全日本GT選手権

GTインサイドレポートAllStar/3

                          NICOS CUP GT ALL STAR RACE 1998
                       1998  GT INSIDE REPORT
   GT AllStar in TI Circuit                                    15 Nov. '98
   Race Report                       決勝レポート               FMOTOR4版
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NICOS CUP GTオールスター戦'98 in TI Cirucit AIDA(11/15)

早めのピットインが勝負を決める
Mobil 1 NSXが1998オールスター戦を制する!
GT300はつちやMR2が有終の美を飾る


 早朝の霧やサポートレースでのクラッシュなど、競技の進行の遅れが心配された
が、GT決勝の前にはスケジュールも予定通りに戻った。そして、午前中に行われた
予選に続き好天に恵まれた中で決勝レースが始められることになった。
 また、午前中の練習走行でクラッシュしたNo.12 カルソニックスカイラインもNo.
30 NICOS PORSCHE、そしてマシントラブルを起こしたNo.15 ザナヴィシルビアもメ
カニックの奮闘でマシンを修復。3台共に最後尾ながら決勝のグリッドにクルマを
並べることが出来た。
 14時5分の定刻にフォーメーションラップがスタート。その中で、No.55 STPタイ
サンバイパーがシートにトラブルが出て、急遽ピットに戻って修復作業を行ったた
め、ピットスタートとなった。3周のフォーメーションの後、ポールポジションの
No.64 Mobil 1 NSXを先頭にしてNICOS CUP GTオールスター戦'98のスタートがロー
リングで切られた。
 その直後の1コーナーで早くも波乱が起こる。ダッシュ良く6番グリッドから飛
び出したNo.36 カストロール・トムス・スープラ(フォンタナ)だったが、集団の
中でNo.18 TAKATA童夢無限NSX(脇阪寿一)と接触。これにNo.50 ARTAスカイライン
(本山哲)も巻き込まれて、この3台はマシンを壊して早くもリタイアとなった。
 一方、ポールスタートのNo.64 Mobil1 NSX(山西康司)はトップをキープしたま
ま、1周目を終えるが、2番手のNo.16 Castrol無限NSX(道上龍)は他車との接触
で一気に6番手まで順位を落としてしまう。これでNo.64をプッシュするのはNo.100
RAYBRIG NSX(飯田章)となる。No.64とNo.100はテール・トゥ・ノーズでバトルを
展開。これに1周目の混乱を付いて順位を挙げたNo.23ペンズオイル・ニスモGT-R
(影山正美)とNo.37(バート)も追いついて、4台が1列になって争う。この後方
は5秒弱開いて、No.16を先頭にNo.39デンソーサードスープラGT(土屋圭市)、No.2
 ZEXELスカイライン(鈴木亜久里)、No.3ユニシアジェックススカイライン(長谷
見昌弘)が一団となる。そして4周目には、最後尾から追い上げてきたNo.12カルソ
ニックスカイライン(星野一義)が、早くもここに追いついた。その直後の5周目。
No.2にマシントラブルが生じて、3コーナー出口で突然のスピン。これを避けよう
としたNo.3は大きくコースアウト。また、目の前でこの混乱を見たNo.12は間一髪で
かわして、順位を挙げた。この際にNo.2がコース上でマシンを止めてしまい、この
撤去作業でセーフティカーがコースに入った。これで、各車の間隔が一気に詰まる。
7周のパレードラップの後に、再スタートとなる。
 この再スタートを上手く使ったのがNo.23だった。コース上に残るオイルに足を取
られて失速したNo.64とそれに引っかかったNo.100をNo.23が一気に抜き、トップに
立つ。特にNo.64はNo.23とのバトルで大きくラインを乱して7番手まで落ち、No.37
、No.39の2台のスープラも相次いでNSX2台をかわして、久々にNSX不在のトップ集
団を形成した。
 これでNo.23が逃げ切り体制かと思われたが、やはりGT選手権はそう甘くはない。
No.23は周回遅れをかわす時に接触をしてしまい、それが原因かマシンが思うように
コントロールできなくなり、ピットインをせざるおえなくなった。一方、No.37もGT
300をかわしそこねて接触、スピンを喫して順位を下げる。これで、再度No.100がト
ップを奪い返す。
 順位を下げてしまったNo.64は24周目、早めに所定のピットインを敢行。ドライバ
ーはポールタイムを出したコロネルとなり、後半戦での巻き返しを狙う。そして、30
周を過ぎると他のチームもルーティンのピットインを始まる。まず2番手を争うNo
.39が30周目にピットインし、谷川達也に交代。33周目にはこのNo.39を追うNo.12が
ピットインして黒澤琢弥へとバトンを渡す。一方、トップに立ったNo.100はギリギ
リまでピットインを延ばして、43周目に高橋国光に交代。ピットアウト直後はわず
かにNo.64の前に飛び込むが、交換したばかりのタイヤのため、タイムがのらずに
No.64にトップを譲ってしまう。この後、No.64はいったんNo.100を引き離すが、50
周くらいからはNo.100が巻き返してテール・トゥ・ノーズ状態にし、57歳で今季最
年長全日本優勝の記録を作った高橋国光と若干25歳のコロネルがバトルを繰り広げ
た。だが56周目にNo.100にトラブルが発生し、一瞬失速し4秒ほどの差が開いてし
まい、これで勝負が付いてしまった。No.64 Mobil 1 NSXはこのまま逃げ切って、第
4戦の富士以来の勝利を得ることになった。2番手はNo.100 RAYBRIG NSX。3番手
にはNo.12カルソニック、No.3 ユニシアジェックス(田中哲也)とのバトルをしの
いで逃げ切ったNo.39デンソーサードスープラGTが入った。


 GT300クラスでは、オープニングラップにNo.61テイボン・トランピオ・FTOの原貴
彦がトップに立った。序盤、2番手を走行のNo.25つちやMR2の舘信吾はオイルに乗
ってしまいスピン。再スタートを切るが大きく順位を落とす。だが、ペースカーラ
ンによって助けられこの時点で5番手まで挽回していた。No.61、No.15ザナヴィシ
ルビアの青木孝行、No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7の松本晴彦がトップ4。20周時
点ではすでにNo.25はNo.61をとらえてトップに。GT300で真っ先に動いたのはNo.7だ
った。No.77クスコスバルインプレッサはスローダウンしピットイン。左フロントと
右リアサスペンションを他車との接触でいためており玉本に交替することなくリタ
イヤ。ピットストップを遅らせたNo.25がトップ。No.61をNo.7が追う展開となった。
だがこの2台は接触し、このためサスペンションを傷めたNo.61はリタイヤとなっ
てしまう。No.25つちやMR2は鈴木恵一に交替した後もマージンをキープしてまたし
ても優勝。2位にはNo.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7が入り、3位にはNo.15 ザナヴィ
シルビアが表彰台に挙がった。


総合優勝
No.64 Mobil 1 NSX
山西康司「序盤はいいペースだったんですが、SCが解除になった後、まだコース上
にオイルが残っていたんです。それで3コーナーでスピードが乗らなくて、抜かれ
てしまいました。それからパッシングするのに時間がかかっちゃいました。シーズ
ン最後になって、クルマにもノレてきた感じです」
トム・コロネル「交代してすぐはプッシュできたけど、途中からなぜか左コーナーで
クルマが曲がりにくくなってきてしまった。後ろの100号車も左コーナーでねらって
いたみたいだけど、ブレーキングで抜かせなかった。勝利はシリーズでなくてもね
らっている。だから今日はとてもハッピーだよ」


GT300クラス優勝
No.25 つちやMR2
舘 信吾「序盤はすごくオイルが出ていて、しまったと思ったらスピンしていまし
た。SCカーをうまく使えて、挽回できて良かったです。ペースを上げてカバーでき
ると思っていましたから。シリーズ戦ではないですが、もちろん勝てたのはうれし
いです。これを入れて7戦中6勝という結果には自分でも驚いています。初めての
GTCでしたから。もてぎは悔やまれますが、それが自分たちの実力だと思います。
でも、チャンピオンを獲れたことは大きな自信になりました」
鈴木恵一「自分のペースを守って、信吾が稼いでくれたプラスを維持しようとした
ら、予想以上に後ろが離れてくれた。スピンしたぶん、信吾ががんばったね」


以上
                       GTアソシエイション事務局
                       GTインサイドレポート班
                       古屋 知幸 = QYB04322 =


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