全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.1/4(InsideRepo.1)


                    AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CAR CHAMPIONSHIP
                       1998  GT INSIDE REPORT
   Round 1 SUZUKA GT300km                                    26 March '98
   GT Inside Report           インサイドレポート1              FMOTOR4版
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1998 AUTOBACS CUP全日本GT選手権 開幕戦
SUZUKA GT300km

                               注:カーNo.前の#はGT500、*はGT300を表します

☆注目のニューカマー(ニューマシン)に訊く
#12 カルソニックスカイライン
黒澤琢弥「テストのときにドライで5周ほど乗っただけですし、今日もセッティン
グを星野さん中心で進めているので、まだクルマをつかみきれていません。ただ、
去年乗っていたNSXはNA、GT-Rはターボなので、フィーリングは違います。とくに雨
の日はNAのほうが走りやすいですね。ターボの場合、突然パワーがかかってホイー
ルスピンしやすいんです。タイヤウォーマーがないので、タイヤが冷えてるときは
よけいに気をつけないと…。予選のアタックは星野さんがすると思います。ボクと
しては、できたばっかりの新車なので、なるべく上位でフィニッシュできるように
頑張りたいと思います。GT-Rでは初めてのレースなので、あんまり足を引っ張らな
いようにしたいですね」

#37 カストロール・トムス・スープラ
鈴木利男「ボクたちのマシンは98年型だけど、乗ってみた感じは去年とあまり変わ
らないね。空力関係が変わってダウンフォースは増えてるしエンジン特性なんかも
変わってると思うんだけど、去年もパワー的にはそこそこ満足してたから。そりゃ
パワーはあるに越したことはないけど、GTの場合はあるていど限られてるし。た
だ練習走行の今日(金曜日)は、ちょっとクルマに変な動きが出てる。オーバース
テアが強いんだよ。だから、それを解消するために、バネ、スタビ、車高などセッ
ティングをいろいろ試してるんだ。3回目がドライになったら、今回どういうタイ
ヤを使うかチェックして、それに合わせてまたセッティングするよ。とにかくまだ
1週間前にできたばっかりのクルマだからね」
伊藤宗治エンジニア「98年型のスープラが97年型と変わった部分は、フロントカウ
ルの形状とロールバーの形状変更による剛性アップ。それからエンジンはインター
クーラーを大型化してパワーアップしています。ただしリストリクター径が絞られ
たので、ちょっとですけどね」

#38  FK/マッシモセルモスープラ
野田英樹「ハコのレースはまったくの初体験なので、まだクルマがつかめていませ
んね。前回のテストで1時間乗っただけですし、ターボもまだフルブーストではやっ
ていないので、もう少し時間が必要です。パワーとか加速はフォーミュラニッポン
ほどではないので全然問題ないんですが、クルマの動きや重量が違うでしょ。そこ
に慣れていないんです。予選のタイムアタックは、もちろん竹内さんが担当です。
ボクは決勝で与えられた仕事を確実にこなし、コンスタントに走りきりたいですね」

#6 ESSO Tiger SUPRA
ピェール・ラファネル「日本でレースをしたかったから来られてよかった。簡単で
はなかったが、新しいチームにシートを見つけることができた。私の経験をチーム
に生かせるだろうし、レース毎に進歩して、将来に向かって一緒によいチームにし
て行けると思う。私は日本のレースの雰囲気が好きなんだ。日本のチームはドライ
バーを大事にしてドライバーに気を配る。私はチームのために走り、チームは私の
ために走る。私はそれが好きなんだ。チームは新しい、小さなチームだが進歩しよ
うとしている」
高木真一「(金曜日は)ハーフウエットでしたが、ようやくグリップ感がつかめて
きたところです。スープラはハコでフロントが長いので、ハンドルをどこで切れば
いいのか、ようやくタイミングがとれるようになってきました。グリップの限界を
探りながら、壊しちゃいけないので、徐々にペースアップして行きたいです」
高木真一:プロフィール
1974年5月6日生まれ
'94年FJ1600鈴鹿、MINEダブルタイトル
'95年 フォーミュラボクソール参戦
'97年 フォーミュラトヨタウエストシリーズチャンピオン
'98年はF3にも参戦

*15 ザナヴィシルビア
近藤真彦「GT500クラスのスカイラインよりいろいろ自分でいじれるから、こっちの
ほうがいいところにいけるチャンスが多いかもしれませんね」
青木孝行「クルマは先週の土曜日にでき上がりました。一昨日(水曜日)セントラ
ルでシェイクダウンしましたが、転がしただけです。こういうクルマは初めてでク
セがまだつかみきれていないので、慣れていければと思います。N1でのシビックは
経験があるんですが、FRは初めてですから。(表彰台に)手が届かないわけではな
いと思います」
青木孝行:プロフィール
1972年10月26日生まれ
'95年 FJ1600(鈴鹿)参戦
'96年 F4(鈴鹿)参戦
      十勝24時間レース参戦 クラス5位
'97年 F4(鈴鹿)参戦 シリーズ2位
      NISMO 検定会で選考される。
   N1耐久最終戦パルサーで参戦

#64 Mobil1 NSX
山西康司「ハコのレースは初めてです。新しいカテゴリーということで、不安もあ
りますが、楽しみですね。クルマは想像していたよりすごく乗りやすかったのでよ
かった。ほかのハコのクルマに乗ったことがないのでわからないんですけど、NSXは
かなりフォーミュラに近い感じがします。とはいっても動きはフォーミュラより鈍
いし、別モノなんですけどね。今回と前回のテストで合わせて3~4時間は乗れた
のでだいぶ慣れてきました。決勝ですか? 耐久レースも初めてなのでレースをし
てみないとわからないこともいろいろあると思います。ドライバー交代では、シー
トの付け外しがあるんですけど、それは今日の練習ではまあまあうまくいってます」

#16 Castrol NSX
中子修「年末に菅生で97年型のテストをしているんですが、それと比べたら98年型
はすごく剛性が上がっています。それが第一印象。クルマは、シェイクダウンのと
きからちょっとアンダーですけど、長いレースでオーバーだと誰も乗れないので、
心地よいアンダーという感じですね。今日(金曜日)は1回目にシケイン、2回目
に1コーナーで縁石に乗り上げてフロントのスポイラーを壊してしまいましたが、
それはボクのミスです。3時間の走行で5周プラス5周しかできなかったんで、話
にならないですよね。でも、3回目はドライで道上選手もそこそこ乗れたのでよかっ
たと思います。前回のテストでは2分6秒しか出ていなかったんですが、予選では
それ以上いきたいですね。でも、一発のタイムより、決勝の51周、なるべくクルマ
が変化しないことのほうがたいせつ。それで、ちゃんと走りきりたいですね」

*25  つちやMR2
舘信吾「ハコのレースは去年のN1のセリカが初めてで、ハコの乗りかたってこうい
うものかな? と思っていたんですけど、MR2は全然それとは違いました。どちらか
というともっとフォーミュラに近くて、ボクとしては乗りやすいですね。動きが
シャープだし、パワーもあるし。去年のオールスター戦ではスープラに乗りました
が、それがいい勉強になっていると思います。スープラの乗りかたと近い感じが
あって、MR2に乗ったときは全然違和感がなかったんです」


☆予選1回目のトピックス
#64 Mobil 1 NSX(予選1回目トップ)
トム・コロネル「昨日から今日にかけてはセッティングを変更している。今日はそ
れが決まってクルマには満足している。タイトコーナーでいくらかアンダーが出る
が、問題はない。ほとんど毎ラップ渋滞に引っかかったけど、2周だけ前にスペース
があったのでアタックできた。トップ3に入ろうとプッシュした。自分がトップに
立ったと聞いたあともさらにプッシュしてあのタイムが出た。決勝は、NSXのタイ
ヤ摩耗が激しいので難しいレースになると思う」

#36 カストロール・トムス・スープラ(予選1回目6番手)
関谷正徳「まだデータがそろっていなくて、何秒出るのか自分のなかで計算できて
いない。今のアタックは3周目と4周目。2台くらい引っかかっているけど、それの
ロスはコンマ1、2秒。2回目の予選で引っかからなければ、もうちょっといけるよ」

*44 アペックスDLモモコルセMR2(予選1回目GT300クラストップ)
新田守男「アタック一発目はタイヤが温まりきっていなくてやめた。次にいった3周
目のタイムがベスト。その後は引っかかってタイムアップできなかった。去年のタ
イムよりコンマ2秒遅いんで不満です。固いタイヤを決勝用にチョイスしている。前
回のテストのときはソフト系のタイヤで13秒台に入っていた。午後はもう1アタック
して、ハード系のタイヤで13秒台に入れたら、と思う」

*910 ナインテンポルシェ(予選1回目GT300クラス2番手)
砂子智彦「アペックスには及ばないだろうと思っていた。このクルマで自分なりに
100%の力が出せれば満足です。ただ、14秒台に入ってくれればいいかなあ…。クル
マのセットアップがもう少し必要。明日は、コンスタントラップは悪くないんで勝
算はある。上位で走って後半に勝負をかけたい」

*61テイボン・トランピオ・FTO(予選1回目GT300クラス3番手)
中谷明彦「今日は予選を通過させるのがとりあえずの目標だったので、それは達成
できた。ドライはあまり走ってないけど、クルマはすごくよくできている。エンジ
ンも完成されている。あとはタイヤをどうマッチングさせるか。決勝は完走してう
まく表彰台でもいければいいね」

#37 カストロール・トムス・スープラ
ケルヴィン・バート「クルマは98のニューモデル。トシオがセッティングしている
が、まだ細かいところをセットアップしていかなければならない。日本のレースは
F3で富士を2回走っているが、鈴鹿は初めて。トムスとは、マカオにトムスのクルマ
で出て以来コンタクトはとっていた。GTCへの参戦に関しては自分のほうからコンタ
クトをとった。ヨーロッパでやる道も考えたが、ギャンブルに出ることにした。今
は日本に住んでいる。ゴテンバだよ」

#36 カストロール・トムス・スープラ
ノルベルト・フォンタナ「クルマは97モデル。セキヤさんがセットアップしている。
GTは、ポルシェカップに2回出たことがあり、今回が3回目だ。行ったり来たりがた
いへんなので、今は日本に住んでいる。せっかく日本にいるんだから、もっと日本
のレースに出たい」


☆予選2回目のトピックス
#100 RAYBRIG NSX(ポールポジション)
飯田章「ポールが取れてすごくうれしいです。ホントはちょっときびしいと思って
ましたが、でも一番になりたかったから。98年型のNSXには性能的にはかなわないけ
れど、97年型には去年1年乗ってましたからその分のノウハウはあるんで、それを
活かしたいと思います。97年型はこのレースまで。このクルマでは勝てそうで勝て
なかったから、今回はポールから勝ちたいです。決勝は、とにかく逃げます。ロー
リングスタートはターボの方が有利ですから、スタートからガンガン、目いっぱい
いきますよ(笑)」
高橋国光「今日の結果は、章くんとチームの力で勝ちとったポールポジションだと
思います。実は、ボク、カゼ気味でして、足を引っ張るんじゃないかと思ってたく
らいですから。レースはクルマ(の台数)も増えているし、走ってみなければまっ
たくわからないです。とにかく今晩はよく眠って風邪を治します(笑)」

#64 Mobil 1 NSX(予選総合2番手)
トム・コロネル「午後はトラフィックに引っかかってタイムアップできなかった。
でも、明日は2番グリッドからスタートできるから、いいレースができると思う」
中嶋悟総監督「初めてのレースで2番手ですから、いいタイムだと思います。クル
マのほうは、なにせ初めてなのでどれが一番いい状態なのかわかりませんが、タイ
ムが出ているということは、まあよかったんでしょう」

#18 TAKATA童夢無限NSX(予選総合3番手)
金石勝智「ボクはこのクルマは初めてなので仕上がりがいいかどうかはよくわから
ないんですが、タイムが出ているんでいいんだと思います。アタックしたラップで
は2台、ちょっと引っかかってしまいました」

*44 アペックスDLモモコルセMR2(GT300クラス予選トップ)
新田守男「ねらいどおり13秒台のタイムが出たんでよかった。ポールがとれてとて
もうれしい。クルマが完成するのが遅れて、チームのみんな、メカニックが徹夜続
きでがんばってくれたので。それと、自分が去年ポルシェで出したレコードを抜き
たかったので、それができましたから…。ただ、FTOも速いんで、本番はかなり苦し
いレースになると思う。FTOがストレート速いんで怖い。開幕戦だからドライバー
もクルマも違うから先が読めません…。とにかく、いくっきゃないですね。満タン
は、アタック後に初めて走ったけれど、バランスがイマイチ。“えびぞり”のよう
に決勝でスタートしてからズルズル下がらなければいいけれど(笑)」
水野昇太「ハコはN1のシビックに乗ったくらいですから、とにかくクルマに慣れる
ことが今は一番です。ですから、そこは新田さんにお任せです。幸い、クルマも、
チームも、一緒に走る新田さんもいいドライバーですから。僕が足を引っ張らない
ようにしたいです。決勝ですか? うーん。今晩はMR2が一番速いクルマなんだって
思って寝ることにします(笑)」

*61テイボン・トランピオ・FTO(GT300クラス予選2番手)
中谷明彦「FTOがこんなに速いとは私も思いませんでした(笑)。雨続きで思うよ
うなテストもできなったですし。ただ、エンジンはGr.Aのランサーのものですから
一からやっているわけではないですし、メンテナンスはノバ・エンジニアリングと
いう強力なスタッフを持っていますから、その点では心配していません。ほんとう
に、とくにどうしなきゃってことはなかったですよ。ストレートはみんなが速いと
いいますし。となると、ボクはこれまでストレートで有利なクルマに乗ったことが
ないんで…ツーリングカーのBMWとか(笑)、ありがたいです」

*81 ダイシンシルビア(GT300クラス予選3番手)
福山英朗「チームのみんながいろいろやってきてくれてるんで、結果にひとつひと
つつながってきている。クルマは昨日より確実によくなっている。午前中はボクは
(アタックを)やってないんだけど、午後に混走のときにたまたまコースが空いて
いた。決勝は確実に表彰台を取っていきたいね。ドライバーもメカもミスなくチェ
ッカー迎えるだけだね。地元だけど、心情的にもいろいろあって、まあ、ドライ
バー人生長生きできるように頑張ります(笑)」

*51 コブラポルシェ (GT300クラス予選5番手)
池谷勝則「今年は石原さんが3戦しかしないというんで、残り4戦を袖山さんに乗っ
てもらうことにしたんだ。クルマは去年からはほとんど変わっていないけど、リア
ガーニッシュとライト周りで8kgぐらい軽量化してます。スタートはたぶんボク。
作戦はこれといってないけど、自分のベストを出せばいい結果が出るでしょう」

*25 つちやMR2(GT300クラス予選7番手)
舘信吾「昨日、ドライで全然走れていなくて、セッティングも全然できていないの
で、今日はセットを出すための走行でした。ボクが2回ともニュータイヤを使った
んですが、アタックというよりは、慣れるための走行でしたね。でも、2回目は1
秒タイムを上げることができました。1回目はオーバーがひどかったんですが、2
回目はそれを消すために車高を下げたら、すごくよくなりました。今日はGTとF3と
かけもちでずっと走りっぱなしだったんですが、どちらもあまりよくなかったの
で、気分的にはちょっとダウンしてますね。でも、寝れば直るので、明日は復活し
てるでしょう」

#12 カルソニックスカイライン(予選総合8番手)
星野一義「昨日ドライで走れてなかったから、今日の午前中はセッティングが煮詰
まってなかった。でも、どんどんよくなってるよ。午後は、昨日目標だっていって
いた4秒台に入ったけど、3秒台までいきたかったね。スカイライン2番手じゃ満足
できない。やっぱりトップをとりたいよね。ベストタイムを出したあとのトラブル
はガソリンの吸い込み不良か電気系かのどちらか。調べてみればすぐにわかると思
う。今年は去年以上に気合いが入ってるから頑張るよ。今日もアタックのときはコ
マスよりコーナーで奥まで入ってるしね。攻めすぎてちょっとキツくなっちゃった
部分もあったんだけど。今年はGTはドライバー、フォーミュラニッポンは監督で、
うまく切り替えができるか心配だったけど、大丈夫。ガーッと血が湧いてきてるか
ら。これから、もっとクルマをよくしていって、トップに喰らいついていきたいと
思ってる。もう全開でいくからね」

#2 ZEXELスカイライン(予選総合16番手)
鈴木亜久里「今日がシェイクダウンみたいなもんだから、いろいろと不具合が出て
タイムが上がらなかった。#23(ペンズオイル・ニスモGT-R)とはまったく同じクル
マなんだけどね。オレ、朝2周したらぎっくり腰になっちゃって、午後はずっと影
山に任せていたんだ。タイヤはソフト系。決勝のスタートはまだどっちでいくかわ
からない。ぎっくり腰だからあんまりスタートはやりたくないんだけどね」


インサイドレポート2に続く
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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