全日本GT選手権

JGTC 第4戦 富士 決勝/トヨタモータースポーツニュース


2ヒート総合でトヨタ・スープラ勢最上位の3位に入ったシュワガー/織戸組のトヨタ・スープラ(C)TOYOTA

全日本GT選手権(JGTC)
第4戦 Malaysian JGTC in FUJI SPEEDWAY

     JGTC第4戦 変則2ヒートで行われた富士でスープラが3位

       スープラ勢は予選で速さを見せるも、決勝は霧と雨の悪コンディション。
       路面状況の判断が結果を分ける


 全日本GT選手権の第4戦「Malaysian JGTC in FUJI SPEEDWAY」が7月12日
~13日にかけて静岡県の富士スピードウェイで開催された。
 今大会は本来6月22日にマレーシア・セパンサーキットで予定されていたが、
新型肺炎SARSの影響を考慮して中止となり、代替イベントとして急遽富士スピー
ドウェイで行われることになったもの。
 富士でのGTレースは5月の第2戦のほか、8月にも第5戦が予定されているこ
とから、今回はシリーズ初の試みとして2ヒート制が採用された。予選で第1ヒー
トのグリッド順を決定、決勝はピットストップなしのスプリント的な30周で第1
ヒートを行ったあと、25分間のインターバルをおいて第1ヒートの結果順に第2
ヒートを実施。今度はピットストップを義務つけた50周で行われる。
 レースとしてはあくまで1レースで、総合順位はそれぞれのヒート結果に与えら
れる仮ポイントの合計によって決定される。2つのヒートの周回数が異なり、イン
ターバルにはセッティング変更も可能など、通常のイベントとは異なる要素が注目
を集め、決勝当日は霧と断続的に小雨の降る不安定な天候も影響して波乱含みの展
開となった。
 今大会はGT500に18台/GT300に26台のエントリーがあり、このう
ちトヨタ勢はGT500クラスに7台のトヨタ・スープラ、GT300に4台のト
ヨタ・MR-Sと1台のトヨタ・セリカ、合計12台が参加した。


◆予選◆
 12日の公式予選は曇天。路面はドライだったが降雨も予想されており、午前中
の1回目セッションの早いうちから積極的なアタックが行われた。
 スープラ勢はストレートの長い富士に合わせた空力パーツを装着して予選に臨み、
この中でauセルモスープラ38号車が早めのタイムアタックで1分24秒324
を記録してトップに。その後赤旗中断をはさんでスープラ勢がタイムアップを果た
し、WOODONEトムススープラ36号車が2番手、プロジェクトμエスペリア
スープラ35号車が3番手、そしてZENT トムススープラ37号車が4番手に
つけた。
 午後の予選2回目も結局雨は降らなかったが、他カテゴリー車の走行などにより
路面状況が思わしくなく、大半の車両が1回目のタイムを更新できず、第2戦富士
に続くスープラ38号車のポールポジションが決定した。また、ADVANスープ
ラ25号車は悪条件下で果敢にアタックを決めて総合5番手に食い込み、スープラ
勢は見事グリッド1~5位を占める圧倒的なパフォーマンスを披露した。
 一方、GT300クラスではウェッズスポーツセリカ19号車が初のポールポジ
ションを獲得した。前戦SUGOでシェイクダウンしたばかりのセリカだが、その
後開発も進み序々に本来のパフォーマンスを発揮。決勝に期待を持たせた。

◆決勝◆
 決勝日の13日は朝から小雨模様。朝のフリー走行は霧の影響で5分遅れとなり、
その後霧は一度晴れたが、第1ヒートのスタート前には再び発生。このためスター
ト時刻は1時間15分遅れ、当初の予定から周回数を短縮して行われることとなっ
た。第1ヒートは20周、第2ヒートは30周となり、第2ヒートのピット義務も
撤廃された。
 霧が晴れ、第1ヒートのスタートが切られた午後2時20分には、雨は殆ど上が
り、路面もハーフウェット状態に。このため基本はウエットタイヤだが一部のチー
ムはスリックタイヤを選択していた。
 ポールポジションスタートのスープラ38号車は雨を予想してダウンフォースが
強めのセッティングで臨むも、雨はスタート直後に一旦落ちたのみで、不利な展開
となった。強めのダウンフォースでストレートスピードの伸びない38号車は4周
目にスカイライン12号車の先行を許したあと序々に後退。2番手スタートのスー
プラ36号車も乾きかけた路面にレインタイヤがマッチせず、ピットに戻ってスリッ
クタイヤに履き替え、順位を落とすこととなった。
 一方、スリックタイヤでのスタートに賭けたデンソーサードスープラ39号車は、
周回を重ねるごとに順位を浮上する快進撃を見せ、4位で迎えた最終ラップに2台
をパス。2位でチェッカーを受けた。
 続いてインターバルの整備時間をはさんで午後4時4分にスタートが切られた第
2ヒートは強い雨の中、2番手スタートから好スタートを決めたスープラ39号車
がトップで周回を開始。序盤は後続を引き離しにかかるが、セーフティカー導入に
よりそのリードは帳消し。その後、路面コンディションにレインタイヤがマッチせ
ず序々にペースダウン。スカイラインの先行を許すこととなってしまった。一方、
スープラ38号車はじわじわと順位を上げ、残り5周で3位にポジションをアップ。
さらに上位を窺うがそのままチェッカーとなった。
 この結果レース順位は39号車が3位に入り、第2戦に続く富士での連続表彰台
を獲得。38号車も4位、また前戦での優勝などにより110kgものウエイトを
積んで臨んでいたスープラ1号車も6位入賞を果たし、ポイントランキング首位に
踏みとどまることに成功した。
 一方、GT300クラスで初PPを獲得したセリカ19号車は、第1ヒートはタ
イヤ選択をミス、第2ヒートはフロントウインドウが曇るトラブルに見舞われてク
ラス5位に終わった。


デンソーサードスープラ39号車 ドライバーD.シュワガーのコメント:
第1ヒートは必ず乾くと読んでスリックを履いてスタートしたが、序盤に一時雨が
落ちたときは駄目かと思った。3位表彰台は2回目だが、今後はさらに上位を目指
す。

デンソーサードスープラ39号車 ドライバー織戸学のコメント:
第2ヒートは水しぶきがすごく、スタートで前に出ようと狙っていた。ややコンデ
ィションが合わず、首位を明け渡さざるを得なかったが、初めてGTでトップを走
り、自信につながった。

auセルモスープラ38号車 ドライバー竹内浩典のコメント:
第1ヒートはフルレイン寄りの強めのダウンフォースが路面状況に合わず、本来の
パフォーマンスを発揮出来なかった。しかし、きちんと戦えたことで次戦への手ご
たえを感じている。

auセルモスープラ38号車 ドライバー立川祐路のコメント:
第2ヒートではややライバルに安定性で及ばず悔しい結果となったが、今季初めて
きちんとゴールすることが出来た。さらに勢いを増して次の富士に向けては必勝を
期す。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
霧と雨という非常に難しいコンディションの中、きちんと大会が開催されたことは
良かったと思う。ドライの予選では相応の速さを発揮出来たが、99年開幕戦(鈴
鹿)以来となったウエットレースでは雨でのパフォーマンスを更に高める必要性を
感じている。次戦の富士に向けては仕切り直して全力を尽くす。

第4戦 リザルト
順位 No. 車両     第1ヒート            第2ヒート       2ヒートの合計ポイント
            ドライバー順位ポイント ドライバー順位ポイント

 1 12 スカイラインGT-R   井出有治     1 30 B.トレルイエ 1 30    60
 2 22 スカイラインGT-R   影山正美     4 27 R.ライアン   2 29    56
 3 39 トヨタスープラGT D.シュワガー 2 29 織戸 学     6 25    54
 4 38 トヨタスープラGT 竹内浩典     6 25 立川祐路     3 28    53
 5 23 スカイラインGT-R   本山 哲     3 28 M.クルム     7 24    52
 6  1 トヨタスープラGT 飯田 章     9 22 脇阪寿一     4 27    49
 7 36 トヨタスープラGT E.コマス     7 24 土屋武士     8 23    47
 8 18 ホンダNSX          S.フィリップ12 19 道上 龍     5 26    45
 9 62 ヴィーマックRD350R 柴原眞介     5 26 密山祥吾    14 17    43
10 35 トヨタスープラGT 服部尚貴    11 20 脇阪薫一    12 19    39

チーム                  車両               No.ドライバー         第4戦結果
TOYOTA TEAM SARD        トヨタスープラGT 39 D.シュワガー/織戸 学   3位
TOYOTA TEAM CERUMO      トヨタスープラGT 38 竹内浩典/立川祐路       4位
ESSO TOYOTA TEAM LeMans トヨタスープラGT  1 脇阪寿一/飯田 章       6位
TOYOTA TEAM TOM'S       トヨタスープラGT 36 土屋武士/E.コマス       7位
KRAFT                   トヨタスープラGT 35 服部尚貴/脇阪薫一     10位
TEAM ADVAN・ツチヤ      トヨタスープラGT 25 荒 聖治/J.デュフォア 14位
TOYOTA TEAM TOM'S       トヨタスープラGT 37 黒澤琢弥/M.アピチェラ 15位
RACING PROJECT BANDOH   トヨタセリカ       19 青木孝行/田中 実       5位
TOM'S SPIRIT            トヨタMR-S     17 松永まさひろ/長島正興 10位
DENTAIRE PROJET RACING with aprトヨタMR-S 34 西澤誠剛/松田晃司  11位
TEAM RECKLESS           トヨタMR-S     31 佐々木孝太/後藤 聡   14位
シグマテックレーシングチーム トヨタMR-S71 Guts城内/澤 圭太     18位


ドライバーズポイント
順位 ドライバー            ポイント
1位 脇阪寿一/飯田 章          49
1位 本山 哲/M.クルム          49
3位 R.ライアン/影山正美        47
5位 土屋武士/E.コマス          30
6位 D.シュワガー/織戸 学      26
8位 服部尚貴/脇阪薫一          18
11位 竹内浩典/立川祐路          15

 チームポイント
順位  チーム               ポイント
1位  NISMO                      67
2位  ESSO TOYOTA Team LeMans    49
4位  TOYOTA TEAM TOM'S          32
5位  TOYOTA TEAM SARD           26
7位  KRAFT                      18
9位  TOYOTA TEAM CERUMO         15
11位  TEAM ADVAN・ツチヤ          12

エンジンチューナーポイント
順位 エンジンチューナー    ポイント
1位 トヨタテクノクラフト        64
2位 オーテックジャパン          62
3位 無限                        35
4位 東名エンジン                25
5位 BMW Motorsport               2
6位 シエラスポーツ               2
※全て4戦終了次点。暫定
   
◆トヨタモータースポーツ情報はTOYOTA motorsportsをご覧下さい。


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