Formula Nippon

NAKAJIMA RACING FN SUZUKA REPORT

シリーズ名:全日本選手権フォーミュラ・ニッポン
大会名:    第4戦・鈴鹿
距離:      5.86403km×35周
予選:     7月5日 晴・観衆:1万4000人(主催者発表)
決勝:     7月6日 晴・観衆:4万0000人(  同  )


高木虎之介選手、念願の今季初優勝をポール・トゥ・ウインで達成!
予選で大活躍した山西選手は残念にもリタイヤ!


 梅雨期開催となったフォーミュラ・ニッポン(略称:FN)第4戦の舞台は、PIAA 
NAKAJIMA RACINGの高木/山西両選手が得意としている鈴鹿サーキット。しかしレー
スウイークは週前半から太平洋高気圧が梅雨前線を朝鮮半島側に押し上げたままとな
り、予選/決勝ともが早朝から気温がグングン上がる厳しいコンディションで行なわ
れることとなった。
 午前中の公式練習を経ての予選開始時刻は午後1時30分。強い陽射しによって気温
37℃/路面49℃となったコースに各マシンが登場し、公式練習時に定めたセッティン
グが適切であるかどうかなどを確認しながらタイムアタックを始める。PIAA 
NAKAJIMA RACINGの高木選手そして山西選手もマシンの仕上がり具合をチェックした
上で、ニュータイヤを装着しての本格的タイムアタックに備える。
 午後2時10分を過ぎた頃からは、ニュータイヤを履いた各マシンが次々とコースイ
ン。今回も公式練習で好調な走りを示した高木選手のPIAAレイナード97Dは、予選終
了数分前の時点でトップタイムをマーク。さらにはFNデビュー後4戦目のルーキー、
もう1台のPIAAレイナード97Dに乗る山西選手が見事4番手までに急進。しかしその
直後に影山正彦選手が高木選手のタイムを覆して首位に立ち、デ・ラ・ロサ選手が山
西選手を押し退けて4番手に浮上。高木選手はわずかに残された時間内に予選首位奪
回を図るべく再度アタックするが、コースアウトしたマシンによる一部区間の追い越
し禁止措置によってクリアラップが取れずに予選を終了。これによってPIAA 
NAKAJIMA RACINGの2台は、高木選手が2位、山西選手が5位という結果になった。
 しかし今回の公式予選においては、上位陣の順位に変化をもたらす裁定が競技委員
より走行終了後に下された。まずは予選3位となった黒澤選手が後方から追い付いて
きたマシンの行く手を遮り、追い付いてきた当該マシンをコースアウトさせる要因を
作ったとして予選タイム抹消となり、決勝スタート位置を最後尾とするペナルティが
課せられた。また、黒澤選手の僚友である予選1位の影山正彦選手が追い越し禁止区
間内でその指示を遵守しなかったとして、その周でマークした自己ベストタイムがや
はり抹消された。したがって公式予選順位は、PIAA NAKAJIMA RACINGの高木選手が1
位となり、影山正彦選手/デ・ラ・ロサ選手が2/3位、そしてそれに続いて山西選
手が4位というオーダーになる。
 スターティンググリッドを確定するためのスペシャルステージは、この順位変動に
よって予選6位に繰り上がった本山選手から開始。初のスペシャルステージ出走とな
った山西選手は公式予選5位の光貞選手がマークしたベストラップタイムを更新する
ことができなかったため2列目スタート位置の座を奪われたものの、4番目にタイム
アタックするはずだった公式予選3位のデ・ラ・ロサ選手がマシントラブルでコース
インできないというハプニングが発生。不出走となったデ・ラ・ロサ選手は、規則に
従って予選6位位置までグリッド後退したため、一旦は順位後退した山西選手は2列
目グリッドのまま決勝進出を果たせることとなった。スペシャルステージ最後のアタ
ッカーとなった高木選手はまったく危なげなくタイムを詰め、ポールポジションを難
なく守って走行を終了。外的作用によるものとはいえ、PIAA NAKAJIMA RACINGは1/
4位という現段階で考えられる理想的グリッドを手中に収め、多くのポイントを獲得
できる好機を得て決勝に臨むこととなった。
 決勝当日も早朝から晴れ渡り、フリー走行が行なわれる午前8時50分の時点で気温
は早くも32℃。PIAA NAKAJIMA RACINGではマシンセッティングはもとより、酷暑での
レースを念頭に置いた入念なチェックをこのセッションで行なって決勝に向けての準
備を万全のものとした。
 その第4戦決勝は午後2時過ぎ、路面温度55℃という暑い中で定刻通りに開始。パ
ッシングポイントが少ない鈴鹿ではスタートが極めて重要な意味あいを持つが、ポー
ルポジションの高木選手はそのスタートでやや出遅れてしまい、予選2位の影山選手
がこの隙をついてイン側を抑えて先行を試みる。しかし高木選手は第2コーナーまで
のアプローチでアウトから果敢にこれを阻止して首位奪還に成功。一方の山西選手は、
スタートの混戦で7番手まで順位を後退させる。
 高木選手はトップに立つとともにスピーディなペースでレースをリードし、4周目
には早くも2番手の影山選手との差を3秒として、以降もその差を着実に広げて快走。
4番手にいた本山選手がトラブルによってリタイヤしたことで6番手となった山西選
手も上位グループに食い込んだまま好走して入賞が期待されたが、11周目にシケイン
手前直線部分で痛恨のスピンを喫してリタイヤを余儀なくされてしまう。
 中盤となったレースは依然として高木選手が圧倒的な速さで制したまま。タイヤと
マシンに過剰な負担をかけないよう、常に2番手との差をコントロールしながらの巧
妙な走法で周回を重ねる。これによってレースの見所は、予選でのペナルティによっ
て最後尾スタートとなった黒澤選手の追い上げシーンに移り、黒澤選手もそうした期
待に応えるように周回毎に順位を上げて13周目にはついに6番手にまで進出。が、黒
澤選手のマシンは15周目にトラブルを発生させてしまい、コース脇でエンジンは息を
止めてしまう。
 3番手のデ・ラ・ロサ選手が2番手の影山選手に接近する場面が時折見られたもの
の、中盤以降も順位膠着したままでレースは最終周を迎え、終始安定したペースで走
り切ったPIAAレイナード97Dの高木選手は、チームの念願であった今季初優勝を見事
達成してフィニッシュ。すでにシーズン中盤に入った97年フォーミュラ・ニッポンの
タイトル獲得のための貴重な足掛かりとなるポイントをゲットして表彰台の中央に立
った。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督:中嶋 悟のコメント
『今季初の優勝であり、1年ぶりの優勝ということで、本当にうれしい勝利となりま
した。山西選手は結果こそリタイヤとなりましたが、走り込んでいる鈴鹿では第3戦
までに得たものを実践できるまでに確実に成長しているので、次戦で良い結果を期待
したいと思います。チームとしてはこの勢いを以降にもつなげて、タイトル獲得に向
けて頑張ります』


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