全日本GT選手権

GTインサイドレポート/Testdays SENDAI

                    AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CAR CHAMPIONSHIP
                       1998  GT INSIDE REPORT
   SENDAI TEST DAY                                           26-27 May '98
   GT Inside Report             インサイドレポート               FMOTOR4版
 -------------------------------------------------------------------------
1998 AUTOBACS CUP全日本GT選手権
合同公開テスト第3回 仙台ハイランドレースウェイ

 5月26、27日、仙台ハイランドレースウェイにおいて、GTAの公開テストが行われ
た。両日とも天候に恵まれ、ドライ・コンディション。午前と午後の各2時間、2
日間で4回の走行が実施された。

☆テスト1日目
 初日の1回目の走行は、五月晴れで気温も平年並みの20度程度。この好コンディ
ションの中、今回もラップボードにはまずNSXの車番が刻まれた。4周目には1分46
秒712をNo.100 RAYBRIG NSXが出せば、6周目にはNo.64 Mobil 1 NSXが46秒844を出
す。15分近く経った段階ではNo.8 FET SPORTS SUPRAが46秒422のトップタイムを4
周目に出す。だが、9周目にはNo.100 RAYBRIG NSXが46秒110でトップタイムを更新
する。
 しかし、それはほんの序章にすぎなかった。13周目には、No.18 TAKATA童夢無限
NSXが、13周目で44秒696と44秒台へ突入。24周目にはNo.64 Mobil 1 NSXが44秒645
とわずかながらベストラップを更新。そして、午前中のセッションの終了間近の42
周目でNo.100 RAYBRIG NSXが44秒584、さらに続く43周目では44秒251の午前中のベ
ストタイムを出した。
 そして午後のセッション。50分過ぎの23周目にNo.64 Mobil 1 NSXが1分44秒101
と午前中のタイムを更新するベストタイム。No.23ベンズオイル・ニスモGTRも22周
目で午前中の自己のタイムを上回る44秒971をマーク。このNo.23はエリック・コマ
スが主にテストを行い、影山正美は今回ドライバー2人が欠席しているNo.2 ZEXEL
スカイラインのテストを行っていた。
 その後、26周目には、No.100 NSXが1分43秒695と午前中のタイムを更新し、さら
にアタックをした終盤は28周目で43秒652というこの日の最速ラップを叩き出す。
驚異の1分43秒台には、他のどのマシンも歯が立たなかった。またしてもトップタ
イムはNo.100の飯田章だった。2番手は44秒101のNo.64のNSX、3番手には30周目と
これまたギリギリの終盤に44秒535のNo.18 NSXとトップ3がNSXという1日目の結果
になった。
 また、テスト中シケインをショートカットするクルマが時折現れ、極端なタイム
を出して計時担当者を悩ませていた。このため、レース時には何らかの対策がなさ
れることになるだろう。


1日目トップタイム・コメント
GT500 No.100 RAYBRIG NSX
飯田章「特に問題なく順調に来ています。富士からクルマもそのままです。まだま
だ、もうちょいと不満を言ったらキリがないですが、良いところまで仕上がってき
ました。足回りと空力を中心に午後はセットしました。ギアはもともと各サーキッ
トの仕様があるんで、それを特には変えていないと言うことです。表彰台に上がれ
るように頑張ります」

GT300 No.61 テイボン・トランピオ・FTO
中谷明彦「富士のままです。思ったより良い感じでタイムが出ているんで、今日の
データを基にやることはいっぱいあります」


☆テスト2日目
 引き続き27日も晴。前日よりも気温の上昇が早く、やや暑い1日となった。
 またも、ラップボードの上位にはNSXの車番が刻まれた。昨日の43秒台には届かな
いものの、20周目にベストタイムの1分44秒302をNo.100 RAYBRIG NSXがマークし、
22周目にはNo.18 TAKATA童夢無限NSXが44秒502をマーク。No.100 飯田章は「特にア
タックしてるわけじゃないんですが、調子がいいですね。クルマの状態も良い」と
クルマのコンディションの良さを語る。29周目にはNo.37 カストロール・トムス・
スープラが44秒732を出した。昨日のスープラのベストタイムはNo.5 5ZIGEN SUPRA
の45秒197だっただけに、44秒台に入ったのはこれが初めてのことだ。だが、No.36
 関谷正徳に聞くと「No.37のタイムは利男が出した。オレはNo.36。NSXと比べて?
全然まだまだ。ポテンシャルの違いって言うか、ベースマシンのNSXがトレッドにし
ても、車高にしても、重心位置ににしても有利でしょう。こっちはタイヤでもやる
かっていうぐらいですから」とまだNSXとの差があることを示した。4番手には10周
目に44秒921をマークしたNo.23 ペンズオイル・ニスモGTRが入った。以下、No.12 
カルソニックスカイラインの44秒938、No.64 Mobil 1 NSXの44秒958まで1分44秒台
のタイムが続いた。午前のセッション終了直前、No.16 Castrol 無限 NSXが35周目
に44秒935に入れ、5番手のタイムとなった。
 GT500クラスでは、さほどのタイムアップはみられなかったが、GT300クラスでは
No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7が14周目に1分51秒005と、昨日のベストタイムを
マークしたNo.61 テイボン・トランピオ・FTOのタイム51秒601を大きく更新した。2
番手は、No.77 クスコスバルインプレッサが52秒565。3番手には、53秒704でNo.
15ザナヴィシルビアがつけた。

 そして、午後のセッションも前日同様2時から開始された。ここで好調NSX勢に波
乱が起きた。No.100 RAYBRIG NSXとNo.18 TAKATA童夢無限NSXという午前のトップ2
が、共にクラッチトラブルで午後のセッションには姿を見せなかったのだ。
 これで残り2台のNSXにベストラップ更新の期待がかかる。まず3周目にNo.16 
Castrol無限NSXが1分45秒465をマーク。5周目にはNo.64 Mobil 1 NSXが45秒313を
出す。まず44秒台に入れてきたのはNo.23 ペンズオイル・ニスモGTRの7周目、44秒
644だった。12周目には44秒201までタイムアップしたNo.23だったが、やはりNSXが
動いた。9周目には45秒246を出していたNo.64 Mobil 1 NSXが25周目に43秒277と、
昨日のNo.100を上回るスーパーラップを記録した。以下、No.23のGTR、3番手には
No.50 ARTAスカイラインが38周目に44秒398を出す。スープラ勢では、No.5 5ZIGEN 
SUPRAが10周目に44秒488を出すが、最終コーナーでクラッシュ。No.39 デンソー
サードスープラGTが32周目に44秒763を出して、5番手に上がった。
 セッション後半にタイムアップが期待されたNo.16 Castrol無限NSXにも、なんと
クラッチトラブルが発生。テスト途中でクルマはガレージに入れられてしまった。
結局No.64 NSXのタイムが、2日間のベストタイムで、もちろんこの日のトップ。こ
れにNo.23、No.50のスカイラインが2、3番手に続くという最終日の午後のセッシ
ョンとなった。
 また、No.0のTRDのテストカー(開発先行車)が野田英樹選手によってドライブさ
れ、No.38では立川祐路が10周ほど初めてのGTC仕様スープラをドライブした。「JTCC
のチェイサーよりも動きが鈍い感じがしますね。まだちょっと走っただけですが…」
と感想を語った。


2日目トップタイム・コメント
GT500 No.64 Mobil 1 NSX
トム・コロネル代理/林秀一郎マネージャー
「渋滞に引っかかってこのタイムということに、トム自身も満足しています。本戦
が晴れならポールポジションを取りたいと言っていました。30kgのウエイトハンデ
ィも影響少なく戦えそうだということです。開幕戦は2位だったので、ここは勝ち
たいと言っています」

GT300 No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7
山路慎一「テストと思ってないし、本気で走ってるんです。予選と同じですね。鈴
鹿から富士とマシン的に明るい材料がないんで、きっちりタイムを出してチームも
盛り上げたいんで初日からガンガン行ってます。クルマのポテンシャルは高いんで
すけど、バランスが良くないんでシャープでピーキーなんですよ。エンジンパワー
のない分、NAの特性にシャシーバランスでカバーしたい。FDは3ローターにしても
重量バランスがリアよりなんで、デメリットは出ていないんですよ」

                    Reported by GT INSIDE REPORT Team


☆走行タイム・データ
1998 AUTOBACS CUP全日本GT選手権
GTC合同テスト第3回 仙台ハイランドレースウェイ
                 天候:26日・晴れ/ドライ、27日・晴れ/ドライ
                Time
Po No. Machne         5/26 AM   5/26 PM   5/27 AM   5/27 PM
-----------------------------------------------------------------------------
 1 64 Mobil1 NSX       1'44.645  1'44.101  1'44.958  1'43.277*
 2 100 RAYBRIG NSX       1'44.251  1'43.652*  1'44.302  -
 3 23 ペンズオイル・ニスモGTR     1'45.814  1'44.875  1'44.921  1'44.201*
 4 50 ARTAスカイライン    1'46.664  1'44.985  1'45.652  1'44.398*
 5  5 5ZIGEN SUPRA      1'47.015  1'45.197  1'45.602  1'44.488*
 6 18 TAKATA童夢無限NSX    1'44.696  1'44.535  1'44.502*  -
 7 37 カストロール・トムス・スープラ    1'47.729  1'45.847  1'44.732*  1'46.633
 8 39 デンソーサードスープラGT    1'48.367  1'45.588  1'46.087  1'44.763*
 9  2 ZEXELスカイライン    1'48.113  1'44.982  1'46.156  1'44.768*
10  8 FET SPORTS SUPRA    1'46.422  1'45.586  1'45.430  1'44.773*
11 16 Castrol無限NSX     1'46.140  1'45.953  1'44.935*  1'45.438
12 12 カルソニックスカイライン      1'46.146  1'45.097  1'44.938*  1'45.089
13  3 ユニシアジェックススカイライン    1'46.627  1'45.117  1'45.430  1'45.029*
14 38 FK/マッシモセルモスープラ     1'47.207  1'45.297  1'46.849  1'45.166*
15 36 カストロール・トムス・スープラ    1'47.490  1'46.431  1'45.813*  1'45.882
16  6 ESSO Tiger Supra    1'53.179  1'50.661  1'46.323*  1'50.811
17 30 綜警PORSCHE       1'50.199  1'48.800  1'48.209  1'47.785*
18 13 エンドレスGTR      1'49.000  1'48.242  1'49.713  1'47.823*
19  7 RE雨宮マツモトキヨシRX7    1'52.602  1'52.786  1'51.005*  1'52.471
20 44 アペックスDLモモコルセMR2    1'54.806  1'52.204  1'53.707  1'51.524*
21 61 ライボン・トランピオ・FTO    1'51.601*  1'51.934  1'54.030  1'52.174
22 77 クスコスバルインプレッサ     1'54.075  1'52.909  1'52.565  1'51.687*
23 15 ザナヴィシルビア    1'55.260  1'52.792  1'53.704  1'52.324*
24 81 ダイシンシルビア    1'55.346  1'52.457*  1'54.883  1'52.471
25 21 ダンロップ-BP-BMW    1'53.454*  -     -     -
26 10 アビリティポルシェ993GT2    1'55.599*  1'56.618  1'57.511  1'56.708
27 28 TFCJフェラーリF355GT  1'59.393  1'58.020  1'57.961  1'57.254*
28 70 外国屋ダンロップポルシェ   1'57.637*  1'58.210  1'59.597  -

◎*印は2日間のベストタイム
◎コースレコード GT500:1'45.745/GT300:1'54.042
◎タイムは非公式のもの。データ協力:仙台ハイランドレースウェイ

以上

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース