全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.4/3

                    AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CAR CHAMPIONSHIP
                       1998  GT INSIDE REPORT
   Round 4 JAPAN SPECIAL GT-CUP                                9 Aug. '98
   Race Report                      決勝日レポート              FMOTOR4版
 
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'98AUTOBACS CUP GTC第4戦富士 JAPAN SPECIAL GT-CUP(8/8,9)

またも終盤の大波乱!
危機を乗り切ったMobil1 NSXが念願の初優勝
ユニシアジェックス&カルソニックが久々の表彰台獲得

 波乱は決勝レース前から起こった。レース前に行われたフリー走行で予選8位の
No.38 FK/マッシモセルモスープラがエンジンブローを起こし、決勝レースへ出走
することができなくなってしまった。この時の処理でレース開始が10分ほど遅れた。
そして、ローリング時にうっすらと出ていた霧のせいもあり、ローリング・ラップ
は2周となり周回数は55周となった。
 比較的スローなペースでスタートしたレースは、ポールのNo.100 RAYBRIG NSX
(飯田章)が飛びだし、ハイペースで逃げる。それに予選通りにNo.16 Castrol無
限NSX(道上龍)、No.64 Mobil1 NSX(コロネル)、No.39デンソーサードスープラ
GT(谷川達也)と続く。No.100は4周目には1分28秒219(これがこのレースのフ
ァステストラップ)、その後も29秒台で連発という予選並のハイペースで後続を引
き離していく。後続の2台のNSXも29秒台に入れるが、ジワジワと差が開いて行き、
15周目には5秒近い差が付いた。そして、トップNo.100が17周目を終えた頃、1コ
ーナーでエンジンをブローさせたクルマがオイルを撒いてしまう。そこにNo.100飛
び込んで行ってしまった。コントロールを失った飯田はそのままグラベルの中には
まってしまい、そこでレースを終えてしまった。後続のNo.64コロネルも同じよう
にオイルに乗ったが、コロネルはコースアウトするものの、スピンを免れなんとか
コースに戻る。さらにこのオイルでスピンするクルマが出たために、オイル除去作
業を行うために、5周に渡ってセーフティーカー・ランとなる。
 ここで、作戦を変更し早めのピットインを行うチームが続出。そこでNISMOの
No.2 ZEXELスカイライン、No.23ペンスオイル・ニスモGT-Rはあえて、ピットイン
をせずに先に延ばした。レース再開時には、No.2とNo,23が1,2位となるが、2
台がルーティンのピットインを行った31周終了でトップはNo.39デンソーサードス
ープラGT(土屋圭市)、それを2秒差でNo.16 Castrol無限NSX(中子修)が追いか
ける。30秒台前半のペースで追うNo.16は、31秒台ペースのNo.39に迫り、37周目の
ストレートでついに逆転となる。また、コースアウトで遅れたNo.64Mobil1 NSX
(山西康司)も3番手のNo.3ユニシアジェックススカイライン(長谷見昌弘)、4
番手No.12カルソニックスカイライン(黒澤琢弥)を立て続けに抜き、40周目には
3番手にまで盛り返した。しかし、No.3、No.12を振り切るまではいかず、この3
台は終盤まで僅差で競り合うことになる。
 トップを行くNo.16はコンスタントに30秒台をキープし、2番手No.39を徐々に引
き離していく。さらに47周時点でNo.39に黄旗追い越し禁止区間でのペナルティ30
秒が科されることになり、これでNo.16の勝利が確定したかに見えた。だが、ラス
ト4周でNo.16にも黄旗違反のペナルティとなり、これで上位2台が一気に優勝争
いから消えてしまった。これでラスト1周、No.64 Mobil1 NSXがトップに立つ。追
う2番手No.3ユニシアジェックススカイラインも必死に追いすがるが、No.64山西
はなんとか振り切ってゴール。NSXに待望の初勝利をもたらした。残った表彰台に
は、No.3ユニシアジェックスとNo.12カルソニックのスカイライン2台が入った。


GT300はつちやMR2がポール・トゥ・フィニッシュで3連勝!

 GT300クラスはクラスポールのNo.25つちやMR2(舘信吾)が、好スタートを切り
逃げをうつ。これをNo.61テイボン・トランピオ・FTO(中谷明彦)とNo.44アペッ
クスDLモモコルセMR2(新田守男)、No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7が追う展開と
なる。この上位陣で最初に脱落するのが、2番手のNo.61だった。23周目にドライ
ブシャフトが壊れリタイア。次にNo.44もセーフティカー・ラン時のピットインを
したのはいいが、ピットアウトのタイミングが悪く隊列の一番最後に付くことにな
ってしまった。これにより一気にNo.25(鈴木恵一)は楽になる。だがピンチはあ
った。ラスト15周時点でリアバンパーが壊れて急遽ピットイン。幸いほとんどダメ
ージはなく、バンパーを外してすぐさま飛び出していった。結果、トップのままレ
ースに復帰しそのまま逃げ切り、3連勝を飾った。2位はNo.44アペックスDLモモ
コルセMR2、3位は終盤の接戦を制したNo.21ダンロップBP-BMWがとなった。



総合優勝
No.64 Mobil1 NSX
トム・コロネル「1コーナーでコースアウトしたときですが、先に100号車が飛び
出すところを見て思わず笑いそうになったんですが、自分がそこに差し掛かった時、
同じようにオイルに乗ってしまったのです。耐久レースですから、コースに戻れれ
ばなんとか挽回できると考えて、とにかくスピンをしないようにしました。で、ブ
レーキを踏みまっすぐ行こうと思いました。それが上手くいってコースに戻ること
が出来ました。今後ですが、ボクはチャンピオンを取るために呼ばれたわけですか
ら、ホンダのためにもチームのために確実にポイントを獲ってチャンピオンを目指
したいです」
山西康司「やっとNSXに勝ちをもたらすことができて、最高の気分ですね。終盤は
ブレーキがキツくなってきたし、クールスーツもなかったし、後ろから黒澤さんた
ちもハードに来たんで苦しかったです。でも、ストレートでは速かったし、負ける
気はしませんでした。特にボクは病気でみんなに迷惑を掛けてしまったので、正直
ホッとしました」


GT300クラス優勝
No.25つちやMR2
舘信吾「(完勝ですね、という問いに)いや、今日はFTOが壊れたし、44号車もピ
ットインの時に出口が閉まってすぐに出れなかったしと、運が良かった。そう、そ
れとチーム力です。こうなったらどうしようとみんなで、いろいろ考えて練習した
で、それがうまくいきました。3連勝は最高の気分ですが、チャンピオンシップを
獲るのが目標ですし、残りのレース全部リタイアしたら意味がないんで、チャンピ
オンを取るために頑張ります」
鈴木恵一「(終盤リアディフューザーが壊れてピットインしたときは?)いや、ボ
クは気づいてなかったんです。急にピットインのサインが出て、またピットでス
ピード違反でもしたかなって(笑)。でも、戻ってからまだ『P1』のサインを見
てホッとしました。もう一度勝って、チャンピオンを取りたいですね。でも次はア
ップダウンもあるコースだし、ハンデも増えるし、確実にポイントを獲りたいです」


以上
                       GTアソシエイション事務局
                       GTインサイドレポート班
                       古屋 知幸 = QYB04322 =


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