全日本GT選手権

GT:4/2-3第2回合同テスト(富士)

■ 1999 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
■ GT INSIDE REPORT
■ Round 2 FUJI GT RACE                                    FMOTOR4 EDITION
  TEST DAY REPORT     GTC合同テスト第2回         99/04/03
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脅速!99スープラ NSXに1秒差をつけて初日トップタイム
ウェットの2日目はTAKATA童夢NSXが開幕戦を再現
GT300はセッションごとにトップが変わる混戦模様


 4月2,3日、全日本GT選手権第2戦富士(5/1~2)を控えて、富士スピー
ドウェイでGTC合同テストが行われた。初日は曇りながらも適度なコンディション
だったが、2日目は雨に肌寒いあいにくの天候となった。

☆1日目
SESSION 1(くもり、気温12度、ドライ)
 午前9時30分から1時間30分のセッション。15分ほどでNo.64 Mobil 1 NSXが100R
でストップ。午後に備えてエンジン交換となった。30分で、野田英樹がドライブす
るNo.200 TRDスープラがトップに立ち、1分25秒838までタイムを延ばして、そのま
まこのセッションを終えた。このマシンはあくまでもTRDによる99型開発テスト車両
としての参加で、野田自身がエントリーするESSO Tiger Team LemansのNo.6ではな
い。
 GT300クラスはNo.25 モモコルセ・アペックスMR2(新田守男)が好調。終始クラ
ストップタイムを刻んだ。
 なお、第2戦はル・マン24時間レースの予備予選に参加するNo.2 ARTAゼクセルス
カイラインのミハエル・クルムに代わって、ヨーロッパツーリングカー選手権で活
躍したベテラン、アルミン・ハーネ(独、43歳)、No.1ペンズオイル・ニスモGTRの本
山哲に代わって、アンダース・オロフソン(スウェーデン、47歳)がスポット参戦す
ることが発表された。

SESSION 2(くもり、気温14度、ドライ)
 午後も気温はさほど上がらず、午前と同じようなコンディションで14時から1時
間半行われた。開始早々にNo.100 RAYBRIG NSX(飯田章)が1分26秒874をマーク
し、その後1時間以上に渡りトップタイムとなった。しかし、1時間10分を経過時
点で、野田英樹がドライブするNo.200 TRDスープラが1分26秒117でトップに。野
田はさらにタイムアップを果たし1分25秒401と午前のタイムをも上回った。
 GT300クラス、午前のセッション同様、No.25 モモコルセ・アペックスMR2がクラ
スをリード。しかし、終了10分前にNo.15 ザナヴィARTAシルビアの土屋武士が1分33
秒878をマークし、この日のGT300トップタイムを獲得した。


No.200 TRDスープラ(GT500 第1日目総合1位)
野田英樹「先日シェイクダウンを終え、富士用に少しダウンフォースを減らしてき
ただけ。まだまだほとんど手を加えていない状態です。それでトップタイムが出た
のですから、99型スープラに期待してもらっても構わないでしょう。98型と比べて
ドラッグが増えずにダウンフォースが上がって、グリップも良くなった。すべての
点で上回っているといえます。特に富士には合っているみたいなので、スープラ・
ファンの皆さんに昨年のうっぷんを晴らすレースをお見せできると思います。今回
はテスト車両でしたが、第2戦では僕ら(No.6 ESSO Tiger Supra)も出場する予定
です。相棒はまだ決まっていません。でも、信吾(舘信吾。3月11日のテスト中の
事故により死去)のためにも絶対勝ちにいきますよ」

No.100 RAYBRIG NSX(GT500 第1日目総合2位)
飯田章「正直言って、スープラは速い。スカイラインもストレートはNSXよりもずっ
と速い。自分としては今日はダメ。なんかクルマが全体的に遅い。富士だし第2戦
は甘くないでしょう。かつてない混戦になると思います。お客さんには楽しいレー
スになるかもしれないけれど、僕らにはシビアですね」

No.25 モモコルセ・アペックスMR2(GT300 1回目1位)
新田守男「鈴鹿から特にマシンは変えていません。コースアウトで壊れちゃった部
分を直してきただけ。去年僕が乗っていたMR2よりもコーナーの中の安定性が良く、
タイヤのタレも少ないですよね。ただ、ブレーキング時にちょっと安定しない。今
日は富士とはいえコーナリングのバランスをメインにセッティングを煮詰めてる」

No.15 ザナヴィARTAシルビア(GT300 第1日目総合1位)
土屋武士「ドライで走るのは初めてだから、やっとシェイクダウンが終わったとい
う感じかな。もう少しドライバーがクルマを感じられるようにならないと。今はま
だバランスウンヌンと言うよりも、クルマもドライバーも限界を上げている状態。
まだやることは山ほどあるし、今日もアタックしていないのにトップタイムなら期
待できますよね。ストレートがMR2よりも速いので、シルビアは富士に向いている
と思いますよ」


☆2日目
SESSION 3(雨、気温4度、ウェット)
 午前中の走り始めの気温は4℃と真冬並み。そのため、ピットで待機するマシン
が多い。1日目にエンジンの積み替えを行ない、満足に走れなかったNo.64 Mobil 1
 NSX(山西康司)はセッション開始と同時にコースイン。ところが開始わずか20分
でAコーナーにストップ。前日に積み替えたばかりのエンジンがブローした。
 午前10時を過ぎると、雨の量は少なり、コースに出るマシンの台数も増えてきた。
路面状況も次第に良くなり、ベストタイムを次々と書き替えられた。セッションが
残り5分を切ったところで、No.18 TAKATA童夢NSX(脇阪寿一)が1分39秒584を
マーク。そこまでトップに立っていたNo.12 カルソニックスカイラインの1分40秒
682を破る。さらに、No.18 TAKATA童夢NSXは、その翌周でトップとなる1分38秒864
をマークした。これに続いたのは、セッション残り15分を切ったところで星野一義
から影山正美に交代したNo.12 カルソニックスカイラインの1分39秒221、そして、
飯田章のNo.100 RAYBRIG NSXの1分39秒883。この3台が1分40秒を切っている。
GT300クラスでは、No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7が1分49秒442でトップだった。

SESSION 4(くもり、気温4度、ウェット>ドライ)
 午後の走り始めになると、雨は止んだが、寒さは気温4℃、路面温度7℃と相変
わらず。路面もウェット状態で、走行が開始された。だが、雨が止んでいる分、コー
ス上の水の量も次第に減っていき、タイムの出方は午前中より早かった。
 No.18 TAKATA童夢NSXがセッション早々に、午前中の自己ベストタイムを破る1分
38分341をマーク。30分を経過した時点では、このNo.18 TAKATA童夢NSXが1分36秒
590でトップ。だんだんと、メインストレートのライン上が乾き始めて、タイムは
徐々にアップ。約1時間が経過したところでは、No.100 RAYBRIG NSXの飯田章が1分
35秒563までタイムを伸ばし、高橋国光にバトンタッチ。また、No.18 TAKATA童夢
NSX、No.1 ペンズオイル・ニスモGTR、No.12 カルソニックスカイラインも1分35秒
台までタイムを伸ばしてきた。
 そして、残り12分となったところでNo.1 ペンズオイル・ニスモGTRが1分34秒979
を出してトップに躍り出た。だが最後の最後にNo.18 TAKATA童夢NSXが1分34秒599を
叩き出し、午前に続いて午後もトップタイムを奪った。
 GT300クラスでは、セッションが始まって30分頃からNo.77 クスコスバルインプ
レッサが首位をキープ。No.19 ウエッズスポーツセリカ、No.7 RE雨宮マツモトキヨ
シRX7、No.25 モモコルセ・アペックスMR2などがそれに続いた。終盤にインターミ
ディエイト・タイヤを装着したNo.77 クスコスバルインプレッサが1分42秒031を出
し、トップを確実にした。


No.18 TAKATA童夢NSX(GT500 2日目総合1位)
脇阪寿一「ベストタイムを出した時は、ちょうど雨が少なかったんですよね。マシ
ンのバランスはそこそこいいです。別に攻めてるワケじゃないけど、あのタイムが
出ている。ただ、雨の中でも、ウェイトを積んでいる分、ブレーキングで止まらな
いですね。すごく気を使います。今までみたいにはマシンの動きも軽快ではないし、
すべての操作を丁寧にしています。乱暴に扱うと、クルマがすぐ暴れるんですよ。
午後はレインタイヤのテストをしていたんですが、路面が乾いてきて余りテストに
なりませんでしたね。それにしても、やっぱり雨が少ない方がやっぱりハンディ
ウェイトは響きますよね」

No.12 カルソニックスカイライン(GT500 2日目午前2位)
星野一義「タイヤとマシンのチェックをしていただけなんで、それほど気合いは入
れてないよ。セッティングを進めていただけ。昨日、ドライではあんまり良くな
かったんだけど、今日は昨日とセットを変えたら良くなったね」

No.1 ペンズオイル・ニスモGTR(GT500 2日目総合2位)
エリック・コマス「雨の中でマシンをコントロールするのは好きだから、今日は楽
しかったよ。今回は、ウェイトを40Kg積んで走ったわけだけど、僕たちのマシンは
それでも去年の開幕の時の1200Kgとほぼ同じ。ちょっとブレーキングの時にテール
スライドするけど、別に問題ないよ」

No.37 カストロール・トムス・スープラ(GT500 2日目総合3位)
鈴木利男「タイムを出した時は、インターミディエイトを履いてたけど、まだ最終
コーナーは雨が降ってたよ。でも、まだミシュランタイヤのことを全部知っている
ワケじゃないので、色んなタイヤを試したかったんだ。マシンは鈴鹿の時と同じ。
ドライの時は鈴鹿の仕様があんまり良くなかったけど、ウェットはまずまずかな。
今回は、ル・マンの予備予選に行く右京の代役、マニングの慣熟走行がメイン。マ
ニングはいいドライバーだよね。性格はいいし、上手いし、速い。ホントに大した
もんだと思うよ」

No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7(GT300 2日目午前1位)
松本晴彦「昨日、空力に問題があったので、ドラッグを減らすようにリヤスポイ
ラーやインダクションポッドの空気の取り入れ口などを改造したんです。その結果、
クルマのバランスも良くなって、車速も伸びましたね。ウェットに関しては、セッ
トも煮詰まってきています。あとは、ドライでのセットですね。まぁ、ウェットで
もバランスはいいので、ドライでもまずまずいいんじゃないでしょうか? これか
らレースに向けてのテーマは、コンスタントラップのタイムをいかに上げるかです」

No.77 クスコスバルインプレッサ(GT300 2日目総合1位)
小林且雄「ベストタイムを出した時は、ヨコハマで言う新作のセミウェットを履い
ていたんですが、それが上手く路面とマッチしましたね。クルマは走るたびに良く
なっていますよ。去年よりタイムも秒単位で上がっていますし、ストレートもセリ
カの方が速いんですが、大体同じレベルまで来ています。去年は大分遅かったんで
すけどね。あとはレースの時に天気が良くなるよう願っています」


◎テスト総合タイム 4月2,3日       富士スピードウェイ(4.470km)
              天候:2日 AM:曇り/ドライ PM:曇り/ドライ
                 3日 AM:雨/ウェット PM:曇り/ウェット>ドライ
                            Time
Po  No  Car/Driver          4/2 AM      4/2 PM     4/3 AM     4/3 PM
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 1   1  TRD スープラ           1'25.838   1'25.401*  1'43.505   1'36.555
        野田英樹/竹内浩典/立川祐路
 2 100  RAYBRIG NSX         1'26.615   1'26.475*  1'39.883   1'35.563
        高橋国光/飯田 章
 3  18  TAKATA童夢NSX       1'27.395   1'26.828*  1'38.864   1'34.599
        脇阪寿一/金石勝智
 4   2  ARTAゼクセルスカイライン     1'27.282   1'27.059*  1'46.527   1'36.005
        鈴木亜久里/M.クルム
 5  35  マツモトキヨシ・トムススープラ    1'28.296   1'27.400*  1'40.946   1'37.155
        山路慎一/P-H.ラファネル
 6   1  ペンズオイル・ニスモGTR     1'28.017   1'27.403*  1'41.425   1'34.979
        E.コマス/本山 哲
 7  37  カストロール・トムス・スープラ    1'28.241   1'27.714*  1'43.100   1'35.387
        鈴木利男/D.マニング
 8  36  カストロール・トムス・スープラ    1'28.120   1'27.815*  1'42.750      -
        関谷正徳/黒澤琢弥
 9  12  カルソニックスカイライン        1'31.186   1'27.831*  1'39.221   1'35.988
        星野一義/影山正美
10  32  cdma Oneセルモスープラ    1'30.127   1'28.047*  1'42.687   1'37.590
        木下隆之/近藤真彦
11  64  Mobil 1 NSX         1'31.742   1'28.249*  1'57.353      -
        山西康司/T.コロネル
12  30  綜警McLaren GTR     1'28.866   1'28.834*     -      1'36.737
        山田洋二/岡田秀樹
13  11  エンドレスアドバンGTR     1'31.438   1'29.136*  1'49.651   1'37.013
        和田孝夫/木下みつひろ
14  88  JLOCディアブロGT-1     1'30.238   1'29.289*  1'42.803   1'37.541
        和田 久/古谷直広
15  55  STPタイサンバイパーGTSR   1'32.452   1'29.589*  1'48.364   1'36.126
        松田秀士/田嶋栄一
16  15  ザナヴィARTAシルビア     1'35.821   1'33.878*  1'50.665   1'47.680
        土屋武士/井出有治
17  25  モモコルセ・アペックスMR2     1'34.520   1'34.212*  1'50.579   1'43.793
        新田守男/菊池靖/高木真一
18  81  ダイシンシルビア          1'35.001   1'34.307*  1'57.989   1'44.018
        水谷竜也/青木孝行
19  77  クスコスバルインプレッサ      1'35.361   1'34.752*  1'51.087   1'42.031
        小林且雄/谷川達也
20  19  ウエッズスポーツセリカ       1'35.760   1'35.017*  1'52.000   1'43.294
        織戸 学/原 貴彦
21   7  RE雨宮マツモトキヨシRX7    1'36.868   1'35.746*  1'49.442   1'43.298
        松本晴彦/山野哲也
22  72  オークラRX7         2'03.338   1'37.869*  1'50.427   2'51.197
        石川 朗/平野 巧
23  21  BP-トランピオ-BMW       1'39.164*  1'39.898   1'51.220   1'48.005
        一ツ山 康/伊藤大輔
24  26  TAISANポルシェRSR      1'39.934   1'40.165*  1'50.707   1'46.817
        須賀宏明/砂子智彦
25  10  アビリティ・マリオポルシェ     1'45.338   1'43.155*     -      1'50.021
        麻生英彦/檜井保孝

○タイムの後の*印はトータルのベストタイム
○今回のドライバーが第2戦出場とは限りません


以上

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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