2000年4月3日
本田技研工業株式会社
広報部/モータースポーツ部
2000 AUOTBACS CUP 全日本GT選手権シリーズ第1戦“MOTEGI GT CHAMPION RACE”
ホンダ NSX 第1戦で2-3位を獲得!
公式予選は1-2-3位を独占!
○開催日 :2000年4月1(土)~2日(日)
○開催地 :栃木県 ツインリンクもてぎ(コース全長:4.801379km)
○決勝レース :63周(約302.387km)
○天 候 :予選日/晴れ 決勝日/薄曇り→晴れ
○コースコンディション:予選日/ドライ 決勝日/ドライ
○観客数 :42,500人(主催者発表)
国内モータースポーツのトップカテゴリーの一つである2000年全日本GT選手権シ
リーズが、「もてぎGTチャンピオンレース」を開幕戦として、4月1日(土)~2日
(日)、栃木県ツインリンクもてぎにおいて開催された。
本年のNSX勢は、昨年の3チーム4台に1チーム1台を加え、4チーム5台の新
体制でそれぞれニューカラーリングを身に纏い、ツインリンクもてぎに集合した。
1日(土)に行われた公式予選は、TAKATA童夢NSXが2番手を1秒474引き離すコース
レコードでポールポジションを獲得。2番手はCastrol無限NSX、3番手はRAYBRIG
NSXと、NSX勢は公式予選1-2-3位を独占した。
2日(日)の決勝レースは、Castrol無限NSXが常に上位でコンスタントに走り第2位、
Mobil 1 NSXが予選13番手から素晴らしい追い上げを見せ第3位を獲得。シリーズの今
後に大きな期待を持たせた。
●MOTEGI GT CHAMPION RACE 出場チームと戦績
┌─┬────────┬──────────┬─────┬─────┬─┬─┐
│No.│マシン名 │エントラント名 │監 督 │ドライバー│QF│FI│
├─┼────────┼──────────┼─────┼─────┼─┼─┤
│ │ │AUTOBACS RACING │ │鈴木亜久里│10│7│
│8│ARTA NSX │ │鈴木亜久里│ │ │ │
│ │ │TEAM AGURI │ │土屋 圭市 │位│位│
├─┼────────┼──────────┼─────┼─────┼─┼─┤
│ │ │ │ │中子 修 │2│2│
│16│Castrol 無限 NSX│ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │道上 龍 │位│位│
├─┼────────┤ 無限×童夢 │熊倉 淳一 ├─────┼─┼─┤
│ │ │ プロジェクト │ │脇阪 寿一 │P.│ │
│18│TAKATA 童夢 NSX │ │ │ │ │R│
│ │ │ │ │金石 勝智 │P.│ │
├─┼────────┼──────────┼─────┼─────┼─┼─┤
│ │ │ │ │伊藤 大輔 │13│3│
│64│Mobil 1 NSX │Mobil1 Nakajima │中嶋 悟 │ │ │ │
│ │ │ Racing │ │シュワガー│位│位│
├─┼────────┼──────────┼─────┼─────┼─┼─┤
│ │ │チーム国光 │ │飯田 章 │3│ │
│100│RAYBRIG NSX │ │高橋 国光 │ │ │R│
│ │ │with MOONCRAFT │ │服部 尚貴 │位│ │
└─┴────────┴──────────┴─────┴─────┴─┴─┘
※タイヤ=全車ブリヂストン
3月31日(金)に行われたフリー走行では、午前・午後ともTAKATA童夢NSXがトップタ
イムをマークしトータル2番手はCastrol無限NSXと、NSX-GT 00スペックの俊足ぶりを
見せつけた。また、GT-A合同テスト時に発生していた駆動系トラブルは、限られた時
間の中で取り得る最大限の対策部品が用意され、このセッションで効果確認が行われ
た。
○公式予選 4月1日(土) 第1回/10:55~11:55 第2回/15:00~16:00
昨年と同じくGT500クラス占有で開始された公式予選第1回の最初の20分は、TAKAT
A童夢NSXの脇阪寿一選手が、ただ一人コースレコードの1分47秒976をマーク、暫定の
ポールポジションを手中に収めた。
前日のフリー走行2番手だったCastrol無限NSXの道上龍選手は、懸命のタイムアタ
ックを見せたが、トランスミッション・トラブルが発生しタイムロス。3番手のタイ
ムでこのセッションを終了した。
RAYBRIG NSXは、飯田章選手がタイムアタック。6番手までタイムを詰めピットに戻
った。
ARTA NSXは鈴木亜久里監督兼選手がハンドルを握りタイムアタック。ゼッケン通り
の8番手。
Mobil 1 NSXはドミニク・シュワガー選手がタイムアタックに出走したが、アタック
を開始した頃に第5コーナーでスピン、コースアウトを喫してしまった。直ぐに再走
しピットに戻ったものの、マシン整備のため予選第1回の残りの時間はピットに止ま
ることとなった。
混走の20分は、Mobil 1 NSXを除き各車ともドライバーを交代し、基準タイムをクリ
アしセッティングを確認していた。
午後15時から予定されていた公式予選第2回は、やや遅れ15時05分から開始された。
インターバルの間にセッティングの変更を行ったTAKATA童夢NSXの脇阪選手が、再度
タイムアタック。GT500クラス占有時間の後半、自らのコースレコードをさらに短縮す
る1分46秒968をマーク。ポールポジションを確定した。
Castrol無限NSXは、インターバルの間にトラブルを修復、道上選手がアタックを行
い1分48秒442のタイムで第2位に浮上。RAYBRIG NSXの飯田選手も、1分48秒574とタ
イムアップに成功し、第3位。ホンダNSXは公式予選1-2-3位を独占することとな
った。
ARTA NSXはこの回、第9位。トータルでは第10位、5列目からのスタートとなった。
Mobil 1 NSXは、インターバルの間にマシンを整備し、再度アタックを行ったがタイ
ムアップならず、第13位7列目からのスタートとなった。
この結果ホンダNSX勢は、予選1-2-3位を独占。翌日の決勝レースに期待がもた
れた。
○決勝レース 4月2日(日) 14:00~ 63ラップ
朝8時30分からのフリー走行でもTAKATA童夢NSXはトップタイムをマーク。好調ぶり
をしめしていた。
14時、全車きれいにスタート。2000年の全日本GT選手権の幕が切って落とされた。
道上選手がハンドルを握るCastrol無限NSXは、予選2番手、フロントローからスター
ト。セイフティカー・ランまで2番手をキープしていたが、再スタート時に3番手に
順位を落とした。その後ドライバーを中子選手に替わったCastrol無限NSXは、TAKATA
童夢NSXのリタイアにより2番手に復帰すると、そのポジションをキープ。後続との差
を見ながらコンスタントに走りきり、第2位でチェッカーフラッグを受けた。
予選13番手からのスタートとなったMobil 1 NSXは、D.シュワガー選手が乗車してス
タート。中段からの追い上げとなったD.シュワガー選手は、序盤素晴らしい追い上げ
を見せ、1周目11番手、3周目9番手、4周目8番手、13周目7番手と順位を上げて
いった。セイフティカー・ラン解除された後の18周目には5番手にまで浮上。ルーチ
ンのピットストップの混乱が収まった37周目には4番手を走行していた。その後3番
手に浮上するとコンスタントにラップを刻み、着実に残りラップを消化、第3位でチ
ェッカーフラッグを受けた。
予選10番手のARTA NSXは、鈴木監督兼選手がハンドルを握りスタート。序盤他車と
接触するなどファイト溢れる走りを見せる鈴木監督兼選手は、徐々に順位を上げ7番
手の28周目、土屋選手にバトンタッチ。ハンドルをまかされた土屋選手は、息付き症
状がでるなどマイナートラブルを抱えたマシンをいたわりながらポジションをキープ。
第7位でチェッカーフラッグを受けた。
ポールポジションからスタートしたTAKATA童夢NSXは、脇阪選手がハンドルを握り、
後続を引き離しにかかる。ところが2番手のCastrol無限NSXを約7秒ほどリードした
13週目、他チームのマシンが接触からクラッシュしコース状に部品が撒き散らされた
ため、コース清掃にセイフティカーが導入され隊列は一列縦隊となり、リードは無く
なってしまった。17周目再スタート、脇阪選手は再びリードを広げにかかる。32周目、
約11秒のリードをつくりルーチンのピットイン。ドライバーを金石勝智選手に交代、
タイヤを替えガソリンを補給してコースへ復帰した。上位陣のピットストップが一段
落した37周目、TAKATA童夢NSXはトップに返り咲き後続との差11秒あまりをさらに引き
離しにかかる。ところが40周目、突然スローダウン、コースサイドにマシンを止めて
しまった。本レースで、ここまで快調にきたTAKATA童夢NSXにとって痛恨のミッション・
トラブルで、そのままリタイアとなった。
予選3番手のRAYBRIG NSXは、飯田選手がスターティングドライバーを務め、序盤3
番手をキープしていたが、8周目ロックタイト・ゼクセルGT-Rに先行され4番手。そ
の後も今ひとつペースが上がらず、ドライバー交代後は8番手を走行していたが、52
周目、エンジントラブルからピットロード出口付近にマシンを止め、リタイアとなっ
た。
レースは、TAKATA童夢NSXのリタイアの後トップをキープしたロックタイト・ゼクセ
ルGT-Rが、ミレニアム初戦を飾った。
○2位 無限×童夢プロジェクト 熊倉 淳一監督
「TAKATA童夢NSXは、残念な結果でした。フリー走行から予選、朝のウォームアップ
と調子が良かったので、思い切って行かせたのですが肝心なところでトラブルが出て
しまいました。Castrol無限NSXは、18号車とは違いトラブルが続いていたので、決勝
レースもペースを押さえ完走を狙っていました。二人のドライバーも良く指示に従い
我慢の走りをしてくれました。00スペックの2台には、限られた時間の中で出来る対
策は施してレースに臨みましたが、まだ十分ではなかったですね。今週末の富士スピー
ドウェイのテストと、連休のレースまでにさらに対策を施して、今度こそ2台で上位
を走らせます。期待して応援してください。」
○Castrol 無限 NSX 中子 修選手
「走りきれるか不安だったけど、メカニックが徹夜続きで頑張ってくれたし、表彰
台に立てて嬉しいね。道上選手とコンビを組んで今年で3年目だし、まだチャンピオ
ンを獲得していないのでぜひ欲しい。00スペックのNSXは車体がかなり良くなっている
し、次のレースは勝ちにいくよ。」
○Castrol 無限 NSX 道上 龍選手
「今回は予選からミッションの問題が出てしまって、決勝は完走を第一に考えて走
りました。その結果、無事に走りきって2位でチェッカーを受けることができて良か
ったです。00スペックのポテンシャルは本当に高いですよ。ウチは開発チームなので、
これから富士スピードウェイでテストを行ってミッションの信頼性を上げるべく頑張
ります。NSXでチャレンジして3年目になるので、今シーズンはホンダ勢の中で一番、
そしてチャンピオンを獲得したいですね。」
○3位 Mobil1 Nakajima Racing 中島 悟総監督
「チーム一丸となって獲得した3位表彰台だと思います。両ドライバーもスタッフ
も完璧な仕事をしてくれました。次は我がチームの優勝経験がある富士スピードウェ
イです。チャンピオン争いができるようにチーム一丸となり頑張ります。」
○Mobil 1 NSX 伊藤 大輔選手
「シュワガー選手から自分に交代してから安定して周回することができました。チ
ーム一丸となって、予選の不振から3位表彰台なのですごく嬉しいです。」
○Mobil 1 NSX ドミニク・シュワガー選手
「予選は本当にがっかりしたけど、日曜日のフリー走行からは車のフィーリングが
すごく良かった。決勝で車の状態はパーフェクトだった。いい仕事ができたと思う
よ。」
○7位 AUTOBACS RACING TEAM AGURI(ARTA NSX) 鈴木亜久里監督兼選手
「スタートでは狙い通りにポジションを上げることができたけど、2周目はアウト
側がダートだったので引くに引けず、派手なバトルをしてしまった。前半、タイヤを
温存して後半にスパートをかけたけど、まだまだいけたね。マシンセッティングをは
じめ、問題点は全部わかった。今シーズンは土屋圭市選手と二人で、お客さんが楽し
めるレースをしていくから期待してよ。」
○ARTA NSX 土屋 圭市選手
「決勝ではいいペースでいけたんだけど、ピット作業で2台に抜かれてしまったの
と井出選手をなかなか抜けなかったのが悔しかったね。でも決勝レースで何とかNSXの
乗り方がわかってきたよ。00スペックのNSXは本当に速いから新車が来るのが今から待
ち遠しいね。」
○TAKATA 童夢 NSX 脇阪 寿一選手
「自分が乗っていたときは何の問題もなかったのに…。優勝できると思ったのに突
然のことでした。16号車(道上・中子組)とはペースが違ったしね。でも今回は予選
で46秒台、決勝でもいい走りができていたので、次のレースはイケるよ。」
○TAKATA 童夢 NSX 金石 勝智選手
「今回のレースは残念でした。00スペックのNSXは運動性能が高くて扱いやすく、決
勝レースを通してもいいタイムをキープできたのですが…。チームスタッフも本当に
よくやってくれているので今度はぜひ優勝したい。」
○RAYBRIG NSX 飯田 章選手
「残念な結果でしたが、レース内容は悪くなかったと思う。今シーズンのチーム監
督は昨年まで一緒に走っていた高橋国光さん。そして今年はNSXの10周年ということで、
新しいパートナーの服部選手と二人でチームタイトル、そしてチャンピオンを狙って
いきたいですね。」
○RAYBRIG NSX 服部 尚貴選手
「飯田選手から交代してから、徐々に車の調子が悪くなり、結局リタイアになって
しまった。NSXはコーナーリングがとても速いから、確実なマシンコントロールを要求
される車だね。だからドライバーにとっては難しいところもあるけどやりがいがある
よ。昨年は思ったようなレースができなかったシーズンだったので、今シーズンは今
までの経験をフルに生かして頑張ります。」
提供:本田技研工業株式会社 広報部
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