全日本GT選手権

GTインサイドレポート 99Rd.1/1

■ 1999 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
■ GT INSIDE REPORT
■ Round 1 SUZUKA GT300km                                  FMOTOR4 EDITION
 PREVIEW REPORT         プレビュー           99/03/16
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今年もテストで驚異的なタイムを連発するNSX!
新型スカイラインGT-Rとスープラの真価は?!
1999GTC開幕戦鈴鹿はシリーズの鍵となる。

 1999年の全日本選手権のトップを切って、3月20,21日にAUTOBACS CUP全日本GT
選手権(GTC)開幕戦が、三重県・鈴鹿サーキットで開催される。
 昨シーズンは、"強さ"のスカイラインGT-Rと"速さ"のNSXの対決と言った感があっ
た。序盤、まだ信頼性に問題があったNSX各車に対し、堅実なレース展開でペンズ
オイル・ニスモGTRが開幕から連勝。ウエイトハンデを背負った後半戦は着実に入
賞を重ねていった。一方のNSXもシリーズ後半からは安定性も身につけ、NSXとして
は4連勝を飾った。だが、チームとしてはペンズオイル・ニスモGTRが逃げ切って、
チャンピオンとなったのだ。
 だが、今季はこのスカイライン、NSXの対決に割って入るべく、スープラが99年
型の新型車を投入する。この99スープラは、エンジン位置やサスペンション形状な
ど98型から大幅に見直されており、また新たなステップに入ったと言っていいだろ
う。外観的にも空力パーツが完全に設計し直されており、98とは明らかに違ったシ
ルエットを持っている。エンジンはこれまで通りの3S-Gターボだが、こちらもニュー
スペックとなっているようだ。新車完成の遅れからテストが少なく、チームよって
は開幕戦がシェイクダウン状態である点が気にはなるが、3月の鈴鹿合同テストで
土屋圭市が2分2秒345とNSXによる昨年のレコード(2'02.939)を更新するタイムを
記録しているだけに、鈴鹿でもダークホース的存在と言えるだろう。
 チャンピンマシンとして迎え撃つスカイラインGT-Rだが、こちらもR34型が市販
されると同時にGTCマシンも新型となり、敢えて攻めの姿勢でシーズンを迎える。
このR34スカイラインは、空力設計をCカーマシンを手がけたデザイナーが担当。
こちらも昨年型とはシルエットがだいぶ変わってきている。シャシーもR34ベース
になったことにより、シャシー剛性のアップからハンドリングも向上しているよう
だ。2月の鈴鹿単独テストではE.コマスが1秒90までタイムを詰めており、昨年
NSXにしてやられた速さの面での向上が感じられる。
 一方、速さではチャンピオン級だったNSXは、今季の車両規定改正によりリスト
リクターが小さくなり、エンジン・パワー面でのダウンは否めない。しかし、そこ
はF1製作の経験もある童夢だ。このオフに空力設計を全面的に見直し、新設計のボ
ディラインとなった。一見すると昨年型と変わっていないようだが、かなり細かな
ところが変更されている。また、無限もエンジンの出力低下を極めて低くなるよう
努力しているという。結果、鈴鹿合同テストでは、なんと脇阪寿一が2分0秒737
を叩き出し、周囲の度肝を抜いたのだった。合同テストの最終日は新型スカイライ
ンがトラブルから出走をしなかったこともあり、2日間のトータルタイムでは、NSX
4台が上位を独占するという、昨年同様のパフォーマンスを披露していた。その一
方で、さらなる速さの追求から昨年同様の信頼性の低下を懸念する声もある。だが、
無限×童夢ではオフに合計5000kmにもなる走行テストをしたことからこの点でも不
安はないと考えているようだ。
 今季は、この国産3車種にマクラーレンF1GTRが挑むことになった。昨年はポル
シェGT2で参戦したTEAM TAKE ONEがそうだ。マクラーレンは、96年GTCで年間4勝
を挙げチャンピオンカーとなっており、その活躍を期待されている。だが、チャン
ピオン獲得時とはライバル達の力量もアップしており、またGTCの規定から重めの
ウエイトを積まなくてはならず、やや辛いところだ。他に外国車勢としては、昨年
同様にSTPタイサンバイパーとJLOCディアブロGT1が参戦する。
 ドライバー面から見ると、今オフも大きな動きがあった。まず、元F1ドライバー
片山右京がカストロール・トムス・スープラに乗る。片山としてはF1引退以来久々
のシリーズ戦参戦で、当人としてもかなり意気込みを持っているようだ。そして、
94,95年のGTCチャンピオン影山正彦のデンソーサードGTへの移籍があった。正彦と
言えばスカイラインというイメージがあっただけに、この移籍は衝撃級だった。ま
た、昨年のチャンピオン影山正美はカルソニックスカイラインへと移籍。これによっ
て、なんと97年と兄弟がまるで入れ替わったチームに所属することになる。この2
人の兄弟チャンピオンの対決は気になるところだろう。また、これまで日産系チー
ムに在籍してきた近藤真彦も、cdmaOneセルモスープラへと車種を変えることにな
る。また、黒沢琢弥もカストロール・トムス・スープラとなり、近年のメーカー色
を超越した移籍がどのような波紋を呼ぶか興味深い。もう1チーム注目したいの
は、ユニシアジェックススカイライン、長谷見昌弘だ。チームの事情から新型車で
なく旧型のR33スカイラインでの参戦となるのだが、常にマシンに独自の工夫を凝
らしている長谷見のこと。新型勢を脅かす意気込みに注目したい。


GT300本命はモモコルセ・アペックスMR2か?
新型シルビアや2年目のインプレッサ&FTO&セリカも侮れない?!

 GT300クラスだが、昨年6戦5勝と圧倒的強さを見せたつちやMR2は、今季新たな
チームを組んだ。このチームはアペックス・モモコルセとのジョイントでドライ
バーは新田守男がエースとなる。昨年の最速車とGT300を代表するドライバーのジョ
イントにより、今季もこのNo.25 モモコルセ・アペックスMR2が優勝争いの本命と
目されているのだ。
 これに対抗し得るのは果たして誰か。昨年唯一つちやMR2に土を付けたNo.77 ク
スコスバルインプレッサも要注意だ。今季は昨年の小林且雄に加え、GT500のトッ
プチームの経験を持つ谷川達也がドライバーとなる。昨年はサーキットレースが事
実上初年度のチームにおいてこの谷川の参加はプラスになりそうだ。また、昨年シ
リーズ後半から登場し、連続表彰台でランキング2位となったNo。19 ウエッズス
ポーツセリカ、パワーはトップクラスだったNo.61 テイボン・トランピオ・FTOも
今季は優勝しそうなポジションにいるだろう。さらに今季はシルビアが新型となっ
た。S15型の登場に併せてNo.15 ザナヴィARTAシルビアとNo.81 ダイシンシルビア
がS15ベースの新車となる。ザナヴィには土屋武士と井出有治というARTA期待の若
手がコンビを組むだけに上位進出が期待されるところだ。
 ドライバーとして注目したいのが、No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7の山野哲也
だ。山野は全日本ジムカーナチャンピオンであり、昨年はS耐などで活躍してい
たが、今季は満を持してGTCに挑戦となった。ジムカーナ仕込みのテクニックが
GT300に波乱を呼んでくれるか、気になるところだ。この他、No.71 シグマテック
911に乗る黒沢治樹、No.72 オークラRX7の平野巧など20代前半のドライバーの活
躍も楽しみである。
 そして、ぜひ応援をして欲しいドライバーが一人。昨年第2戦富士で起きたク
ラッシュで重傷を負った砂子智彦がNo.910ナインテンポルシェで、いよいよレース
へ本格復帰となる。速さでは国産GT300に負けるが、信頼性と扱いやすさで上回る
ポルシェだけに、荒れたレースになれば砂子のポルシェも注目の1台だ。


Report by GTインサイドレポート班



☆99 AUTOBACS CUP 全日本GT選手権 予想エントリーリスト
第1戦 SUZUKA GT300km   鈴鹿サーキット(3/20,21)

[GT500] 18台
No. マシン              ドライバー                     チーム           タイヤ
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 1  ペンズオイル・ニスモGTR      エリック・コマス(F)  本山 哲         NISMO             BS
 2  ARTAゼクセルスカイライン      鈴木亜久里   ミハエル・クルム(D)      NISMO             BS
 3  ユニシアジェックススカイライン     長谷見昌弘   田中哲也         ハセミ・モータースポーツ     BS
11  エンドレスアドバンGTR      和田孝夫     木下みつひろ     ENDLESS SPORTS    YH
12  カルソニックスカイライン         星野一義     影山正美         TEAM IMPUL        BS
16  Castrol無限NSX       中子 修     道上 龍         無限×童夢Project BS
18  TAKATA童夢NSX        脇阪寿一     金石勝智         無限×童夢Project BS
30  綜警McLaren GTR      山田洋二     岡田秀樹         TEAM TAKE ONE     BS
32  cdma Oneセルモスープラ     近藤真彦     木下隆之   cdma One TOYOTA 
                                                  TEAM CERUMO with Key's BS
35  マツモトキヨシ・トムススープラ     山路慎一   ピエール・ラファネル(F)     マツモトキヨシTEAM TOM'S MI
36  カストロール・トムス・スープラ     関谷正徳   黒澤琢弥   TOYOTA Castrol TEAM TOM'S MI
37  カストロール・トムス・スープラ     鈴木利男   片山右京   TOYOTA Castrol TEAM TOM'S MI
38  FK/マッシモセルモスープラ      竹内浩典   立川祐路         TOYOTA TEAM CERUMO  BS
39  デンソーサードスープラGT     土屋圭市   影山正彦           TOYOTA TEAM SARD  YH
55  STPタイサンバイパーGTSR    松田秀士   田嶋栄一           TEAM TAISAN       YH
64  Mobil1 NSX           山西康司   トム・コロネル(NL)   Mobil1 NAKAJIMA RACING BS
88  JLOCディアブロGT1       和田 久   古谷直広           JLOC              TY
100 RAYBRIG NSX          高橋国光   飯田 章     チーム国光 with MOONCRAFT  BS

[GT300] 17台
No. マシン              ドライバー                     チーム           タイヤ
----------------------------------------------------------------------------
 7  RE雨宮マツモトキヨシRX7     松本晴彦   山野哲也           RE雨宮レーシング      YH
 9  大黒屋プロキダイポルシェ   羽根幸浩   徳田照幸           TEAM大黒屋        DL
10  アビリティ・マリオポルシェ      麻生英彦   檜井保孝           アビリティモータースポーツ   DL
14  ホイールショップアルタシルビア    古在哲雄   小宮延雄           アルタレーシングチーム      YH
15  ザナヴィARTAシルビア      土屋武士   井出有治           NISMO             YH
19  ウェッズスポーツセルカ        織戸 学   原 貴彦      RACING PROJECT BANDOH  YH
21  BP-トランピオ-BMW        一ツ山 康   伊藤大輔          HITOTSUYAMA RACING TY
25  モモコルセ・アペックスMR2      新田守男   菊池 靖           アペックス            YH
26  TAISANポルシェRSR       青砥浩司   山岸 大           TEAM TAISAN Jr.   YH
61  ライボン・トランピオ・FTO     中谷明彦   ラルフ・ファーマン(GB)      チーム・ライボン・ラリーアート  TY
70  外車の外国屋ポルシェ    石橋義三   パトリック・バン・スクート(B) TEAM GAIKOKUYA    YH
71  シグマテック911           城内政樹   黒澤治樹           シグマテックレーシングチーム  YH
72  オークラRX7          石川 朗   平野 巧           オークラロータリーレーシング   YH
77  クスコスバルインプレッサ       小林且雄   谷川達也           クスコレーシング         YH
81  ダイシンシルビア           福山英朗   大八木信行         TEAM DAISHIN      YH
99  大黒屋ぽるしぇ       吉富 章   日置恒文           TEAM大黒屋        DL
910 ナインテンポルシェ           余郷 敦    砂子智彦           910 RACING        DL

○略号
 タイヤ BS:ブリヂストン、DL:ダンロップ、MI:ミシュラン、TY:トーヨー、
     YH:ヨコハマ
 国籍 B:ベルギー、D:ドイツ、F:フランス、GB:イギリス、NL:オランダ


☆タイムスケジュール
 3月19日 練習走行  (FT=フォーミュラトヨタ)
   F3フリー走行1回目  8:30~ 9:10
   GTフリー走行1回目  9:30~11:00
   FTフリー走行1回目 11:20~12:20
   GTフリー走行2回目 13:30~15:00
   F3フリー走行2回目 15:20~16:00
   FTフリー走行2回目 16:20~17:00

 3月20日 公式予選
   F3公式練習     10:00~10:30
   GT予選1回目    10:50~11:50
   FT予選       12:10~12:40
   ピットウォーク   12:55~13:45
   F3予選       14:00~14:30
   GT予選2回目    14:50~15:50

 3月21日 決勝レース(ゲートオープン 8:00)
   GTフリー走行     8:30~ 9:00
   FT決勝スタート    9:25~  12周
   F3決勝スタート   10:40~  17周
   ピットウォーク   11:45~13:15
   GTスタート進行   13:20~14:15
   GT決勝スタート   14:15~  51周(終了予定16:10)


☆観戦チケットのご案内
【チケット】
■前売り観戦券(2日間有効・税込み)
 大人 5,000円/女性 3,200円/高校生 1,600円
■決勝当日券(決勝日有効・税込み)
 大人 6,000円/女性 4,000円/高校生 2,000円
●中学生以下の方は遊園地入園料(小・中学生800円/3才~未就学児童400円)で
 ご観戦いただけます。

■指定席券(決勝日有効・3才以上共通料金・観戦券別・税込み)
 S1席(グランドスタンド中央) 4,000円
 S2・A・E共通エリア席(グランドスタンド第1コーナー寄リ&最終コーナー寄・第2コーナースタンド)2,000
円

【チケット発売】
●チケットぴあ●チケットセゾン●CNプレイガイド●ローソンチケット
●ダイエーOMC店●ファミリーマート●サークルK●am/pm●MINI STOP
●ミリオンチケットセンター(ミリオンカード会員専用)
●鈴鹿サーキットチケットセンター★ホンダウエルカムプラザ青山★JAF
★JTB、近畿日本ツーリスト、東急観光、日本旅行、名鉄観光★全国主要プレイガイ
ド
★鈴鹿サーキット各営業所(名古屋・大阪・三重・東京)
※★印は観戦券のみのお取り扱いとなります。

【お問い合わせ】
鈴鹿サーキットチケットセンター
TEL:0593-78-1111 FAX:0593-70-4382


【TV放送】
4月3日(土)16:00~17:15
テレビ東京系全国6局ネット
テレビ東京/テレビ大阪/テレビ愛知/テレビ北海道/テレビせとうち/
ティー・エックス・エヌ九州

以上
                       GTアソシエイション事務局
                        GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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