全日本GT選手権

JGTC第8戦 鈴鹿 決勝


3位に入ってチャンピオンを決めたエッソスープラ(Photo:K.Takeshita)

              エッソスープラが3位ゴールで新チャンピオンに
                    GT300はA’PEX MR-Sがタイトル奪取

 JGTC最終戦は暖かな鈴鹿サーキットで開催され、#64Mobil 1 NSX(ラルフ・ファー
マン/松田次生)が序盤にトップを奪いそのまま今季3勝目を飾ったが、ポイントリー
ダーの#6エッソウルトラフロースープラ(脇阪寿一/飯田章)が3位でゴールしたた
め、ポイントの逆転はならず、寿一/飯田がチャンピオンに。またGT300では、4位
でゴールした#31 ARTA A’PEX MR-Sの新田守男/高木真一が逆転でチャンピオンを
獲得した。なおGT300クラスのチームチャンピオンは3年連続でチームタイサンが獲
得した。

 16日の予選でポールポジションを獲得したのは、唯一1分55秒台のコースレコー
ドをマークした#6スープラ。逆転タイトルを狙う#64NSXは、それを上まわるタイ
ムを出していたのだが、シケインをショートカットしていたためにタイム抹消で、
3位だった。2位には#18 TAKATA童夢NSX(セバスチャン・フィリップ/リチャード
・ライアン)。GT300ではランキングトップの#3ユニシアジェックスシルビア(山野
哲也/柳田真孝)がポールポジションで、2位は伏兵#5 BANPRESTO CAR倶楽部マッハ
号MT(玉中哲二/三船剛)、3位は#71 シグマMR-S(Guts城内/澤圭太)。

 決勝レースは52周で争われた。スタートは大きな混乱もなかったが、ヘアピンで
飯田の#6スープラにライアンの#18NSXが襲い掛かり、スプーン1個目でトップを
奪う。またファーマンの#64NSXがシケインで飯田をかわして2位浮上。そして2台
のNSXによる激しいトップ争いが始まった。13周目のヘアピンでブレーキをロック
させた#18NSXに#64NSXが並びかけ、スプーンの1個目で完全にサイドbyサイド。
しかしここでライアンがバランスを崩してスピン、コースアウト。この後は#64NSX
の独走状態となった。13周の時点で、2位は金石勝智の#8ARTA NSX、3位はジェレ
ミー・デュフォアの#39デンソーサードスープラGTで、以下#6スープラ、#100
RAYBRIG NSX、#23カストロール ピットワーク GT-R、#1 auセルモスープラ。

 20周を過ぎたあたりからルーティンピットが始まり、これが落ち着いた30周の時
点でトップは、松田の#64NSX。5.5秒後ろに土屋圭市の#8NSX、織戸学の#39スー
プラ、寿一の#6スープラという順に。やがて周回遅れが絡みトップ2台の差は急接
近。そしてさらにポジションを上げた#6スープラが迫ってきた。#6スープラは3
位ゴールでチャンピオン獲得なので、ポジションキープでOKなのだが、みるみるう
ちに差を詰め、終盤46周目にはトップまで4.5秒差に。さらに最終ラップでは完全
にトップ2台に追いつき、ヘアピンでは#8NSXに並びかけてファンを沸かせた。し
かし最後まで順位は変わらず#64NSXが優勝。3位ゴールした寿一/飯田が新チャン
ピオンを獲得した。

 GT300では、#3シルビアの山野が、三船の#5モスラーを先行させて2位走行中だっ
た18周目に、エンジントラブルのためにスローダウン。これで#62Vemac R&Dダン
ロップ320R(柴原眞介/密山祥吾)が逆転チャンピオンかと思われたが、#62ヴィー
マックもウェイトハンディに苦しみ7位がやっと。ポイントランキング3位だった#
31MR-Sが4位でゴールして、逆転でチャンピオンの座についた。優勝は終盤に#19
ウェッズスポーツMR-Sと接触したものの何とかコースに踏みとどまった#81ダイシ
ンアドバンシルビア(大八木信行/青木孝行)で、今季初優勝。2位は雨宮マツモトキ
ヨシアスパラRX-7(松本晴彦/木下隆之)、3位は#24EndlessタイサンアドバンGT3R
(木下みつひろ/福山英朗)で、チームタイサンはこれで3年連続6回目のチームタイ
トルを獲得した。

(Report:K.Minakoshi)

          終盤の1ポイントを巡る攻防。ホンダの逆襲は実らず

チャンピオン争いは、決勝中のベストラップ上位3車に与えられる1ポイントがタ
イトル決定を左右し、これを巡って終盤激しい争奪戦が見られた。
終盤まで#6スープラはベストラップで3位にいたが、この1ポイントを失えば#64
NSXが同点で逆転チャンピオンを手に入れることになる。このため、ホンダ陣営は
タイトルの権利を失った#1NSXの道上をピットインさせ、タイヤを交換してコース
に送り出した。しかし、道上の渾身のアタックも荒れた路面と混雑したコースでは、
2分を切ることができず。ホンダ陣営の捨て身の作戦も結局実を結ばなかった。

2002年11月17日 鈴鹿サーキット(三重県) 決勝 天候:晴れ/コース:ドライ
-P--No.Cl.-Car---------------------------Drivers-----------Lap-GoalTime---(WH)
 1  64 500 Mobil 1 NSX                   松田/ファーマン    52 1:46'44.403(60)
 2   8 500 ARTA NSX                      土屋/金石          52 -     0.724(30)
 3   6 500 エッソウルトラフロースープラ  脇阪/飯田          52 -     0.982(50)
 4 100 500 RAYBRIG NSX                   加藤/光貞          52 -    27.364(30)
 5  39 500 デンソーサードスープラGT      デュフォア/織戸    52 -    28.754(10)
 6   1 500 auセルモスープラ              竹内/立川          52 -  1'00.354(70)
 7  25 500 FK/マッシモADVANスープラ      山路/荒            52 -  1'32.593(20)
 8* 23 500 カストロールピットワークGT-R  影山/コマス        52 -  1'41.485
 9  36 500 トクホン トムス スープラ      土屋/ガードナー    52 -  1'55.166(70)
10  16 500 無限NSX                       道上/伊藤          51 -    1Lap (100)
11  30 500 綜警McLaren                   岡田/黒澤          51 -    1Lap
12  35 500 プロジェクトμエスペリアSUPRA  影山/脇阪          51 -    1Lap
13  33 500 United UKYO SUPRA             近藤/下田          51 -    1Lap
14  18 500 TAKATA童夢NSX                 フィリップ/ライアン49 -    3Laps (70)
15  87 500 HKS CLK                       山西/五十嵐        48 -    4Laps
16  81 300 ダイシンADVANシルビア         大八木/青木        48 -    4Laps(40)
17  24 300 EndlassタイサンアドバンGT3R   福山/木下          48 -    4Laps(30)
18   7 300 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7 松本/木下          48 -    4Laps(20)
19  31 300 ARTAアペックスMR-S            新田/高木          48 -    4Laps(50)
20 910 300 910ロデオドライブアドバンGT3R 松田/ウィルコックス48 -    4Laps(20)
21  71 300 シグマMR-S                    城内/澤            48 -    4Laps(10)
22  62 300 Vemac R&Dダンロップ320R       柴原/密山          48 -    4Laps(80)
23  28 300 DIRECTIONタイサンADVAN GT3R   羽根/山岸          48 -    4Laps
24   2 300 BOSSベルノ東海AR・NSX         高橋/渡辺          47 -    5Laps(20)
25 911 300 PCJナインテンBORO GT3R        平川/芳賀          47 -    5Laps
26  17 300 Kosei SPIRIT MR-S             松永/藤田          47 -    5Laps
27  19 300 ウェッズスポーツMR-S          田中/後藤          47 -    5Laps(40)
28   5 300 BANPRESTO CAR倶楽部マッハ号MT 玉中/三船          47 -    5Laps(20)
29  37 500 ZENT トムス スープラ          黒澤/野田          46 -    6Laps(20)
30  51 300 C-WEST・AUTOSTAFF・ADVANシルビア尾本/石川          46 -    6Laps
31 360 300 ダンテール・フェラーリ         西澤/佐々木       46 -    6Laps
32  15 300 AMPREX BMW M3GT               橋本/クワン        46 -    6Laps
33  26 300 PLUS e タイサンアドバンGT3R   余郷/西澤          46 -    6Laps(30)
34   9 300 ARCいじけむしぽるしぇ         竹中/下島          45 -    7Laps
35  86 300 プロジェクトμ・クリスタルMRS  長島/松田          44 -    8Laps(10)
36  70 300 外車の外国屋ダンロップポルシェ石橋/小宮          42 -   10Laps
37  55 300 イクリプスタイサンADバイパー  山田/清水          41 -   11Laps
38  12 500 カルソニックスカイライン      田中/トレルイエ    36 -   16Laps(10)
-----------以上完走----------------------------------------------------------
  * 21 300 ダンロップ BMW M3             一ツ山/菊地        28 -   24Laps
    22 500 ザナヴィニスモGT-R            本山/クルム        27 -   25Laps(50)
    66 300 ORC with REVOLUTION RX7        清水/塩野入       27 -   25Laps
    77 300 クスコスバルADVANインプレッサ 小林/谷川          19 -   33Laps(20)
     3 300 ユニシアジェックスシルビア    山野/柳田          18 -   34Laps(80)
    76 500 イエローコーンマクラーレンGTR 服部/田嶋          17 -   35Laps(30)
    88 500 ノマド ディアブロ JGT-1       アピチェラ/和田     8 -   44Laps
    63 300 レイジュンR&DダンロップGT3R   OSAMU/中川          0 -   52Laps
-----------------------------------------------------------------------------
Fastest Lap #64 Mobil 1 NSX    1'58.531   2/52  176.79km/h

*#23 黄旗区間での追越しによりペナルティストップ10秒。
*#21 燃料給油違反によりペナルティストップ10秒。



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