ホンダ技研工業株式会社は3日、2012年度のモータースポーツ活動概況を発表した。そのリリースより以下に国内4輪関係のみ抜粋した。
Hondaは、2012年のモータースポーツ活動の概要として、「モータースポーツ参戦体制」と「モータースポーツ普及活動」について、以下の通り発表しました。
1.モータースポーツ参戦体制
Hondaにとってモータースポーツ活動は、チャレンジングスピリットの象徴であり、創業当時から世界の頂点を目指してさまざまなレースカテゴリーに挑戦してきました。これまでに培ったノウハウとチャレンジングスピリットで、2012年もより多くのお客様の期待に応え、共感していただけるモータースポーツ活動を展開します。
【四輪モータースポーツ活動】
SUPER GTシリーズは、さらに運動性能を向上させた「HSV-010 GT」をGT500クラスに投入し、5チーム5台体制でドライバーとチームのダブルタイトル奪還に挑みます。今年より(株)M-TECとの共同プロジェクトのもと、レーシングハイブリッドシステムを搭載した「CR-Z」をGT300クラスに投入、「チーム 無限」としての参戦活動をサポートします。
全日本選手権フォーミュラ・ニッポンでは、燃焼効率をさらに高め、高出力と低燃費を両立させた3.4L V8エンジン「HR10E」を4チーム6台に供給し、ドライバーズチャンピオンとチームチャンピオンのダブルタイトル奪還を目指します。
2.モータースポーツ普及活動の概要
Honda Sports & Eco Program
今年より新たな普及活動として、(株)モビリティランドと(株)M-TECが共同で運営する参加型モータースポーツ「Honda Sports & Eco Program」がスタートします。このプログラムは、エコとスポーツドライビングの両立を目的とし、「Honda CR-Z Sports & Eco仕様車両」の性能を参加者が最大限に引き出しながら「操る・磨く・競う」楽しさを気軽に体感できるモーターレクリエーション・プログラムであり、Hondaもサポートします。
○もてぎ1.5チャレンジカップ
「もてぎ1.5チャレンジカップ」は、排気量1.5L以下の車両を使った新たな参加型モータースポーツとして、今年からツインリンクもてぎで年間5回の開催を予定しています。Hondaもこの「参加型モータースポーツの活性化」という主旨に賛同し、(株)M-TECが供給する「フィット RS」などのレース用パーツ開発に協力していきます。
◆SUPER GTシリーズ<GT500クラス>
昨年に引き続きGT500クラスにおいて、ドライバーとチームのダブルタイトル奪還に向け「HSV-010 GT」の運動性能をさらに向上させ、今年も5チーム5台体制で戦います。また、今シーズンも「Honda GTプロジェクト」として、(株)M-TECと(株)童夢の協力のもと、(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンターが主体となってマシンを開発します。また、SUPER GT チャンピオンドライバーのラルフ・ファーマンが「オートバックス・レーシング・チーム・アグリ」から、2008年に全日本F3選手権でチャンピオンを獲得したカルロ・ヴァン・ダムが「ウイダー ホンダ レーシング」より、SUPER GT GT500クラスに参戦します。
チーム名 | ナンバー | ドライバー | 年齢 | 出身地 | 2011年の戦績 |
オートバックス・レーシング・チーム・アグリ (AUTOBACS RACING TEAM AGURI) |
8 | ラルフ・ファーマン (Ralph Firman) |
36 | イギリス | - |
小林 崇志 (Takashi Kobayashi) |
24 | 広島県 | GT500 15位 | ||
ケーヒン リアル レーシング (KEIHIN REAL RACING) |
17 | 金石 年弘 (Toshihiro Kaneishi) |
33 | 大阪府 | GT500 4位 |
塚越 広大 (Kodai Tsukakoshi) |
25 | 栃木県 | |||
ウイダー ホンダ レーシング (Weider Honda Racing) |
18 | 小暮 卓史 (Takashi Kogure) |
31 | 群馬県 | GT500 3位 |
カルロ・ヴァン・ダム (Carlo van Dam) |
25 | オランダ | GT300 24位 | ||
エプソン・ナカジマ・レーシング (EPSON NAKAJIMA RACING) |
32 | 道上 龍 (Ryo Michigami) |
38 | 奈良県 | GT500 12位 |
中山 友貴 (Yuhki Nakayama) |
24 | 石川県 | |||
チームクニミツ (Team Kunimitsu) |
100 | 伊沢 拓也 (Takuya Izawa) |
27 | 東京都 | GT500 9位 |
山本 尚貴 (Naoki Yamamoto) |
23 | 栃木県 |
◆SUPER GTシリーズ<GT300クラス>
今年より(株)M-TECとの共同プロジェクトのもと、レーシングハイブリッドシステムを搭載したCR-ZをGT300クラスに投入し、「チーム 無限」の参戦をサポートします。Hondaは主にレーシングハイブリッドシステムを中心としたパワープラント領域を担当、参戦時期は第4戦(スポーツランドSUGO)からを予定し、開発ドライバーには、インディカー・シリーズやSUPER GT GT500クラスに参戦経験のある武藤英紀を起用します。
チーム名 | ナンバー | ドライバー | 年齢 | 出身地 | 2011年の戦績 |
チーム 無限 (TEAM MUGEN) |
16 | 武藤 英紀 (Hideki Mutoh) |
29 | 東京都 | GT500 15位 |
未定 | - | - | - |
◆全日本選手権フォーミュラ・ニッポン
(株)日本レースプロモーションを通じ、3.4L V8エンジンのHR10Eを4チーム6台に供給し、Hondaエンジン搭載チームによるタイトル獲得を目指します。
なお、今年インディカー・シリーズにフル参戦する佐藤琢磨はフォーミュラ・ニッポンにもスポット参戦を予定しています(詳細は決定次第ご案内します)。
チーム名 | ナンバー | ドライバー | 年齢 | 出身地 | 2011年の戦績 |
エイチピー リアル レーシング (HP REAL RACING) |
10 | 金石 年弘 (Toshihiro Kaneishi) |
33 | 大阪府 | SUPER GT GT500 4位 |
チーム 無限 (TEAM MUGEN) |
16 | 山本 尚貴 (Naoki Yamamoto) |
23 | 栃木県 | FN 11位 |
ナカジマ レーシング (NAKAJIMA RACING) |
31 | 中嶋 大祐 (Daisuke Nakajima) |
23 | 愛知県 | FN 13位 |
32 | 小暮 卓史 (Takashi Kogure) |
31 | 群馬県 | FN 7位 | |
ドコモ チーム ダンディライアン レーシング (DOCOMO TEAM DANDELION RACING) |
40 | 伊沢 拓也 (Takuya Izawa) |
27 | 東京都 | FN 9位 |
41 | 塚越 広大 (Kodai Tsukakoshi) |
25 | 栃木県 | FN 4位 |
◆人材の育成:Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)
Hondaはモータースポーツ界で活躍する有能な若手ドライバーの発掘・育成を目的に、人材育成プログラム「Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト」を展開しています。今シーズンは、全日本F3選手権に参戦する2名、ジュニア・フォーミュラレースである「フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)」に参戦する4名、計6名のドライバーをサポートします。
<全日本F3選手権>
今シーズンは全日本F3選手権(旧Cクラス)に野尻智紀が、F3Nクラスに平峰一貴が参戦。この2名のドライバーをサポートします。
カテゴリー | チーム名 | ナンバー | ドライバー | 年齢 | 出身地 | 2011年の戦績 |
F3 | エイチ エフ ディー ピー レーシング (HFDP RACING) |
8 | 野尻 智紀 (Tomoki Nojiri) |
22 | 茨城県 | F3Nクラス 2位 |
7 | 平峰 一貴 (Kazuki Hiramine) |
20 | 大阪府 | FCJ 4位 |
<フォーミュラチャレンジ・ジャパン>
「世界で活躍する有能な若手ドライバーの発掘と育成」を目的に、自動車メーカー3社※7が協力して設立した、ジュニア・フォーミュラレース「フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)」に引き続き協力していくとともに、スカラシップとして4名のドライバーの参戦をサポートします。
カテゴリー | ドライバー | 年齢 | 出身地 | 2011年の戦績 |
FCJ | 元嶋 佑弥 (Yuya Motojima) |
20 | 福岡県 | FCJ 6位 |
清原 章太 (Shota Kiyohara) |
18 | 茨城県 | FCJ 9位 | |
松下 信治 (Nobuharu Matsushita) |
18 | 埼玉県 | - | |
黒崎 駿 (Shun Kurosaki) |
19 | 福岡県 | - | |
※7 FCJは2006年より、Toyota、Nissan、Hondaの自動車メーカー3社が協力して創設したジュニア・フォーミュラカーレース。その理念は「世界で活躍する有能な若手ドライバーの発掘と育成」および「日本のモータースポーツの裾野を広げ将来を支える人材の育成」という点に置かれています< |
◆人材の育成:鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)
(株)モビリティランドでは、「モータースポーツで世界に通用する選手を育成する」ことを目的として、二輪の「鈴鹿サーキットレーシングスクール ジュニア(SRS-J)」、四輪の「鈴鹿サーキットレーシングスクール カート(SRS-K)」と「鈴鹿サーキットレーシングスクール フォーミュラ(SRS-F)」のレーシングスクールを、トップライダー・トップドライバーを講師に迎えて運営しています。これまでMotoGPライダーやF1ドライバーを輩出しているほか、数多くの卒業生が国内外の二輪、四輪それぞれのカテゴリーで活躍しています。また、SRS-Fでは成績優秀者を対象に、ステップアップカテゴリーであるフォーミュラチャレンジ・ジャパン参戦のスカラシップを授与しています。