Formula Nippon

NAKAJIMA RACING FN MINE RACE REPORT

シリーズ名:全日本選手権フォーミュラ・ニッポン
大会名:第7戦 
距離:4.470km×45周
予選:9月13日 晴れ    観衆:1万5200人(主催者発表)
決勝:9月14日 曇り一時雨 観衆:4万1000人(主催者発表)

PIAA REYNARD 97D #64高木虎之介選手
今期最多4回目、気迫のポールポジション獲得!!悪天候による混乱のスタートで、
ペースが乱れ、レースは5位ゴール。

PIAA REYNARD 97D #65山西康司選手
終始シャーシバランスに苦しみながらのレースウィーク。混乱のスタートを切り抜け
るも、最終コーナーでコースアウト、リタイヤを喫す。

 全日本選手権フォーミュラニッポンは、舞台を再び中国地方の山口県美祢市のセン
トラルパークMINEサーキットに移して今大会で7戦目を迎えた。台風19号の接
近に伴い、天候不順が心配される中、13日(土)、恒例の公式練習が開始された。こ
の日はなんとか天気も保ち、コースコンディションもドライのままでの走行となった。
公式練習の序盤、高木選手は、多少セッティングに苦しむ場面もあったものの、後半
には、セッティングの方向性が決まり、3番手のタイムをマーク。午後の予選に向け
確かな感触を掴んだ。そして13:20から公式予選開始。終始トップタイムを出し続け
ていた高木選手は、残り時間20分のところでピットイン。新品タイヤ投入のタイミン
グを伺う戦略をとる。そして残り10分のところで、満を持してコースイン。タイヤを
温めアタックを開始すると当然のようにトップタイムを更新、他を圧倒するタイムを
叩き出すことに成功する。そして高木選手の状況を伺っていた、スペシャル・ステー
ジ出場の常連であるペドロ・デ・ラ・ロサ選手、黒澤琢弥選手らが、高木選手に食い
下がった。一方の山西康司選手は、公式練習からシャーシバランスを見つけられない
ままの走行となってしまったこともあって予選13番手に終わることとなる。
 午後3時25分から行われたスペシャル・ステージにおいて最後のアタッカーとな
る高木選手は、公式予選2番手につけていたロサ選手がその時点でのトップタイムを
マークしたことを確認すると、全神経を集中してコースイン。気迫の走りで、計測最
終ラップである4周目、ロサ選手のタイムを上回るとモニターに釘付けになっていた
観衆からの歓声とレース関係者のため息が交錯し、今期最多4度目のポールポジショ
ン獲得の偉業を達成することとなる。結局、予選結果は、高木虎之介選手を筆頭に、
ロサ選手/影山正美選手/黒澤選手/飯田章選手/脇坂寿一選手とつづいた。
 明けて、決勝日。台風19号は、九州地方、中国地方付近に停滞を続け、いつ雨が
降り出してもおかしくない状況となる。この状況の中、PIAA NAKAJIMA RACINGは午前
中に行われる40分のフリー走行で、レースセッティングの最終チェックを行う。そ
して、このフリー走行においてもトップタイムをマークして高木選手は、午後の決勝
に向け、確かな手応えを掴んでいた。
 大会協議委員会は、一方、台風19号接近に伴い天候不順を考慮して、決勝レース
の予定を20分早めることを決定、これにより午後1時40分決勝のフォーメーショ
ンラップがスタート。波乱はここから始まった。各車フォーメーションラップを終え
グリッドに着いたところで雨が降り出し赤旗中断。各チーム一斉に、グリッドに戻り、
タイヤ交換、セッティングの再設定をすることとなり、再スタート前の限られた時間
の中での作業を強いられる。PIAA NAKAJIMA RACINGは、今後、雨が強くなることを想
定し、深溝のレインタイヤを装着し再スタートする事となる。他方、2番手グリッド
からスタートのロサ選手は浅溝のレインタイヤを選択、4番手スタートの黒澤選手は、
スリックタイヤ(晴れ用のタイヤ)を選択というトップランカー3人のそれぞれの思惑
が交錯する再スタートとなってしまった。そして午後1時55分、セイフティーカー
の先導により再スタート。そして3人のタイヤ選択が決勝レースの明暗をはっきり分
けてしまう。再スタートを切った時点で、雨は止み始め路面も徐々に乾き始めており、
浅溝のレインタイヤを選択した選手が有利な状況に変化。そのため、深溝のレインタ
イヤを選んだ高木選手は、後退を余儀なくされてしまう。この状況を打破するため、
中嶋総監督は5周目で高木選手をピットインさせる判断を下し、チームスタッフの素
早い作業でスリックタイヤ(晴れ用のタイヤ)に装着し直し、戦線に復帰させる。しか
し、F1とは違いフォーミュラニッポンのようなスプリントレースでのピットインは
致命的であり、高木選手がコースに復活したときには、19番手までポジションを落
としてしまうことになってしまった。しかし、ここから怒濤の追い上げ、進撃が始ま
る。各チームもタイヤ交換をするため車をピットインさせたこともあったが、その後、
周回を重ねるごとにポジションを14番手、12番手、8番手と上げて行き、12周
目に早くもポジションを7番手までに再浮上して見せる。その後、スリックタイヤを
装着してスタートした黒澤選手、同じくスリックタイヤを装着して2番手を走行して
いたラルフ・ファーマン選手がそれぞれトラブルを抱えリタイヤしていく中、高木選
手は前走車の、これもスリックタイヤ(晴れ用のタイヤ)でスタート、4番手を走って
いたマルコ・アピチェラ選手を猛追、一時30秒以上離れていたタイム差を2秒差ま
でに縮めるが、追い抜くにはいたらず、5位でチェッカーを受ることになった。チー
ムメイトの山西選手は、6周目、最終コーナーで、コースアウト、終始マシンバラン
スに苦しんだこともあってリタイヤを喫してしまう。
 なおレースは、スタートからスリックタイヤ(晴れ用のタイヤ)を装着、天候を味方
に付けた、ノルベルト・フォンタナ選手が2位以下を大きく引き離し、今期初優勝を
飾った。

■中嶋総監督のコメント
「結果的には天候を見方にすることはできませんでした。何が起こるか分からないの
がレースです。」
     
●次戦は9月27日~28日栃木県ツインリンクもてぎで開催されます。


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