全日本F3選手権第6戦は17日、鈴鹿サーキットで決勝を行い17周を走って、国本雄資(トムス)がポールトゥウインで初優勝を飾った。Nクラスは、クラス2位からスタートした山本尚貴(HFDP)が優勝した。
午前中やんでいた雨がぱらぱらと降り始めた12時45分、グリッドへ向けてのフォーメーションラップが始まった。レコードラインは、ほぼドライコンディションだ。スリックタイヤを履いた全15台が1周を回ってグリッドに整列し、シグナルブラックアウトでスタート。
上位陣は無難にスタートし、予選順位のままで1コーナーへ。トップは国本雄資(トムス)、2位マーカス・エリクソン(トムス)、3位井口卓人(トムス)。4位にNクラスポールのアレキサンドラ・インペラトーリ(ACHIVEMENT)をかわした安田裕信(スリーボンド)が、5位にそのインペラトーリ、6位に嵯峨宏紀(ルボーセ)、7位にケイ・コッツォリーノ(戸田)と続く。
レースは、国本、エリクソン、井口のトムス勢が後続を引き離しながらの接近戦となる。井口は、1コーナーでシケインでエリクソンに並びかけるが、エリクソンも巧みなライン取りでこれを退ける。
国本は、背後のエリクソンが井口への防戦一方だったため比較的安泰。後方から脅かされることなく17周を走りきって、ポールトゥウインでうれしい初優勝を飾った。
エリクソンと井口の攻防は最終ラップのシケインまで続いたが結局、エリクソンが逃げ切り2位。3位には井口が入った。
その後方、トップ3台には徐々に差を広げられたが、4位安田、5位嵯峨、6位コッツォリーノの第2集団3台も接近戦となった。7周目にコッツォリーノが嵯峨をかわして5位に上がるが、その後は各ドライバー決め手がなく、そのままの順位でゴール。4位安田、5位コッツォリーノ、6位嵯峨となった。
Nクラスは、インペラトーリのリードでレースが始まり、その後方に明らかにジャンプスタートとわかるフライングで後にドライビングスルーペナルティを受ける関口雄飛(AIM)、山本尚貴(HDFP)、千代勝正(NOVA)、小林崇志(HDFP)と続く。
しかしNクラスは山本のスピードが抜けていた。一時はクラスコースレコードをたたき出すスピードで、インペラトーリ、オープニングラップでパスされた小林をも7周目の1コーナーでアウトからかわしてトップで躍り出ると後続を引き離し、レース終了時点ではクラス2位以下を9秒以上離してクラス優勝を飾った。クラス2位に千代、同3位にインペラトーリとなった。
Nクラスポイントリーダーの関口は、1コーナーでコースアウト、さらにドライビングスルーペナルティを受けるなどさんざんだったが、レース中にタイヤ交換して、最終ラップに本レース中に山本の記録したコースレコードを塗り替える1分57秒040をたたき出し、ファステストラップポイント1を獲得した。
次戦第4大会第7戦、第8戦は、6月27日、28日に富士スピードウェイで開催される。
Text: Yoshinori OHNISHI / Photo: Motorsports Forum