第3戦で初優勝、第4戦でも2位に入り、ポイントランキングで首位に浮上したトムスチームのR.アンティヌッチ (C)Toyota
全日本F3選手権 第3/4戦 筑波 全日本F3第2大会 トヨタエンジン搭載車が2戦を制し4連勝 第3戦はR.アンティヌッチ、第4戦はR.クインタレッリが初優勝。 番場琢は4連続表彰台 全日本F3選手権の第2大会(第3戦・第4戦)が4月10日(土)、11日 (日)の両日、茨城県の筑波サーキットで開催された。同大会には第1大会と同じ 14台がエントリー。このうちトヨタエンジン搭載車は、10台を占めた。 1周2.045kmとコンパクトでコース幅も狭い筑波は、決勝中の追い越しが難 しいコースのひとつで、スターティンググリッド順が非常に重要な意味を持つ。こ のため前日9日(金)の練習走行から各チームは予選用のセットアップを入念に調 整し、R.アンティヌッチ(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が2番手タイム を記録。前回大会では、F3デビュー戦ながら2戦連続ポール・トゥ・ウィンで飾っ た中嶋一貴(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)も4番手と順調な仕上がりを見 せた。 ◆予選◆ 10日(土)は好天に恵まれ、気温も20度を超える春らしい日和のもと、定刻 の12時から15分間づつ行われた公式予選では、クリアラップを見定めながら、 各車序盤から積極的にタイムアタックを展開。 第3戦の予選では、R.アンティヌッチが終了間際にトップタイムを記録するが、 直後に逆転され2番手となった。練習走行から好調なR.クインタレッリ(インギ ング/トヨタ・トムス3S-GE)は3番手、F3ルーキーの池田大祐(ナウモー タースポーツ/トヨタ・トムス3S-GE)が4番手で続き、番場琢(トムス/ト ヨタ・トムス3S-GE)が5番手、中嶋一貴は7番手にとどまった。 続く第4戦の予選では、さらにタイムが短縮される中、5周目にクリアラップを 決めたR.クインタレッリがポールポジションを獲得。R.アンティヌッチは僅差 の3番手、横溝直輝(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)が4番手に付けて 決勝を迎えた。 ◆第3戦決勝◆ 10日(土)予選の後、若手育成カテゴリーとして人気のエッソ・フォーミュラ トヨタ開幕戦に続いて午後3時28分から32周で行われた第3戦決勝レースでは、 ポールポジションのJ.P.デ・オリベイラ(M-TEC MF204C)が僅か に出遅れるのを尻目にR.アンティヌッチが絶妙なスタートを切りトップで第1コー ナーへ。これにR.クインタレッリが続き、5番手スタートの番場もJ.P.デ ・オリベイラに続く4位にポジションを上げて周回を開始した。 R.アンティヌッチがハイペースで逃げる一方、3周目の最終コーナー立ち上が りでR.クインタレッリは痛恨のスピン。これでJ.P.デ・オリベイラが2位、 番場琢が3位へとそれぞれ順位を上げた。 その後もR.アンティヌッチは、J.P.デ・オリベイラを抑え切ってチェッカー。 3戦目で見事シリーズ初優勝を果たした。番場琢も日本人最上位となる3位入賞を 獲得した。 ◆第4戦決勝◆ 11日(日)は、曇りがちの天候のもと、午前中からネッツカップ・ヴィッツ関 東シリーズ第2戦やエッソ・フォーミュラトヨタ第2戦などの決勝レースが盛況に 行われ、午後3時2分にメインレースとしてF3第4戦が45周の決勝レースでス タートが切られた。 スタートではポールポジションのR.クインタレッリがスムーズにリードする一 方、再び出遅れたJ.P.デ・オリベイラをパスしてR.アンティヌッチが2位、 5番手グリッドから絶妙なスタートを切った番場琢が3位で周回を開始した。 R.クインタレッリは序盤2位以下との差を開くものの、中盤までにR.アンテ ィヌッチ等が追いつき接近戦に。しかし、抜きどころのきわめて少ない筑波のコー スで逆転はならずチェッカーを受けた。 R.クインタレッリが全日本F3初優勝。トヨタ・トムス3S‐GEエンジンは 開幕4連勝を果たす結果となった。また、2位入賞のR.アンティヌッチはシリー ズポイント首位に浮上。3位の番場琢は、開幕4連続表彰台を獲得し、シリーズポ イントでも2位に付けた。 また、8番手スタートの中嶋一貴はスタートで出遅れ、序盤に11位まで後退し たが、その後、追撃を見せ、9位でフィニッシュした。 -------------------------------------------------------------------------- トムスチーム R.アンティヌッチのコメント: 第4戦は、タイトで追い越しリスクの高いコースで逆転は出来なかったが、第3戦 の優勝と併せて速さを証明できて良かった。私が日本に来たのはタイトルを獲るた めなので、今後も全力を尽くす。 インギング R.クインタレッリのコメント: 第4戦で初勝利をおさめることが出来て嬉しい。第3戦では自分のミスから結果を 出せず残念だったが、セッティングも上手く行き、力がついてきたように感じてい る。次のTIが今から楽しみだ。 トムスチーム 番場 琢のコメント: 金曜日のフリー走行終盤にコースアウトを喫してしまったのだが、それが予選での 仕上がりに影響してしまい、5番手グリッドという不本意な予選結果になってしま った。そのポジションから連続で3位入賞を得られたのは結果的には悪くないが、 自分としては、次戦こそ是非とも1位を獲得するべく、ベストを尽くす。 トヨタ・チーム・トムス監督 関谷正徳のコメント: R.アンティヌッチは良かった。我々の狙い通りチャンピオンを目指す強さのある ドライバーだと思う。また、番場琢の成長ぶりは目覚しいものがある。これまでの 彼のイメージを新たにするような走りをしてくれた。一方、山本左近も良いところ に来たが、もう一皮剥ければというところ。そして中嶋一貴は金曜日の仕上がりか ら予選結果が芳しくなかったことが敗因となった。決勝では良い走りを見せてくれ たが、やはりこのコースは予選結果とスタートの占める比率が大きいということだ。 各ドライバーの進捗は著しく今後も注目して欲しい。 -------------------------------------------------------------------------- 第3戦 リザルト 順位 No. ドライバー エンジン チーム タイム/差 周回 予選 1 1 R.アンティヌッチ(アメリカ) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 28'07.014 32 2 2 10 J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) ホンダ(M-TEC MF204C) M-TEC 0.622 32 1 3 36 番場 琢 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 7.553 32 5 4 33 池田大祐 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) Now Motorsports 9.741 32 4 5 7 山本左近 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 13.114 32 8 6 3 横溝直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 13.621 32 6 7 8 中嶋一貴 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 14.275 32 7 8 2 武藤英紀 ホンダ(M-TEC MF204C)TODA RACING 17.233 32 9 9 12 F.カルボーン(ブラジル) ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond Racing 17.886 32 - 10 19 柴田裕吉 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) DTM 32.372 32 11 第4戦 リザルト 順位 No. ドライバー エンジン チーム タイム/差 周回 予選 1 4 R.クインタレッリ(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 39'33.055 45 1 2 1 R.アンティヌッチ(アメリカ) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 0.352 45 3 3 36 番場 琢 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 1.806 45 5 4 3 横溝直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 5.381 45 4 5 10 J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) ホンダ(M-TEC MF204C) M-TEC 5.923 45 2 6 7 山本左近 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 6.852 45 7 7 33 池田大祐 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) Now Motorsports 8.435 45 6 8 12 F.カルボーン(ブラジル) ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond Racing 9.006 45 - 9 8 中嶋一貴 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 10.100 45 8 10 2 武藤英紀 ホンダ(M-TEC MF204C)TODA RACING 19.898 45 9 ドライバーズポイント (第4戦終了時での有効得点:暫定) 順位 ドライバー名 エンジン ポイント 1 R.アンティヌッチ トヨタ・トムス 54 2 番場 琢 トヨタ・トムス 51 3 中嶋一貴 トヨタ・トムス 46 4 横溝直輝 トヨタ・トムス 34 6 R.クインタレッリ トヨタ・トムス 28 7 山本左近 トヨタ・トムス 27 9 池田大祐 トヨタ・トムス 15 マニュファクチャラーポイント (第4戦終了時までの有効得点:暫定) 順位 メーカー(エンジン名) ポイント 1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 80 2 ホンダ(M-TEC MF204C) 33 3 ニッサン(ニッサンSR20VE) 23