全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.2/1

                    AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CAR CHAMPIONSHIP
                       1998  GT INSIDE REPORT
   Round 2 ALL JAPAN FUJI GT RACE                              28 April '98
   Preview Report                 プレビューレポート            FMOTOR4版
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'98AUTOBACS CUP GTC第2戦 FUJI GT RACE(5/2,3)

混戦必死!予測不能のレース展開
ニスモGT-Rの先勝にNSX軍団の巻き返し大か。新型揃うスープラも見逃せない!

 97年開幕戦のSUZUKA GT300kmは、No.100 RAYBRIG NSXとNo.64 Mobil1 NSXの2台
のNSXが予選、レースをリードしながら、結果として自滅によってNo.23 ペンズオイ
ル・ニスモGT-Rがデビューウィンを飾ることとなった。スープラはニューマシンが
熟成不足、97年型車は戦闘力不足と不本意な開幕だった。
 そして、迎える第2戦富士。レースに先立ち、3月25、26日に行われた富士公開
テストでは、NSX勢が一つ抜け出たパフォーマンスを見せた。このテストから、4台
すべてのNSXが98年型となり、開幕戦を97年型ながらポールポジションからレース序
盤のトップを譲らなかったNo.100 RAYBRIG NSXの飯田章は「すごく乗りやすい。26
秒台は楽に走れました」とこのテストディ最速の1分26秒919という昨年のコースレ
コードを大きく上回るタイムを軽く出したと語っている。NSXはNAエンジンゆえに高
速コースの富士では不利がささやかれるが、このテストを見る限り本命であること
は間違えない。NSXの落とし穴は、パワーよりも昨年から勝てそうで勝てない原因の
マシン・トラブルの多さだ。エンジンに負担の掛かる富士では、それこそが最大の
的だろう。
 一方、幸先よく新型で開幕戦を制し、スカイラインGT-Rのパフォーマンスは昨年
型を大きく凌駕していることは疑いない。だが、ライバルの自滅というラッキーが
在ったことも事実。先の富士テストでは、主力ドライバーが欠場という要因からか
NSXだけでなく、スープラ2台にも先行を許した。空力的に洗練された新型だが、直
線スピードがものを言う富士では、空力性能の優れる、NSX、スープラにややハンデ
が在るのだろうか。しかし、本番への対策は行われていると聞くだけに、その判断
は当日にならないと分からない。さらに開幕戦では98年型ながら、時に新型勢を越
えるパフォーマンスを見せていたNo.50 ARTAスカイラインもこのレースから新型と
なり、一躍優勝候補に名乗りを上げそうだ。なお、このレースからGT500のウェイト
ハンデが1位:50kg、2位:30kg、3位:10kgと変更された(GT300は従来通り)た
め、No.23 ペンズオイル・ニスモGT-Rがその最初の苦難を背負うことになった。そ
してスープラだが。富士テストではNo.100、No.18のNSXに次ぐ3番手のタイム、1
分27秒298を記録したのはNo.39デンソースープラの土屋圭市。4番手にもNo.38 
FK/マッシモセルモスープラ(竹内浩典)が入っている。ともに98年型改であり、
富士とスープラの相性の良さをうかがわせるところ。竹内、圭市ともにまだ若干の
タイムアップは可能と見ており、予選はともかく決勝では、他車種に劣らない手応
えを得たようだった。もちろん、間に合えば新型が投入される可能性もあり、そう
なれば、富士でのレース展開はなお一層混戦の度を深めそうだ。


驚き&注目のピンチヒッターズ
 なお、今回の第2戦は、ル・マン24時間レースの予備予選が同日に開催されるた
めに、NISMOを中心に何人かのドライバーが変更されている。特に注目なのが、No.2
 ZEXELスカイラインの鈴木亜久里に代わってスカイラインGT-Rに乗るペドロ・デ・
ラ・ロサとNo.12 カルソニックスカイラインの星野一義に代わるミハエル・クルム
だ。言うまでもなく、この2人は昨年のGT500のチャンピオン。しかも、その時はト
ムス・スープラを駆っており、現在の富士のコースレコードは昨年第4戦でクルム
が記録したものだ。ペドロはすでに3月25、26日の富士公開テストでスカイライン
を体験しており、彼らが、スカイラインでどれほどのパフォーマンスを見せるかは
注目である。また、No.23 ペンズオイル・ニスモGT-Rのエリック・コマスに代わっ
て、今年のフォーミュラニッポン第1戦でポールを獲得したラルフ・ファーマンが
参戦。No.50 ARTAスカイラインの本山哲に代わっては全日本F3第2戦で初優勝した
加藤寛規が、土屋武士とフレッシュなコンビを組む。


本命は2台のMR2だが…
要注目はFTOとフェラーリ、ポルシェだ!
 GT300クラスはなんと24台という大量エントリー(4/23現在)となった。この中で、
本命と目されるのは、開幕戦を制したNo.25つちやMR2と開幕クラスポールのNo.44 
アペックスDLモモコルセMR2というMR2の2台だろう。特にベテランの鈴木恵一と新
鋭の舘信吾というコンビも良好に機能しているつちやMR2は最有力だ。舘は先のF3
第2戦で2位入賞と乗れており、この勢いを富士に持って来れればというところ。
問題があるとすれば、開幕戦優勝によるウェイトハンデ30kgの克服だろう。No.44 
アペックスDLモモコルセMR2は、開幕鈴鹿、富士テストと新田守男が好調で、今や
GT300最速の男となっているだけに予選の上位は間違えない。問題はセカンドドライ
バーとチーム戦略だが、ここにそれなりのピースがはまれば間違いなくトップを争
うだろう。
 これ以外に注目になりそうなのが、今季初参戦のNo.61 テイボン・トランピオFTO
と、No.27 TFCJフェラーリF355GTだ。ともにGT300クラスとしては、エンジンパワー
があり、高速の富士では期待が出来そうだ。また、GT500クラスでも走れる力量のあ
るポルシェGT2をディチューンしているNo.71シグマテック911や、カレラベースのポ
ルシェ勢、さらにはNo.81ダイシンシルビアもレースが荒れてくれば、トップ争いに
絡んできそうな予感がある。


                      Report by GTインサイドレポート班


☆'98AUTOBACS CUP GTC第2戦 FUJI GT RACE(5/2,3)
予想エントリーリスト(4月24日現在)

[GT500] 21台
No. マシン              ドライバー                      エントラント   タイヤ
----------------------------------------------------------------------------
 2  ZEXELスカイライン          影山正彦     ペドロ・デ・ラ・ロサ(E)  NISMO            BS
 3  ユニシアジェックススカイライン     長谷見昌弘   田中哲也          ハセミ・モータースポーツ    BS
 5  5ZIGEN SUPRA         マーク・グーセン(B) 桧井保孝          TEAM 5ZIGEN      DL
 6  ESSO Tiger Supra     アンダース・オロフソン(S)   高木真一     INGING           BS
 8  FET SPORTS SUPRA     ワイン・ガードナー(AUS)  田中 実     TEAM POWER CRAFT BS
12  カルソニックスカイライン         黒澤琢弥     ミハエル・クルム(D)       TEAM IMPUL       BS
13  エンドレスアドバンGTR      木下みつひろ 藤村満男          ENDLESS SPORTS   YH
16  Castrol無限NSX       中子 修     道上 龍          Castrol無限      BS
18  TAKATA童夢無限NSX    金石勝智     山本勝巳          童夢レーシングチーム    BS
23  ペンズオイル・ニスモGTR      影山正美     ラルフ・ファーマン(GB)     NISMO            BS
30  綜警 PORSCHE         山田洋二     岡田秀樹          TEAM TAKE ONE    BS
36  カストロール・トムス・スープラ   関谷正徳 ノルベルト・フォンタナ(RA) TOYOTA Castrol TEAM TOM'S DL
37  カストロール・トムス・スープラ   鈴木利男   ケルビン・バート(GB) TOYOTA Castrol TEAM TOM'S DL
38  FK/マッシモセルモスープラ      竹内浩典   野田英樹         TOYOTA TEAM CERUMO  BS
39  デンソーサードスープラGT     土屋圭市   谷川達也           TOYOTA TEAM SARD  YH
50  ARTAスカイライン           土屋武士   加藤寛規   AUTOBACS RACING TEAM AGURI  BS
55  STPタイサンバイパー        田嶋栄一   松田秀士      TEAM TAISAN with ADVAN   YH
64  Mobil1 NSX           山西康司   トム・コロネル(NL)   Mobil1 NAKAJIMA RACING   BS
88  ウェディングディアブロGT1   和田 久   古谷直広            JLOC CORSA       DL
100 RAYBRIG NSX          高橋国光   飯田 章     チーム国光 with MOONCRAFT  BS
777 バルボリンディアブロDL     和田孝夫   杉山正巳            JLOC CORSA       DL

[GT300] 24台
No. マシン              ドライバー                      エントラント   タイヤ
----------------------------------------------------------------------------
 7  RE雨宮マツモトキヨシRX7     山路慎一   松本晴彦             RE雨宮レーシング    DL
 9  MTG大黒屋ぽるしぇ    日置恒文   佐々木秀六           TEAM大黒屋      DL
10  アビリティポルシェ993GT2    麻生英彦   石川 朗              アビリティ          DL
11  ムラウチカメイスカイライン        石森浩元   三浦雄一             エムファクトリーレーシングクラブ BS
15  ザナヴィシルビア          近藤真彦   青木孝行             NISMO           YH
21  ダンロップ-BP-BMW       一ツ山康   木下隆之           HITOTSUYAMA RACING DL
24  ヒラノモータースポーツR32M     平野敏行   染葉輝彦             ヒラノモータースポーツ    YH
25  つちやMR2            鈴木恵一   舘 信吾   TEAM TAISAN Jr. WITHつちや  YH
27  TFCJ フェラーリF355GT  太田哲也 スティーブン・アンドスカー TEAM FERRARI CULB of JAPAN  YH
28  TFCJ フェラーリF355GT     山崎正弘   須賀宏明   TEAM FERRARI CULB of JAPAN  YH
44  アペックスDLモモコルセMR2     新田守男   水野昇太            アペックス           DL
51  コブラポルシェ            石原将光   池谷勝則            コブラレーシングチーム    YH
60  TOYOTA CAVALIER      佐藤久実   長島正興            KRAFT   DL
61  ライボン・トランピオ・FTO     中谷明彦   原 貴彦             チーム・ライボン・ラリーアート TY
70  外車の外国屋ダンロップポルシェ  石橋義三   パトリック・バン・スクート   TEAM GAIKOKUYA  DL
71  シグマテック911           星野 薫    城内政樹            シグマテックレーシングチーム  DL
77  クスコスバルインプレッサ       小林且雄   玉井秀幸               クスコレーシング     YH
79  ナックウエストシルビア         杉山正典   青柳裕易               NAC WEST      DL
81  ダイシンシルビア           福山英朗   大八木信行             チームダイシン      DL
89  PORCHE GT-2          川越賢二   金森敏一               川越賢二      DL
91  コーセー&バーディークラブMR2  松永雅博   藤原靖久            ファーストレーシングチーム   YH
117 ホイールショップALTA・RX-7   深沢寿裕   古在哲雄              アルタレーシングチーム   DL
910 ナインテンポルシェ           砂子智彦   余郷 敦             910 RACING       DL
911 ナインテンPCJポルシェ        高橋規一   斎藤和重            910 RACING       DL

●GTインサイドレポート班調べによるもので、公式の発表ではありません。
 エントリーは変更される可能性があります。


☆第2戦富士チケット購入のご案内
 各種前売り券、好評発売中!!
 下記のプレイガイドまたは富士スピードウェイへ

【チケット料金】
■前売り券 ●大人:5,250円
■前売パドックパス:15,000円
■前売ペアチケット:9,450円
■前売パドックラウンジチケット:35,000円
■前売グランドスタンドサロンチケット:10,000円
■当日券 ●決勝日 大人:6,000円/予選日 大人:3,000円
※中学生以下は無料。
■駐車料(両日共) ●4輪:1,000円●2輪:500円

【チケット発売所】
チケットぴあ(03-5237-9999)/チケットセゾン(03-5990-9999)/
CNプレイガイド(03-5802-9999)/ローソン(関東地区)/
レーシングチケットセンター/赤木屋プレイガイド/丸井チケットぴあ/
神奈川交通営業所/富士スピードウエイ/Mr.クラフト(東京・恵比寿)/
NISMO(東京・大森)/IMPAL(東京・三鷹)/TOM'S(御殿場)他
*一部で取り扱っていないチケットもあります。

【お問い合わせ】
チケットインフォメーションダイアル
TEL:03-3409-2365/FAX:03-3409-2307(平日10:00-17:00)まで。



☆タイムスケジュール
 5月1日 練習走行
   GTフリー走行1回目  9:00~10:00
   GTフリー走行2回目 10:40~12:10
   GTフリー走行3回目 15:30~17:00
 5月2日 公式予選
   GT予選1回目    10:50~11:50
   ザウルスJr.予選   12:10~12:30
   F TOYOTA予選    12:50~13:10
   GT予選2回目    14:50~15:50
 5月3日 決勝レース
   GTフリー走行     9:00~ 9:30
   ザウルスJr.決勝    9:40~10:20(10周)
   F TOYOTA決勝    11:40~12:30(15周)
   ピットウォーク   10:30~11:20
   GTウォームアップ  12:50~12:58
   GT決勝スタート   13:40~  67周(終了予定15:40)


☆テレビ放送
 5月9日(土)16:00~17:15
 テレビ東京系全国6局ネット
 テレビ東京/テレビ大阪/テレビ愛知/テレビ北海道/テレビせとうち/
 ティー・エックス・エヌ九州


以上
                       GTアソシエイション事務局
                        GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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