Formula Nippon

NAKAJIMA RACING FN FUJI RACE REPORT

●シリーズ名:全日本選手権フォーミュラ・ニッポン
●大会名:第9戦 富士スピードウェイ
● 距離:4.470×45Laps
●予選:10月18日(土) 晴れ      観衆:  7200人(主催者発表)
 決勝:10月19日(日) 晴れ一時曇り  観衆:2万7800人(  〃  )

PIAA REYNARD 97D #64高木虎之介選手
スペシャル・ステージ9戦連続出場する速さの証明!!しかし、決勝ではセイフテ
ィーカーの導入でマシンのバランスに変調をきたし、無念のリタイヤ。

PIAA REYNARD 97D #65山西康司選手
混乱の予選で8番手ポジションを獲得。しかし、決勝用セティングが決まらず、痛恨
のスピン、リタイヤに終わる。

 秋の気配が深まる中、静岡県の富士スピードウェイにおいて、第9戦フォーミュ
ラ・ニッポンが開催された。来期F1へのステップアップが正式に発表された高木虎
之介選手、フォーミュラ・ニッポンルーキーながら、これまで2度のスペシャル・ス
テージ進出と開幕戦で5位入賞を飾るという非凡な才能を見せる山西康司選手の両選
手は、それぞれの思いを胸にレースウィークを迎えた。
 予選に先駆けて行われる1時間の公式練習において、高木選手は、マシンのバラン
スがなかなか取れず5番手、チームメートの山西選手もミッションにトラブルが発生
してしまったこともあって14番手と不本意なポジションとなってしまう。
 そして、予定通り行われた公式予選は近年希に見る荒れたものとなってしまう。な
んと5回もの赤旗が出され、走行中断によるセットアップのリズムが狂うことを余儀
なくされてしまった。この混乱の公式予選の中、中嶋総監督を中心に、高木選手、山
西選手、PIAA NAKAJIMA RACINGのチームスタッフ全員のチーム力で、午前中の不振と
混乱に立ち向かい、最終的に高木選手を暫定3番手、山西選手を8番手ポジションに
送り込むことに成功する。しかも、この高木選手の暫定3番手のタイムは、新品タイ
ヤを投入して、たった1周のみのアッタックラップで叩き出したタイムである。ここ
でも改めて高木選手の速さとチームの総合力が証明されることになった。
 また、混乱が続いた公式予選となってしまったため、走行中にスローダウン指示に
従わなかった等の違反行為があったと判断された選手が4人おり、その中にS.S(スペ
シャル・ステージ)進出の権利を持つ選手がいたため、更に混乱が広がる。結局、最
終裁定が下りS.Sに進出する選手が決定したのは、夕闇も迫った午後4時30分にな
ってしまう。そして、混乱のS.Sにおいてポールポジション争奪で気をはいたのが
PIAA NAKAJIMA RACINGの高木選手であった。4番目に走行の高木選手は、その時点ま
でのトップタイムを出していた脇坂寿一選手(ANABUKI 童夢無限)を0.5秒近く突き放
す1'16.709を叩き出すことに成功する。高木選手の走行の後にコースインした富士を
得意とする金石選手(FUNAI SUPER AGURI)にはこのタイムを更新されてしまうものの、
暫定ポールポジションの、N.フォンタナ選手(Le Mans)は高木選手のタイムを更新す
る事ができず、その結果、ポールポジションは金石選手(FUNAI SUPER AGURI)、S.Sで
ポジションを1つ上げた高木選手、以下N.フォンタナ選手(Le Mans)、脇坂寿一選手
(ANABUKI 童夢無限)、黒澤琢弥選手(TEAM IMPUL)、山本勝巳選手(NAVI CONNECTION 
RACING TEAM)とスターティング・グリッドが決定する。
 明けて決勝日。ガソリンを満タンにして決勝用のレースセティングでの走行となる
フリー走行では、高木選手、山西選手は対照的な仕上がりとなってしまう。ここでも
速さを見る高木選手はトップタイムを叩き出し、決勝に向けて確かな手応えを掴むが、
山西選手は、18番手と不本意なポジションで走行を終えてしまう。
 定刻通りウォームアップ走行が開始され、高木選手がグリッドにつくと、地元静岡
での最後のレースとあって大勢のファンに囲まれ、今までにない大きな声援の受けて
のスタートとなった。そしてその声援に応えるように、高木選手は、抜群のスタート
を決めトップで1コーナーに飛び込んでいき、コントロールラインに戻ってくると、
2位以下を大きく引き離し戻ってくる。一方の山西選手はスタートを難なく決め、1
つポジションを落としてしまうが、9番手で戻ってくる。
 しかしトップ走る高木選手は、5周目辺りから思うようにタイムが上げられず、6
周目の1コーナーで後方から追い上げてくるN.フォンタナ選手に先行されてしまう。
何とか、20周目まではセカンドポジションをキープするが、21周目、明らかにラ
ップタイムが1秒以上早い、黒澤琢弥選手、後方から追い上げてきたP.D.Lロサ選手
に道を譲らざる終えず、4番手となってしまう。我慢の走行となった高木選手に、更
に不運が襲いかかる。レースの2/3以上を消化した時点でコース上に止まった車を
排除するため、セイフティーカーが導入され、全区間追い越し禁止、スロー走行を余
儀なくされてしまう。このスロー走行において、1度タイヤが冷えてしまうとマシン
のバランスが狂い、レースが再開された直後の第1コーナーでのブレーキングでコン
トロールを失い、スピン。そのままグラベルヘッドに捕まり、リタイヤを喫してしま
うことになる。高木選手本人は、「無理なブレーキングしたわけではない、いつもよ
り手前でブレーキングをしたのに。」と無念な思いを語った。チームメイトの山西選
手も、決勝用のセティングがうまく決まらなかったこともあってか、19周目に100
Rで単独スピン、無念のリタイヤでレースを終えてしまう。
 なおレースは、ポールポジションからスタートした金石選手が今期初優勝を果たし、
P.D.Lロサ選手、影山正美選手と続いた。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督:中嶋悟のコメント
「高木選手は、セイフティーカー導入のスロー走行で車に変調をきたし、シャーシバ
ランスが狂ってしまったようです。山西選手は、経験不足と若さが出たレースとなっ
てしまいました。」

※次回、1997年フォーミュラ・ニッポン最終戦は、11月8日~9日、三重県鈴
鹿サ ーキットで開催されます。来期F1にステップアップを果たした高木虎之介選
手のフォ ーミュラ・ニッポン、ラストランとなります。


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