全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.5/5

                    AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CAR CHAMPIONSHIP
                       1998  GT INSIDE REPORT
   Round 5 MOTEGI GT CHAMPION RACE                             13 Sep. '98
   Inside Report                インサイドレポート2             FMOTOR4版
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'98AUTOBACS CUP GTC第5戦もてぎ MOTEGI GT CHAMPION RACE(9/12,13)

☆フリー走行後のコメント
No.100 RAYBRIG NSX
飯田章「もちろん満タンでのタイムです。ウチはいつも満タンはバランスいいんで
すよ。でも、1分51秒4は遅いよ。レースはたぶん50秒台後半でいくんじゃない? ほ
かが三味線ひいてるのかどうか、それはわからないけどね。展開がどうなるかわか
らないし、またセーフティカーが入ったりするかもしれないから、ピットインのタ
イミングはまだわかりません。ガソリンは、まあ大丈夫だと思います。スタートド
ライバー? さあ、どっちがいくと思います?」

No.23  ペンズオイル・ニスモGT-R
エリック・コマス「予選のアタックを除いて、この週末はずっと満タンでテストし
てきた。もちろん今朝のフリー走行のときも満タンだよ。3番手? そう。燃料を
少なくして走って1分51秒7が出ていたので、満タンで52秒7は驚くことじゃない。
決勝セッティングでのクルマの状態はすごくいい。昨日、10ラップ、また10ラップ
と走ってクルマのバランスを改善していったんだ。ホンダNSXが速いのは明らかだ
けど、90kgのウエイトを積んではいてもクルマはすごくいい。満足している」

No.25 つちやMR2
舘信吾「クルマはいいですよ。昨日のまま、なにもやってないです。重さもさほど
気にならないレベルに仕上がっています。満タンで決勝セットで走りました。レー
スは、表彰台ねらいたいですね。スタートはボクがいきます」

No.77 クスコスバルインプレッサ
加勢裕二代表「ドライバーの慣れとタイヤ交換の練習、それと昨日のラストにメン
テナンスした足回りのセットをしました。2人とも同じぐらい乗っていますよ。
(フリー走行で)タイムを出したのはタマちゃん(玉本秀幸)のほうです。エンジ
ンは前回と同じで、足回りはコツコツと見直した結果がようやく実った感じですね。
スタートは今回、タマちゃんが初担当の予定です。ここのサーキットは燃料をけっ
こう使うんで、ピットストップはちょうど真ん中あたりを予定しています。1年間
は勉強だと思っているんで、なにごともなくぶじに完走したい。GT500クラスとから
んだりするのが心配です。表彰台は、まだねらえるところではないと思います」

マッシミリアーノ・アンジェレッリ(No.19ウェッズスポーツセリカ)
「先週、FIA GT選手権第7戦にザクスピード・チームからポルシェGT1で参加した。
今シーズンの残り全戦に出る予定なんだ。ただ、最終戦のラグナセカだけはGTCと日
程が重なっているのでまだ決めていない。でも、自分にとっての優先順位は日本の
レースが上。日本のレースのほうがFIA GT選手権よりもはるかにコンペティティブ
だからね。トヨタ、ニッサン、ホンダに乗れば勝つチャンスはある。FIA GT選手権
ではメルセデスしか勝つチャンスはない。タイヤにしても、GTCではブリヂストン、
ダンロップ、ヨコハマが拮抗している。ヨーロッパではブリヂストンかミシュラン
しかチャンスはない。ザクスピードが履いているピレリも悪くはないけど、充分な
テストが必要だし、資金が必要だ。だがそれがない。FIA GT選手権で関心があるの
はワークスチームで走る可能性だけなんだ。メルセデスかポルシェのワークスチー
ムで走れるならいい。来年はその可能性があると思う。シーズン終了後にテストを
受けられると思う。その見込みがないなら自分にとってFIA GT選手権に参加する意
味はない。ラグナセカのレースに出るとすれば、その可能性をにらんでのこと。も
しその可能性がないと事前にわかるなら、ラグナセカには行かない。いずれにして
も来年は日本で、できればGT500 クラスを走りたい。これがボクの1999年の目標だ。
だからこそ、今、GT300 に出ている。サーキットを覚えるためにもね。来週、菅生
でGTCのテストがあるのでそれに参加する。9月20日にFIA GT選手権の第8戦があ
るのだが、そちらには菅生のテストの後で行くことにしている。オーストリアのA1
リンクに入るのは金曜日の朝になってしまうけど、自分にとっては日本のレースの
ほうがだいじなんだ。ザクスピードのポルシェに乗るのは楽しいし、チームもすば
らしいよ。でも将来がない。ポルシェGT1のドライブ? "Very easy" 。ボクのよう
にフォーミュラスタイルのドライバーにとっては、セリカやスープラのドライブの
ほうがずっとむずかしいよ。ところで、10月初めに、ベネトン・ユニオンチームか
らニュルブルクルンクで行われるドイツF3選手権のレースに出る。そう、F3に。苦
戦すると思うよ(笑)。でも楽しみなんだ。楽しむために出るんだ。1週間の休暇
だよ。チームから電話があって、5レースに出ないかとオファーがあったんだけど、
FIA GT選手権とGTCがあるので1レースしか日程が合わなかった」

No.91 コーセイ&バーディクラブセリカ
松永雅博「金曜がシェイクダウンです。リアディフューザーを外したら良くなりま
した。JTCCベースですが、以前乗っていたカローラよりもブレーキはいいし、こっ
ちのほうが安定しています。暫定仕様なのでタイヤが細い。もうちょっと太くない
と、フロントのトラクションが稼げないんでつらいですね。もうちょっとグリップ
がほしいです。次戦からはNo.19と同じように太くなります。ST205セリカをFFにし
ているんですが、JTCCで関谷さんのクルマを担当していた東条氏が開発していま
す。足回りやエンジンはNo.19と同じなのですが、リアフェンダーやペダル類、シー
トポジションなどは独自です。来年はターボをつけたいですね。あとはタイヤを太
くしてストレートを速くしたい」


■コース攻略法を聞く
今回がGTC初開催となるツインリンクもてぎロードコース。4人のドライバーにこの
コースのシフトポイントと、コース攻略法を聞いた。

No.16 Castrol無限NSX
道上龍「ここでタイムを縮めるポイントは最終コーナーの走りですね。ブレーキン
グでどこまで詰められるかでしょう。ここのところでアキラさん(飯田章)は速い
んですよね。ここのひとつめでムリしすぎると飛び出しちゃうんですよ。NSXはブレ
ーキがいいんで、ロックもしないし、ABSがなくてもぜんぜん問題ありません。クル
マ的には、コーナー出口のトラクションも重要ですね。これも、NSXはいいんですよ。
抜きどころというのは…、ないですね。奥のヘアピンのブレーキングですかね。1
コーナーでインに入るのは絶対ムリですね。ボク、フォーミュラニッポンで当たっ
ちゃいました。3コーナーでは、インに入っても飛び出しちゃいます。インを抑え
られたら、どこもムリです」

No.12カルソニックスカイライン
星野一義「このコースは、S字とビクトリーコーナーがタイムを詰めるポイントだ
ね。スカイラインにとっては、1速から6速までクロスレシオにしてシフトチェン
ジしても忙しいだけで、いいことはない。それより、トルクのあるところをうまく
使って、2速から5速で走ったほうがタイムが出るんだ。とにかく抜きどころが少
ないから、予選ではできるだけ前にいきたい。ほんとはタイトコーナーが多い、こ
ういうコースは好きじゃないんだけどね。ここと比べたら、MINEのほうがストレー
トが長くて、まだ抜くチャンスは多いよ。それから、もてぎは全部スピードを落と
していくコーナーばかりだから、ブレーキがきつい。冷える時間がないんだよね」

No.38 FK/マッシモセルモスープラ
竹内浩典「ブレーキがかなりきついコースなんですが、逆にフルブレーキングが多
いんで、各コーナーのつっこみのブレーキングで稼げるコースでもあります。あと
は加速。とくに1~2コーナーの脱出、S字の脱出、最終コーナーを含むラストセ
クションがタイムアップのポイントになりますね。抜きどころはほとんどないです。
これも、逆にうまく利用すれば、要所を抑えていれば抜かれないということになり
ます。ボクの印象では、ここは十勝とMINEを足して2で割ったような感じですね。
アップダウンは、ダウンヒルストレート以外はそれほど感じません。ブレーキもタ
イヤもつらいですね。低速からトラクションをかけていくので、低回転からタイヤ
にどんどん負担がかかるんです。タイヤとブレーキを温存するのがポイントですね。
コンスタントに走ることです。一発ポンと行くとつらいです。最初の10周ぐらいは、
抑え過ぎかなと思うくらいのペースでいかないとダメじゃないかと思っています。
スープラは加速がいいんで、有利ではないかと思いますよ」

No.44アペックスDLモモコルセMR2
ピーター・ダンブレック「このコースで重要なのはブレーキングです。F3と比べる
とGT300 のマシンではコーナーをクイックに抜けることはできないから、ブレーキ
ングがとくにだいじなんですよ。できるだけ遅らせるんだけど、遅らせすぎると逆
にオーバーテイクができなくなってしまう。1速で抜けるコーナーが多いんですが、
ここは前回のテストで2速で回ったら立ち上がりの加速が遅すぎたんです。あとは
バランス。第3コーナーと第7コーナーでバランスが乱れがちなので、それを保つこ
とが速く走るためには重要なポイントです。難しいのは第1コーナーで、かなりロー
ルとオーバーステアが出るのでそれを注意しなければならない。ここは高速コー
ナーがあまりなくて低速コーナーが中心だけど、なかでも1、2のコーナーはとくに
注意しなければならない。ボクらのクルマはまだウエイトハンデが少ないこともあ
って、ブレーキがかなりいい。これがこのサーキットでの強みです」



☆決勝スタート直前情報(13時)
天気:晴れ 気温:29度  路面温度:41度
 入場者数:9/13 35、000人(9/12   12,000人)

☆リタイヤ(GTインサイドレポート班調べ)
        原因                     周回数
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No.5    コースアウト&オイルクーラー破損       3L
No.61    駆動系                 14L
No.37    エンジン               17L
No.9     エンジン               24L
No.777   コースアウト           24L
No.64    コースアウト           27L
No.18    コースアウト           27L
No.39    コースアウト           31L
No.7     失格(エンジン押し掛け)    38L
No.13    ミッション             46L
No.117   燃料系                 50L


☆決勝終了後のコメント

No.16 Castrol無限NSX(総合優勝)
道上龍「セーフティカーが入ったときは、No.100がもうアキラさんに代わった後
だったんで、『あーっ、こら逃げられたわ』と思いました。アキラさん、ペース速
かったですからね。でも、神さまがいてました」
中子修「道上がよくがんばってくれたけど、セーフティカーが入って状況が変わっ
てしまった。でも、最後は勝つことができたんで良かったです」

No.77 クスコスバルインプレッサ(GT300クラス優勝)
小林且雄「クールスーツが壊れていたのにはまいった。無線も壊れていて、順位が
ぜんぜんわからなかった。最後までトップだってことはわかりませんでした。チー
ムのみんなのおかげで勝つことができました」
玉本秀幸「いくときにはあっさりいっちゃうもんですね。なんか、まだ実感がわか
ないんですけど。ボク自身もGTC初優勝なんですよ。1回、勝ちそこなったってのは
ありましたけどね(笑)。まあ、いつもヘンな話題ばかりまいてるから、たまには
いい話題もないとね。今日はミラージュと連続表彰台で、良かったです」
加勢裕二代表「勝っちゃいましたね。たまにはこう言うこともあります(笑)。あ
ちこちうまくいったとしか思えない。コースとクルマのマッチィングでしょう。他
のコースでも速く走れるように考えていきたい。自分が走るよりずっと緊張します
ね」

No.12カルソニックスカイライン(総合2位)
星野一義「今日はガチーンといったよ。プロのドライバーはこうでなくちゃってい
うところを見せたでしょ。昨日のトラブルがなければもう少し楽にこのポジション
まで来られただろうけど、それでもNSXに追いつくのはちょっとムリだったかもしれ
ないね。でも、この2位は優勝の価値があるよ。シリーズでも上位に来ているし、
あと2戦がんばるよ」
黒澤琢弥「今はちょっと心地好い疲れを感じているよ。クルマもタイヤも、最後ま
で完璧だった。最後の最後までプッシュして、53秒台で走り続けられたし。NSXに追
いつくのはムリだったと思うけど、2位キープのつもりはなくて、攻め続けた。最
後までなにが起こるかわからないもんね。ARTAに抜かれたときは、周回遅れに前を
はばまれて、本山はいい場所でそれをかわしてきたので、差がつまってしまった。
譲ったつもりはないけど、ムリをして接触するほうがイヤだったし、抜き返せると
思っていたよ。ボクを抜いたあとヘロヘロになっていたから。結局、ペナルティー
を受けてピットストップしたけど、あのまま走っていても抜けたね」

No.36カストロール・トムス・スープラ(総合3位)
関谷正徳「クルマはいつもどおり、まったく問題なかった。タイヤもBSと同じくら
いいけてたからね。しかし、暑くてまいったよ」
N.フォンタナ「No.23を抜くのはたいへんむずかしかった。一度並んだんだけど、ボ
クがアウトサイドにいたから、そこでは抜けなかった。それでタイヤを使ってしまっ
て、最後はアンダー、オーバー、ホイールスピンなんかが出てキツかった。クルマ
はNSXやスカイラインに追いつくためには、もう少しやらなければいけないことがあ
る。でも、現状ではこの順位に満足している」

No.19 ウエッズスポーツセリカ(GT300クラス2位)
織戸学「(入賞できて)良かったけど、暑くて疲れた。クールスーツも効いてるん
だかいないんだか、足がチンチンに暑い。クルマはハンドルが重くて、ヘアピンな
んて身体ごと曲げてる。ほかには問題ないんだけど、腕力をつけないと乗ってられ
ない。FTOやセブンがつぶれてくれてラッキーだった。セーフティカーのタイミング
とピットインも良かった。MINEもセリカにはあっているんで、いきますよ」
M.アンジェレッリ「2位という結果には満足しているが、自分のドライビングには満
足していない。自分はまったく速くなかった。自分の担当のラップでは(クルマや
タイヤが)かなりきびしい状況になってはいたんだけど…」

No.910 ナインテンポルシェ(GT300クラス3位)
余郷敦「2戦続いてアクシデントがあったんですが、ここまでこれてホントによか
った。クルマを直してくれたメカニックのおかげです。木下さんがスタートからい
いところにくっついていってくれて、ピットインのタイミングとかペースカーが入
ったりとか、ラッキーな部分もあったけど、中盤にタレてきてもついていけるよう
になったんです」
木下隆之「砂子の代役で助っ人にきたんですが、いいチームだし、余郷くんも速い。
一発の速さはなかったけど、コンスタントの速さの結果でしょう。砂子が戻ったら
もっと強くなるでしょう」

No.23ペンズオイル・ニスモGT-R(総合4位・ランキング1位)
E.コマス「ねらっていたとおり4位に入れて非常に良かった。これでポイントはかせ
げるし、ウェイトハンディもちょっぴり減らせるからね。チームがいい仕事をした
し、マサミもいい仕事をした。金曜日からずっと、満タンでウェイトも積んだ状態
でテストを続けていた成果が出たのだと思う」
影山正美「(No.39との接触は)コーナーの立ち上がりで、ボクの右フロントタイヤ
と達也の左のフロントタイヤがあたって、フォーミュラと同じように飛び上がって
しまった。(レース後、サードの)ピットにいって、達也とも話をした。『アウト
側を残してくれていたんだから、しょうがない』と言ってくれた」

No.100 RAYBRIG NSX
飯田章「しょうがないよね。セーフティカーが出て走っていたときから、少しおか
しかったんです。(レースが)再スタートしてからはどんどんおかしくなって、ド
ンと来て…。きっと破片かなにかを拾ったんじゃないかな。クルマは、それ以外は
まったく問題ありませんでした。タイヤを換えてからもね。ま、次はいきますよ」
高橋国光「うーん、パンクじゃしょうがないよね。結果は残念だったけど、調子自
体は悪くないですから。次もがんばります」

*3に続く
                       GTアソシエイション事務局
                       GTインサイドレポート班
                       古屋 知幸 = QYB04322 =


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