1分02秒662もの大差をつけてチェッカーを受け、Z4Mクーペに待望の勝利をもたらした。
この勝利は今回がデビュー戦の吉田にとっては勿論のこと、片岡にとっては2003年11月のもてぎ戦でグループN+クラスで勝って以来の、
ST1クラスでは初の勝利となった。
ST2クラスの優勝争いは終盤までもつれにもつれた。
ポールシッターの#6新菱オートがフロントハブの不具合で予定外のピットストップを強いられ、
#20RSオガワランサーがエンジンブローでストップと、有力チームが相次いで脱落していく一方で、
#11オーリンズランサーが途中オレンジボール旗提示による予定外のピットインを強いられながらも着実に順位を上げ、
36周目に遂にトップに立つ。
ところがレース終盤、総合トップが83周目に入り、オーリンズの8連勝も目前と思われたところでまさかのアクシデントが起きた。
後方からラップしようとした1号車と11号車がダンロップコーナーで接触。11号車はぐラベルに押し出された格好になり、
すぐ後方を走っていた37号車にトップの座を明け渡してしまったのだ。
猛然と追い上げにかかる#11木下隆之だったが、再スタートまでの間につけられた6秒ものビハインドを取り戻すには、
4周という距離はあまりにも短すぎた。
ST3クラスは、序盤に#39NSXと#333Zの2台による熾烈なトップ争いが展開された。
コース上では#333前嶋の猛追をかわしてトップを死守していた#39井入宏之だったが、
1回目の給油で自分のピットを通り過ぎてしまうという痛恨のミスを犯し、まんまとトップの座を奪われてしまう。
更に39号車は赤鮫オヤジに後退してからも130Rでのスピン、2コーナーでのコースオフなどが祟って徐々に順位を落とし、
結局クラス5位でレースを終えた。
変わってトップに立った333号車はその後も#27BMW M3の追い上げなどもあったがトップを守りきり、
総合でも6位でフィニッシュすることとなった。
ST4クラスはポールの#51インテグラが井尻、黒木英春両名の安定した走りで一度もトップを譲ることなく走りきったほか、2位、 3位にもDC5インテグラが続き、今季一挙に勢力を拡大したシビック勢は昨年王者の76号車の4位が最高という厳しい結果に終わった。
スーパー耐久第2戦は5月18日決勝。舞台は仙台ハイランドだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO